【プレビュー】過密日程の“マドリッド・ダービー” 不調完全脱出を目指し激突! 《レアル・マドリーvsアトレティコ・マドリー》

▽リーガエスパニョーラ第7節、レアル・マドリーvsアトレティコ・マドリーが日本時間29日27時45分にサンティアゴ・ベルナベウでキックオフされる。9月中旬のチャンピオンズリーグ(CL)開幕からお互いに週2試合ずつという過密日程の中で迎えた、バルセロナからのタイトル奪取を目論む両クラブによる“マドリッド・ダービー”だ。

▽昨シーズン終了後、ジネディーヌ・ジダン監督が退任し、クリスティアーノ・ロナウドがユベントスに去り、望まれた大型補強も敢行しなかったレアル・マドリー。主力級の契約はGKティボー・クルトワに留まり、後はDFアルバロ・オドリオソラ、FWヴィニシウス・ジュニオール、FWマリアーノ・ディアスといった将来を見据えた投資を優先した。

▽また、ロシア・ワールドカップ(W杯)開幕直前にスペイン代表から引き抜いたフレン・ロペテギ新監督の初陣UEFAスーパー・カップでは、今節の相手であるアトレティコ・マドリーに2-4で競り負け、早くもタイトルを逃している。8月中旬に始まったリーガエスパニョーラでは序盤のヘタフェ、ジローナ、レガネスといった近年昇格を果たしてきたクラブにこそ勝利したものの、中位以上が期待されるビルバオとの第4節は1-1のドロー。続くエスパニョール戦も終始低調な内容で1-0の勝利に留まり、前節のセビージャ戦では0-3の完敗を喫した。
▽3-0で快勝したCL開幕節ローマ戦以外はフラストレーションの溜まる試合が続いているレアル・マドリー。ホームでのダービーマッチで、リーガ奪還の意思を示したい。

▽対するアトレティコ・マドリーは、今夏に積極補強を敢行。FWケビン・ガメイロやフェルナンド・トーレス、DFシメ・ヴルサリコといった選手層に厚みをもたらしていたプレーヤーや、ディエゴ・シメオネ監督の意思をピッチに注入していたMFガビを放出すると、ビジャレアルで出色の出来を披露していたMFロドリゴ・エルナンデスをいち早く確保。また、MFトマ・レマル、FWカリニッチ、ジェウソン・マルティンスを獲得した。さらに、移籍の噂が絶えなかったエースFWアントワーヌ・グリーズマン、守護神GKヤン・オブラクの慰留にも成功している。▽そして迎えた今シーズン、最初の公式戦でレアル・マドリーを4-2で撃破しUEFAスーパー・カップのタイトルを獲得。しかし、リーガでは開幕節のバレンシア戦を1-1で取りこぼすと、第3節セルタ戦を0-2で落とし今シーズン初黒星を喫した。続く第4節エイバル戦も1-1のドローに終えると、スペイン各紙から早くもタイトルレース脱落が騒ぎ立てられたが、CL開幕節モナコ戦で苦しみながらも2-1の勝利をもぎ取り調子が好転。前々節ヘタフェ戦で2-0の完勝を飾ると、前節ウエスカ戦も3-0で快勝し、不調完全脱出を目指してダービーマッチに臨むこととなった。

▽レアル・マドリー予想スタメンGK:クルトワ
DF:カルバハル、ヴァラン、セルヒオ・ラモス、ナチョ
MF:モドリッチ、カゼミロ、クロース
FW:ベイル、ベンゼマ、アセンシオ
負傷者:DFマルセロ、MFイスコ
出場停止者:なし

▽出場停止者はいない。DFマルセロとMFイスコに関しては、今節の出場は絶望的な状況だ。

▽ゴールキーパーに関してはGKケイロル・ナバスの可能性も考えられるが、ロペテギ監督下で比較的優先度の高いGKクルトワが古巣戦に出場すると予想。また、過密日程ということを踏まえれば、MFクロースに代わりMFセバージョスの先発もあり得るが、このビッグマッチには現状のベストメンバーで挑むことが濃厚だ。


▽アトレティコ・マドリー予想スタメン
GK:オブラク
DF:フアンフラン、ゴディン、ヒメネス、フィリペ・ルイス
MF:コケ、サウール、トーマス、レマル
FW:グリーズマン、ジエゴ・コスタ
負傷者:DFサビッチ、アリアス
出場停止者:なし

▽出場停止者はいない。DFサビッチ、右サイドバックを務めるDFアリアスが離脱中だ。虫垂炎でここ2試合を欠場しているDFフアンフランに関しては、今節の復帰が囁かれている。

▽右サイドバックにフアンフランが復帰できない場合、トーマスがそのポジションを務めMFロドリが中盤を埋めるプラン、ここ数試合でやっていた様にBチームから右サイドバックの若手を引き上げるプランが考えられる。また、サイドハーフではMFレマルの先発が濃厚だが、より守備的な入りをする場合は10番を背負うMFコレアを起用する可能性も。
★注目選手
◆レアル・マドリー:MFルカ・モドリッチ▽レアル・マドリーの注目プレーヤーは、クロアチア代表MFルカ・モドリッチだ。ロシア・ワールドカップ(W杯)で大会最優秀選手に輝き、その激闘の疲労から徐々にコンディションを取り戻しつつある司令塔に注目。アトレティコでは、クロアチアがW杯決勝で苦汁を舐めさせられたフランス代表の中軸、グリーズマンがエースとして活躍している。世界一を決める舞台で1G1Aを記録された借りを返すべく、モドリッチは本拠地サンティアゴ・ベルナベウに魔法をかけられるか。

◆アトレティコ・マドリー:FWアントワーヌ・グリーズマン▽アトレティコ・マドリーの注目プレーヤーは、フランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンだ。前述の通り、グリーズマンはロシアW杯で母国を優勝に導く活躍をした。しかし、大会最優秀選手賞をはじめ、UEFA欧州最優秀選手賞、FIFA最優秀選手賞といった個人賞は全てモドリッチに獲得されている。フランス代表から個人賞が選出されないことに不満を口にしているグリーズマンは、モドリッチとの直接対決で自身がより優れていることを証明できるのだろうか。