ローマ到着のモウリーニョが所信表明! 1stインタビューで情熱的に語り尽くす

2021.07.03 15:03 Sat
Getty Images
来シーズンから指揮を執るローマにようやく降り立ったジョゼ・モウリーニョ監督が新天地での最初のインタビューで意気込みを語った。昨シーズン途中にトッテナムの指揮官を解任されたモウリーニョ監督は、そのわずか2週間後にパウロ・フォンセカ氏の後任としてローマの新指揮官就任が決定した。

そして、監督就任決定後、約2カ月が経ってようやくローマに到着したポルトガル人指揮官は、待ちわびたロマニスタから熱狂的な歓迎を受けるなど、良い形でトリゴリアでの初日を迎えることになった。
イタリア史上初のシーズン3冠に導いた2009-10シーズンのインテル時代以来のセリエA帰還を果たした稀代の名将は、ローマの公式チャンネルでの最初のインタビューで、所信表明を行った。

「初日からすでに興奮しているよ。心からね。初日にオーナーやチアゴ・(ピント)に会って、すぐにとてもポジティブな気持ちになった。これは私にとって大きな意味がある」
「このような熱意は、もちろん会話やアイデアの交換に基づいているが、それに加えて私が大切にしているもの、つまり人間的な感情に基づいている。それは共感と表現すべきものだ。したがって、本当の初日、つまりローマに到着する初日を心待ちにしていた」

「これはフリードキンのプロジェクトでも、ジョゼ・モウリーニョのプロジェクトでも、チアゴ・ピントのプロジェクトでもなく、ASローマのプロジェクトだという気持ちで最初の会話を終えた。それが私の本心であり、最も感銘を受けたことだ」

「知っての通り、私は自分のキャリアの中でさまざまな経験をしてきたし、同じような状況にあるクラブ、たとえば“外国人”のオーナーと仕事をしたこともあるが、フリードキンとその息子(ライアン)が常にローマのファンについて語っていたことが印象的だった。彼らは、自分たちのことでも、自分たちのプロジェクトのことでもなく、ファンのことを話していた」

「オーナーがクラブのことを『自分のクラブ』のように語ることはよくある。実際にはある視点から見ればそうなるが、私は彼らがローマのファンのためにクラブのことを語っていると感じた。もちろん、私は現実を知っているので、これは私にとって非常に重要なことだった。我々はスクデットと29ポイント、4位と16ポイント差でシーズンを終えたが、クラブとは直近の順位表のことではなく、クラブとは何かということ、私はASローマが何であるかをよく理解している」

「私はASローマのことをよく知っている。ファンを知っているし、情熱も理解している。そして、初日からこのプロジェクトの意義を感じていた。もし、『明日到着して、明後日には優勝する』というようなプロジェクトだとしたら、それはプロジェクトではない。しかし、ここではオーナーが遺産を残したいと考えているプロジェクトがあり、クラブにとって重要なことを、非常に持続可能な方法で行いたいと考えている。成功の基盤を作るためにね」

「願わくば、その成功が私にも訪れてほしいと思う。契約は3年あり、あるいは最初の契約がそうであっても、いつか2回目の契約があるかもしれない。したがって、私の率いる時代に成果が出てくれればいいと思っている。本当にそうなってほしいと思っているよ。だが、一歩一歩進んでいきたい。私はこのプロジェクトに参加できてとても幸せだ。繰り返しになるが、このプロジェクトは誰のプロジェクトでもなく、ASローマのプロジェクトだ」

また、11年ぶりのイタリア復帰に際して、この10年間の自身の変化を口にしている。直近のマンチェスター・ユナイテッド、トッテナムでは失敗の烙印を押されているにも関わらず、より良い指導者になっていると感じているようだ。

「今の方がずっといいと思っているよ。心からそう思っている。なぜなら、この仕事は経験がものをいう仕事だからね」

「経験というのは、すべてがデジャブに感じるということだ。あまりにも多くの経験をするとね。イタリアを離れてからは、レアル・マドリーに行ったが、それは素晴らしい経験だったし、イタリア、イングランド、スペインで優勝するという夢も叶った。そして、家族の拠点であり、戻りたいと思っていたイングランドに戻ってきた。私はチームを(EFLカップ)決勝まで導いたにもかかわらず、決勝でプレーできなかったという極端な経験もした。それは私のキャリアでは決して起こらないことだと思っていたが、実際に起こったことだ」

