主将DF吉田は格上相手のドローに一定の手応え…家族持つ1人のアスリートとして有観客開催への思いも口に
2021.07.17 23:30 Sat
U-24日本代表でキャプテンを務めるDF吉田麻也(サンプドリア)が、難敵相手に善戦した東京オリンピック本番前最後の一戦を振り返った。
U-24日本代表は17日、ノエビアスタジアム神戸で行われたキリンチャレンジカップ2021でU-24スペイン代表と対戦し、1-1のドローに終わった。
12日に行われたU-24ホンジュラス戦を3-1で勝利した日本は、東京五輪本大会前最後の一戦で金メダル候補の格上と対戦。
試合を通して相手にボールを握られて押し込まれる苦しい戦いを強いられたが、前後半で大幅にメンバーが入れ替わりながらも78分にMFカルロス・ソレールに決められた1失点のみと守備の粘りを見せた。
逆に、前半終了間際の42分にはそこまでなかなか決定機を作れなかった中、MF久保建英(レアル・マドリー)とMF堂安律(PSV)の見事なコンビネーションで先にゴールをこじ開けるなど、本大会に向けて多くの収穫を得る一戦となった。
このスペイン戦に先発出場し、前半終了までプレーした吉田は同試合後、オンライン会見に出席。相手のクオリティーの高さを認めながらも格上相手の戦いにある程度手応えを感じている。
「ただ、プレスのかいくぐり方は本当に巧みだなと感じましたし、相手がもっとコンディションが上がってくれば、より、難しい試合になったんじゃないかなと思います。この結果に一喜一憂せず、自分たちがどれだけできたのか、後半を含めてどういった改善点があるかを理解できたので、これから4日、5日の中で整理していきたいです」
「攻め方に関してはただクリアするだけでなく1個、2個でも繋いだり、苦しいときに前でファウルをもらうとか、こういう相手と戦うときには非常に大事ですが、そこの部分に関しては前回の試合に比べて改善した部分だと思います」
「(メダル獲得に向けた手応えは?)半々ですね。手応えはありつつも、(相手が)『こんなもんじゃない』という客観的な目で見ているところもあります。僕らはロンドン(五輪)のときにメキシコに最初のテストマッチで勝っていましたが、この結果に一喜一憂せずにやるべきことに集中してもう一回、気を引き締めて大会に臨みたいと思います」
「勝ち上がれば、またこういう相手と戦うことになるので、次やるときはより質の高いプレーが求められると思います。ただ、楽しみです」
また、今回のスペイン戦の試合を含め本大会に向けたチームの改善点については、「苦しい時間帯の戦い方」を挙げている。
「(試合後、チームメイトに向けて)話さなければいけないのは、苦しいときの戦い方。もう少し先手を取らないと、相手のサッカーに対してリアクションだけだといつかやられてしまう。それがイタリア代表のようなチームであれば守り切る力があるかもしれませんが、そればかりだと苦しいと思うので、もうちょっと先手を取れるような守備をしないと苦しいし、奪った後のところの質を上げないといけないと苦しいと感じているので、そこは話したいと思っています」
最後に吉田は、「絶対に怒られると思います」と批判を覚悟しながらも、アスリートとして家族を持つ立場の1人として東京五輪の無観客開催に関して、再検討するよう訴えている。
「今はどちらの立場のコメントをしても叩かれる形になっています。ただ、僕は個人的に間違っていると思っています」
「この大会をやるにあたって(日本)国民の税金をたくさん使われていると思います。なのに誰も観に行けないということは、『いったい、誰のための、何のためのオリンピックなのか』という疑問を感じています」
「アスリートとしてはやはりファンの前でプレーしたいですし、今日もそうですが、残り10分の苦しい時間帯にファンやサポーターの方々のエネルギーが確実に僕らに届いていますし、僕らはトップ・トップの立場のチームではないので、その助けを必要としていると思います」
「JOCの山下(泰裕)会長もオンラインの壮行会の際に『自分らの小さい頃に見たオリンピックに衝撃を受けたし、ものすごく感動した』とおしゃっていましたが、僕たちが子供たちのためにできることは、ただ家の中に閉じ込めて誰にも合わずに事が落ち着くまで待つだけではないと思っています。もっともっとできることはたくさんあると思います」
「僕にも娘がいて娘は4歳で自分がプレーしていることを覚えていないと思いますが、そういう子供たちに色んなものを与えられると思っています。時差がなくてオンタイムで試合を観られるというのは、僕が2002年の(日韓)ワールドカップで経験しましたが、ものすごく感動しましたし、刺激を受けました。そのためにこそオリンピックを招致したと個人的には思っています」
「もちろん、ソーシャルワーカーの皆さんが毎日命を懸けて戦ってくれていることは重々理解していますし、オリンピックをやれることに対して感謝すべき立場にあることも理解しています」
「ただ、忘れないでほしいのは選手たちもサッカーに限らず、毎日命を懸けて人生を懸けて戦っているからこそ、この場に立てている選手たちばかりです。そういう選手たちばかりですし、もっと言えばマイナーな競技の選手たちはこのオリンピックにすべてを懸けている選手は本当にたくさんいると思います」
「そのためにも何とかもう一度(有観客開催を)考えてほしい。真剣に検討してほしいと思っています」
「それは僕らの家族だってそうです。じいちゃん、ばあちゃんだって、自分の孫がオリンピックに出る姿をリスクを背負っても観たいと思っている人もいるとも思いますし、家族に関して僕なんかもそうですが、色んなことを犠牲にして我慢して、ヨーロッパで戦っている僕らをサポートしてくれています」
「選手だけでなく家族も一緒に戦っている一員なので、その人たちが観れない大会というのは、誰のための大会、何のための大会なのかというクエスチョンがあります。もう一度真剣に検討してほしいと心から思っていますし、皆さんが安心して来て頂けることを祈っています」
日本は22日に東京スタジアムで開催される東京五輪グループステージ初戦でU-24南アフリカ代表と対戦するが、自身に対する批判を承知で改めて有観客での開催を求めた吉田の願いは届くか…。
U-24日本代表は17日、ノエビアスタジアム神戸で行われたキリンチャレンジカップ2021でU-24スペイン代表と対戦し、1-1のドローに終わった。
12日に行われたU-24ホンジュラス戦を3-1で勝利した日本は、東京五輪本大会前最後の一戦で金メダル候補の格上と対戦。
逆に、前半終了間際の42分にはそこまでなかなか決定機を作れなかった中、MF久保建英(レアル・マドリー)とMF堂安律(PSV)の見事なコンビネーションで先にゴールをこじ開けるなど、本大会に向けて多くの収穫を得る一戦となった。
このスペイン戦に先発出場し、前半終了までプレーした吉田は同試合後、オンライン会見に出席。相手のクオリティーの高さを認めながらも格上相手の戦いにある程度手応えを感じている。
「前半に関しては良い時間帯、苦しい時間帯がありましたが、総じてうまく守れたと思います。相手のストロングポイントをうまく消しながらやれたのかなと思います」
「ただ、プレスのかいくぐり方は本当に巧みだなと感じましたし、相手がもっとコンディションが上がってくれば、より、難しい試合になったんじゃないかなと思います。この結果に一喜一憂せず、自分たちがどれだけできたのか、後半を含めてどういった改善点があるかを理解できたので、これから4日、5日の中で整理していきたいです」
「攻め方に関してはただクリアするだけでなく1個、2個でも繋いだり、苦しいときに前でファウルをもらうとか、こういう相手と戦うときには非常に大事ですが、そこの部分に関しては前回の試合に比べて改善した部分だと思います」
「(メダル獲得に向けた手応えは?)半々ですね。手応えはありつつも、(相手が)『こんなもんじゃない』という客観的な目で見ているところもあります。僕らはロンドン(五輪)のときにメキシコに最初のテストマッチで勝っていましたが、この結果に一喜一憂せずにやるべきことに集中してもう一回、気を引き締めて大会に臨みたいと思います」
「勝ち上がれば、またこういう相手と戦うことになるので、次やるときはより質の高いプレーが求められると思います。ただ、楽しみです」
また、今回のスペイン戦の試合を含め本大会に向けたチームの改善点については、「苦しい時間帯の戦い方」を挙げている。
「(試合後、チームメイトに向けて)話さなければいけないのは、苦しいときの戦い方。もう少し先手を取らないと、相手のサッカーに対してリアクションだけだといつかやられてしまう。それがイタリア代表のようなチームであれば守り切る力があるかもしれませんが、そればかりだと苦しいと思うので、もうちょっと先手を取れるような守備をしないと苦しいし、奪った後のところの質を上げないといけないと苦しいと感じているので、そこは話したいと思っています」
最後に吉田は、「絶対に怒られると思います」と批判を覚悟しながらも、アスリートとして家族を持つ立場の1人として東京五輪の無観客開催に関して、再検討するよう訴えている。
「今はどちらの立場のコメントをしても叩かれる形になっています。ただ、僕は個人的に間違っていると思っています」
「この大会をやるにあたって(日本)国民の税金をたくさん使われていると思います。なのに誰も観に行けないということは、『いったい、誰のための、何のためのオリンピックなのか』という疑問を感じています」
「アスリートとしてはやはりファンの前でプレーしたいですし、今日もそうですが、残り10分の苦しい時間帯にファンやサポーターの方々のエネルギーが確実に僕らに届いていますし、僕らはトップ・トップの立場のチームではないので、その助けを必要としていると思います」
「JOCの山下(泰裕)会長もオンラインの壮行会の際に『自分らの小さい頃に見たオリンピックに衝撃を受けたし、ものすごく感動した』とおしゃっていましたが、僕たちが子供たちのためにできることは、ただ家の中に閉じ込めて誰にも合わずに事が落ち着くまで待つだけではないと思っています。もっともっとできることはたくさんあると思います」
「僕にも娘がいて娘は4歳で自分がプレーしていることを覚えていないと思いますが、そういう子供たちに色んなものを与えられると思っています。時差がなくてオンタイムで試合を観られるというのは、僕が2002年の(日韓)ワールドカップで経験しましたが、ものすごく感動しましたし、刺激を受けました。そのためにこそオリンピックを招致したと個人的には思っています」
「もちろん、ソーシャルワーカーの皆さんが毎日命を懸けて戦ってくれていることは重々理解していますし、オリンピックをやれることに対して感謝すべき立場にあることも理解しています」
「ただ、忘れないでほしいのは選手たちもサッカーに限らず、毎日命を懸けて人生を懸けて戦っているからこそ、この場に立てている選手たちばかりです。そういう選手たちばかりですし、もっと言えばマイナーな競技の選手たちはこのオリンピックにすべてを懸けている選手は本当にたくさんいると思います」
「そのためにも何とかもう一度(有観客開催を)考えてほしい。真剣に検討してほしいと思っています」
「それは僕らの家族だってそうです。じいちゃん、ばあちゃんだって、自分の孫がオリンピックに出る姿をリスクを背負っても観たいと思っている人もいるとも思いますし、家族に関して僕なんかもそうですが、色んなことを犠牲にして我慢して、ヨーロッパで戦っている僕らをサポートしてくれています」
「選手だけでなく家族も一緒に戦っている一員なので、その人たちが観れない大会というのは、誰のための大会、何のための大会なのかというクエスチョンがあります。もう一度真剣に検討してほしいと心から思っていますし、皆さんが安心して来て頂けることを祈っています」
日本は22日に東京スタジアムで開催される東京五輪グループステージ初戦でU-24南アフリカ代表と対戦するが、自身に対する批判を承知で改めて有観客での開催を求めた吉田の願いは届くか…。
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