クラブでは途中出場で結果を残し続けてきたFW食野亮太郎「流れを変えたかった」《キリンチャレンジカップ2019》

なんとも煮え切らない内容だった。それはベンチスタートとなり、終盤にピッチに立ったFW食野亮太郎(ハート・オブ・ミドロシアン)も同じ気持ちだったかもしれない。来年に迫る東京オリンピックに向け、国内での初陣となったU-22日本代表。MF久保建英(マジョルカ)やMF堂安律(PSV)といったA代表でも試合を重ねている選手も呼んだ中、0-2でU-22コロンビア代表に敗れた。この試合が代表活動2回目となった食野は、0-2とビハインドの状況で84分に途中出場。アディショナルタイムを合わせても10分足らずのプレーとなったが、特長は見せた。
「ドリブルで仕掛けるシーンが中々なかったですけど、それが自分の特長ではあるので。アクセントを加えようということで、しっかりと仕掛けようと意識しました」

「トップ下」と本人も語ったポジションに投入された食野は、ガンバ大阪ユースの先輩である堂安との交代でピッチに立った。0-2とビハインドの状況での投入。仕事は決まっていた。今シーズン途中まで所属した古巣のG大阪でも、途中出場で結果を残しており、ハーツでの初ゴールも途中出場から。この試合でも食野は途中出場でもゴールを目指した。

「流れを変えたかったですし、あそこで自分が1点演出できれば。0で終わるより1で終わりたかったです」と少ない時間ながら攻撃を活性化させようと試み、「点を取ろうとしてガンガン仕掛けました」と自身の持ち味であるドリブルも披露した。

監督からの指示も「スペースは狭いけど仕掛けてシュートまで行こうと言われました」と語り、森保一監督の指示もゴールという結果だった。

試合を通して8本のシュートに終わった日本だったが、食野も1本シュートを放っている。そのシーンについては「そこは自分の技術ミスだったり、シュートの下手さが出たところですね」と語り、「枠にしっかりと飛ばせる様に、スコットランドに帰ってしっかり練習します」とチームに戻って磨きをかけると意気込んだ。

全体的に立ち上がりから固い印象があった日本。森保監督も勝とうという気持ちが固さにつながったと語ったが、「他の選手はどうかわかりませんが、俺自身は特にないです」と食野はプレッシャーに感じていなかったとコメント。「僕は2回目の代表ですけど、失うものは何もないですし、やってやろうという気持ちでここに来ているので、日本人が見ているからというのはなかったです」と、ハートの強さは健在だった。

10月のブラジル遠征が初の代表招集となった食野だが、ブラジル戦とコロンビア戦の差については「守備のところのコンパクトさや一対一のところはブラジルの時と比べて強度が足りなかった」と語った。U-22日本代表が陥りがちなパターンであるが、「チーム全員で改善したり、それぞれチームに戻ってそういうところを意識しないといけないかなと思います」と個々の意識を普段から高め、再び集まった際にすり合わせる必要性を語った。