「このように多くの経験をして、良い時も悪い時も学んできたし、今は以前よりもずっと準備ができている。この仕事はモチベーションを失うその日まで、上達するしかないような仕事だと思っている。というのも、フットボールのコーチがやめてしまう、あるいは学ぶのをやめてしまうのは、それが唯一の原因だと思うからだ。私の場合はそうではない。それどころか、今でも毎日学んでいるし、ずっと良くなっていると思う」

「もちろん、ある国に初めて来て、ゼロの状態からスタートして、その国のことをすべて学ばなければならないということもあるだろう。だが、私の場合は、そうではない。私はイタリアという国を知っているし、フットボール文化としてのイタリアも、ローマについても知っている。私がイタリアにいた頃、ローマは本当のライバルだった。したがって、2008年に初めてイタリアに上陸したときよりも、今の方が良い位置にいると思う」

さらに、以前からファンに対するリスペクトを口にしてきたモウリーニョ監督は、長らくタイトルから遠ざかりながらも熱狂的にクラブを支えるロマニスタへの敬意を改めて口にしている。

「情熱は文化的なものだと思う。もちろん、私はまだローマのファンについて学ばなければならないだろう。外側から経験することと、内側から経験することは全く別のことだからね。そういう意味で私は外からしか経験していない」

「もちろん、ローマとは対戦したし、オリンピコでも何度かプレーした。そのパワーを知っている。最高の瞬間、素晴らしい瞬間には、どれほどの力を発揮するかを知っているよ。しかし、本当に信じられないのは、ここ数十年、ファンが楽しめる瞬間があまりなかったという事実だ。そして、彼らの情熱は結果に関わらず、常にそこにあるように見える」

「勝ち続けているチームの熱心なサポーターになるのはとても簡単なことだが、このクラブに関しては残念ながら過去数十年間、あまり喜べない状況に置かれている。そのことは、私にとって大きな意味を持っているんだ」

「友人同士の間ではポルトガルのチームやイギリスのチームのライバルについて冗談を言い合うことがあるが、その際には常に大きなサポーターであり、自分の存在を示さなければならない。ローマのファンがそうであることは、私にとって非常に明白だ。しかし、私は彼らが光を必要としていると信じている。私にとっての光とは、我々が将来のために築こうとしているものだ」

「私にとっての始まりは、フリードキン氏が彼ら(ファン)について語ったことだった。チームには彼らが持っているいくつかの資質があり、その主な資質はクラブに対する情熱だ。だから、私はこれらの原則を共有し、ファンがチームを見て勝った日には喜び、負けた日でさえも誇りに思えるようなチームを作りたいと思っている」

「特に価値観を共有できない場合、フットボール界ではそうならないことが多々ある。しかし、クラブを愛するすべての人が、内部でそれを感じ、毎分毎試合、ピッチの上でそれを感じ、プレーヤーがそれを感じることが重要だ」

最後に、新シーズンに向けて重要となるプレシーズンの準備期間に向けては、クラブからの「プレゼント(補強)」を期待しつつ、若手プレーヤーを中心に現有戦力を十分に把握することが重要だと語っている。

「まずは、プレゼントを待つことだね。ボスやチアゴが私に何かプレゼントを用意してくれているといいね。それが私のモチベーションを高めてくれる。もちろん、それは私が成長するための、あるいはプロセスを開始するための、より多くの可能性を与えてくれるだろう」

「しかし、それとは別に、我々のプレシーズンは様々な段階があるプレシーズンです。プレーヤーは段階的に到着する。ユーロに参加するプレーヤーは、もちろん遅れてやってくる。また、彼らの代表チームが大会を去る時期に応じて、さまざまな段階でやってくることになる」

「ただ、私にとっては、若いプレーヤーをよりよく知るための絶好の期間でもある。なぜなら、プレシーズンは様々なプレーヤーが混在した状態でスタートするからだ。もちろん、昨シーズンの最後の数試合では、何人かのプレーヤーがいくつかの試合に出場し、出場時間を確保していました。だから、彼らを見てみたいし、彼らとフィーリングを合わせてみたい」

「監督にとって、クラブの文化を持った若いプレーヤーをトップチームに連れてくること以上に素晴らしいことはないからね。したがって、将来的にはこのようなことがますます増えていくことを願っている。だが、一歩一歩進んでいこうじゃないか」

「シーズン前にプレーする試合でさえ、状況に応じて進化している。全てのプレーヤーを45分間プレーさせ、結果は気にせず、強いチームや、先に練習を始めていて準備段階が違うという意味で一歩も二歩も先を行くチームと対戦する。そして、一歩一歩、チームを成長させていきたい」

「私が共に連れて行くスタッフ、それは小さな核だ。私はたくさんのスタッフを新たなクラブに連れて行こうとするタイプではない。それは公平ではないと思っている。クラブの人々が自分たちが何であるかを示し、クラブをどのように感じ、新しいコーチや新しい時代に適応できるかを示す機会を持つことこそ公平だと思っている」

「だからこそ、みんなで一緒に、最も重要なことである“チーム”を作りたい。チームと言っても、それはピッチ上の11人のプレーヤーだけのことではない。クラブはチームでなければならない。誰もが自分のチームだと感じる必要がある。全員が『自分のチームにすべてを捧げたい』と感じなければならない。良い結果には誰もが喜び、悪い結果には誰もが悲しむが、全員がチームとして団結しなければならない」

新天地での新たな挑戦について情熱的に語ったモウリーニョ監督だが、ここ十数年苦戦続きの名門に何をもたらすことができるか…。

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ローマが新スタジアム計画を発表…目玉は欧州最大のクルヴァ・スッド

ローマが新スタジアムの計画を発表した。 ローマは1953年の開場以来、ラツィオと共にスタディオ・オリンピコを本拠地として使用してきた。しかし、幾度か修繕や改修は行っているものの、老朽化が否めないこともあり、クラブは以前から新スタジアム建設への動きを進めていた。 ただ、“地面を掘れば遺跡にあたる”とも言われる「永遠の都」特有の事情もあり、その計画はなかなか進まずにいたが、ライアン・フリードキン副会長とリナ・スルークCEOとローマ市長のロベルト・グアルティエリ氏ら市議会の代表者との会談を経て、新スタジアムの計画を発表した。 『YouTube』での新スタジアムのイメージ動画と共にクラブは今回の計画を以下のように説明している。 「ライアン・フリードキン副会長とリナ・スルークCEOを代表とするASローマのトップマネジメントは、本日、ローマ市長ロベルト・グアルティエリ氏と会談し、クラブの新スタジアムのエキサイティングな計画について話し合いました」 「会議では、プロジェクトの革新性と、フットボールファンと地域社会の両方に約束される数多くのメリットに対する共通の熱意が示されました」 「プロジェクトのビデオプレゼンテーションのリリースは、新しいスタジアムのユニークなビジョンとモダンなデザインを紹介し、熱狂的な反響を呼びました。このビジョンの鍵となるのは、ヨーロッパ最大となる予定の新しいクルヴァ・スッドです。このクルヴァ・スッドは、ASローマのサポーターの揺るぎない情熱の証となるでしょう」 また、フリードキン副会長は、このプロジェクトがクラブだけでなくローマという都市、地域社会においても新たな価値を創造するものになると確信している。 「本日、ローマ市長のロベルト・グアルティエリ氏とお会いし、新しいスタジアムのビジョンを発表できたことを光栄に思います。この素晴らしいスタジアムは、ASローマとそのファンの新しいホームであるだけでなく、ローマ市民全員にとってのランドマークでもあります。ヨーロッパ最大のクルヴァとなる予定の新しいクルヴァ・スッドは、サポーターの情熱とエネルギーを体現する強力な焦点となるでしょう。古典的なローマ建築にインスピレーションを得た象徴的なデザインと最先端の設備を備えたこのスタジアムは、フットボールファンから地元のコミュニティまで、すべての人に世界クラスの体験を提供します」 「ASローマの誇りある管理者として、私たちは、クラブの精神と伝統を体現する空間を創り出すとともに、革新と卓越性の世界的なシンボル、そして環境責任のモデルとなることに尽力しています」 「新スタジアムを環境責任のモデルにするという取り組みは、ローマ市長が指摘したように、クラブの価値観やローマ市のより広範な目標と一致しています」 「両者は、開発のさまざまな側面に焦点を当てる作業グループの設立を含む、プロジェクトを進めるためのロードマップについて話し合い、合意しました。これらのグループは、環境基準とコミュニティの関与に細心の注意を払いながら、プロジェクトがスムーズに進むようにします」 「ASローマとそのリーダーシップは、ファンの体験を向上させるだけでなく、コミュニティと環境にプラスの影響を与えるランドマークを作成することに専念しています。新しいスタジアムプロジェクトは、クラブ、ファン、そしてローマ市の誇りのシンボルとなるでしょう」 <span class="paragraph-title">【動画】ローマの新スタジアム構想が発表!</span> <span data-other-div="movie"></span> <iframe width="640" height="360" src="https://www.youtube.com/embed/RE0m08zRgBo" title=" Towards our new stadium " frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture; web-share" referrerpolicy="strict-origin-when-cross-origin" allowfullscreen></iframe> 2024.07.25 06:30 Thu
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モウリーニョ解任のローマに“レジェンド”デ・ロッシが帰還! 監督就任に「この感動は言葉では言い表せない」

ローマは16日、新監督にダニエレ・デ・ロッシ氏(40)が就任することを発表した。 契約期間は2024年6月30日までの残りシーズンとなる。 デ・ロッシ新監督は、ローマ育ちでアカデミー出身者。2002年にファーストチームに昇格すると、2019年7月にボカ・ジュニアーズに移籍するまでプレー。ローマ時代には2007年、2008年にはコッパ・イタリアで優勝。2007年にはスーペル・コパも制し、フランチェスコ・トッティ氏が引退してからはキャプテンとしてチームを支えた。 引退後はイタリア代表のテクニカルコーチを務め、2021年のユーロ優勝に貢献。2022年10月から2023年2月まではSPALで指揮を執っていたが、半年でわずか3勝に終わり解任されていた。 ローマでは公式戦通算616試合に出場し63ゴール。18年間プレーしたクラブに監督として復帰することとなったデ・ロッシ新監督は、クラブを通じてコメントしている。 「ローマのテクニカル面でのリーダーシップの責任を私に託してくれたフリードキンファミリーに感謝したい。私としては、今からシーズン終了までの間に待ち受ける試練に立ち向かうため、日々の犠牲を払い、自分の中にある全てを捧げる必要があると思っている」 「ベンチに座ることができる感動は言葉では言い表せない。私にとってローマがどんな存在であるかは、誰もが知っているが、我々全員を待っている仕事は既に引き受けた」 「我々には時間がなく、選択肢もない。競争力を持ち、目標のために戦い、達成しようとすることがスタッフと私が自分たちに与える唯一の優先事項だ」 ローマは16日、4シーズン目を迎えていたジョゼ・モウリーニョ監督を解任。就任1年目の2021-22シーズンはヨーロッパ・カンファレンスリーグで優勝。2022-23シーズンはヨーロッパリーグで決勝に進むも、セビージャにPK戦の末に敗れて準優勝。今シーズンはリーグ戦で序盤から調子が上がらず、14日に行われたセリエA第20節でミランに敗れ、3戦未勝利となっており、9位と苦しんでいた。 2024.01.16 22:15 Tue
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「僕はスペイン人」18歳ハイセンが母国オランダに決別…2月にスペイン国籍取得でU-21代表デビュー

ローマDFディーン・ハイセン(18)が自らのアイデンティティを語った。オランダ『Voetbal International』が伝えている。 セリエAでメキメキ頭角を表す197cmの両利きセンターバック・ハイセン。16歳でマラガからユベントスへ移籍し、トップ昇格の今季は後半戦からローマへ武者修行…順調に出場機会を得ている。 そんなハイセン、U-17オランダ代表の一員として2022年にU-17欧州選手権準優勝などなど、これまでは世代別オランダ代表の常連。 しかし、今回の代表ウィークはU-21スペイン代表に招集…元アヤックスの父ドン・ハイセン氏を含めて一家揃ってオランダ出身だが、自身が5歳の時にスペイン・アンダルシア州へ移住し、今年2月にはスペイン国籍を取得しているのだ。 そして、21日に行われたU-21スロバキア代表との国際親善試合でラ・ロヒタ(世代別スペイン代表の愛称)デビュー。スペイン『マルカ』のインタビューでは「僕はスペイン人」と明言した。 「そうだね。僕は自分がスペイン人だと感じているよ。5歳からマラガで育ち、今回スペイン代表の一員になれて嬉しい。いずれスペイン代表でトロフィーを勝ち取りたいよ」 ハイセンをDFヴィルヒル・ファン・ダイクやDFステファン・デ・フライ、DFマタイス・デ・リフトらに続く新時代のディフェンスリーダーと捉えていたオランダ側から見れば、今回の所信表明は痛い。 2024.03.26 16:35 Tue
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ベールを脱いだ特大のポテンシャル…18歳の195cm両利きCBハイセン、ユベントスは他クラブへの警戒が必要に

U-19オランダ代表DFディーン・ハイセン(18)への注目度が高まってきた。 5日、セリエA第23節のローマvsカリアリが行われ、ダニエレ・デ・ロッシ監督体制3試合目のローマが4-0と完勝。59分、途中出場からまもないローマの195cm両利きセンターバック・ハイセンが勝利を決定付ける4点目を決めた。 このハイセン、ユベントスから半年レンタルでローマに来たばかりの18歳だが、セリエA初得点となった前述のゴールだけでなく、デ・ロッシ新監督への関心の高さと相まり、いま非常に注目を集めているティーンエイジャーだ。 今季前半戦のユベントスでは、セリエAデビューの1試合12分間のみの出場にとどまったが、ハイセンを指導してきたユベントスの下部組織コーチ陣は口を揃えて「ユーベの未来」と称する大器中の大器。レンタルバック後の定位置奪取が期待される。 ただ、注目を集めているのは、ユベントスでの将来が期待されているからだけではない。ローマでファーストインパクトを与えることに成功したために、西欧のビッグクラブが続々と関心を高めているのだ。 イタリア『カルチョメルカート』によると、純粋な資金力だけには疑いの余地がないマンチェスター・ユナイテッド、また若手の登竜門として名高いドイツの両雄、ドルトムントとRBライプツィヒが、18歳ハイセンへの関心のギアを上げているという。3者は選手がユベントスへ復帰する2024年夏の獲得さえ見据える。 保有元ユベントスとしては、元ブラジル代表DFアレックス・サンドロ(33)と元イタリア代表DFダニエレ・ルガーニ(29)が2024年夏でいよいよ退団する可能性も指摘され、そうでなくとも経験を積んで帰ってくるハイセンは序列を上げる見通しだ。 逸材を易々と手放す可能性などもちろんないだろうが、ユナイテッドのような一部のメガクラブは、ポテンシャルこそあれど実績に乏しい若手タレントに3000万ユーロ(約48億1000万円)以上を積むことを苦にせず。 ハイセンとの契約を2027年6月まで残すユベントスも注意が必要だ。 2024.02.08 20:20 Thu
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34歳パストーレ現役引退へ「痛みに耐えられない」「楽しかったサッカーが罰に」

元アルゼンチン代表MFハビエル・パストーレ(34)がやはり現役引退へ。 淡いピンクのユニフォームを纏ったパレルモ時代に脚光を浴び、以後パリ・サンジェルマン(PSG)、ローマでもプレーしたパストーレ。端正な顔立ちも人気を博した正真正銘のクラックだ。 しかし、そんな彼の現在地は「無所属」。昨夏カタール・スターズリーグのカタールSCを半年で退団後、どのクラブにも属しておらず、以前から問題を抱える股関節の状態が極めて良くないことを明かしている。 今回、アルゼンチン『La Nacion』の取材では、耐え難い股関節の痛み、そしてそれに伴う苦しみに苛まれてきたことを告白。どうやら心は現役引退で固まってるようだ。 「痛みに耐えられなかった…目覚めの瞬間に気分が悪くなり、自然と脳が僕に『もうサッカーを辞める時だ』と語りかけていた。けど、僕自身が受け入れられず、苦しむことを決めたんだ」 「サッカーを続けるためにできることは全て試してみた。けど、望む結果は何もない。練習とプレーは再開できたが、日々の生活は悪いまま。一度紅白戦をやってみたら、その後2日間ベッドで寝て過ごすことになったんだ…痛みでね」 「消耗しきった股関節に再び負荷をかける…有害みたいだ。痛みは以前にも増して大きくなり、サッカーが楽しみではなく、ただの罰になってしまったよ。子どもたちとボールを蹴ることさえままならない」 「今は左足の股関節に人工股関節を入れてある。すべてセラミックでね。毎朝リハビリに励み、なんとか生活は元通りだ。『普通の生活』がこんなにハッピーだなんてね」 「この数年間、常に現役引退の準備をしてきた。股関節が元気だったころ、僕はフットボーラーとしてなんだってできると信じていた…今日の僕はピッチに立つことを一切考えていない」 「ここからさらに回復して、もしランニングして良い気分を維持できたら…その時はもっともっと走りたくなるだろうね。それだけで満足だ」 “El Flaco(エル・フラコ=やせぽっち)”ハビエル・パストーレ。美しい出立ちとプレーの数々でファンを楽しませた男は、スパイクを脱ぐ。 2024.03.22 18:10 Fri

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