助けてはもらいたいんだけど…/原ゆみこのマドリッド
2021.01.05 21:30 Tue
「まだ決まってないんだ」そんな風に私が拍子抜けしていたのは月曜日、コパ・デル・レイ2回戦を前に記者会見したヘタフェのボルダラス監督が、「彼はクラブが扱っているオプションの1つで、どうなるか見てみよう」と話していたのを知った時のことでした。いやあ、このところ出場がなく、とうとう土曜のレバンテ戦ではベンチ入りから外れた久保建英選手について、試合後、ビジャレアルのエメリ監督が「2日前に彼と話したところ、me confirmó que buscaba salida porque juega menos de lo que cree que tiene que jugar/メ・コンフィルモ・ケ・ブスカバ・サリーダ・ポルケ・フエガ・メノス・デ・ロ・ケ・クレエ・ケ・ティエネ・ケ・フガール(自分が思ったより、プレー時間が少ないため、退団を模索していることを認めた)」と語っていた辺りから、事態は加速。
日曜には、週明け早々、ヘタフェへの入団が発表されそうと、スポーツ紙などでは予測していたんですけどね。それで私もレアル・マドリーからのレンタル移籍先を変え、マドリッドの弟分チームに彼が本当に来るのかと、コマメにニュースをチェックしていたんですが、でもちょっと待って。ヘタフェと言えば、現在、2部の弟分レガネスで活躍中の柴崎岳選手が2017年の夏に入団。2シーズン過ごしたものの、ボルダラス監督のサッカーにあまりフィットしなかったか、29試合の出場に留まり、2019年には2部のデポルティボ(今季は2部B)に移籍したなんてことがあったんですが、正直、久保選手も馴染めるのかどうかは疑問が沸くところかと。
そう、2016年9月、2部に降格していたヘタフェに着任してから、そのシーズンにプレーオフを経て1部に最短復帰。2018-19シーズンには5位でEL出場権を獲得し、昨季は名門アヤックスを倒して、16強対決まで進出という偉業を成し遂げたボルダラス監督が、そのプレースタイルを変える可能性はないに等しいですからね。昨今では体当たりサッカーでファールの多いチームという評判が災いしたか、逆に対戦相手からガンガン、ラフプレーを仕掛けられ、ピッチに人が倒れているのが珍しくないような試合も結構あったりするんですが、そこは久保選手、自慢のテクニックで何とかなる?
といっても今季のヘタフェは不調が続き、土曜のリーガ戦の後もエースのマタが、「Llegamos hasta el área, pero ahí nos cuesta. No somos capaces de generar ocasiones claras/ジェガモス・アスタ・エル・アレア、ペロ・アイー・ノス・クエスタ。ノー・ソモス・カパセス・デ・ヘネラル・オカシオネス・クラーラス(敵エリアまでは行くんだが、そこからが難しい。ウチは明確なシュートチャンスを作ることができない)」と嘆いていたように、とりわけ最近はゴール日照りが最大の悩みの種ですからね。そのため、ラストパスを贈ってくれる久保選手のようなアタッカーが必要ではあるんですが、それも1日でも早く来てと焦ってしまうのは…。
彼ら、また躓いてしまったんですよ。それもバジャドリー戦では前半36分、キケ・ペレスが左サイドをドリブル、「pidiendo el fuera de juego, dejamos sacar un centro/ピディエンドー・エル・フエラ・デ・フエゴ、デハモス・サカール・ウン・セントロ(オフサイドをアピールしているうちにクロスを許してしまった)」(ボルダラス監督)というボールをヴァイスマンにゴール前から決められ、奪われた先制点を最後まで返せないとは情けない。昨年最後の試合、兄貴分のアトレティコとのマドリーミニダービーでもFKからルイス・スアレスに決められたゴールで1-0と負けているとはいえ、その日は反撃もあまり見られませんでしたしね。
そして土曜の夜にはマドリーがエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)にセルタを迎えたんですが、助かりました。どうやら、ここ6試合5勝1分けという同じ成績の相手をジダン監督のチームは強敵と捉えたようで、いえ、コウデット監督がカディスやアラベス、エルチェのように専守防衛タイプではなかったのも幸いしたんでしょうけどね。前半4分、イアゴ・アスパスがGKクルトワの頭上を越えるvaselina(バセリーナ/ループシュート)を放ったところ、胃腸の具合が悪く、その日はスタンド観戦となったセルヒオ・ラモスの代わりにCBに入ったナチョがゴール前でクリア。そこから得意の速攻カウンターが炸裂し、最後はアセンシオが左から上げたクロスをルーカス・バスケスがヘッドして先制点をゲットします。
そのままマドリーは1-0とリードして、後半に入ったんですが、この日はツキも味方してくれたような。というのも、5分にはナチョにタックルされて倒れたアスパスが交代する破目になったからで、いえ、「Iago venía algo tocado ya del isquio durante la semana/イアゴ・ベニア・アルゴ・トカードー・ジャ・デル・イスキオ・ドゥランテ・ラ・セマーナ(イアゴは週の間から、ハムストリングスをちょっと痛めていた)」というチームメイト、デニス・スアレスの証言もあるため、このファールだけが負傷の原因ではないようなんですけどね。そうは言っても、今季9得点でピチチ(得点王)争いトップにいるFWを失ったセルタのショックはあまりに大きかったか、それから3分もしないうちにマドリーに追加点が入ることに。
ええ、今度は役割が逆転し、ルーカス・バスケスが送ったパスをアセンシオがエリア内から撃って、自身今季初ゴールをゲット。何せ、昨季はコロナによるparon(パロン/リーガの中断期間)のおかげもあり、ヒサの靭帯断裂から回復して、リーガ逆転優勝を遂げたシーズン終盤には参加できたものの、「la gente no sabe que es un proceso largo de acumular partidos y minutos/ラ・ヘンテ・ノー・サベ・ケ・エス・ウン・プロセソ・ラルゴ・デ・アクムラル・パルティードス・イ・ミヌートス(試合数とプレー時間を積み上げていく長いプロセスがるのを皆は知らない)」と当人も言っていたように、負傷前のレベルには至っていませんでしたからね。アザールに続き、ロドリゴも負傷したのをキッカケにここ数試合、得意の左サイドで使ってもらえたのが良かったか、いよいよアセンシオも本領発揮ということでしょうか。
その後もセルタが攻めてくることはあまりなく、ジダン監督も徐々にピッチに立つ時間を増やしていく予定らしいアザールを始め、ビニシウス、そして珍しくウーデゴールとマリアーノも出場させる5人交代の大盤振る舞いができることに。そのまま2-0で勝ったマドリーはお隣さんに勝ち点差1をつけて、堂々単独首位に立ったんですが、まあそれはそれってことで。でもねえ、今週の彼らはコパ・デル・レイ2回戦を免除されているため、滅多にないことなんですが、ミッドウィークが空いて、土曜のオサスナ戦まで余裕があるって、ちょっとズルくない?まあ、それも来週、ファイナルフォー形式となって2回目のスペイン・スーパーカップ準決勝を木曜にアスレティックと戦い、勝利すれば、レアル・ソシエダvsバルサ戦の勝者と日曜に決勝戦を行わないといけないからなんですけどね。
ただ、遥々サウジアラビアのジェッダまで移動した前回と異なり、無観客試合開催を同国に断られた今年はアンダルシア(スペイン南部)、マドリーはラ・ロサレダ(2部マラガのホーム)で、バルサはヌエボ・アルカンヘル(ヘタフェが火曜に試合するコルドバのホーム)、そして決勝はセビージャのカルトゥハですからね。あまり選手たちの負担にはならないかと思いますが、試合が少ないと、話題がすぐ、人事関係に行ってしまうのが世間の常。昨年からのコロナ禍の影響による減収もあり、この冬の移籍市場での出入り予定がないため、今はもっぱら、6月で契約満了となり、今はもう他クラブとの交渉が可能になったにも関わらず、まだ延長をしていないラモスやルーカス・バスケスの件でスポーツ紙のマドリーページは埋まることになりそうですね。
