【ユーロ2016チーム紹介(24)】ハンガリー~44年ぶり出場の古豪~

2016.06.14 00:05 Tue
Getty Images
▽44年ぶりの出場で古豪復活を目指すハンガリー。かつては“マジックマジャール”の愛称でサッカー界を席巻したハンガリーだが、ここ数十年は深刻なタレント不足の影響もありメジャーな舞台でほとんど結果を残せずにいた。だが、今予選ではノルウェーとのプレーオフを勝ち抜き、久々に表舞台に返り咲いた。ただ、40歳の守護神キラーイ、37歳の司令塔ゲラ、エースのジュジャークにおんぶにだっこのチームは、タレントの質と近年の実績を見ても本大会出場チームで最弱の部類に入るだろう。

▽それでも、グループステージでは本命のポルトガルを除いて、初出場のアイスランド、予選初突破のオーストリアが相手と付け入る隙は十分にある。また、グループ最弱を自認するハンガリーには失うものがないだけに持ち味の泥臭い戦いでジャイアントキリングを狙いたいところだ。

◆基本布陣【4-2-3-1】
(C)CWS Brains,LTD.

▽基本布陣は、堅守速攻型の[4-2-3-1]だ。戦い方としては自陣深くに堅固なブロックを形成し、ボールを奪ったら手数をかけずに攻め切る“弱者のカウンター”を貫く。守備の局面では、ときに最前線のサライまで自陣に下がって守備をし、ボックス付近に人数を集める“人海戦術”でゴール前でのシュートブロックやシュートコースを限定し、キラーイのビッグセーブに託す。攻撃ではチームで唯一違いを作れる右ウイングのジュジャークの個人技、サライへの一か八かのロングボールで“一発”を狙う。

◆チーム分析
(C)CWS Brains,LTD.
[GK/DF]★★☆☆☆
▽代表通算100キャップ以上を誇る40歳の守護神キラーイが最後尾でチームの守備を支える。また、控えにはかつてリバプールに在籍していたグラクシも控える。最終ラインはラングやフィオーラら国内組と、いずれもポーランドでプレーするグズミチとカダールがレギュラーを担う。

[MF]★★☆☆☆
▽アダム・ナギと共に中盤の底に入る37歳の司令塔ゲラと右ウイングのジュジャークが主軸だ。また、左ウイングのネメト、ブレーメンでプレーする22歳MFクラインハイスラー、190cmの長身セントラルMFピンテールらも活躍が期待されるタレントだ。また、攻撃のオプションとして期待されるのが、ニュルンベルク所属のアタッカーのシュティエーベルだ。

[FW]★★☆☆☆
▽ブンデスリーガで実績を残すサライがエースストライカーを務めているが、ここ最近は所属クラブのハノーファーと代表で精彩を欠いている。また、代役には招集されたストライカーで最もゴールを記録しているプリシュキン(17ゴール)やニコリッチが控えるものの、サライと同様に迫力不足は否めない。

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