【ECLグループステージ展望】菅原由勢が唯一の参戦! ビジャレアルやハマーズも参戦

2022.09.08 18:00 Thu
Getty Images
2022-23シーズンのヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)・グループステージが8日に開幕する。昨シーズンから創設されたチャンピオンズリーグ(CL)、ヨーロッパリーグ(EL)に次ぐUEFA3番目のコンペティションにはDF菅原由勢が在籍するAZビジャレアルウェストハムなど5大リーグの強豪クラブが参戦する。

ここでは、注目クラブや日本人選手の所属するチームを中心にグループステージを展望していきたい。

◆ビジャレアルやハマーズ、ヴィオラ参戦!
Getty Images

昨季と比較してやや地味な顔ぶれとなった今グループステージでは、昨季CLベスト4で一昨季のEL王者であるビジャレアル、ウェストハム、フィオレンティーナニースといった5大リーグの実力派クラブが優勝候補となる。
セビージャとビジャレアルで通算4度ELを制し、昨季CLでもユベントス、バイエルンを連破してベスト4に導いた名将エメリ率いるイエローサブマリンは、昨季の戦力をほぼ維持。就任3年目の指揮官の戦術の浸透も進み、ラ・リーガでは開幕3勝1分けの無敗と最高の滑り出しを見せている。ハポエル・ベエルシェバ、オーストリア・ウィーン、レフ・ポズナンと同居するグループCでは実力差も大きく、リーグ戦により重きを置いたとしても首位通過の可能性は高いはずだ。

その本命に次ぐ2番手はイングランドの名門ウェストハム。昨季ELでベスト4のウェストハムは、今夏にFWスカマッカ、MFパケタ、DFケーラー、FWコルネ、DFエメルソン・パルミエリと積極補強を敢行。ここまでのリーグ戦では1勝1分け4敗と思わぬ苦戦を強いられたが、スカッドの質は今ラウンド出場チームで筆頭と言える。グループBではDFヴェルトンゲン、MFアマドゥ・ディアワラ、FWファビオ・シウバらを補強したベルギーの名門アンデルレヒトとの一騎打ちが予想される。
イタリアの名門フィオレンティーナは、イタリアーノ監督の下で魅力的なスタイルを志向する好チーム。今季のセリエA序盤戦では勝ち星にこそ恵まれていないものの、ナポリとユベントス相手に堂々たる戦いぶりでドローに持ち込むなど、開幕から好調を維持。DFミレンコビッチ、MFマンドラゴラ、MFバラク、FWヨビッチと各ポジションに能力の高いタレントを揃える。グループAではプレーオフ進出の可能性は高いが、豊富な資金力を武器に多くのタレントを揃えるイスタンブール・バシャクシェヒルとの首位通過を懸けた争いには注目が集まるところだ。

その他ではニース、ケルンにパルチザン・ベオグラードが同居したグループDの戦いに注目。とりわけ、ニースは今夏の移籍市場でMFラムジー、GKシュマイケル、FWペペ、MFバークリーらプレミアリーグで活躍したビッグネームを補強。新指揮官に就任したファブレ監督の采配を含め、前述の優勝候補に比肩しうる注目のチームだ。ヨーロッパの常連であるパルチザン、ブンデスリーガの古豪ケルンを相手に首位通過できれば、一躍優勝候補に躍り出ることになるはずだ。

◆菅原が唯一の参戦
Getty Images

今シーズンのECLグループステージでは、昨季に続いて参戦となった菅原が唯一の日本人選手となる。

今年6月に左ヒザを手術した影響で開幕に出遅れた菅原だが、チームが慎重に起用法を模索する中、MF藤本寛也、MF新井瑞希を擁するジル・ヴィセンテとのECL予選プレーオフで待望の実戦復帰。その復帰戦となった1stレグではチーム4点目を演出するアシストを記録。2ndレグは引き続き途中出場となったが、ここでも堅実なパフォーマンスを見せてグループステージ進出に貢献した。

今回のグループステージではアポロン・リマソル、ファドゥーツ、ドニプロ-1と同居するグループEに。今季のエールディビジで4勝1分けの無敗と好調を維持するAZの実力を考えれば、昨季に続いて首位通過の可能性は高いはずだ。

戦列復帰後はすべて途中出場で短いプレータイムにとどまる菅原は、引き続きクローザー役での起用が続くことが想定されるが、今グループステージを通じて徐々にプレータイムを増やしてチームの突破に貢献したいところだ。