え、それで日曜にアラベス戦に挑んだアトレティコはどうだったのかって?いやあ、ここのところ、スペインは大寒波に襲われていて、メンディソロサ(アラベスのホーム)のあるビトリア(スペイン北部)など、大雪が降ったんですけどね。土曜の朝にはピッチ一面、真っ白でどうなることやらと危ぶまれたものの、クラブスタッフの尽力により、試合当日には完璧に除雪が終了。ただ、気温が低いのだけはどうにもならず、シメオネ監督のチームが前半、トロトロとしか、パスを交わせないのもきっと、足がかじかんで、あまり動けないんだろうと、私も寛容に眺めていることにしたんですが、いいえ、とんでもない。試合がいきなり動いたのは前半40分、スアレスからボールを受けたマルコス・ジョレンテが常に有り余っているエネルギーを全開にしてくれたんです。
敵エリアまで近づき、左足でシュートしたところ、それがラガルディアの踵に当たり、GKパチェコを破ってくれたとなれば、「時には利き足でなくても入るものさ。Hay que probar suerte/アイ・ケ・プロバル・スエルテ(運を試してみないといけないよ)」(ジョレンテ)というのもごもっとも。逆にこの日はラガルディアにとって、天中殺だったようで、後半5分に敵ゴールを目指したレマルに突っ込んだところ、いやあ、最初はイエローだったんですけどね。アトレティコがコレアをジョアン・フェリックスに代えた後、VAR(ビデオ審判)からの連絡でモニターを見に行った主審がカードをレッドに変更。後半早々、アラベスは10人になってしまったんですが、マチン監督もやりますよねえ。
前節のヘタフェ戦同様、アトレティコが追加点を取れず、もたもたしていたのも悪いんですが、残り15分にルーカス・ペレスとホセルのレギュラーFWコンビを投入。それが見事に当たって、34分、ホセルのゴール前へのパスをルーカス・ペレスと争ったフェリパがオウンゴールにしてしまったとなれば、これぞまさしく監督冥利に尽きる?この時点ですでにカラスコはサウールに代わっていましたし、シメオネ監督の最後の交代カードも戦犯候補のフェリペをロディにして、CB3人制から、2人に減らしただけ。となれば、残り時間もあまりないとあって、その日は引き分けでも仕方ないのかと私も諦めかけていたところ…。
いるんですよ、今季のアトレティコには真正のnueve(ぬえべ/背番号9、CFのこと)が!ジエゴ・コスタの緊急退団もあり、1人しかいないエースをこの日はシメオネ監督が早めに引っ込めなかったことも幸いして、45分、サウールからスルーパスを受けたジョアンがエリア内左奥から、渾身のラストパス。それをゴールの反対側、ドンピシャの位置でスアレスが合わせ、土壇場の決勝点って、もうこれはタダで譲ってくれたバルサにどれだけ感謝しても足りないかと。ええ、シメオネ監督も「一番良かったのは試合の終わり方。同点にされてもチームは神経質にならず、ボールを繋いだ。Saúl, Joao y definiendo el 9 donde tiene que estar/サウール、ジョアン・イ・デフィニエンドー・エル・ヌエベ・ドンデ・ティエネ・ケ・エスタル(サウール、ジョアン、そして9番がいなければいけない場所にいてフィニッシュした)」と満足感を隠せませんでしたっけ(最終結果1-2)。
おかげでお隣さんを1日天下に抑え、再び単独首位に返り咲いたアトレティコでしたが、ちなみにこの日、ジョアンが控えだったのは、監督に言わせると、「Los partidos duran 90 minutos. Es una estrategia/ロス・パルティードス・ドゥラン・ノベンタ・ミヌートス。エス・ウナ・エストラテヒア(試合は90分続く。これは戦術だ)」ということで、別にここ数試合、当人のパフォーマンスが落ちていたからではないようなんですけどね。最近は2年間、我慢の甲斐あって、レマルも着々と貢献度を高めていますし、カラスコ、コレアといる前線は結構、ポジション争いが熾烈。浮いたコスタの人件費でまたFWを獲るかもしれないため、ジョアンも油断はできませんよね。
そんな彼らは今週も水曜午後6時(日本時間翌午前2時)から、コルネジャ(2部B)とのコパがあるんですが、朗報はFIFAが土曜にFA(イングランド・サッカー協会)から受けたトリッピアーの10週間サッカー活動禁止処分の一時停止を命じてくれたこと。よって、12月22日のレアル・ソシエダ戦以来、強制的に自宅練習をさせられていた彼も火曜からはマハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場でのセッションに戻れることになり、体調に問題がなければ、コパで足慣らしをすることも可能に。そろそろエレーラもリハビリ明けしそうですしね。とりあえず、控えプラス、カンテラーノ(アトレティコBの選手)でコルネジャ戦には挑むことになりますが、初戦の32強対決でクルトゥラル・レオネサ(2部B)に敗退した昨季の反省を生かして、好調なリーガの追い風となるような試合をしてくれることを期待しています。
日曜には、週明け早々、ヘタフェへの入団が発表されそうと、スポーツ紙などでは予測していたんですけどね。それで私もレアル・マドリーからのレンタル移籍先を変え、マドリッドの弟分チームに彼が本当に来るのかと、コマメにニュースをチェックしていたんですが、でもちょっと待って。ヘタフェと言えば、現在、2部の弟分レガネスで活躍中の柴崎岳選手が2017年の夏に入団。2シーズン過ごしたものの、ボルダラス監督のサッカーにあまりフィットしなかったか、29試合の出場に留まり、2019年には2部のデポルティボ(今季は2部B)に移籍したなんてことがあったんですが、正直、久保選手も馴染めるのかどうかは疑問が沸くところかと。
そう、2016年9月、2部に降格していたヘタフェに着任してから、そのシーズンにプレーオフを経て1部に最短復帰。2018-19シーズンには5位でEL出場権を獲得し、昨季は名門アヤックスを倒して、16強対決まで進出という偉業を成し遂げたボルダラス監督が、そのプレースタイルを変える可能性はないに等しいですからね。昨今では体当たりサッカーでファールの多いチームという評判が災いしたか、逆に対戦相手からガンガン、ラフプレーを仕掛けられ、ピッチに人が倒れているのが珍しくないような試合も結構あったりするんですが、そこは久保選手、自慢のテクニックで何とかなる?
彼ら、また躓いてしまったんですよ。それもバジャドリー戦では前半36分、キケ・ペレスが左サイドをドリブル、「pidiendo el fuera de juego, dejamos sacar un centro/ピディエンドー・エル・フエラ・デ・フエゴ、デハモス・サカール・ウン・セントロ(オフサイドをアピールしているうちにクロスを許してしまった)」(ボルダラス監督)というボールをヴァイスマンにゴール前から決められ、奪われた先制点を最後まで返せないとは情けない。昨年最後の試合、兄貴分のアトレティコとのマドリーミニダービーでもFKからルイス・スアレスに決められたゴールで1-0と負けているとはいえ、その日は反撃もあまり見られませんでしたしね。
何より、ここ3シーズンでは考えられなかった、1部残留を争うrival directo/リバル・ディレクト(直接ライバル)に負けたのは痛かったんですが、幸い決勝戦はこの日曜のエルチェ戦、その次のウエスカ戦と残っていますからね。順位も14位から16位に落ちてしまったものの、まだ降格圏までは勝ち点1ありますし、まずは火曜のコパ・デル・レイ2回戦コルドバ(2部B)戦で頭を切り替えて、勝ち運を呼び寄せてくれたらと。ちなみにその試合ではダミアン、オリベイラ、マキシモビッチ、カバコをお留守番にしたボルダラス監督でしたが、クーチョが負傷と4試合の出場停止処分の中、ウナルもリハビリ中とあって、30代のFWコンビ、アンヘル、マタが出ずっぱりになりそうなのはちょっと心配ですよね。
そして土曜の夜にはマドリーがエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)にセルタを迎えたんですが、助かりました。どうやら、ここ6試合5勝1分けという同じ成績の相手をジダン監督のチームは強敵と捉えたようで、いえ、コウデット監督がカディスやアラベス、エルチェのように専守防衛タイプではなかったのも幸いしたんでしょうけどね。前半4分、イアゴ・アスパスがGKクルトワの頭上を越えるvaselina(バセリーナ/ループシュート)を放ったところ、胃腸の具合が悪く、その日はスタンド観戦となったセルヒオ・ラモスの代わりにCBに入ったナチョがゴール前でクリア。そこから得意の速攻カウンターが炸裂し、最後はアセンシオが左から上げたクロスをルーカス・バスケスがヘッドして先制点をゲットします。
そのままマドリーは1-0とリードして、後半に入ったんですが、この日はツキも味方してくれたような。というのも、5分にはナチョにタックルされて倒れたアスパスが交代する破目になったからで、いえ、「Iago venía algo tocado ya del isquio durante la semana/イアゴ・ベニア・アルゴ・トカードー・ジャ・デル・イスキオ・ドゥランテ・ラ・セマーナ(イアゴは週の間から、ハムストリングスをちょっと痛めていた)」というチームメイト、デニス・スアレスの証言もあるため、このファールだけが負傷の原因ではないようなんですけどね。そうは言っても、今季9得点でピチチ(得点王)争いトップにいるFWを失ったセルタのショックはあまりに大きかったか、それから3分もしないうちにマドリーに追加点が入ることに。
ええ、今度は役割が逆転し、ルーカス・バスケスが送ったパスをアセンシオがエリア内から撃って、自身今季初ゴールをゲット。何せ、昨季はコロナによるparon(パロン/リーガの中断期間)のおかげもあり、ヒサの靭帯断裂から回復して、リーガ逆転優勝を遂げたシーズン終盤には参加できたものの、「la gente no sabe que es un proceso largo de acumular partidos y minutos/ラ・ヘンテ・ノー・サベ・ケ・エス・ウン・プロセソ・ラルゴ・デ・アクムラル・パルティードス・イ・ミヌートス(試合数とプレー時間を積み上げていく長いプロセスがるのを皆は知らない)」と当人も言っていたように、負傷前のレベルには至っていませんでしたからね。アザールに続き、ロドリゴも負傷したのをキッカケにここ数試合、得意の左サイドで使ってもらえたのが良かったか、いよいよアセンシオも本領発揮ということでしょうか。
その後もセルタが攻めてくることはあまりなく、ジダン監督も徐々にピッチに立つ時間を増やしていく予定らしいアザールを始め、ビニシウス、そして珍しくウーデゴールとマリアーノも出場させる5人交代の大盤振る舞いができることに。そのまま2-0で勝ったマドリーはお隣さんに勝ち点差1をつけて、堂々単独首位に立ったんですが、まあそれはそれってことで。でもねえ、今週の彼らはコパ・デル・レイ2回戦を免除されているため、滅多にないことなんですが、ミッドウィークが空いて、土曜のオサスナ戦まで余裕があるって、ちょっとズルくない?まあ、それも来週、ファイナルフォー形式となって2回目のスペイン・スーパーカップ準決勝を木曜にアスレティックと戦い、勝利すれば、レアル・ソシエダvsバルサ戦の勝者と日曜に決勝戦を行わないといけないからなんですけどね。
ただ、遥々サウジアラビアのジェッダまで移動した前回と異なり、無観客試合開催を同国に断られた今年はアンダルシア(スペイン南部)、マドリーはラ・ロサレダ(2部マラガのホーム)で、バルサはヌエボ・アルカンヘル(ヘタフェが火曜に試合するコルドバのホーム)、そして決勝はセビージャのカルトゥハですからね。あまり選手たちの負担にはならないかと思いますが、試合が少ないと、話題がすぐ、人事関係に行ってしまうのが世間の常。昨年からのコロナ禍の影響による減収もあり、この冬の移籍市場での出入り予定がないため、今はもっぱら、6月で契約満了となり、今はもう他クラブとの交渉が可能になったにも関わらず、まだ延長をしていないラモスやルーカス・バスケスの件でスポーツ紙のマドリーページは埋まることになりそうですね。
