助けてはもらいたいんだけど…/原ゆみこのマドリッド
2021.01.05 21:30 Tue
「まだ決まってないんだ」そんな風に私が拍子抜けしていたのは月曜日、コパ・デル・レイ2回戦を前に記者会見したヘタフェのボルダラス監督が、「彼はクラブが扱っているオプションの1つで、どうなるか見てみよう」と話していたのを知った時のことでした。いやあ、このところ出場がなく、とうとう土曜のレバンテ戦ではベンチ入りから外れた久保建英選手について、試合後、ビジャレアルのエメリ監督が「2日前に彼と話したところ、me confirmó que buscaba salida porque juega menos de lo que cree que tiene que jugar/メ・コンフィルモ・ケ・ブスカバ・サリーダ・ポルケ・フエガ・メノス・デ・ロ・ケ・クレエ・ケ・ティエネ・ケ・フガール(自分が思ったより、プレー時間が少ないため、退団を模索していることを認めた)」と語っていた辺りから、事態は加速。
日曜には、週明け早々、ヘタフェへの入団が発表されそうと、スポーツ紙などでは予測していたんですけどね。それで私もレアル・マドリーからのレンタル移籍先を変え、マドリッドの弟分チームに彼が本当に来るのかと、コマメにニュースをチェックしていたんですが、でもちょっと待って。ヘタフェと言えば、現在、2部の弟分レガネスで活躍中の柴崎岳選手が2017年の夏に入団。2シーズン過ごしたものの、ボルダラス監督のサッカーにあまりフィットしなかったか、29試合の出場に留まり、2019年には2部のデポルティボ(今季は2部B)に移籍したなんてことがあったんですが、正直、久保選手も馴染めるのかどうかは疑問が沸くところかと。
そう、2016年9月、2部に降格していたヘタフェに着任してから、そのシーズンにプレーオフを経て1部に最短復帰。2018-19シーズンには5位でEL出場権を獲得し、昨季は名門アヤックスを倒して、16強対決まで進出という偉業を成し遂げたボルダラス監督が、そのプレースタイルを変える可能性はないに等しいですからね。昨今では体当たりサッカーでファールの多いチームという評判が災いしたか、逆に対戦相手からガンガン、ラフプレーを仕掛けられ、ピッチに人が倒れているのが珍しくないような試合も結構あったりするんですが、そこは久保選手、自慢のテクニックで何とかなる?
といっても今季のヘタフェは不調が続き、土曜のリーガ戦の後もエースのマタが、「Llegamos hasta el área, pero ahí nos cuesta. No somos capaces de generar ocasiones claras/ジェガモス・アスタ・エル・アレア、ペロ・アイー・ノス・クエスタ。ノー・ソモス・カパセス・デ・ヘネラル・オカシオネス・クラーラス(敵エリアまでは行くんだが、そこからが難しい。ウチは明確なシュートチャンスを作ることができない)」と嘆いていたように、とりわけ最近はゴール日照りが最大の悩みの種ですからね。そのため、ラストパスを贈ってくれる久保選手のようなアタッカーが必要ではあるんですが、それも1日でも早く来てと焦ってしまうのは…。
彼ら、また躓いてしまったんですよ。それもバジャドリー戦では前半36分、キケ・ペレスが左サイドをドリブル、「pidiendo el fuera de juego, dejamos sacar un centro/ピディエンドー・エル・フエラ・デ・フエゴ、デハモス・サカール・ウン・セントロ(オフサイドをアピールしているうちにクロスを許してしまった)」(ボルダラス監督)というボールをヴァイスマンにゴール前から決められ、奪われた先制点を最後まで返せないとは情けない。昨年最後の試合、兄貴分のアトレティコとのマドリーミニダービーでもFKからルイス・スアレスに決められたゴールで1-0と負けているとはいえ、その日は反撃もあまり見られませんでしたしね。
そして土曜の夜にはマドリーがエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)にセルタを迎えたんですが、助かりました。どうやら、ここ6試合5勝1分けという同じ成績の相手をジダン監督のチームは強敵と捉えたようで、いえ、コウデット監督がカディスやアラベス、エルチェのように専守防衛タイプではなかったのも幸いしたんでしょうけどね。前半4分、イアゴ・アスパスがGKクルトワの頭上を越えるvaselina(バセリーナ/ループシュート)を放ったところ、胃腸の具合が悪く、その日はスタンド観戦となったセルヒオ・ラモスの代わりにCBに入ったナチョがゴール前でクリア。そこから得意の速攻カウンターが炸裂し、最後はアセンシオが左から上げたクロスをルーカス・バスケスがヘッドして先制点をゲットします。
そのままマドリーは1-0とリードして、後半に入ったんですが、この日はツキも味方してくれたような。というのも、5分にはナチョにタックルされて倒れたアスパスが交代する破目になったからで、いえ、「Iago venía algo tocado ya del isquio durante la semana/イアゴ・ベニア・アルゴ・トカードー・ジャ・デル・イスキオ・ドゥランテ・ラ・セマーナ(イアゴは週の間から、ハムストリングスをちょっと痛めていた)」というチームメイト、デニス・スアレスの証言もあるため、このファールだけが負傷の原因ではないようなんですけどね。そうは言っても、今季9得点でピチチ(得点王)争いトップにいるFWを失ったセルタのショックはあまりに大きかったか、それから3分もしないうちにマドリーに追加点が入ることに。
ええ、今度は役割が逆転し、ルーカス・バスケスが送ったパスをアセンシオがエリア内から撃って、自身今季初ゴールをゲット。何せ、昨季はコロナによるparon(パロン/リーガの中断期間)のおかげもあり、ヒサの靭帯断裂から回復して、リーガ逆転優勝を遂げたシーズン終盤には参加できたものの、「la gente no sabe que es un proceso largo de acumular partidos y minutos/ラ・ヘンテ・ノー・サベ・ケ・エス・ウン・プロセソ・ラルゴ・デ・アクムラル・パルティードス・イ・ミヌートス(試合数とプレー時間を積み上げていく長いプロセスがるのを皆は知らない)」と当人も言っていたように、負傷前のレベルには至っていませんでしたからね。アザールに続き、ロドリゴも負傷したのをキッカケにここ数試合、得意の左サイドで使ってもらえたのが良かったか、いよいよアセンシオも本領発揮ということでしょうか。
その後もセルタが攻めてくることはあまりなく、ジダン監督も徐々にピッチに立つ時間を増やしていく予定らしいアザールを始め、ビニシウス、そして珍しくウーデゴールとマリアーノも出場させる5人交代の大盤振る舞いができることに。そのまま2-0で勝ったマドリーはお隣さんに勝ち点差1をつけて、堂々単独首位に立ったんですが、まあそれはそれってことで。でもねえ、今週の彼らはコパ・デル・レイ2回戦を免除されているため、滅多にないことなんですが、ミッドウィークが空いて、土曜のオサスナ戦まで余裕があるって、ちょっとズルくない?まあ、それも来週、ファイナルフォー形式となって2回目のスペイン・スーパーカップ準決勝を木曜にアスレティックと戦い、勝利すれば、レアル・ソシエダvsバルサ戦の勝者と日曜に決勝戦を行わないといけないからなんですけどね。
ただ、遥々サウジアラビアのジェッダまで移動した前回と異なり、無観客試合開催を同国に断られた今年はアンダルシア(スペイン南部)、マドリーはラ・ロサレダ(2部マラガのホーム)で、バルサはヌエボ・アルカンヘル(ヘタフェが火曜に試合するコルドバのホーム)、そして決勝はセビージャのカルトゥハですからね。あまり選手たちの負担にはならないかと思いますが、試合が少ないと、話題がすぐ、人事関係に行ってしまうのが世間の常。昨年からのコロナ禍の影響による減収もあり、この冬の移籍市場での出入り予定がないため、今はもっぱら、6月で契約満了となり、今はもう他クラブとの交渉が可能になったにも関わらず、まだ延長をしていないラモスやルーカス・バスケスの件でスポーツ紙のマドリーページは埋まることになりそうですね。
え、それで日曜にアラベス戦に挑んだアトレティコはどうだったのかって?いやあ、ここのところ、スペインは大寒波に襲われていて、メンディソロサ(アラベスのホーム)のあるビトリア(スペイン北部)など、大雪が降ったんですけどね。土曜の朝にはピッチ一面、真っ白でどうなることやらと危ぶまれたものの、クラブスタッフの尽力により、試合当日には完璧に除雪が終了。ただ、気温が低いのだけはどうにもならず、シメオネ監督のチームが前半、トロトロとしか、パスを交わせないのもきっと、足がかじかんで、あまり動けないんだろうと、私も寛容に眺めていることにしたんですが、いいえ、とんでもない。試合がいきなり動いたのは前半40分、スアレスからボールを受けたマルコス・ジョレンテが常に有り余っているエネルギーを全開にしてくれたんです。
敵エリアまで近づき、左足でシュートしたところ、それがラガルディアの踵に当たり、GKパチェコを破ってくれたとなれば、「時には利き足でなくても入るものさ。Hay que probar suerte/アイ・ケ・プロバル・スエルテ(運を試してみないといけないよ)」(ジョレンテ)というのもごもっとも。逆にこの日はラガルディアにとって、天中殺だったようで、後半5分に敵ゴールを目指したレマルに突っ込んだところ、いやあ、最初はイエローだったんですけどね。アトレティコがコレアをジョアン・フェリックスに代えた後、VAR(ビデオ審判)からの連絡でモニターを見に行った主審がカードをレッドに変更。後半早々、アラベスは10人になってしまったんですが、マチン監督もやりますよねえ。
前節のヘタフェ戦同様、アトレティコが追加点を取れず、もたもたしていたのも悪いんですが、残り15分にルーカス・ペレスとホセルのレギュラーFWコンビを投入。それが見事に当たって、34分、ホセルのゴール前へのパスをルーカス・ペレスと争ったフェリパがオウンゴールにしてしまったとなれば、これぞまさしく監督冥利に尽きる?この時点ですでにカラスコはサウールに代わっていましたし、シメオネ監督の最後の交代カードも戦犯候補のフェリペをロディにして、CB3人制から、2人に減らしただけ。となれば、残り時間もあまりないとあって、その日は引き分けでも仕方ないのかと私も諦めかけていたところ…。
いるんですよ、今季のアトレティコには真正のnueve(ぬえべ/背番号9、CFのこと)が!ジエゴ・コスタの緊急退団もあり、1人しかいないエースをこの日はシメオネ監督が早めに引っ込めなかったことも幸いして、45分、サウールからスルーパスを受けたジョアンがエリア内左奥から、渾身のラストパス。それをゴールの反対側、ドンピシャの位置でスアレスが合わせ、土壇場の決勝点って、もうこれはタダで譲ってくれたバルサにどれだけ感謝しても足りないかと。ええ、シメオネ監督も「一番良かったのは試合の終わり方。同点にされてもチームは神経質にならず、ボールを繋いだ。Saúl, Joao y definiendo el 9 donde tiene que estar/サウール、ジョアン・イ・デフィニエンドー・エル・ヌエベ・ドンデ・ティエネ・ケ・エスタル(サウール、ジョアン、そして9番がいなければいけない場所にいてフィニッシュした)」と満足感を隠せませんでしたっけ(最終結果1-2)。
おかげでお隣さんを1日天下に抑え、再び単独首位に返り咲いたアトレティコでしたが、ちなみにこの日、ジョアンが控えだったのは、監督に言わせると、「Los partidos duran 90 minutos. Es una estrategia/ロス・パルティードス・ドゥラン・ノベンタ・ミヌートス。エス・ウナ・エストラテヒア(試合は90分続く。これは戦術だ)」ということで、別にここ数試合、当人のパフォーマンスが落ちていたからではないようなんですけどね。最近は2年間、我慢の甲斐あって、レマルも着々と貢献度を高めていますし、カラスコ、コレアといる前線は結構、ポジション争いが熾烈。浮いたコスタの人件費でまたFWを獲るかもしれないため、ジョアンも油断はできませんよね。
そんな彼らは今週も水曜午後6時(日本時間翌午前2時)から、コルネジャ(2部B)とのコパがあるんですが、朗報はFIFAが土曜にFA(イングランド・サッカー協会)から受けたトリッピアーの10週間サッカー活動禁止処分の一時停止を命じてくれたこと。よって、12月22日のレアル・ソシエダ戦以来、強制的に自宅練習をさせられていた彼も火曜からはマハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場でのセッションに戻れることになり、体調に問題がなければ、コパで足慣らしをすることも可能に。そろそろエレーラもリハビリ明けしそうですしね。とりあえず、控えプラス、カンテラーノ(アトレティコBの選手)でコルネジャ戦には挑むことになりますが、初戦の32強対決でクルトゥラル・レオネサ(2部B)に敗退した昨季の反省を生かして、好調なリーガの追い風となるような試合をしてくれることを期待しています。
日曜には、週明け早々、ヘタフェへの入団が発表されそうと、スポーツ紙などでは予測していたんですけどね。それで私もレアル・マドリーからのレンタル移籍先を変え、マドリッドの弟分チームに彼が本当に来るのかと、コマメにニュースをチェックしていたんですが、でもちょっと待って。ヘタフェと言えば、現在、2部の弟分レガネスで活躍中の柴崎岳選手が2017年の夏に入団。2シーズン過ごしたものの、ボルダラス監督のサッカーにあまりフィットしなかったか、29試合の出場に留まり、2019年には2部のデポルティボ(今季は2部B)に移籍したなんてことがあったんですが、正直、久保選手も馴染めるのかどうかは疑問が沸くところかと。
そう、2016年9月、2部に降格していたヘタフェに着任してから、そのシーズンにプレーオフを経て1部に最短復帰。2018-19シーズンには5位でEL出場権を獲得し、昨季は名門アヤックスを倒して、16強対決まで進出という偉業を成し遂げたボルダラス監督が、そのプレースタイルを変える可能性はないに等しいですからね。昨今では体当たりサッカーでファールの多いチームという評判が災いしたか、逆に対戦相手からガンガン、ラフプレーを仕掛けられ、ピッチに人が倒れているのが珍しくないような試合も結構あったりするんですが、そこは久保選手、自慢のテクニックで何とかなる?
彼ら、また躓いてしまったんですよ。それもバジャドリー戦では前半36分、キケ・ペレスが左サイドをドリブル、「pidiendo el fuera de juego, dejamos sacar un centro/ピディエンドー・エル・フエラ・デ・フエゴ、デハモス・サカール・ウン・セントロ(オフサイドをアピールしているうちにクロスを許してしまった)」(ボルダラス監督)というボールをヴァイスマンにゴール前から決められ、奪われた先制点を最後まで返せないとは情けない。昨年最後の試合、兄貴分のアトレティコとのマドリーミニダービーでもFKからルイス・スアレスに決められたゴールで1-0と負けているとはいえ、その日は反撃もあまり見られませんでしたしね。
何より、ここ3シーズンでは考えられなかった、1部残留を争うrival directo/リバル・ディレクト(直接ライバル)に負けたのは痛かったんですが、幸い決勝戦はこの日曜のエルチェ戦、その次のウエスカ戦と残っていますからね。順位も14位から16位に落ちてしまったものの、まだ降格圏までは勝ち点1ありますし、まずは火曜のコパ・デル・レイ2回戦コルドバ(2部B)戦で頭を切り替えて、勝ち運を呼び寄せてくれたらと。ちなみにその試合ではダミアン、オリベイラ、マキシモビッチ、カバコをお留守番にしたボルダラス監督でしたが、クーチョが負傷と4試合の出場停止処分の中、ウナルもリハビリ中とあって、30代のFWコンビ、アンヘル、マタが出ずっぱりになりそうなのはちょっと心配ですよね。
そして土曜の夜にはマドリーがエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)にセルタを迎えたんですが、助かりました。どうやら、ここ6試合5勝1分けという同じ成績の相手をジダン監督のチームは強敵と捉えたようで、いえ、コウデット監督がカディスやアラベス、エルチェのように専守防衛タイプではなかったのも幸いしたんでしょうけどね。前半4分、イアゴ・アスパスがGKクルトワの頭上を越えるvaselina(バセリーナ/ループシュート)を放ったところ、胃腸の具合が悪く、その日はスタンド観戦となったセルヒオ・ラモスの代わりにCBに入ったナチョがゴール前でクリア。そこから得意の速攻カウンターが炸裂し、最後はアセンシオが左から上げたクロスをルーカス・バスケスがヘッドして先制点をゲットします。
そのままマドリーは1-0とリードして、後半に入ったんですが、この日はツキも味方してくれたような。というのも、5分にはナチョにタックルされて倒れたアスパスが交代する破目になったからで、いえ、「Iago venía algo tocado ya del isquio durante la semana/イアゴ・ベニア・アルゴ・トカードー・ジャ・デル・イスキオ・ドゥランテ・ラ・セマーナ(イアゴは週の間から、ハムストリングスをちょっと痛めていた)」というチームメイト、デニス・スアレスの証言もあるため、このファールだけが負傷の原因ではないようなんですけどね。そうは言っても、今季9得点でピチチ(得点王)争いトップにいるFWを失ったセルタのショックはあまりに大きかったか、それから3分もしないうちにマドリーに追加点が入ることに。
ええ、今度は役割が逆転し、ルーカス・バスケスが送ったパスをアセンシオがエリア内から撃って、自身今季初ゴールをゲット。何せ、昨季はコロナによるparon(パロン/リーガの中断期間)のおかげもあり、ヒサの靭帯断裂から回復して、リーガ逆転優勝を遂げたシーズン終盤には参加できたものの、「la gente no sabe que es un proceso largo de acumular partidos y minutos/ラ・ヘンテ・ノー・サベ・ケ・エス・ウン・プロセソ・ラルゴ・デ・アクムラル・パルティードス・イ・ミヌートス(試合数とプレー時間を積み上げていく長いプロセスがるのを皆は知らない)」と当人も言っていたように、負傷前のレベルには至っていませんでしたからね。アザールに続き、ロドリゴも負傷したのをキッカケにここ数試合、得意の左サイドで使ってもらえたのが良かったか、いよいよアセンシオも本領発揮ということでしょうか。
その後もセルタが攻めてくることはあまりなく、ジダン監督も徐々にピッチに立つ時間を増やしていく予定らしいアザールを始め、ビニシウス、そして珍しくウーデゴールとマリアーノも出場させる5人交代の大盤振る舞いができることに。そのまま2-0で勝ったマドリーはお隣さんに勝ち点差1をつけて、堂々単独首位に立ったんですが、まあそれはそれってことで。でもねえ、今週の彼らはコパ・デル・レイ2回戦を免除されているため、滅多にないことなんですが、ミッドウィークが空いて、土曜のオサスナ戦まで余裕があるって、ちょっとズルくない?まあ、それも来週、ファイナルフォー形式となって2回目のスペイン・スーパーカップ準決勝を木曜にアスレティックと戦い、勝利すれば、レアル・ソシエダvsバルサ戦の勝者と日曜に決勝戦を行わないといけないからなんですけどね。
ただ、遥々サウジアラビアのジェッダまで移動した前回と異なり、無観客試合開催を同国に断られた今年はアンダルシア(スペイン南部)、マドリーはラ・ロサレダ(2部マラガのホーム)で、バルサはヌエボ・アルカンヘル(ヘタフェが火曜に試合するコルドバのホーム)、そして決勝はセビージャのカルトゥハですからね。あまり選手たちの負担にはならないかと思いますが、試合が少ないと、話題がすぐ、人事関係に行ってしまうのが世間の常。昨年からのコロナ禍の影響による減収もあり、この冬の移籍市場での出入り予定がないため、今はもっぱら、6月で契約満了となり、今はもう他クラブとの交渉が可能になったにも関わらず、まだ延長をしていないラモスやルーカス・バスケスの件でスポーツ紙のマドリーページは埋まることになりそうですね。
え、それで日曜にアラベス戦に挑んだアトレティコはどうだったのかって?いやあ、ここのところ、スペインは大寒波に襲われていて、メンディソロサ(アラベスのホーム)のあるビトリア(スペイン北部)など、大雪が降ったんですけどね。土曜の朝にはピッチ一面、真っ白でどうなることやらと危ぶまれたものの、クラブスタッフの尽力により、試合当日には完璧に除雪が終了。ただ、気温が低いのだけはどうにもならず、シメオネ監督のチームが前半、トロトロとしか、パスを交わせないのもきっと、足がかじかんで、あまり動けないんだろうと、私も寛容に眺めていることにしたんですが、いいえ、とんでもない。試合がいきなり動いたのは前半40分、スアレスからボールを受けたマルコス・ジョレンテが常に有り余っているエネルギーを全開にしてくれたんです。
敵エリアまで近づき、左足でシュートしたところ、それがラガルディアの踵に当たり、GKパチェコを破ってくれたとなれば、「時には利き足でなくても入るものさ。Hay que probar suerte/アイ・ケ・プロバル・スエルテ(運を試してみないといけないよ)」(ジョレンテ)というのもごもっとも。逆にこの日はラガルディアにとって、天中殺だったようで、後半5分に敵ゴールを目指したレマルに突っ込んだところ、いやあ、最初はイエローだったんですけどね。アトレティコがコレアをジョアン・フェリックスに代えた後、VAR(ビデオ審判)からの連絡でモニターを見に行った主審がカードをレッドに変更。後半早々、アラベスは10人になってしまったんですが、マチン監督もやりますよねえ。
前節のヘタフェ戦同様、アトレティコが追加点を取れず、もたもたしていたのも悪いんですが、残り15分にルーカス・ペレスとホセルのレギュラーFWコンビを投入。それが見事に当たって、34分、ホセルのゴール前へのパスをルーカス・ペレスと争ったフェリパがオウンゴールにしてしまったとなれば、これぞまさしく監督冥利に尽きる?この時点ですでにカラスコはサウールに代わっていましたし、シメオネ監督の最後の交代カードも戦犯候補のフェリペをロディにして、CB3人制から、2人に減らしただけ。となれば、残り時間もあまりないとあって、その日は引き分けでも仕方ないのかと私も諦めかけていたところ…。