◆グループA
イスタンブール・バシャクシェヒル(トルコ)
フィオレンティーナ(イタリア)
ハート・オブ・ミドロシアン(スコットランド)
FK RFS(ラトビア)

◆グループB
ウェストハム(イングランド)
FCSB(ルーマニア)
アンデルレヒト(ベルギー)
シルケボー(デンマーク)

◆グループC
ビジャレアル(スペイン)
ハポエル・ベエルシェバ(イスラエル)
オーストリア・ウィーン(オーストリア)
レフ・ポズナン(ポーランド)

◆グループD
パルチザン・ベオグラード(セルビア)
ケルン(ドイツ)
ニース(フランス)
スロヴァコ(チェコ)

◆グループE
AZ(オランダ)/菅原由勢
アポロン・リマソル(キプロス)
ファドゥーツ(リヒテンシュタイン)
ドニプロ-1(ウクライナ)

◆グループF
ヘント(ベルギー)
モルデ(ノルウェー)
シャムロック・ローバーズ(アイルランド)
ユールゴーデン(スウェーデン)

◆グループG
スラビア・プラハ(チェコ)
クルージュ(ルーマニア)
スィヴァススポル(トルコ)
バルカニ(コソボ)

◆グループH
バーゼル(スイス)
スロバン・ブラチスラヴァ(スロバキア)
ジャルギリス(リトアニア)
ピュニク(アルメニア)

AZの関連記事

AZは15日、CDグアダラハラのU-23メキシコ代表DFマテオ・チャベス(21)が今夏に加入することを発表した。契約期間は2030年6月30日までとなる。 グアダラハラの下部組織で育ったチャベスは、2022年夏にリザーブチームのタパティオに昇格を果たすと、2024年1月にトップチームデビュー。左サイドを主戦場にこ 2025.05.16 09:50 Fri
オランダのKNVBベーカー決勝のAZアルクマールvsゴー・アヘッド・イーグルスが21日に行われ、1-1で120分の戦いが終了。その後、PK戦を2-4で制したイーグルスが初優勝を果たした。 今大会は今シーズンのエールディビジで首位から3位までを独占するアヤックス、PSV、フェイエノールトの3強が揃って敗退する波乱が 2025.04.22 06:30 Tue
ヨーロッパリーグ(EL)のラウンド16・2ndレグが13日に行われた。 リーグフェーズを1位~8位で終えたストレートイン8チームと、プレーオフを制した8チームがホーム&アウェイ形式で準々決勝進出を争うラウンド16。 今ラウンド屈指の好カードとなったアスレティック・ビルバオvsローマは、ホームのアスレティック 2025.03.14 07:56 Fri
ヨーロッパリーグ(EL)のラウンド16・2ndレグ、トッテナム・ホットスパーvsAZが13日にトッテナム・ホットスパースタジアムで行われ、ホームのスパーズが3-1で勝利。この結果、2戦合計3-2としたスパーズの準々決勝進出が決まった。なお、AZのDF毎熊晟矢は80分までプレーした。 敵地で行われた1stレグを枠内 2025.03.14 07:01 Fri

UEFAカンファレンスリーグの関連記事

ユールゴーデンのDF小杉啓太が日本代表への思いを語った。スウェーデン『Fotbollskanalen』が伝えた。 湘南ベルマーレの下部組織から2024年3月にユールゴーデンに加入した小杉。挑戦から1年が経過した中で、公式戦38試合で5ゴール2アシストを記録している。 アルスヴェンスカン(スウェーデン1部)で 2025.05.09 21:20 Fri
フィオレンティーナのラッファエレ・パッラディーノ監督が、レアル・ベティス戦を振り返った。 8日、UEFAカンファレンスリーグ(ECL)の準決勝2ndレグでフィオレンティーナはベティスと対戦。1stレグを2-1で敗れていたフィオレンティーナは、アントニーのゴールで失点し苦しい状況に。それでもロビン・ゴセンスの2ゴー 2025.05.09 16:55 Fri
チェルシーのエンツォ・マレスカ監督が8日に行われ、1-0で勝利したUEFAカンファレンスリーグ(ECL)の準決勝2ndレグのユールゴーデン戦を振り返った。 アウェイでの1stレグで4-1と快勝したチェルシーは、この試合も立ち上がりから主導権を握ると38分にジョージの縦パスに反応したデューズバリー=ホールがボックス 2025.05.09 13:35 Fri
レアル・ベティスのブラジル代表FWアントニーがUEFAカンファレンスリーグ(ECL)決勝進出を喜んだ。スペイン『マルカ』が伝えた。 8日、ECL準決勝2ndレグが行われ、ベティスはフィオレンティーナとアウェイで対戦した。 1stレグはホームで2-1と勝利していたベティス。試合は30分にアントニーが直接FKを 2025.05.09 10:45 Fri
UEFAカンファレンスリーグ(ECL)準決勝2ndレグのフィオレンティーナvsレアル・ベティスが8日にスタディオ・アルテミオ・フランキで行われ、2-1でフィオレンティーナが勝利。2戦合計でタイスコアのため行われた延長戦を0-1で制したベティスが、2戦合計スコア4-3で決勝進出を決めた。 1週間前にアウェイでの1s 2025.05.09 06:45 Fri

