【J1開幕直前クラブガイド】型が見えた神戸、“二足の草鞋”も頂点を虎視眈々《ヴィッセル神戸》
2020.02.21 11:05 Fri
FUJI XEROX SUPER CUP 2020、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)、YBCルヴァンカップとすでに公式戦が開幕。そんな中、J1リーグが最後に開幕を迎える。
超ワールドサッカー編集部が、チームのノルマや補強達成度、イチオシ選手、そして、東京オリンピックを翌年に控える注目の五輪候補をお届け。第11弾として、昨季のJ1・8位ヴィッセル神戸を紹介する。
◆補強動向《B》※最低E~最高S
ダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキ、ウェリントンと3人のストライカーが退団。さらに那須大亮が現役引退となった神戸。
ACLを戦うために選手補強が必要な中、適材適所の最小限にとどめた。シーズン終了早々にDF菊池流帆(←レノファ山口FC)を確保。引く手数多と見られたJ2屈指のルーキーDFを獲得。将来を見据えても大きな補強となった。
獲得した選手数こそ少ないものの、充実の戦力を生かすために余剰戦力をしっかり整理。また、外国人枠の問題もありACLで登録外となったMFセルジ・サンペール、DFダンクレーをリーグ戦で上手く起用することもできるため、スッキリとしたスカッドになった印象だ。
基本路線は継続となるだけに、上積みをどこまでできるか。新戦力のフィットに時間を割かなくて良いのは大きいだろう。
◆次なるタイトルを目指す《優勝争い》
バルセロナ化を目指したことで、大きな注目を集めてきた神戸。元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタを中心に、ビジャ、ポドルスキと世界を知る男たちを揃えていた。
リーグ戦の成績は2019シーズンも振るわずにいたが、天皇杯では初の決勝進出。鹿島アントラーズとの決勝を制し、クラブとして初タイトルを獲得していた。
その結果、今シーズンはアジアの舞台に立つこともできている神戸だが、やはりリーグタイトルが欲しいところだろう。
2シーズン目となるトルステン・フィンク監督の戦術は昨シーズンの終盤から身を結び、選手のネームバリュー、過去の実績以外の部分で、大きな成長を遂げたと言える。
3バックをベースに[3-4-2-1]のシステムを重用してきたが、今シーズンのACLでは[4-3-3]とシステムを変更して戦っている。相手によって、また自分たちの選択する戦い方によってシステムを可変できるチームになったことも、大きな強みとなるだろう。
古橋亨梧、小川慶治朗といったスピードとサイド攻撃に優れた選手も活かせ、田中順也、藤本憲明と戦い方を理解する選手に加え、新戦力のドウグラスもすでに公式戦でゴールを記録している。
昨シーズンの戦い方をベースに、新戦力を含めてより完成度を高めることができれば、リーグでの優勝争いも見えてくるだろう。
◆超WS編集部イチオシ選手
DF酒井高徳(28)
イチオシ選手は昨シーズン途中にJリーグへと復帰を果たした元日本代表DF酒井高徳だ。
アルビレックス新潟時代の2011年に海を渡りドイツへ。シュツットガルト、ハンブルガーSVでプレーし、ハンブルガーSV時代はキャプテンも務めていた。
なかなか苦しい戦いを続けていた神戸だったが、酒井が加入してからは見違えるチームに。結果が伴わなくとも試合内容は上がると、3連勝でシーズンを終えた。
現在の神戸においては、酒井が戦術の肝とも言える。ウイングバック、サイドバックでプレーし、攻守にわたって重要な存在になっている酒井。ACLでもアシストを記録するなど、神戸のタイトル獲得のためには欠かせないピースと言えるだろう。
◆注目の東京五輪世代!
