村井満チェアマンの功績/六川亨の日本サッカーの歩み
2022.02.09 20:00 Wed
第6代のJリーグチェアマンは札幌の野々村芳和CEOの就任内定がすでに発表されている。3月15日の社員総会と新理事による理事会で正式決定となるが、その決定方法も村井満チェアマンらしい、改革の表れだった。
Jリーグの初代チェアマンはご存じのように川淵三郎氏だ。93年のJリーグ開幕から2002年にJFA(日本サッカー協会)会長に就任するまでの10年間(現在は4期8年が最長)、先頭に立ってJリーグを牽引してきた。
そして2代目のチェアマンには古河電工(現ジェフ千葉)で川淵氏の後輩であり、ともにJリーグ創設に尽力した木之本興三氏(Jリーグ理事。17年没)が就任するものと思われていた。ところが川淵氏が指名したのは鹿島の代表取締役だった鈴木昌氏だった。川淵氏から「Jリーグ入りは99.9パーセント無理」と言われながら、スタジアムの建設に尽力して鹿島のJリーグ入りに貢献した。
木之本氏は03年、川淵氏から「チェアマンにする気はない」と言われ、鈴木氏からは「Jリーグを辞めてくれ」と突き放された。そして鈴木氏はJFAの定年(70歳)にあわせ、2期4年となる06年にチェアマンを退き、C大阪の鬼武健二氏を後継者に指名した。
鬼武氏はヤンマーの元監督で、現役時代の93勝はJSL(日本サッカーリーグ)の最多勝利監督でもある。04年にはJリーグの専務理事に就任していただけに、チェアマン就任も規定路線だった。この鬼武氏も2期4年の10年に退任し、第4代のチェアマンは再び鹿島の大東和美氏が就任した。元ラガーマンで、日本代表にも選ばれたキャリアの持ち主だ。彼もまた2期4年となる14年にチェアマンを退き、現在の村井氏に引き継いでいる。
その他にも明治安田生命保険とタイトルパートナー契約を結んだり、DAZNとの長期にわたる大型契約といった目に見えるところから、チェアマン室を廃止するなどの内部改革なども断行したりした。そして、これまで後継指名のような形で選んできた次期チェアマンの決定方法を明確にしたのも村井チェアマンだった。
3期6年目となる20年、村井氏は第三者委員会として10名のメンバーからなるチェアマン選考委員会を創設。当時の委員会は、「村井氏以外にチェアマン候補者はいない」という結論から22年までの続投を決定した。
このチェアマン選考委員会、今回の場合はまず170名のロングリストを作成した。その内訳はスポーツビジネス・クラブ経営者などの事業系が90名、サッカー関係者・Jリーグ関係者・選手・JFAが50名、そして政府・自治体関係者が30名だったそうだ。
そして対面インタビューを繰り返すことで10数名に絞り、その過程で野々村氏も選考委員のメンバーだったが候補にあがったため委員会から外れ、代わりに湘南の水谷尚人社長が委員会に加わった。最終的に15回の会議と当日は3時間の議論の末に野々村氏が次期チェアマンにふさわしいという結論になった。
村井チェアマン自身、「誰が候補なのかも知りません」と話していた。そして次期チェアマンの野々村氏には「1年半の歳月を経て、400名を超える集団でしっかり議論していただいた。Jリーグ30年の歴史で、実行委員、理事を経て初めてチェアマンになった。30年を迎えるにふさわしいチェアマン。プレーヤーであり、クラブ経営者として深い洞察力がある。歓迎したいし、応援したい」とエールを送った。
これまでなら原博実副チェアマン(63歳)か、前岡山の代表取締役でJリーグ専務理事の木村正明氏(53歳)らがスライドしてチェアマンになったかもしれないが、2人は3月でJリーグを退任する。
村井チェアマンの最後の任期である20年からの2年は“コロナ”との戦いでもあった。それがなければ、さらなる改革に着手したかもしれないが、村井チェアマンだからこそ、「コロナに迅速に対応した」とも言えるのではないだろうか。次はどのフィールドで活躍するのか、それもまた楽しみである。
Jリーグの初代チェアマンはご存じのように川淵三郎氏だ。93年のJリーグ開幕から2002年にJFA(日本サッカー協会)会長に就任するまでの10年間(現在は4期8年が最長)、先頭に立ってJリーグを牽引してきた。
そして2代目のチェアマンには古河電工(現ジェフ千葉)で川淵氏の後輩であり、ともにJリーグ創設に尽力した木之本興三氏(Jリーグ理事。17年没)が就任するものと思われていた。ところが川淵氏が指名したのは鹿島の代表取締役だった鈴木昌氏だった。川淵氏から「Jリーグ入りは99.9パーセント無理」と言われながら、スタジアムの建設に尽力して鹿島のJリーグ入りに貢献した。
鬼武氏はヤンマーの元監督で、現役時代の93勝はJSL(日本サッカーリーグ)の最多勝利監督でもある。04年にはJリーグの専務理事に就任していただけに、チェアマン就任も規定路線だった。この鬼武氏も2期4年の10年に退任し、第4代のチェアマンは再び鹿島の大東和美氏が就任した。元ラガーマンで、日本代表にも選ばれたキャリアの持ち主だ。彼もまた2期4年となる14年にチェアマンを退き、現在の村井氏に引き継いでいる。
そして村井氏である。リクルートの執行役員時代の08年にJリーグの理事に就任すると、14年には大東氏の後を受けて第5代のチェアマンに就任した。浦和高校時代はサッカー部に所属しGKを務めたが、本人は「素人」と謙遜する。チェアマンとしての初仕事はJリーグ初となる“無観客試合の開催”だろう。14年3月8日の浦和対鳥栖戦で、浦和のサポーターが人種差別的な横断幕を掲げた。そこで3月24日のホーム清水戦は無観客試合というペナルティを科した。
その他にも明治安田生命保険とタイトルパートナー契約を結んだり、DAZNとの長期にわたる大型契約といった目に見えるところから、チェアマン室を廃止するなどの内部改革なども断行したりした。そして、これまで後継指名のような形で選んできた次期チェアマンの決定方法を明確にしたのも村井チェアマンだった。
3期6年目となる20年、村井氏は第三者委員会として10名のメンバーからなるチェアマン選考委員会を創設。当時の委員会は、「村井氏以外にチェアマン候補者はいない」という結論から22年までの続投を決定した。
このチェアマン選考委員会、今回の場合はまず170名のロングリストを作成した。その内訳はスポーツビジネス・クラブ経営者などの事業系が90名、サッカー関係者・Jリーグ関係者・選手・JFAが50名、そして政府・自治体関係者が30名だったそうだ。
そして対面インタビューを繰り返すことで10数名に絞り、その過程で野々村氏も選考委員のメンバーだったが候補にあがったため委員会から外れ、代わりに湘南の水谷尚人社長が委員会に加わった。最終的に15回の会議と当日は3時間の議論の末に野々村氏が次期チェアマンにふさわしいという結論になった。
村井チェアマン自身、「誰が候補なのかも知りません」と話していた。そして次期チェアマンの野々村氏には「1年半の歳月を経て、400名を超える集団でしっかり議論していただいた。Jリーグ30年の歴史で、実行委員、理事を経て初めてチェアマンになった。30年を迎えるにふさわしいチェアマン。プレーヤーであり、クラブ経営者として深い洞察力がある。歓迎したいし、応援したい」とエールを送った。
これまでなら原博実副チェアマン(63歳)か、前岡山の代表取締役でJリーグ専務理事の木村正明氏(53歳)らがスライドしてチェアマンになったかもしれないが、2人は3月でJリーグを退任する。
村井チェアマンの最後の任期である20年からの2年は“コロナ”との戦いでもあった。それがなければ、さらなる改革に着手したかもしれないが、村井チェアマンだからこそ、「コロナに迅速に対応した」とも言えるのではないだろうか。次はどのフィールドで活躍するのか、それもまた楽しみである。
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Jリーグ野々村芳和チェアマンが2024年の改革に「契約制度」と「選手育成」を掲げる!テーマは「今後の10年、30年どうしていくか」
19日、2024Jリーグ開幕PRイベントが都内で開催された。 2024シーズンの開幕を23日に控えた中、明治安田J1の19クラブの選手が一堂に集結。20日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の山東泰山戦を控えている川崎フロンターレは、クラブマスコットのふろん太が登壇した。 イベントのスタートには、野々村芳和チェアマンが2023シーズンの振り返りと、2024シーズンの改革について壇上で語った。 <span class="paragraph-subtitle">◆2023年の振り返り</span> 2023シーズンは4つに分けて報告。1つは「入場者数」に関して、1096万人が来場。