AZの人気記事ランキング

1

元オランダ代表DFフラールが現役引退…AZ、フェイエ、ビラで活躍

AZアルクマールは10日、元オランダ代表DFロン・フラール(35)の現役引退を発表した。 近年、度重なるケガの問題に悩まされていたフラールは今シーズン終了を待たずして現役引退を決断。今後はアカデミー時代を過ごしキャリア最後のクラブとなったAZで新たな役割を担うべく協議中とのことだ。 2004-05シーズンにAZでプロキャリアをスタートしたフラールは、2006年1月にフェイエノールトへステップアップ。在籍6年半では最終ラインの主力を担い、2007-08シーズンにはKNVBカップのタイトルを獲得した。 その後、2012年に自身初の国外移籍でアストン・ビラに渡り、2015年には古巣AZに復帰していた。昨夏、クラブとの契約を1年間延期していたが、今シーズンはエールディビジでの出場はなく、昨年9月に行われたチャンピオンズリーグ(CL)予備予選のディナモ・キエフ戦がプロキャリア最後の試合となった。 クラブキャリア通算では374試合に出場し18ゴールを記録していた。 また、2005年にデビューを飾ったオランダ代表では通算32試合に出場し1ゴールを記録。2014年のブラジル・ワールドカップでは3位入賞を果たしていた。 190cmの大柄な体躯を生かしたパワフルな対人守備、キャリア晩年は読みを利かせたカバーリングと的確なコーチングで味方を動かす玄人好みのセンターバックだった。 2021.02.11 00:25 Thu
2

モナコがAZから逸材FWボアドゥを完全移籍で獲得 「成長するために必要なものがすべて揃っている」

モナコは4日、AZからオランダ代表FWマイロン・ボアドゥ(20)を完全移籍で獲得したことを発表した。契約期間は2026年6月30日までの5年となる。 なお、フランス『フット・メルカート』が伝えるところによれば、移籍金は1700万ユーロ(約22億円)となり、モナコはこの金額を5回の分割で支払うようだ。 自身初の移籍先にモナコを選択した20歳の若武者はクラブ公式サイトを通じて新天地での意気込みを語っている。 「これは僕にとって大きなステップであり、ASモナコにコミットすることに大きな誇りを感じているよ。自分を信頼してくれたクラブに感謝したいと思う」 「モナコは欧州カップに復帰して成功を収めたシーズンを迎えている。ここでは、僕のような若いプレーヤーが成長するために必要なものがすべて揃っていると感じているんだ」 「目標はできるだけ早くチームに溶け込み、自分のクオリティをチームにもたらすことさ。この新しい冒険を始めるのが待ち遠しいよ」 AZの下部組織出身のボアドゥは10代前半から神童として国内外のビッグクラブのスカウトの注目を集めた逸材アタッカー。 2018-19シーズンのエールディビジ開幕節のNACブレダ戦でクラブ史上最年少ゴール記録(17歳と210日)を樹立しブレイクの兆しを見せると、翌シーズンに完全覚醒。公式戦38試合で20ゴール13アシストを記録し、AZ大躍進の立役者になった。 また、昨シーズンもエールディビジ31試合で15ゴール1アシストと、2シーズン連続で安定した数字を残している。 182cmの体躯に爆発的なスピードとドリブルスキル、両足をそん色なく操る万能型ストライカーは、圧倒的な個人技で1人でゴールを奪えば、冷静に周囲を使う判断力にも優れており、オランダ代表の次代のエースストライカー候補に挙がっている。 その逸材に関しては過去にミランが強い関心を示してきたが、ボアドゥのAZの相棒FWカルヴァン・ステングスをニースに送り込むなど、今夏の移籍市場で積極的に自身の顧客をリーグ・アンに移籍させている世界屈指の辣腕代理人のミーノ・ライオラ氏が、ボアドゥのモナコ行きを成立させた形だ。 2021.08.05 13:53 Thu
3