え、それで日曜にアラベス戦に挑んだアトレティコはどうだったのかって?いやあ、ここのところ、スペインは大寒波に襲われていて、メンディソロサ(アラベスのホーム)のあるビトリア(スペイン北部)など、大雪が降ったんですけどね。土曜の朝にはピッチ一面、真っ白でどうなることやらと危ぶまれたものの、クラブスタッフの尽力により、試合当日には完璧に除雪が終了。ただ、気温が低いのだけはどうにもならず、シメオネ監督のチームが前半、トロトロとしか、パスを交わせないのもきっと、足がかじかんで、あまり動けないんだろうと、私も寛容に眺めていることにしたんですが、いいえ、とんでもない。試合がいきなり動いたのは前半40分、スアレスからボールを受けたマルコス・ジョレンテが常に有り余っているエネルギーを全開にしてくれたんです。
敵エリアまで近づき、左足でシュートしたところ、それがラガルディアの踵に当たり、GKパチェコを破ってくれたとなれば、「時には利き足でなくても入るものさ。Hay que probar suerte/アイ・ケ・プロバル・スエルテ(運を試してみないといけないよ)」(ジョレンテ)というのもごもっとも。逆にこの日はラガルディアにとって、天中殺だったようで、後半5分に敵ゴールを目指したレマルに突っ込んだところ、いやあ、最初はイエローだったんですけどね。アトレティコがコレアをジョアン・フェリックスに代えた後、VAR(ビデオ審判)からの連絡でモニターを見に行った主審がカードをレッドに変更。後半早々、アラベスは10人になってしまったんですが、マチン監督もやりますよねえ。
前節のヘタフェ戦同様、アトレティコが追加点を取れず、もたもたしていたのも悪いんですが、残り15分にルーカス・ペレスとホセルのレギュラーFWコンビを投入。それが見事に当たって、34分、ホセルのゴール前へのパスをルーカス・ペレスと争ったフェリパがオウンゴールにしてしまったとなれば、これぞまさしく監督冥利に尽きる?この時点ですでにカラスコはサウールに代わっていましたし、シメオネ監督の最後の交代カードも戦犯候補のフェリペをロディにして、CB3人制から、2人に減らしただけ。となれば、残り時間もあまりないとあって、その日は引き分けでも仕方ないのかと私も諦めかけていたところ…。
いるんですよ、今季のアトレティコには真正のnueve(ぬえべ/背番号9、CFのこと)が!ジエゴ・コスタの緊急退団もあり、1人しかいないエースをこの日はシメオネ監督が早めに引っ込めなかったことも幸いして、45分、サウールからスルーパスを受けたジョアンがエリア内左奥から、渾身のラストパス。それをゴールの反対側、ドンピシャの位置でスアレスが合わせ、土壇場の決勝点って、もうこれはタダで譲ってくれたバルサにどれだけ感謝しても足りないかと。ええ、シメオネ監督も「一番良かったのは試合の終わり方。同点にされてもチームは神経質にならず、ボールを繋いだ。Saúl, Joao y definiendo el 9 donde tiene que estar/サウール、ジョアン・イ・デフィニエンドー・エル・ヌエベ・ドンデ・ティエネ・ケ・エスタル(サウール、ジョアン、そして9番がいなければいけない場所にいてフィニッシュした)」と満足感を隠せませんでしたっけ(最終結果1-2)。
おかげでお隣さんを1日天下に抑え、再び単独首位に返り咲いたアトレティコでしたが、ちなみにこの日、ジョアンが控えだったのは、監督に言わせると、「Los partidos duran 90 minutos. Es una estrategia/ロス・パルティードス・ドゥラン・ノベンタ・ミヌートス。エス・ウナ・エストラテヒア(試合は90分続く。これは戦術だ)」ということで、別にここ数試合、当人のパフォーマンスが落ちていたからではないようなんですけどね。最近は2年間、我慢の甲斐あって、レマルも着々と貢献度を高めていますし、カラスコ、コレアといる前線は結構、ポジション争いが熾烈。浮いたコスタの人件費でまたFWを獲るかもしれないため、ジョアンも油断はできませんよね。
そんな彼らは今週も水曜午後6時(日本時間翌午前2時)から、コルネジャ(2部B)とのコパがあるんですが、朗報はFIFAが土曜にFA(イングランド・サッカー協会)から受けたトリッピアーの10週間サッカー活動禁止処分の一時停止を命じてくれたこと。よって、12月22日のレアル・ソシエダ戦以来、強制的に自宅練習をさせられていた彼も火曜からはマハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場でのセッションに戻れることになり、体調に問題がなければ、コパで足慣らしをすることも可能に。そろそろエレーラもリハビリ明けしそうですしね。とりあえず、控えプラス、カンテラーノ(アトレティコBの選手)でコルネジャ戦には挑むことになりますが、初戦の32強対決でクルトゥラル・レオネサ(2部B)に敗退した昨季の反省を生かして、好調なリーガの追い風となるような試合をしてくれることを期待しています。
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▽クリスタル・パレスは6月8日、ヘタフェからスペイン人GKビセンテ・グアイタ(31)を獲得したことを発表した。契約期間は7月1日からの3年間となっている。 ▽日本代表MF柴崎岳の所属するヘタフェの正守護神であるグアイタは、2014年夏にフリートランスファーでバレンシアから加入。今シーズンはリーガエスパニョーラ34試合に出場すると、チームの総失点をアトレティコ・マドリー、バルセロナに続きリーガ3位となる33失点に抑え、躍進に大きく貢献していた。 ▽今年の夏でヘタフェとの契約が切れるグアイタの獲得に関してはワトフォードが興味を示していたことも報じられていたが、争奪戦はクリスタル・パレスが制したようだ。クリスタル・パレスのチェアマンを務めるスティーブ・パリッシュ氏は、クラブ公式サイトを通じて以下のようにコメントした。 「リーガのベストゴールキーパーの1人と契約できて、私たちは大いに喜んでいるし、争奪戦を制すことができて満足だ。ビセンテ(・グアイタ)がプレシーズントレーニングから参加し、プレミアリーグでの挑戦を助けてくれることを楽しみにしている」 2018.06.08 20:10 Fri3
「努力は常に報われる」衝撃の一撃でヘタフェの“ヒーロー”になった久保建英、残留を決めるゴールは「本当に幸せ」
ヘタフェの日本代表MF久保建英がクラブのインタビューに応じ、加入後初ゴールや残留について振り返った。 久保は今シーズンのはじめはレアル・マドリーからビジャレアルへとレンタル移籍。大きな飛躍が期待された中、ウナイ・エメリ監督に高く評価されながらも、リーグ戦での出場機会があまり得られず。ラ・リーガでの先発出場はわずか2試合。途中出場を含めても13試合の出場と苦しんだ。 ヨーロッパリーグ(EL)では先発の機会を得ており、ゴールやアシストも記録したが、コンスタントに試合に出られないこともあり冬の移籍市場でヘタフェへと所属先を変更していた。 そのヘタフェでも加入当初は先発出場が続いたものの、チームが結果を残せず。徐々に途中出場や欠場するなどしたが、16日に行われたラ・リーガ第37節ではチームの連敗をストップさせるとともに1部残留を決定させる値千金のゴールを記録していた。 ヘタフェは18日に久保のインタビューを実施。初ゴール、そして残留の興奮が冷めない中でのインタビューとなった。 久保はまずレバンテ戦のゴールを決めた瞬間について「今は徐々に普通の状態に戻ってきていますが、この2日間はとても満足でした。頭がおかしくなるぐらいに。とにかくゴールを入れた後は満足していました」とコメント。また「試合のビデオを見ましたが、チームメートたちがスタンドから下りて来て、みんなが駆けつけてくれて、そういうことが自分を幸せにしてくれます。