これは新型コロナウイルス(COVID-19)による制限が起きる前の2019シーズンとほぼ同水準まで回復しているという。2020年から2022年までは声出し応援ができない時期があるなど苦しい時期を過ごしたが、それを乗り越え、声も客足も戻ってきているようだ。 2つ目は「メディア露出」に関して。地上波での露出量は2022年の約3倍とのこと。「テレビで取り上げてもらうことで、新しいファンの獲得に繋がった」と野々村チェアマンは振り返り、地上波の影響力を改めて感じる1年となった。 3つ目は「売り上げ規模」。Jリーグと全60クラブの合計で1700億円の売上があり、過去最高の数字を記録したという。 4つ目は「シーズン移行」。2026年からのシーズン移行を決定した中、「さらに発展していくための1つのアプローチとして2026年の8月に開幕し、2027年5月に閉幕するというシーズン移行を決断しました。より魅力的になっていくために継続検討していくことも決議されました」と野々村チェアマンは語り、「決断までのプロセスにおいて、クラブのみなさん、選手、監督、パートナーの皆さんにJリーグがどうありたいかということを長い時間をかけてコミュニケーションを取ってきた1年だった」と振り返った。 また、シーズン移行にも関わる問題として、Jリーグは「今後の10年、30年どうしていくか」という観点で目指す姿として、「アジアで勝ち、世界と戦うJリーグ」、「欧州リーグ選手とJリーグ選手による日本代表」、「全Jクラブの経営規模を1.5倍から2倍へ」を掲げた。 「究極の目標は、Jリーグが世界一のリーグになること」と語った野々村チェアマンは、「アジアで勝ち、世界と戦うJリーグ」ではACLの優勝、FIFAクラブワールドカップでベスト8以上を残す。「欧州リーグ選手とJリーグ選手による日本代表」では、Jリーグの中に「世界基準」を作り、「Jリーグの選手が中心となって構成される日本代表が30年後にワールドカップで優勝するための第一歩」にしたいという。また、「全Jクラブの経営規模を1.5倍から2倍へ」では、トップラインを引き上げながら、それぞれのクラブがそれぞれの地域で輝く存在にしたいとし、「トップクラブの経営規模を200億円にすることを目標」にしたいという。 <span class="paragraph-subtitle">◆2024年の取り組み</span> その中で、今シーズンまず手をつけることとしては「J1を20クラブに変更」。傾斜配分金制度によるJ1の価値向上に加え、J1への接触機会増加を目指すことになった。また、YBCルヴァンカップはJ1からJ3までの全60クラブが参加するトーナメントに変更となり、「J2、J3クラブがホームにJ1クラブを迎えることが増えてくる、カテゴリーを超えた地域の交流も期待されている。 また、「より多くの外国籍審判員の招へい」として、「ヨーロッパの審判だけでなく、次回のW杯やACLを制覇すると考えた時、アメリカや中東の審判を多く連れてきたいと思っている」と野々村チェアマンは語り、「日本人の審判が世界基準のレフェリングを体感することも重要だと思っている」と、様々な基準を知ることが重要だとした。 そして、改革として2つを掲げ、「選手の契約制度」では、「ABC契約というのは、25年間変わっていない。25年が経ち、海外移籍が盛んになるなど、変化している。Jリーグ自体が選手に選ばれ続けるためにも、クラブにとっても選手にとっても最適な契約制度に変更していきたい」と、新たな契約制度を設けたいとした。 もう1つは「選手の育成」。野々村チェアマンは「重要な分野としてこれまでも注力してきたが、移籍に関する助成金制度を検討している。今までクラブの育成の水準を上げましょうと一体感を出してやってきましたが、これからは海外遠征に行きたい、この選手を海外のクラブの練習に参加させて伸ばしたいなど、クラブ独自の施策にも対応していけるように、リーグの費用でサポートしていきたいと思います」とし、時代にあった育成へのサポートをしていくとした。 そのほかにも、マーケティング観点から「国立競技場の開催試合増加」、「テレビ露出のさらなる増加」、サステナビリティの観点から「公式戦全試合で再生可能エネルギーで開催」を掲げていた。 よし進化を遂げたいJリーグ。2024シーズンは23日にサンフレッチェ広島vs浦和レッズのカードで開幕を迎える。 2024.02.19 19:10 Mon4