菅原由勢所属のAZ、幹部がミラン移籍噂のラインデルスに言及「オファーは拒否した」

ミランが獲得を検討しているAZのオランダ人MFタイアニ・ラインデルス(24)に関し、AZ側からリアクションがあった。 日本代表DF菅原由勢が所属するAZで攻守の要を務めるラインデルス。2022-23シーズンはエールディビジ全34試合を含む公式戦全54試合にスタメン出場と文字通りフル稼働し、7ゴール12アシストを記録した。 ミラン移籍はかねてより噂されているものの、AZのテクニカル・ディレクター(TD)を務めるマックス・ホイバーツ氏はオランダ『Noordhokkands Dagblad』のインタビューに応じ、2027年6月まで契約を残す主軸を易々とは手放したくないと語った。 「ミランが名乗り出ていることは確かだが、現段階で交渉はしていない。オファーを拒否した。ミランには我々がもう1年ラインデルスと一緒に戦う決意であると伝えてある。これはラインデルスの同意も得ている」 一方で「新たなオファーがあれば交渉に臨む。今のところは何もないがね」と、今後もオファーそのものには耳を傾けると明言している。 このコメントを受け、イタリア『カルチョメルカート』は「ラインデルスの売却は金額次第」と主張。ホイベルツTDが言及したミランからのファーストオファーは1600万ユーロ(約25億円)+ボーナス300万ユーロ(約4億7000万円)で、AZの要求は2500万ユーロ(約39億1000万円)であるとのことだ。 年俸総額170万ユーロ(約2億7000万円)の5年契約でミランと個人間合意済みとみられているラインデルスだが、移籍は実現するだろうか。 2023.07.10 20:25 Mon
4

ボーンマスが若手の有望株、ハンガリー代表DFケルケズを獲得…AZで菅原由勢とサイドバックでコンビ

ボーンマスは20日、AZのハンガリー代表DFミロス・ケルケズ(19)を完全移籍で獲得したことを発表した。 オーストリアのラピド・ウィーンの下部組織で育ったケルケズは、ジェールETO FCから2021年2月にミランのU-19に加入した。 退任したパオロ・マルディーニTD(テクニカル・ディレクター)が獲得を望み、ミラン入りを果たしたが、ファーストチームでの出場はなく、2022年1月にAZへと完全移籍した。 AZでは1年半在籍し、公式戦57試合に出場し5ゴール8アシストを記録した。左サイドバックの主軸としてプレーし、日本代表DF菅原由勢と両サイドでコンビを組んでいた。 期待の若手として注目を集めており、ハンガリー代表としても8試合に出場していた。 2023.07.20 20:45 Thu
5

『マネーボール』でお馴染みのビリー・ビーン氏が菅原所属のAZ の株式5%を購入

DF菅原由勢が所属するAZは4日、『マネー・ボール』でお馴染みのビリー・ビーン氏がクラブ株式の5%を取得したことを発表した。 ビーン氏はメジャーリーグ・ベースボール(MLB)のオークランド・アスレチックスのゼネラル・マネージャー(GM)を務めた時代にセイバーメトリクスを用いた、当時では画期的な選手評価のノウハウを基に、同チームを躍進させた名GMとしてアメリカスポーツ界の有名人だ。 そして、現在はアスレチックスで上級副社長を務めている。 そのビーン氏は数年前からAZでアドバイザー的な役割を果たしていたが、クラブとの関係を強化する目的で今回の株式取得に動いた。 ビーン氏は今回の株式取得に際して、「AZとの役割を正式に果たし、クラブの将来の一部として次のステップに進むことを光栄に思う。ここ数年、このクラブが成し遂げてきたことを誇りに思い、AZの未来に向けて仕事を始めるのが待ち遠しい」と、今後に向けた決意を語っている。 2020.09.04 23:42 Fri

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly