【会見】川澄奈穂美を初招集…なでしこジャパン指揮官「戦える選手を重要視」《MS&ADカップ2018/AFC女子アジアカップ》

2018.03.19 17:00 Mon
©超ワールドサッカー
▽日本サッカー協会(JFA)は19日、MS&ADカップ2018とAFC女子アジアカップヨルダン2018に臨むなでしこジャパンのメンバー23名を発表した。

▽なでしこジャパンを率いる高倉麻子監督は、MS&ADカップのガーナ女子代表戦、フランス女子W杯アジア最終予選を兼ねた女子アジアカップに向け、FW川澄奈穂美を現体制発足後初招集。2年ぶりの代表復帰となる川澄の招集理由や、期待する部分など、記者の様々な質問に返答した。
◆高倉麻子監督(なでしこジャパン)
「監督に就任して最初の活動から1年8カ月が立つ。来年、いよいよフランスのW杯出場権を懸けたアジアカップが4月にヨルダンで行われる。これまで色んな選手を可能性を探りながら、成長を待ちながら、様々なトライをしてきた。いよいよ本番を戦うにあたり、私自身を含むスタッフ一同、選手一同もアルガルベカップの結果を踏まえて身の引き締まる思いでいる」

「就任当初、代表選手として4つの必要な要素を挙げ、それをベースにしながら、様々な選手にトライしてもらった。だが、今回は本番。何かを試すということじゃなくて、本番のグラウンドに立てる選手、戦える選手を重要視して選ばせてもらった。チームとして22試合を戦ってきたが、なかなか勝ち星が先行せず、苦しんできた」

「その理由の一つとして、失点の多さが挙げられる。内容を見ると、ほとんどが集中力の切れたミス絡み。以前のチームと比べて、勝ちにこだわる執念や気持ちが欠けている。今回は本番だけに、誰がチームを勝たせてくれる選手なのかを見れると思う。とにかく、なでしこジャパンとして恥ずかしくない試合でW杯出場権を手にし、大会2連覇へ強い気持ちで臨みたい」
──アジアカップは強敵と同組。勝利の気持ちを養う方法とは
「オーストラリア、韓国、ベトナムと同組になり、非常に厳しいグループに入った。オーストラリアはFIFAランク4位。メンバーをほとんど変えることなく、熟成してきていて、史上最強だと思う。厳しい戦いになる」

「韓国との試合はいつもだが、気持ちの面でも難しいものがある。やはり挑戦者であるという気持ちを忘れず、韓国の良さを出させない戦いをしていきたい。初戦の相手であるベトナムに関しては、どこの地域も同じだが、1年あればチーム力が大きく変わってくる。ユーロのオランダや、アルガルベのポルトガルもそう。ベトナムも決して簡単な試合にならない」

「そういった意味でも、ガーナとの試合は、大切になってくる。そこで選手をどのように使っていくのか、先を見据えて考えていきたい。勝利の気持ちを養う方法についてだが、選手になでしこジャパンの一員である責任の重さや、戦いながら次の世代にバトンを繋いでいくことについて、色々話をしている」

「だが、今のチームは、自分自身のプレーに必死になりがちで、“チームのために”という気持ちが湧き出てこない選手が多い。だが、今回は本番。自分自身の思いを振り絞って、グラウンドに立ってもらいたい」

──川澄奈穂美の招集理由。期待している部分とは
「ずっと注目していた選手。ただ、チームを少し若返らせるためにも、若手に経験とチャンスを与える時間が必要だった。その中で、点を獲るという部分に関して、ゴールに向かっていく姿勢に関して、物足りなさを感じた」

「彼女は急なチーム合流となるが、経験もあり、勝負強さもある。しっかりとチームに溶け込んでくれると思っているし、彼女の縦への突破に大きく期待している。このチームの中で最年長になるが、チームがフラつきそうになったとき、締めていってもらいたい」

──海外組から川澄のみを加えた国内でのチーム作りについて
「アジアカップは、2週間で5試合というタイトなスケジュールになっている。一度日本に来て時差を調整して、ヨルダンに行ってまた時差を調整するとなると、コンディションが落ちる可能性がある。なので、宇津木、熊谷、横山に関しては、本人たちとも話をして、現地で合流することに決めた」

「川澄に関しては、初招集なので早めに合流してもらって、チームの雰囲気や、やり方を長崎キャンプで共有してもらいたい。彼女だけは特別、海外組の中から唯一、長崎キャンプから合流してもらうことにしてもらった」

──GK平尾知佳の選出理由について
「平尾は育成年代の代表から活躍してきた選手。GKとしてのポテンシャルも非常に高く、メンタルも安定している。そういったことも評価して選出した。全く初めてというわけじゃなく、私自身が目指すサッカーもわかっているので心配していない」

──どのポイントの上積みに期待しているか
「攻守ともに色々なエラーが出てくる中で、修正をしながらチームを作ろうとしている。先ほども言ったが、勝負どころでミス絡みの失点が多い。守備のところや試合に対する集中力、勝ちに対する執念が大事になる」

「その辺は選手たちと話をしていきたい。シュートを決め切るところにおいても、技術的なものだけじゃなく、気持ちを持っていなければ、バーに当たって入らない。とにかく、チームが勝ちに向かっていく雰囲気を前面に出して大会に臨んでいきたい」
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