チームが凄く団結してるということですからね」と語り、チームメイトの反応についても嬉しかったと語った。 終盤に投入された久保のゴールにより、ヘタフェは残留が決定。重要な活躍を見せたが「最終節に自力で決めるっていうのとは、少し違うと思います。それまで残留できるかどうか、ずっと考えていないといけないです。でも今は落ち着いています。今は選手たちも、コーチングスタッフも、僕も満足していて幸せです。それを自分のゴールで達成できたので、本当に幸せです」とコメント。自身のゴールで最終節前に残留を決められたことを素直に喜んだ。 久保の加入後初ゴールは豪快なミドルシュートから生まれたが「最後に人に当たって入っでも、同じ価値があるのでゴールはゴールです。でも、良いゴールでしたね。このクラブで一番、スペインでプレーしている中で一番良いゴールでした。そのことも、努力は常に報われるってことを自分に思い出させてくれます」と語り、自分でも評価できるゴールだったと振り返った。 ゴール後、久保はいつも以上に喜びを露わにしベンチまで全速力で走ったが「ベンチにいる人たちと祝うことです。なるべく皆の側に行ってですね。それから、ユニフォームも脱ぐことを思いつきました。それだけです」と、ゴール後はみんなと祝うことだけを考えていたとした。 ルール上、ユニフォームを脱いだことでイエローカードを受けたが主審に対しては「そうそう、彼にはお礼を言いました。カードを出してくれたことや諸々です。カードをもらうことはわかっていましたが、やりたかったんです」とし、イエローカードをもらってでもユニフォームを脱いで喜びを表現したかったと語った。 ゴール後の反響も大きかった久保。多くのメッセージが届いたといい「沢山の人が電話してきましたし、メッセージももらいましたし、とっても嬉しかったです。応援の言葉だったり、お祝いの言葉だったり、僕のゴール、チームの残留決定についてです。人々が僕に向けてくれる温かい心にはとても感謝しています」と励みになっているとした。 <span class="paragraph-title">【動画】救世主・久保建英が初ゴールで残留を手繰り寄せる(3:40〜)</span> <span data-other-div="movie"></span> <script src="//player.daznservices.com/player.js#44a12140e3dda008f998a5a1a9.1tybkqliqmgvi1ndbmyxnzxqc3$videoid=t0g5e4ipzjd21nrumw07jizja" async></script> 2021.05.21 11:45 Fri4
ヘタフェが降格のグラナダからスペイン人MFルイス・ミジャの獲得を正式発表!
ヘタフェは25日、グラナダからスペイン人MFルイス・ミジャ(27)を完全移籍で獲得したことを発表した。契約期間は2027年6月30日までの5年となる。 元スペイン代表MFとしてバルセロナやレアル・マドリーでプレーしたルイス・ミジャ氏を父に持つミジャはアトレティコ・マドリーのユースチームに所属するもファーストチーム昇格は果たせず。その後はラージョ・バジェカーノB、アルコルコン、ギフエロ、フエンブラダ、テネリフェなど、セグンダ・ディビシオンのチームを転々としていた。 2020年7月にグラナダに加入してラ・リーガデビューを果たすと、昨シーズンはシーズンを通して主軸としてプレーし、公式戦36試合に出場して3ゴール4アシストの成績をマーク。しかし、チームは残留争いに巻き込まれ、ラ・リーガ最終節で勝ち切れなかったことから降格が決まった。 なお、移籍金については公表されていないが、スペイン『アス』によるとヘタフェは移籍金500万ユーロ(約6億9000万円)を支払ったほか、DFミゲル・ルビオとDFイグナシ・ミケルの譲渡、DFエリック・カバコとDFジョナサン・シルバのレンタル移籍も取引に含まれた模様だ。 2022.07.26 11:05 Tue5