世界トップ水準を目指して! Jリーグ、現行方式のラストシーズンで目指すもの…野々村芳和チェアマン「プレー強度とアクチュアルプレーイングタイム」

2025.02.10 21:40 Mon
2025シーズン目指す形を語った野々村芳和チェアマン
©超ワールドサッカー
2025シーズン目指す形を語った野々村芳和チェアマン
10日、Jリーグが2025Jリーグ開幕イベントを開催。冒頭、野々村芳和チェアマンが、今シーズンのJリーグが目指すサッカーについて語った。

2025シーズンは、現在のスケジュールで行われる最後のシーズンに。2026シーズンは特別大会を行い、後半から2026-27シーズンとしてヨーロッパなどにシーズンを合わせることとなる。

世界基準を目指しているJリーグ。まずはシーズンを世界に合わせていく中で、プレーの水準も合わせていきたいとのこと。野々村チェアマンは、コンタクトの強さと深さ、アクチュアルプレーイングタイムに焦点を合わせていきたいと語った。
「まもなく2025シーズンの明治安田Jリーグが開幕します。昨シーズンは過去最高の1250万人という人をスタジアムにお迎えすることができましたし、クラブとリーグの売上の総和も過去最高になる予定です。メディアの皆さんには全国各地でJリーグを盛り上げていただきました。改めて感謝します。どうもありがとうございました」

「Jリーグは30年以上やってきていますが、次の30年で世界のトップ水準のリーグになっていこうということで、数年かけてシーズン移行を決定したことや、選手の契約制度の改定などもやってきて、リーグの基盤の見直しをこの数年でやってきました」
「今後Jリーグでプレーする選手たちはそうですが、将来プロを目指す選手たちにとっても、海外の選手たちにとってもJリーグがプレーする価値がある、あそこに行くと成長できるという思いを持っていただけることなど、色々なことを変えていかなければいけない。サッカーの水準だけではなく、周りの水準も上げていかなければいけないし、エンターテインメント性、面白さも追求しなければいけないと思っております」

「今日は、ピッチ上に少しフォーカスしてお話ししたいと思っています。世界のトップでプレーしてきた、体感してきた選手や日本代表も森保監督もそうですが、どういったところを変えなければいけないかということを話したり、聞いたりしてきました。今回はJFAも含めて、2025シーズンからここを変えていこうという2つの観点に着目していきたいと思います」

「1つ目はプレーの強度。2つ目はアクチュアルプレーイングタイムです。1試合でボールが動いている、プレーされている時間を意識していきたいと。1つ目のコンタクトプレー、強度というのは、強さ、深さ。世界のトップレベルでやってきた選手から何度も言われてきた部分です」

「アクチュアルプレーイングタイムは、直近のシーズンでは世界のトップ3のリーグと比較すると、プレミアリーグでは60分近い58分。Jリーグはどのくらいかというと52分ぐらいでした(ドイツは57分、スペインは55分)。ここは現行のシーズン性でいくと5月から9月まではなかなかパフォーマンスが上がりにくい環境ということもありますが、見ているお客様にとってももう少し長くプレーしているところをしっかり見せていこうよと。Jリーグのクオリティという部分でも大事な部分なんじゃないかなと思っています」

「具体的にどうするのかというと、強度やアクチュアルプレーイングタイムということをより良くしていくためには、審判のジャッジも凄く大事になって来ると思います。審判だけが意識すれば良いかというとそうではなく、選手にもそういった意識を持って一緒にサッカーを作り上げていくことで、この課題を解決していこうと考えました」

「開幕前に各チームを回って、選手や現場の皆さん、審判を含めて、色々な話をする中で、映像も含めてみんなでこういった方向にしていこうということを今シーズンも話してきました。決してサッカーのルールが変わるわけではないですが、ルールの解釈には幅があります。リーグとか国によってはその標準の差がかなりありますが、その標準を世界に近づけていくということをやりたいと思っています」

昨シーズンのプレーの中から、今シーズンは続行させたいような強度の高いプレーや、今シーズンの水準でジャッジされたシーンをまとめた映像を放映。選手や審判たちにも共有しているという。

「当然、危険なプレーは今まで通り、ルールが変わるわけではないので、標準を上げていくために次の笛がなるまで続けていく。この間のFUJIFILM SUPER CUPでも同じようなシーンが随所に見られたかなと思っています」

