プレビュー:昨季ファイナリストの反撃か、13年ぶりベスト8か《アトレティコ・マドリーvsレバークーゼン》

2015.03.17 12:00 Tue
▽CL決勝トーナメント1回戦2ndレグ、アトレティコ・マドリーvsレバークーゼンが17日、アトレティコの本拠地ビセンテ・カルデロンで開催される。先月25日に行われた1stレグでは、守備を固めてきたアトレティコをレバークーゼンがこじ開け、1-0で先勝している。

▽1stレグでは戦前の予想通りアウェイの戦いに徹し、レバークーゼンの攻撃をうまく押さえ込んでいたアトレティコ。しかし、57分にチャルハノールのゴールを許し、その後トーレスに決定機が訪れる局面があったものの、チアゴの退場もあって0-1で敗戦した。レバークーゼン戦後はリーガで3分けと勝ちきれない試合が続いて4位に後退し、優勝争いからほぼ脱落する格好となった。

▽一方、ベララビの躍動などもあって堅守アトレティコの守備ブロックを打ち破ったレバークーゼンは、GKレノの活躍もありアウェイゴールを許さずに先勝した。この勝利をキッカケにチーム状態は上向き、ブンデスリーガでは3連勝で無失点と最高の状態で準優勝を果たした2001-02シーズン以来13年ぶりとなるベスト8進出を目指す。
▽アトレティコ・マドリー予想スタメン
GK:モジャ
DF:フアンフラン、ミランダ、ホセ・ヒメネス、シケイラ
MF:アルダ、ガビ、マリオ・スアレス、コケ
FW:マンジュキッチ、グリーズマン
負傷者:サウール・ニゲス(背中)
出場停止者:DFゴディン、MFチアゴ

▽1stレグで退場したチアゴと、累積警告によってゴディンが出場停止となる。代役にはそれぞれマリオ・スアレスとホセ・ヒメネスが務めることになるだろう。また、1stレグで負傷したサウール・ニゲスが欠場となる。
▽レバークーゼン予想スタメン
GK:レノ
DF:ヒルバート、K・パパドプーロス、トプラク、ヴェンデウ
MF:ベララビ、カストロ、チャルハノール、ロルフェス、ソン・フンミン
FW:ドルミッチ
負傷者:DFイェドバイ(ハムストリング)、MFクルーズ(足首)
出場停止者:なし

▽出場停止者はいない。1stレグに続き、イェドバイとクルーズがケガで欠場する。L・ベンダーを起用できる場合は、ロルフェスの位置に起用されるはずだ。

★タクティカル・プレビュー
◆1stレグとは対照的な展開か
▽試合展開は1stレグから一変する可能性が高い。勝利しなければならないアトレティコが自陣に留まらずにハイプレスをかけ、リスクを負う可能性が濃厚だ。守備ブロックを形成してロングカウンターやセットプレーからゴールに迫る形を最も得意とするアトレティコだが、リーガの前々節バレンシア戦のように能動的に仕掛けてゴールをこじ開けることも十分に可能なチームとなっており、1stレグとは対照的な展開となることが予想される。

◆リトリート封印~アトレティコ~
▽勝ち抜けのためにゴールが必要なアトレティコとしては、最も得意とするリトリート戦術を封印し、レバークーゼンのお株を奪うようなハイプレスをいかに機能させるかが鍵を握る。10人での戦いを強いられた直近のエスパニョール戦で見せたようなハードワークを徹底し、チーム全体の運動量を高いレベルで維持することがハイプレスを機能させる上で重要な要因となる。2トップを担うマンジュキッチとグリーズマンには1stDFとしての役割も求められ、彼らに呼応する形で後方の選手たちが続くことで、うまくプレスをハメていきたい。

▽リスクを冒して戦わなければならない中、アトレティコとしてはディフェンスリーダーのゴディンを欠く状況は守備のバランスを大きく崩す可能性が見込まれる。今季飛躍を遂げている20歳のホセ・ヒメネスだが、これまでは同胞の先輩であるゴディンとコンビを組むことで安定したプレーを見せていた。そんな中、ブラジル人DFミランダとのコンビでうまく連係を取りながら、前がかるチームを後方から支えるような働きができるかに注目だ。

▽そして、中盤では攻守のバランスを取れ、配球力も要すチアゴを欠く。彼の不在も攻守両面でチームにマイナスの影響を及ぼす可能性が見込まれる。代役としては守備に特長のあるマリオ・スアレスが務める可能性が高いため、ピボーテでコンビを組むことが予想されるキャプテンのガビには、通常よりも攻撃に重きを置いたプレーでチームを引っ張ることが求められる。

◆R・シュミット監督の策は!?~レバークーゼン~
▽ハイプレス戦術を標榜するR・シュミット監督だが、1stレグを先勝していることから、2ndレグでは慎重な戦いを選択する可能性がある。ハイプレスをかけ合ってオープンに打ち合うよりも、自陣に引いてアトレティコの攻撃を受け止め、ロングカウンターで仕留める策を採れば勝機を格段に高められるはずだ。そもそも、レバークーゼンには2列目にベララビとソン・フンミンというカウンタースタイルに最適なスピードスターを擁しているだけに、非常に効果的だと言える。

▽また、自陣に引くことによってアトレティコの得点源であるグリーズマンを抑え込み易くなるというメリットもある。走力に優れるフランス代表FWは、今季のリーガで14ゴールをマークし、チーム内得点王となっている。レバークーゼンのディフェンスリーダーであるトプラクは読みの鋭い守備が持ち味な一方でスピードには難があるため、スペースをアトレティコに与えない試合運びは、攻守両面でプラスに作用する可能性が高いはずだ。

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