いるんですよ、今季のアトレティコには真正のnueve(ぬえべ/背番号9、CFのこと)が!ジエゴ・コスタの緊急退団もあり、1人しかいないエースをこの日はシメオネ監督が早めに引っ込めなかったことも幸いして、45分、サウールからスルーパスを受けたジョアンがエリア内左奥から、渾身のラストパス。それをゴールの反対側、ドンピシャの位置でスアレスが合わせ、土壇場の決勝点って、もうこれはタダで譲ってくれたバルサにどれだけ感謝しても足りないかと。ええ、シメオネ監督も「一番良かったのは試合の終わり方。同点にされてもチームは神経質にならず、ボールを繋いだ。Saúl, Joao y definiendo el 9 donde tiene que estar/サウール、ジョアン・イ・デフィニエンドー・エル・ヌエベ・ドンデ・ティエネ・ケ・エスタル(サウール、ジョアン、そして9番がいなければいけない場所にいてフィニッシュした)」と満足感を隠せませんでしたっけ(最終結果1-2)。
おかげでお隣さんを1日天下に抑え、再び単独首位に返り咲いたアトレティコでしたが、ちなみにこの日、ジョアンが控えだったのは、監督に言わせると、「Los partidos duran 90 minutos. Es una estrategia/ロス・パルティードス・ドゥラン・ノベンタ・ミヌートス。エス・ウナ・エストラテヒア(試合は90分続く。これは戦術だ)」ということで、別にここ数試合、当人のパフォーマンスが落ちていたからではないようなんですけどね。最近は2年間、我慢の甲斐あって、レマルも着々と貢献度を高めていますし、カラスコ、コレアといる前線は結構、ポジション争いが熾烈。浮いたコスタの人件費でまたFWを獲るかもしれないため、ジョアンも油断はできませんよね。
そんな彼らは今週も水曜午後6時(日本時間翌午前2時)から、コルネジャ(2部B)とのコパがあるんですが、朗報はFIFAが土曜にFA(イングランド・サッカー協会)から受けたトリッピアーの10週間サッカー活動禁止処分の一時停止を命じてくれたこと。よって、12月22日のレアル・ソシエダ戦以来、強制的に自宅練習をさせられていた彼も火曜からはマハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場でのセッションに戻れることになり、体調に問題がなければ、コパで足慣らしをすることも可能に。そろそろエレーラもリハビリ明けしそうですしね。とりあえず、控えプラス、カンテラーノ(アトレティコBの選手)でコルネジャ戦には挑むことになりますが、初戦の32強対決でクルトゥラル・レオネサ(2部B)に敗退した昨季の反省を生かして、好調なリーガの追い風となるような試合をしてくれることを期待しています。
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2023-24シーズンのラ・リーガ開幕節、ヘタフェvsバルセロナが13日にコリセウム・アルフォンソ・ペレスで行われ、0-0のドローに終わった。 昨シーズンに4シーズンぶりの覇権奪還に成功したバルセロナは、連覇を狙う新シーズンの初陣でヘタフェとアウェイで対戦した。直近に行われたトッテナムとのジョアン・ガンペール杯を4-2で逆転勝利したチャビのチームは、その試合から先発2人を変更。今週に行われた資金調達やパリ・サンジェルマンに移籍したデンベレの移籍金で全選手のトップチーム登録が可能と見られたが、マルコス・アロンソや控えGKペーニャの登録はならず。この試合では昨季の主力にギュンドアンとロメウの新戦力2人が起用された。 最前線のレヴァンドフスキの下に右からハフィーニャ、ペドリ、ギュンドアンを置く変則的な[4-2-3-1]で臨んだバルセロナは、直近3シーズン未勝利且つ無得点で鬼門となりつつある難所攻略を目指して押し込む入りに。 [5-4-1]を基本に状況に応じて6バックも辞さない堅固な守備ブロックを敷く相手に対して、右サイドのハフィーニャの個人技を軸に攻め手を窺うと、16分にはボックス手前の好位置でFKを獲得。これをハフィーニャが直接狙うが、枠の左を捉えたシュートはGKソリアの好守に阻まれる。 中央だけでなくサイドのスペースも徹底的に潰し、球際の局面でもタイトなチェックを見せるヘタフェの割り切ったスタイルに手を焼くバルセロナ。26分にはロメウが見事なボックス付近での仕掛けからロメウの鋭いグラウンダーシュートで久々に決定機を作ると、36分にはクンデのフィードに抜け出したハフィーニャがボックス内に持ち込んで左足シュート。GKソリアがはじき出したボールがミトロビッチに当たってゴールへ向かうが、これは右ポストを叩いた。 前半終盤にかけて徐々に決定機を作れるようになったバルセロナだが、思わぬアクシデントに見舞われる。ダミアン・スアレスを中心に駆け引きと呼ぶにはあまりに悪質なラフプレーによって序盤からフラストレーションを溜めていた中、幾度かその被害に遭っていたハフィーニャが一瞬理性を失ってしまったか、背後への抜け出しを試みた際にDFガストン・アルバレスの側頭部付近に故意にエルボーをかますと、このプレーにレッドカードが掲示された。 この退場によって10人での戦いを強いられることになったバルセロナは、体力が残っているうちにゴールをこじ開けるべく攻勢を強めたものの、数的優位でも大きく戦いを変えないホームチームの守備を前に0-0のスコアのままハーフタイムを迎えた。 迎えた後半、チャビ監督はクリステンセンを下げてエゼ・アブデをハーフタイム明けに投入。フレンキー・デ・ヨングをセンターバックに落とし、右にペドリ、左にアブデを配した[4-4-1]で先制ゴールを目指す。 後半序盤も難しい展開が続くバルセロナだが、アラウホが勇敢な攻め上がりで局面を変えると、前半に1枚カードをもらっていたマタのアフターチャージを誘発。このプレーで2枚目のカードが掲示され、10人対10人の数的同数に。 これで勝ち点3獲得の可能性がより高まると、攻撃のギアを上げていく。70分には背後へ良い形で抜け出したアブデがボックス手前で交錯。しかし、このプレーでファウルは与えられず、激高したチャビ監督は執拗な抗議によってレッドカードを掲示されて退席処分に。 その熱い指揮官の想いに応えたいチームは、75分を過ぎてロメウとギュンドアン、ペドリを下げて16歳の新星ラミン・ヤマル、ガビ、アンス・ファティとカンテラーノ3人をピッチに送り出し、あくまで勝ち点3を奪いに行く。80分にはそのヤマルの右クロスからゴール前にタイミング良く走り込んだファティが右足ダイレクトボレーを狙うが、これを枠に飛ばせない。 その後は昨季王者相手に引き分けやむなしと、割り切って時計を進めるプレーを選択するホームチームに対して、最後までゴール、勝ち点3を目指すバルセロナ。 9分が加えられた後半アディショナルタイムでは機動力に優れる若きアタッカー陣がアタッキングサードまで容易にボールを運ぶが、肝心の崩しの場面で焦りや精度の問題でフィニッシュまで持ち込めず。ほぼラストプレーではボックス内でアラウホがイグレシアスに足裏を蹴られて倒れ込むと、PKの可能性があるとしてオンフィールド・レビューとなったが、その前の競り合いでのガビのハンドを取られて土壇場でのPK獲得とはならず。 そして、試合はこのままタイムアップを迎え、難所コリセウム・アルフォンソ・ペレスでまたしても難しい戦いを強いられた王者バルセロナは開幕ドロースタートとなった。 2023.08.14 06:52 Mon3
ヘタフェのバルサ出身MF、昨季のベストイレブンに久保建英とアレーニャを選んでいた!
ビジャレアルへのレンタルを解消し、8日にヘタフェへレンタルで加入した日本代表MF久保建英。新天地では、11日に途中出場でデビューしていきなりゴールにつながるプレーを見せ、一気にファンのハートを鷲掴みにすると、20日のウエスカ戦では移籍後初先発を飾り、チームも2連勝と良い風が吹いている。 ヘタフェでは、久保と同様に1月からレンタルで加入したスペインMFカルレス・アレーニャとU-21スペイン代表DFマルク・ククレジャという、バルセロナの下部組織であるラ・マシア出身の選手も在籍しており、18日の会見でも久保は「バルサのカンテラが持つ特徴は互いによく理解できる助けになっているよ」とその効果を明かしていた。 同じチームでプレーするのは今回が初めてとなるククレジャと久保だが、ククレジャは昨シーズンの時点で久保の才能を認めていたようだ。 新型コロナウイルスの感染拡大により、各国のリーグ戦が軒並み延期となっていた2020年3月、ククレジャは当時SNS上で流行していた「#TeamHomeChallenge」に挑戦。このチャレンジは日常生活にあるものに例えて自身のベストイレブンを発表するというもので、レアル・マドリーのスペイン代表DFセルヒオ・ラモスなど多くの選手が参加していた。 そして、ククレジャのベストイレブンには、当時マジョルカで活躍を見せていた久保も2トップの右の位置に入っているのだ。ちなみに、久保のことはバケツに例えている。 久保以外のメンバーでは、大親友だと言いつつアレーニャを薪に例えて選出したほか、昨シーズンのレアル・ソシエダで見事な活躍を見せたノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴールも名を連ねている。 久保のヘタフェデビュー戦となった11日のエルチェ戦から、かなり久保のことを信頼したようにパスを出しあいプレーしていたククレジャだが、その裏には昨シーズンから久保のパフォーマンスを認めていたということも影響してそうだ。 ◆ククレジャが選んだベストイレブン(2020年3月のもの) GK:マルコ・ドミトロビッチ(エイバル) 右CB:ウーゴ・マージョ(セルタ) 中央CB:ファクンド・ロンカーリア(オサスナ) 左CB:ロベルト・ロサレス(レガネス) 右サイド:カルレス・アレーニャ(レアル・ベティス/現ヘタフェ) 右ボランチ:パパコウイ・ディオプ(エイバル) 左ボランチ:ジェフリー・コンドグビア(バレンシア/現アトレティコ・マドリー) 左サイド:コケ(アトレティコ・マドリー) トップ下:マルティン・ウーデゴール(レアル・ソシエダ/現レアル・マドリー) 右FW:久保建英(マジョルカ//現ヘタフェ) 左FW:ロベルト・ソルダード(グラナダ) 監督:ヘルマン・ブルゴス(アトレティコ・マドリーのアシスタント・マネージャー/現在はフリー) アシスタントコーチ:ハビエル・ガルシア・ピミエンタ(バルセロナB監督) <div id="cws_ad" >◆ククレジャの「#TeamHomeChallenge」</div> <div id="cws_ad" style="text-align:center;"><script>var video_id = "9q0V_sUhSr4";</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script></div> 2021.01.21 17:33 Thu4
ローマのスペイン人2選手がヘタフェにレンタルへ!
ローマのスペイン人2選手がヘタフェにレンタル移籍することが濃厚となった。イタリア『ジャンルカ・ディ・マルツィオ』など複数メディアが報じている。 今シーズンからローマの新指揮官に就任したジョゼ・モウリーニョ監督は、プレシーズンから現有戦力の評価を行ってきた中、前半戦の早い段階で数選手を自身の構想外とした。 その中でアメリカ代表DFブライアン・レイノルズ(20)、ギニア代表MFアマドゥ・ディアワラ(24)と共に、構想を外れていたのが、スペイン代表MFゴンサロ・ビジャール(23)、スペイン人FWボルハ・マジョラル(24)だ。 そして、今冬の放出が既定路線となっていたビジャールとマジョラルは、奇しくもヘタフェという同じ移籍先を選択したようだ。 2020年1月にエルチェから完全移籍で加入した優れた戦術眼とパスセンス、キープ力を誇る大器のビジャールは、昨シーズンは途中出場がメインながらも公式戦47試合に出場。前指揮官パウロ・フォンセカの下ではブレイクの兆しを見せていた。 しかし、前半戦を通して2ボランチを採用していたポルトガル人指揮官の下では守備の強度、ダイレクト志向が強いスタイルへの順応に苦戦。ヨーロッパ・カンファレンスリーグでは予選を含め6試合に出場したものの、セリエAでは1度も出番が与えられていなかった。 一方、昨シーズンにレアル・マドリーからの2年レンタルで加入したマジョラルは、加入1年目に公式戦47試合に出場し、17ゴール7アシストを記録。しかし、2年目の今季はイングランド代表FWタミー・エイブラハム、ウズベキスタン代表FWエルドル・ショムロドフの加入もあり、センターフォワードの3番手に甘んじると、ここ最近ではプリマヴェーラに所属するガーナ代表FWフェリックス・アフェナ=ギャンにも序列で抜かれることに。ここまで公式戦11試合1ゴールの数字も、プレータイムは250分以下に限られている。 その2選手に関してはこれまで幾つかの新天地候補が報じられていたが、共に出場機会を最優先とした中、今シーズンのラ・リーガで残留圏内ギリギリの17位に位置するヘタフェを選択したようだ。 なお、マジョラルはマドリード出身で、ビジャールに関しては実弟であるU-19スペイン代表MFハビエル・ビジャール(18)がレアル・マドリーのフベニールA(U-19チーム)でプレーしており、そういった環境面が移籍を後押しした可能性もありそうだ。 2022.01.12 08:00 Wed5