「こうやって試合環境、ピッチのレベルが上げていく作業の中で、今シーズンはヨーロッパだけでなく、中南米、中東、アジアなど最大7カ国の審判を招いて、40試合ぐらいを世界の色々なサッカーを経験している審判に笛を吹いてもらおうと思っています。Jリーグのサッカーをもう一段上げていくためにも、メディアの皆さん、ファン・サポーターの皆さんにも、審判がプレーを続けさせる勇気を後押しするようなリスペクト、空気感。選手たちがタフなプレーを続けた時に拍手が起こるようなスタジアムの雰囲気を皆さんで作っていただけたらと思っています」

「今シーズンは現行のスケジュールでの最後の大会となります。AFCのチャンピオンズリーグ、クラブ・ワールドカップなどでアジア、世界の舞台でJリーグのクラブが挑戦するということもあります。30年後という話をしましたが、振り返った時に起点となった、素晴らしいシーズンだったと思っていただけるように、是非皆さんで一緒に今シーズンも盛り上げてもらえればと思います。2025シーズン、よろしくお願いいたします」


野々村芳和の関連記事

Jリーグは2日、1日に他界したレアンドロ・ドミンゲス氏の死去を追悼した。 レアンドロ・ドミンゲス氏は、柏レイソル、名古屋グランパス、横浜FCとJリーグの3クラブでプレー。柏時代にはJ1、J2、天皇杯、ヤマザキナビスコカップ(現:YBCルヴァンカップ)と4つのトロフィーを手にし、Jリーグ最優秀選手賞(MVP)も受賞 2025.04.02 17:00 Wed
中国・深圳で開催されているAFC U-20アジアカップに参加している日本は、26日の準決勝でオーストラリアと対戦。後半5分に失点すると、22分にも追加点を許して0-2で敗れ、サウジアラビアとの決勝戦に進出することはできなかった。 日本はすでにベスト4進出で、チリで開催されるU-20W杯の出場権は獲得している。さら 2025.02.27 23:00 Thu
Jリーグは25日、2025年第2回理事会を開催した。 理事会後に会見が行われた中、野々村芳和チェアマンが世間を賑わせているオンラインカジノ問題を語った。 スポーツ界を巡ってのオンラインカジノでは、1月に卓球のオリンピックメダリストでもある丹羽孝希選手が利用していたことが発覚し所属チームから契約解除。2月にはプロ野 2025.02.25 21:45 Tue
Jリーグは25日、2025年第2回理事会を開催した。 理事会後に会見が行われた中、野々村芳和チェアマンがAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)で発生した問題について言及した。 ACLEにはJリーグからヴィッセル神戸、川崎フロンターレ、横浜F・マリノスが出場。3チームともにリーグステージを突破し、ベ 2025.02.25 21:20 Tue
10日、週末に開幕を控えるJリーグが開幕イベントを都内で行った。 8日にはFUJIFILM SUPER CUP2025が行われ、J1&天皇杯王者のヴィッセル神戸と2位のサンフレッチェ広島が対戦。0-2で広島が勝利し、5度目のスーパーカップ制覇を成し遂げた。 シーズン開幕が告げられた中、開幕イベントにはJ1の 2025.02.10 20:10 Mon

J1の関連記事

「チームが勝てていない状況で自分が出て勝てれば、大きなアピールになると思っていたんで、本当に今日に懸ける思いは強かった」 明治安田J1リーグ第35節でファジアーノ岡山はFC東京と対戦。契約の都合により出場できないMF佐藤龍之介に代わり、左ウイングバックで先発に名を連ねたのはMF加藤聖だった。第33節のアルビレック 2025.10.27 20:00 Mon
アビスパ福岡の秘密兵器がJリーグデビュー戦で初ゴールをあげた。陸上選手であるサニブラウン・アブデル・ハキームの実弟であるFWサニブラウン・ハナンのゴールにファンたちが歓喜した。 #モーメントブースター でシェアして盛り上がれ!​ゴール (91:44)ハナン サニブラウン​​アビスパ福岡 vs サンフレッチェ広島 2025.09.30 16:50 Tue
【明治安田J1リーグ】柏レイソル 0ー0 サンフレッチェ広島(9月23日/三協フロンテア柏スタジアム) サンフレッチェ広島GK大迫敬介の「弾かない」技術が、ファンの中で話題沸騰。相手の攻撃を完全にストップさせる守護神の働きに、名解説者も大絶賛している。 Today's pick up守護神が見せた「 2025.09.25 19:00 Thu
【明治安田J1リーグ】ファジアーノ岡山 0ー0 横浜FC(9月23日/JFE晴れの国スタジアム) ファジアーノ岡山のMF末吉塁が、J1初先発で圧倒的な存在感を放った。試合後にクラブ公式SNSが投稿した「スタッツリーダー」では6部門のうち4部門を獲得。「末吉祭り」と言わんばかりの活躍が、ファンの間で話題になっている 2025.09.24 19:00 Wed
清水エスパルスのGK梅田透吾が、鉄壁要塞と化している。圧倒的なシュートストップ力がファンの間で話題だ。 右手一本でピンチを防ぐサヴィオのシュートのこぼれ球を#テリン が切り返しから狙うも清水GK #梅田透吾 がわずかに弾き出す!明治安田J1リーグ第31節 清水×浦和#DAZN LIVE配信中 #Jみようぜ #Jリ 2025.09.23 22:11 Tue

野々村芳和の人気記事ランキング

1

ホームで劇的なJ2優勝を決めた清水、野々村芳和チェアマンが祝福「サッカー王国静岡のクラブとして、J1の舞台で躍動することを期待しています」

3日、明治安田J2リーグ第37節が行われ、清水エスパルスがJ2優勝を果たした。 前節J1への自動昇格を決めていた清水。今節は勝利を収め、2位の横浜FCが引き分け以下に終わった場合は優勝が決まる状況だった。 いわきを相手に難しい戦いを強いられた清水。勝利しなければ今節の優勝はないなか、ゴールが遠い展開が続いていく。 それでも迎えた81分、右CKからの西澤健太のクロスをニアで矢島慎也が頭で合わせると、最後は蓮川壮大がプロ初ゴールを頭で決めて遂に清水が先制。そのまま逃げ切り、1-0で勝利を収めた。 2位の横浜FCはJ3降格が決定していた栃木と対戦。自動昇格を決めるためにも勝利が必要だったが、結果はゴールレスドロー。清水のJ2優勝が決定した。 清水のJ2優勝に際し、野々村芳和チェアマンがメッセージを寄せている。 「清水エスパルスの皆さま、2024明治安田J2リーグ優勝おめでとうございます。ファン・サポーターの皆さま、クラブに関わる全ての方々に心よりお祝い申し上げます」 「前節3年ぶりのJ1リーグ昇格を決め、勢いそのままにJ2リーグ優勝を勝ち取りました。昨年のJ1昇格プレーオフでは、あと一歩のところで昇格に手が届きませんでしたが、今シーズンはJ2屈指の充実した戦力を武器に、秋葉監督の掲げる攻撃的なサッカーで見事にその雪辱を晴らしました」 「この2年間はクラブにとってもサポーターの皆さまにとっても、難しい時間を過ごしてきたと思いますが、今シーズンのホームゲームで無類の強さを見せたのも、今日のIAIスタジアム日本平や9月29日(日)に行われたJ2最多入場者数となる55,598人が来場した国立競技場でも、本当にファン・サポーターの皆さまが素晴らしい雰囲気を作り、チームを後押ししてくれたからだと思います」 「来シーズンからは、再びJ1での戦いが待ち受けます。サッカー王国静岡のクラブとして、J1の舞台で躍動することを期待しています」 <span class="paragraph-title">【動画】清水のJ2優勝を手繰り寄せた蓮川壮大のプロ初ゴール!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr"> <a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信中<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%B8%85%E6%B0%B4%E3%81%84%E3%82%8F%E3%81%8D?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#清水いわき</a> <a href="https://t.co/142KuGqSeM">pic.twitter.com/142KuGqSeM</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1852966832639984115?ref_src=twsrc%5Etfw">November 3, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.11.03 18:05 Sun
2

元なでしこMF、新潟Lの川澄奈穂美がJFAの理事就任へ…技術委員長にはユース育成ダイレクターの影山雅永氏に

日本サッカー協会(JFA)は7日、2024年度の第3回理事会を開催。理事15名および監事1名の予定者を発表した。 JFAは、3月末に会長が交代予定。元日本代表DFでJFAの専務理事を務めている宮本恒靖氏が就任予定となっている。 そんな中、理事予定者の15名が発表。現役選手としてWEリーグのアルビレックス新潟レディースの元なでしこジャパンMFの川澄奈穂美(38)がリスト入りした。 現役選手のJFA理事は初のこと。INAC神戸レオネッサのほか、アメリカのシアトル・レイン、NJ/NY ゴッサムFCでプレーし、2023年7月に新潟Lに加入。今シーズンはキャプテンを務めている。 その他、会長予定者の宮本氏や、現副会長の岡田武史氏、野々村芳和氏、次期副会長予定者の西原一将氏(株式会社西原商会代表取締役社長、鹿児島県サッカー協会会長)、専務理事予定者の湯川和之氏(JFA事務総長)、常務理事予定者の髙田春奈氏(WEリーグチェア、JFA副会長)などが名を連ねている。 なお、2名は現在調整中となり、公表されていない。 また、現在技術委員長を務めている反町康治氏が退任の予定となっており、後任として影山雅永氏が就任予定。マカオ代表、U-16シンガポール代表、ファジアーノ岡山、U-20日本代表で監督を務め、現在はJFAユース育成ダイレクターを務めている。 なお、女子委員長は佐々木則夫氏、審判委員長は扇谷健司氏と現職の2人が継続して就任する予定となっている。 2024.03.07 20:35 Thu
3

「同じようなことが起きた場合、無観客試合、勝ち点剥奪も」罰金2000万円の可能性…浦和の違反行為を受け、野々村チェアマンが言及

Jリーグは5日、クラブの代表者が出席する臨時実行委員会を開催。その後に、メディアブリーフィングが行われた。 今回の臨時実行委員会では、す声出し応援の段階的導入の方針、そして、違反事例に対する再発防止の再確認等を全クラブで共有したとのことだ。 違反行為としては、2日に行われた明治安田生命J1リーグ第19節のガンバ大阪vs浦和レッズの一戦で、浦和のサポーターがチャントやブーイングなどの声出しを実施。この件に関して、5日にクラブが謝罪声明を発表していた。 これまでも幾度となくガイドラインに違反し、声出しを行ってきた浦和サポーター。Jリーグは、ガイドライン違反の声出しが続いていることについて、裁定委員会から浦和に最大2000万円の罰金処分が行われる可能性が浮上しているとし、さらに違反が続けば無観客試合や勝ち点剥奪など、厳重な処分に発展していく可能性もあるとした。 今回の実行委員会はJ1、J2、J3のカテゴリに分かれて行われたとのことで、J1のクラブの実行委員からは浦和の件で意見が出たとのこと。野々村芳和チェアマンは「具体的な防止策がない中では不安がある。クラブがしっかりとルール違反を犯した人たちに対してしっかりとしたスタンスを見せるべきではないか」という意見が出たとし、浦和の立花洋一代表が謝罪したことを報告した。 また、浦和が今回ついに声明を出したことについて「リーグも浦和に対してステートメントを出すとか、再発防止策を取ってくださいと現場間では言ってきていましたが、今までは出てきたことがなかったです。今日浦和からもクラブのインフォメーションとして、クラブのスタンスと再初防止策が出た。58クラブが同じ方向で進むことで行きますよと再確認した」とコメント。浦和の声明もあり、改めて全クラブと共有したという。 さらに、今回の事実確認を浦和と実施したとし、「同じ方向で進んでいくことを宣言して、クラブとしての姿勢を見せたのであれば、我々も上にアクションを取れるようになった」と述べ、クラブに運営責任があるとして、処分を前提に裁定委員会に諮問を行う方針を明らかにしている。 今回のG大阪戦だけでなく、5月のホームでの鹿島アントラーズ戦など複数あることを挙げ、野々村チェアマンは最大で2000万円の罰金になる可能性を明かし、「同じようなことが起きた場合、無観客試合、勝ち点剥奪も含めた上で、第三者となる裁定委員会に諮問した上でペナルティを課すことがあるとお伝えした」と、厳しい処分も辞さないことを浦和に伝えているとした。 一方で、クラブの社長をやっていたこともあり、クラブの考え、そしてファン・サポーターが思うところに理解を示している野々村チェアマン。Jリーグが段階的に声出し応援を緩和している中で、一部のファン・サポーターは欧米と比較してマスク着用の是非など、全面解禁を求める声が大きい。 しかし、気持ちは理解するとした上で、あくまでも政府の方針に則ってやらなければいけないとし、現在進めている方向で問題が起きないことを確認することが大事だとし、しっかりと進めて理解を得ていくために動いているとした。 「一部のサポーターの中にはやはり日本のコロナ政策と欧米のスポーツシーンの状況に違和感を感じている人たちが、ああしたい、ああいう状況を取り戻したいという思いの(声出しという)表現もあるというのは、僕の想像の中では感じているところです」 「ただ、改めてですが、Jリーグでは基本的対処方針に則った中で少しでも緩和される方向を探していきます」 「基本的対処方針を大幅に変えて頂くような働きかけはリーグとして、僕が責任を持ってやっていくという棲み分けはお伝えしたいです。僕1人でできるわけではないですが、いくつかのエビデンスをもとにサッカー界、スポーツ界、違う業界の人たちも含めて、どうやったら前に進めるかを含めて別の方向でやっていくことはお伝えしておきます」 日常生活でも緩和の動きが進む中で、日々の感染者は急増中。対策をすれば感染者が減り、緩めば増えるということを2年以上繰り返している状況だ。「急がば回れ」という言葉があるように、欲望に負けず、しっかりと一歩ずつ進んで行くことの方が早く問題は解決するのではないだろうか。 2022.07.05 21:05 Tue
4

Jリーグにおける「ビッグクラブ」の意義は? 内田篤人「このチームでプレーしたいとなれば」と日本行きを望んだ仲間との会話から見解

Jリーグは25日、「Jリーグ30周年オープニングイベント」を開催。Jリーグ開幕から30周年を迎えるシーズンに向けてのトークイベントを実施した。 1993年5月15日に国立競技場で開催された「ヴェルディ川崎vs横浜マリノス」から数え、今年リーグ開幕30周年を迎えるJリーグ。その新シーズンを前に行われたイベントには、野々村芳和チェアマンの他、サッカー解説者の松木安太郎氏、OBの中村憲剛氏、槙野智章氏、内田篤人氏が登壇。また、女優や歌手として活躍する観月ありささんがゲストとして参加した。 トークセッションでは、テーマを分けてトーク。まずはJリーグの魅力について中村氏と内田氏がプレゼンした。 中村氏は「地域密着」を掲げ、「ピッチ上のパフォーマンスも当然ですが、Jリーグは60クラブありまして、ほぼ全国カバーしている状態です。Jリーグクラブで地域を盛り上げることが可能となっていて、社会連携活動と言われる「シャレン!」で地域の課題解決にクラブや選手が取り組むことで、お子さんにJリーガーに憧れてもらったり、お年寄りに活力を与えたりとか、そういったこと。ピッチでサッカーをやるだけで、地域のために活動していること。地域活性を含めて魅力だと思います」とコメント。全国に広がるJリーグクラブがその地域を活性化させる力が魅力だとした。 観月さんは「子供が頻繁に選手に会えたり、お年寄りがピッチに行かなくても街で会えるというのがあると身近に感じられると思うので、地域に密着することは良いと思います」と、Jリーグらしい魅力だとコメントした。 また内田氏は「安心と安全」を掲げ「日本は安心と安全です。僕はドイツに行っていましたが、発煙筒も飛びますし、警察が出てサポーターを会わせないようにしたりということがありましたが、Jリーグは子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで来ていて、安全に家まで帰れるというのは本当に凄く大事なことで、魅力の1つだと思います」と日本の環境についてプレゼン。「試合だけじゃなく練習もいけますし、普段の姿や会話なども聞けるので魅力的なJリーグだと思います」とまとめた。 観月さんは「女性が1人で観に行っても安全に観られて、安全に帰れるというのはとても魅力だと思いますし、日本ならではの安全さだと思います」と、こちらも日本らしい魅力だとコメントした。 また、Jリーグの未来に向けたテーマとして「トップ層がナショナルコンテンツ、グローバルなコンテンツになってもらいたい」というものを掲げている中、日本にも「ビッグクラブ」と呼ばれるクラブを作っていきたいとした。 ドイツのブンデスリーガでプレー経験があり、「ビッグクラブ」とも対戦している内田氏は、「国に1つ、2つ大きなクラブがあることは大きいです。パリにはパリ・サンジェルマン、バイエルンはミュンヘン、レアルはマドリード。大きなクラブに付随して、大きなチームができやすいと思っています」とコメント。「日本であれば、東京や大阪などビッグクラブを作りやすい環境ではあると思うので、日本の1つのビッグクラブが世界に発信されるようになるといいなと」と、環境として日本の大きな都市に「ビッグクラブ」ができるのではないかと語った。 また、「シャルケでプレーしているときも、『ウッシー、日本でプレーしたいんだけど何か良いチームない?』というのはありましたが、どこのクラブでやりたいというのは彼らにはありませんでした。Jリーグにビッグクラブがあれば、『このチームでやりたいから、代理人紹介してくれ』などという話がしやすくなると、日本からビッグクラブを中心にJリーグが世界へと発信されるし、ヨーロッパ、世界からJリーグのこのチームでプレーしたいとなれば、実力のある選手ももっと来るようになると思います」と語り、ビッグクラブという存在はリーグ全体にとっても、対外的に良い影響を与えることになるとした。 さらに、地方の小さなクラブがビッグクラブから恩恵を受けることもあるとコメント。「バイエルンとやるときは自分の価値を高めるために一生懸命やりますし、プレシーズンではブンデスの1部が4部、5部のチームと練習試合をします。そうすると、その地域で凄くお客さんが入って、お金が落ちて集客が増えて、シーズンの開幕から応援してもらえる。ビッグクラブが地方に行って試合をするというのも1つの形かなと思います」と、「ビッグクラブ」の意義を語った。 一方で、近年はJリーグにも「ビッグプレーヤー」と呼ばれる選手がやって来てプレーをしている。スペインの名門・バルセロナで育ち、スペイン代表としてもワールドカップ(W杯)を優勝したMFアンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)を始め、ドイツ代表でW杯を優勝したFWルーカス・ポドルスキ(元ヴィッセル神戸)や元スペイン代表のFWダビド・ビジャ(元ヴィッセル神戸)、同じく元スペイン代表のFWフェルナンド・トーレス(元サガン鳥栖)、W杯得点王の元ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルラン(元セレッソ大阪)などがいた。 イニエスタとは実際にプレーした槙野氏は「Jリーグにはイニエスタ選手も、ポドルスキ選手、ビジャ選手、フォルラン選手など、ワールドカップで得点王になったり活躍した選手がJリーグにいたということを考えると、日頃の練習の強度が上がる。簡単なパスやコントロール、シュートを含めて、質を求められる環境があるというのはJリーグの良さ、そういった選手がもたらす影響だと思います」とコメント。「選手も彼らから教えてもらうこともありますが、メディカルや広報、強化に対しても良いプレッシャーが与えられているということも良いことなのかなと思います」と、プレー面、技術面だけでなく、クラブとしても大きな影響を受けるとコメントした。 観月さんはワールドクラスの選手がプレーすることについては「日本にいながらトップの選手のプレーが観られるのは、スタジアムに足を運ぶキッカケにはなるかなと思います」とコメント。ファンを増やすという点でも、魅力的だと語った。 2023.01.25 21:25 Wed
5

Jリーグ野々村芳和チェアマンが名実況者・金子勝彦氏を追悼「日本サッカー界に残してくださったご功績に感謝いたします」

Jリーグの野々村芳和チェアマンが他界した金子勝彦氏を追悼した。 金子氏は、1957年に毎日放送(MBS)にアナウンサーとして入社。1964年にはテレビ東京の開局に合わせ、スポーツ中継を担当。1968年に放送が開始された『三菱ダイヤモンド・サッカー』では1988年まで司会を担当した。 1974年には日本史上初めて衛星生中継された西ドイツ・ワールドカップ(W杯)の決勝戦を実況。2006年のドイツW杯の決勝もスカパー!で実況していた。 2012年には日本サッカー殿堂入りを果たすと、J SPORTSではプレミアリーグの実況を担当。『三菱ダイヤモンド・サッカー』時代からの名口上である「サッカーを愛する皆さん、ごきげんいかがでしょうか?」のフレーズも使っており、カーブのかかったボールを「スワーブ!」という台詞などが知られていた。 野々村チェアマンはJリーグを通じて追悼メッセージを送っている。 「ダイヤモンドサッカーは幼い頃から楽しみにしていた番組で、金子さんの実況の声は今でも耳に残っています」 「今では、海外のサッカーに様々な方法で触れることができますが、当時としては、サッカー番組自体それほど多くなく、ましてやヨーロッパのリーグやワールドカップを観られる番組として、テレビやビデオを通じて画面に釘付けになって観ていたのを覚えています。私のようなサッカー少年に多くの夢と希望を与えてくださったことは、感謝の念に堪えません」 「1993年にJリーグが開幕してからは、ダイヤモンドサッカーのコメンテーターとして、Jリーグの魅力を発信していただきました。2002年にはJリーグから特別功労賞を授与させていただきましたが、金子さんのサッカーに対する情熱と日本サッカー界に残してくださったご功績に感謝いたします」 「金子さん、ありがとうございました。謹んでお悔やみ申し上げます」 2023.08.29 13:55 Tue

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly