柴崎フル出場のヘタフェ、6戦ぶり敗戦で後続のセビージャ&バレンシアを突き離せず《リーガエスパニョーラ》

2019.04.29 01:12 Mon
Getty Images
ヘタフェは28日、リーガエスパニョーラ第35節でレアル・ソシエダとのアウェイ戦に臨み、1-2で敗戦した。ヘタフェのMF柴崎岳はフル出場している。

3日前に行われた前節レアル・マドリー戦を0-0で引き分けたチャンピオンズリーグ(CL)出場圏内ぎりぎりに位置する4位ヘタフェ(勝ち点55)は、5位セビージャに勝ち点で並ばれた中、柴崎が2試合ぶりにスタメンとなった。

11位ソシエダ(勝ち点41)に対し、柴崎がフラットな[4-4-2]の右MFでスタートしたヘタフェは、4分にピンチ。サンガリにディフェンスライン裏を取られてゴールエリア右から決定的なシュートを許したが、GKソリアがファインセーブで阻止した。
その後も守勢に回ったヘタフェは、17分にもピンチ。オヤルサバルにボックス左まで侵入され、GKソリアを強襲された。すると直後、VARの末にPKを献上してしまう。CKの流れからジェネがメリノを倒したプレーがPKと判定された。これをウィリアム・ジョゼに決められ、ヘタフェは先制されてしまった。

その後も攻撃の形がないヘタフェが押し込まれる状況が続くと、ハーフタイムにかけても全くチャンスを作れず。44分にはDFのミケルに代えてストライカーのモリーナを投入した中、前半を1点のビハインドで終えた。
迎えた後半からウーゴ・ドゥロに代えてアンヘルを投入したヘタフェが前がかる入りとなった中、53分に加点される。ウィリアム・ジョゼの右クロスをオヤルサバルにボレーで決められた。

2点を追う展開となったヘタフェは柴崎を中盤センターに移行して反撃を狙うと68分、マタがボレーでゴールに迫るもGKルジの好守に阻まれる。ここからヘタフェの攻勢が強まったが、74分にマタがボックス内でGKルジに倒されたプレーはPKを取ってもらえず。

結局、終盤の89分にボックス左のサイスがコントロールシュートを蹴り込んで1点を返したヘタフェだったが、反撃はここまで。6試合ぶりの敗戦を喫し、後続のセビージャ、バレンシアとの勝ち点差を広げることはできなかった。

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「努力は常に報われる」衝撃の一撃でヘタフェの“ヒーロー”になった久保建英、残留を決めるゴールは「本当に幸せ」

ヘタフェの日本代表MF久保建英がクラブのインタビューに応じ、加入後初ゴールや残留について振り返った。 久保は今シーズンのはじめはレアル・マドリーからビジャレアルへとレンタル移籍。大きな飛躍が期待された中、ウナイ・エメリ監督に高く評価されながらも、リーグ戦での出場機会があまり得られず。ラ・リーガでの先発出場はわずか2試合。途中出場を含めても13試合の出場と苦しんだ。 ヨーロッパリーグ(EL)では先発の機会を得ており、ゴールやアシストも記録したが、コンスタントに試合に出られないこともあり冬の移籍市場でヘタフェへと所属先を変更していた。 そのヘタフェでも加入当初は先発出場が続いたものの、チームが結果を残せず。徐々に途中出場や欠場するなどしたが、16日に行われたラ・リーガ第37節ではチームの連敗をストップさせるとともに1部残留を決定させる値千金のゴールを記録していた。 ヘタフェは18日に久保のインタビューを実施。初ゴール、そして残留の興奮が冷めない中でのインタビューとなった。 久保はまずレバンテ戦のゴールを決めた瞬間について「今は徐々に普通の状態に戻ってきていますが、この2日間はとても満足でした。頭がおかしくなるぐらいに。とにかくゴールを入れた後は満足していました」とコメント。また「試合のビデオを見ましたが、チームメートたちがスタンドから下りて来て、みんなが駆けつけてくれて、そういうことが自分を幸せにしてくれます。チームが凄く団結してるということですからね」と語り、チームメイトの反応についても嬉しかったと語った。 終盤に投入された久保のゴールにより、ヘタフェは残留が決定。重要な活躍を見せたが「最終節に自力で決めるっていうのとは、少し違うと思います。それまで残留できるかどうか、ずっと考えていないといけないです。でも今は落ち着いています。今は選手たちも、コーチングスタッフも、僕も満足していて幸せです。それを自分のゴールで達成できたので、本当に幸せです」とコメント。自身のゴールで最終節前に残留を決められたことを素直に喜んだ。 久保の加入後初ゴールは豪快なミドルシュートから生まれたが「最後に人に当たって入っでも、同じ価値があるのでゴールはゴールです。でも、良いゴールでしたね。このクラブで一番、スペインでプレーしている中で一番良いゴールでした。そのことも、努力は常に報われるってことを自分に思い出させてくれます」と語り、自分でも評価できるゴールだったと振り返った。 ゴール後、久保はいつも以上に喜びを露わにしベンチまで全速力で走ったが「ベンチにいる人たちと祝うことです。なるべく皆の側に行ってですね。それから、ユニフォームも脱ぐことを思いつきました。それだけです」と、ゴール後はみんなと祝うことだけを考えていたとした。 ルール上、ユニフォームを脱いだことでイエローカードを受けたが主審に対しては「そうそう、彼にはお礼を言いました。カードを出してくれたことや諸々です。カードをもらうことはわかっていましたが、やりたかったんです」とし、イエローカードをもらってでもユニフォームを脱いで喜びを表現したかったと語った。 ゴール後の反響も大きかった久保。多くのメッセージが届いたといい「沢山の人が電話してきましたし、メッセージももらいましたし、とっても嬉しかったです。応援の言葉だったり、お祝いの言葉だったり、僕のゴール、チームの残留決定についてです。人々が僕に向けてくれる温かい心にはとても感謝しています」と励みになっているとした。 <span class="paragraph-title">【動画】救世主・久保建英が初ゴールで残留を手繰り寄せる(3:40〜)</span> <span data-other-div="movie"></span> <script src="//player.daznservices.com/player.js#44a12140e3dda008f998a5a1a9.1tybkqliqmgvi1ndbmyxnzxqc3$videoid=t0g5e4ipzjd21nrumw07jizja" async></script> 2021.05.21 11:45 Fri

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