ファン・ハール、「コロナ危機を自クラブの利益に使うな」 リーグ打ち切りを望む古巣アヤックスを非難

2020.04.06 22:02 Mon
Getty Images
オランダサッカー界のレジェンドであるルイ・ファン・ハール氏が、新型コロナ禍における古巣アヤックスの姿勢に苦言を呈した。オランダ『Algemeen Dagblad』が伝えている。
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新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が続く中、エールディビジも中断を余儀なくされている。その中でオランダサッカー連盟(KNVB)は先日、欧州サッカー連盟(UEFA)の指示に従って8月3日までに今シーズンを終わらせる旨を発表した。(後にUEFAはこの情報は誤報だと声明を発表)
この対応に噛み付いたのが、アヤックスでスポーツ・ディレクターを務めているマルク・オーフェルマルス氏だった。

同氏は「なぜそれが今、公衆衛生についてではなく、お金についてのことなのだろうか?。私はKNVBが独立した決定を下すことを望んでいたが、彼らはUEFAの後ろに隠れているだけだ」と、KNVBの対応を糾弾。

さらに、「私は今、経済はコロナウイルスよりも重要だと考えていた、1週間前のアメリカのドナルド・トランプ大統領とUEFAとKNVBを比較している。オランダでは、コロナウイルスの影響により、毎日100人以上が命を落としている」と、リーグ戦を即打ち切りにすべきと強い口調で主張していた。
なお、アヤックスは、今シーズンのエールディビジで25試合消化しており、勝ち点56でAZと並んでいるものの得失点差で首位に立っている。そして、オーフェルマルス氏の主張通り、ベルギー1部のジュピラープロリーグと同様に打ち切りの措置を取った場合、同クラブの優勝が認められることになる。

オランダ代表やアヤックス、バルセロナ、バイエルン、マンチェスター・ユナイテッドで監督を歴任し、2019年3月にフットボール界からの勇退を発表した後も国内を中心に未だ強い影響力を持っているファン・ハール氏は、前述の教え子の発言を受けて今回『AD』でコメント。

新型コロナ禍を利用し、自クラブの利益のため今シーズンを終わらせようとしているようにも映る古巣アヤックスを非難している。

「新型コロナウイルスが終息した後、シーズンを終らせる必要がある。スポーツとは、勝者を決めるために存在するものだ。25試合終了時点で、アヤックスをチャンピオンだと言うことはできない。シーズンの4分の3を消化した段階でAZと同じ勝ち点にも関わらず、彼らを勝者と呼ぶのはナンセンスだ。アスリートであれば、誰もが私の考えを理解してくれるはずだ」

「政府や専門家が数週間にわたり、この状況を追ってきた。その中で一部のクラブ(アヤックス)が、リーグ戦の続行は不可能だと突然言い始めた」

「コロナウイルスの危機を自分たちの利益のために間違った形で利用し、公衆衛生上という名目にすり替えている。そんなことは許されない」

また、ユーロ2020が翌年に延期されたことを受けて、この夏にリーグ戦を完了させるための十分な時間があるとの見解も示している。

「今年に関しては6月と7月もシーズンを続けられる。ユーロが延期になったことで、今年の夏には十分な時間がある。UEFAとFIFAが日程やルールを調整すれば、シーズンを終わらせられるはずだ」

なお、ファン・ハール氏は現役時代と監督としてAZに在籍しており、共に愛する古巣がしっかりとした形でタイトルレースに決着を付けることを誰よりも望んでいるようだ。


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