MF安井拓也(21)
夏に予定されている東京オリンピック世代の選手としてピックアップするのは、MF安井拓也だ。
神戸の下部組織で育った安井は、2017年にトップチームへ昇格。大物選手が所属する中で、年々出場機会を増やしている。
レギュラーポジションを掴むまでには至っていないが、外国人枠が3名という制限を設けられているACLを戦うにあたり、非常に貴重な戦力になることは間違いない。
名手・イニエスタの近くでそのプレースタイルを盗み続ける安井。ボランチやインサイドハーフでの出場となっているが、随所に気の利いたプレーを見せている。
まだまだ成長の余地はあるが、今まで一度も呼ばれていないU-23日本代表に招集される可能性はあるだろう。リーグ戦ではMFセルジ・サンペールとポジションを争うことになるが、しっかりと結果を残せば、東京オリンピックも夢ではない。
超ワールドサッカー編集部が、チームのノルマや補強達成度、イチオシ選手、そして、東京オリンピックを翌年に控える注目の五輪候補をお届け。第11弾として、昨季のJ1・8位ヴィッセル神戸を紹介する。
【IN】
DF菊池流帆(23)←レノファ山口FC/完全移籍
DF初瀬亮(22)←アビスパ福岡/復帰
DF山川哲史(22)←筑波大学/新加入
MF中坂勇哉(22)←京都サンガF.C./復帰
FWドウグラス(32)←清水エスパルス/完全移籍
FW小田裕太郎(18)←ヴィッセル神戸ユース/昇格
【OUT】
GK荻晃太(36)→退団
DF那須大亮(38)→現役引退
DF宮大樹(23)→サガン鳥栖/完全移籍
DF小林友希(19)→横浜FC/期限付き移籍
DFジョアン・オマリ(31)→FC東京/完全移籍
DF橋本和(33)→FC岐阜/完全移籍
MF増山朝陽(22)→アビスパ福岡/期限付き移籍
MF三原雅俊(31)→柏レイソル/期限付き移籍→完全移籍
MF野田樹(21)→退団
FWダビド・ビジャ(38)→現役引退
FWルーカス・ポドルスキ(34)→アンタルヤスポル(トルコ)/完全移籍
FWウェリントン(31)→ボタフォゴFC(ブラジル)/完全移籍
FW向井章人(21)→テラサ(スペイン)/完全移籍
FWハーフナー・マイク(32)→退団
ダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキ、ウェリントンと3人のストライカーが退団。さらに那須大亮が現役引退となった神戸。
ACLを戦うために選手補強が必要な中、適材適所の最小限にとどめた。シーズン終了早々にDF菊池流帆(←レノファ山口FC)を確保。引く手数多と見られたJ2屈指のルーキーDFを獲得。将来を見据えても大きな補強となった。
また、昨シーズンチーム最多となる13ゴールを記録したビジャの引退を受け、得点力低下の懸念があった中、昨シーズン14ゴールを記録したFWドウグラスを清水エスパルスから獲得。ゼロックス・スーパーカップ、ACLでも早速結果を残しており、大きな心配事にはならないだろう。
獲得した選手数こそ少ないものの、充実の戦力を生かすために余剰戦力をしっかり整理。また、外国人枠の問題もありACLで登録外となったMFセルジ・サンペール、DFダンクレーをリーグ戦で上手く起用することもできるため、スッキリとしたスカッドになった印象だ。
基本路線は継続となるだけに、上積みをどこまでできるか。新戦力のフィットに時間を割かなくて良いのは大きいだろう。
◆次なるタイトルを目指す《優勝争い》
©︎CWS Brains,LTD.
バルセロナ化を目指したことで、大きな注目を集めてきた神戸。元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタを中心に、ビジャ、ポドルスキと世界を知る男たちを揃えていた。
リーグ戦の成績は2019シーズンも振るわずにいたが、天皇杯では初の決勝進出。鹿島アントラーズとの決勝を制し、クラブとして初タイトルを獲得していた。
その結果、今シーズンはアジアの舞台に立つこともできている神戸だが、やはりリーグタイトルが欲しいところだろう。
2シーズン目となるトルステン・フィンク監督の戦術は昨シーズンの終盤から身を結び、選手のネームバリュー、過去の実績以外の部分で、大きな成長を遂げたと言える。
3バックをベースに[3-4-2-1]のシステムを重用してきたが、今シーズンのACLでは[4-3-3]とシステムを変更して戦っている。相手によって、また自分たちの選択する戦い方によってシステムを可変できるチームになったことも、大きな強みとなるだろう。
古橋亨梧、小川慶治朗といったスピードとサイド攻撃に優れた選手も活かせ、田中順也、藤本憲明と戦い方を理解する選手に加え、新戦力のドウグラスもすでに公式戦でゴールを記録している。
昨シーズンの戦い方をベースに、新戦力を含めてより完成度を高めることができれば、リーグでの優勝争いも見えてくるだろう。
◆超WS編集部イチオシ選手
DF酒井高徳(28)
©︎J.LEAGUE
イチオシ選手は昨シーズン途中にJリーグへと復帰を果たした元日本代表DF酒井高徳だ。
アルビレックス新潟時代の2011年に海を渡りドイツへ。シュツットガルト、ハンブルガーSVでプレーし、ハンブルガーSV時代はキャプテンも務めていた。
なかなか苦しい戦いを続けていた神戸だったが、酒井が加入してからは見違えるチームに。結果が伴わなくとも試合内容は上がると、3連勝でシーズンを終えた。
現在の神戸においては、酒井が戦術の肝とも言える。ウイングバック、サイドバックでプレーし、攻守にわたって重要な存在になっている酒井。ACLでもアシストを記録するなど、神戸のタイトル獲得のためには欠かせないピースと言えるだろう。
◆注目の東京五輪世代!
MF安井拓也(21)
Getty Images
夏に予定されている東京オリンピック世代の選手としてピックアップするのは、MF安井拓也だ。
神戸の下部組織で育った安井は、2017年にトップチームへ昇格。大物選手が所属する中で、年々出場機会を増やしている。
レギュラーポジションを掴むまでには至っていないが、外国人枠が3名という制限を設けられているACLを戦うにあたり、非常に貴重な戦力になることは間違いない。
名手・イニエスタの近くでそのプレースタイルを盗み続ける安井。ボランチやインサイドハーフでの出場となっているが、随所に気の利いたプレーを見せている。
まだまだ成長の余地はあるが、今まで一度も呼ばれていないU-23日本代表に招集される可能性はあるだろう。リーグ戦ではMFセルジ・サンペールとポジションを争うことになるが、しっかりと結果を残せば、東京オリンピックも夢ではない。
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