クライシスに突入したのは…/原ゆみこのマドリッド
2024.11.08 20:00 Fri
「たった1試合でこうまでパノラマが変わるとは」そんな風に私が驚いていたのは木曜日、CL4節が終わった翌日のことでした。いやあ、最近、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)が癖になっているバルサがツベルナ・ズベズダにも2-5と圧勝。決勝トーナメント16強対決直接進出圏6位に躍り出たのには、それよりむしろ、敵に顔を蹴られた17才のクバルシが10針以上も右頬下を縫われ、フランケンシュタインフェイスになっていたことの方が気になったぐらいだったんですけどね。
同様にPSVに4-0と大敗したジローナがいよいよ、リーガフェーズ突破崖っぷちとなったのも、初出場の上、夏に昨季の主力が根こそぎ退団。更に負傷禍に襲われているチームでは仕方ないと思った程度だったんですが、まさか、マドリッドの2巨頭の状況が天国と地獄の入れ替えみたいになるとは!
いえまあ、実際、成績で言えば、4節までどちらも2勝2敗の勝ち点6。ゴールアベレージのせいでレアル・マドリーが18位、アトレティコは16強対決プレーオフ圏ギリギリの23位ではあるんですが、双方共、直接進出圏8位まではたったの勝ち点3差ですからね。残りも4試合と、決して慌てる必要はないんですが、違いはこの4節の結果。勝ったシメオネ監督のチームに8位以上を目指す野心が芽生えたのと対照的に、負けたお隣さんはとうとう世間から大々的にクライシス入りと見なされることになるとは、本当に世界一のクラブは生き辛い。
とりあえず、その原因となった火曜のミラン戦からお話ししていくことにすると、先週ミッドウィークをコパ・レル・レイ1回戦免除により、フリーで過ごしたマドリーは週末もバレンシア地方を襲った洪水災害のせいでリーガ戦が延期に。よって、0-4と大敗したクラシコ(伝統の一戦)から、中9日でサンティアゴ・ベルナベウにミランを迎えることになったんですが、もしや休み過ぎもハードスケジュールに慣れている彼らにとっては逆境だった?
その試合、キックオフ前のスタンドにはCL恒例のモザイクも大幕もなく、代わって巨大なバレンシア州旗が登場。UEFAの配慮で今節の全試合で行われた洪水犠牲者への黙祷が捧げられたんですが、そのしんみりした雰囲気から、先に脱出したのはミランの方だったんですよ。ええ、前半12分にはプリシッチの蹴ったCKをチャウがチュアメニとミリトンの間からヘッドで叩きつけ、GKルニンを破ってしまうんですから、fondo norte(フォンド・ノルテ/北側ゴール裏)上階席をギッシリ埋めた3800人のティフォシがどんなに喜んだことか。
というのもチュアメニが自陣でビニシウスに送ろうとしたパスがカットされ、それがエリア内のレオンに繋がって、シュートを撃たれてしまったからなんですけどね。それより最悪だったのはGKが弾いたボールにダッシュで詰めたモラタがゴール前から古巣への恩返し弾を挙げるのを、マドリー勢はただ見ているだけって、これじゃ、負傷中のクルトワに代わり、ゴールを守っているルニンも泣くに泣けない?
そのまま試合は1-2で折り返したんですが、何せ、前回のCLドルトムント戦でも0-2で負けていながら、お家芸、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)が発動。後半だけで5点を取って、5-2の大勝をしていたマドリーですからね。よって、ロッカールームに戻る選手たちにpito(ピト/ブーイング)が降り注ごうが、まだ全然、大船に乗った気分でいた私だったんですが、いつもと違ったのは、常々交代に腰の重いアンチェロッティ監督がハーフタイム中にカマビンガ、ブライム、負傷が治ったロドリゴをアップさせていたこと。
うちカマビンガとブライムが後半頭からピッチに入ったんですが、ええ、2失点目のミスでブーイングの的になっていたチュアメニ、背筋痛のバルベルデが退いたのはともかく、それもあまり効果がなかったのは確か。だってえ、リードしてカウンター狙いになったミランの選手が、鬼のように何度もマドリーゴールに向かって、独走してくるようになったんですよ。幸いレオンのシュートやテオのヘッドはルニンが弾いてくれたものの、こんなザル守備では、28分にはとうとう、レオンのラストパスからラインデルスに3点目を決められてしまったのも必然の結果だったかと。
ただ、それでも2点差なんて、マドリーにとってはレモンターダ圏内だしと、ええ、その直後、ロドリゴも出動しましたしね。勝手に決めつけていた私の予想通り、36分には交代出場のセバージョスのエリア外シュートをGKメニャンが弾くと、そのこぼれ球をリュディガーがシュート。ゴールを決めて、とうとう反撃の狼煙が上がったかと場内も湧き立ったんですが、いやあ。VAR判定でオフサイドにされてしまったとなれば、今日はもう店仕舞いと、スタジアムを出るファンが大量にいても仕方がなかった?
結局、最後はビニシウスやブライムのヘッドも決まらず、1-3で負けてしまったマドリーだったんですが、何せこれでバルサ戦に続いて、ホーム大量失点の2連敗ですからね。となれば、アンチェロッティ監督も「Tenemos que estar preocupados, el equipo no está dando una buena version/テネモス・ケ・エスタル・プレオクパードス、エル・エキポ・ノー・エスタ・ダンドー・ウナ・ブエナ・ベルシオン(ウチは心配しないといけない。チームがいいバージョンを見せていないからね)」と深刻な顔をしていたのも当然だったかと。
まあ、守備に関してはカルバハルが今季絶望となり、右SBが元々、アタッカーだったルーカス・バスケスの専従となっているのも影響しているんですが、それに輪をかけて、ビニシウスやエムバペの守備参加が少ないのは困りもの。その分、ゴールをガンガン挙げて、撃ち勝ってくれるかというと、そういう訳でもありませんしね。とりわけエムバペなど、ここ2試合、それぞれ8本もシュートを撃ちながら、1点も取れていないとなれば、木曜に来週のフランス代表戦の招集メンバーを発表したデシャン監督が10月に続き、彼を呼ばなかったのもわかるかと。エムバペ加入のせいで、今季はポジションが一定せず、遍歴を重ねるベリンガムが未だにノーゴールなのも気になるところとはいえ…。
そこは天下のマドリーですし、いえ、CL次節が4連勝で首位のリバプールとアンフィールドで対決というのは何ですけどね。まだ、そう悲観したものではないと思いますが、悩む間もなく、もう土曜午後2時(日本時間午後10時)にはまたベルナベウでのオサスナ戦が到来。ミラン戦翌日にチュアメニの足首ネンザが発覚し、全治1カ月という悪いニュースもあったものの、とりあえず、ここを乗り切れば、各国代表戦週間のparon(パロン/リーガの停止期間)後にはGKクルトワも戻って来られそうですしね。きっとその頃までには、経験豊富なアンチェロッティ監督が何か対策を考えてくれるんじゃないでしょうか。
そして翌水曜はイヤイヤながら、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)にアトレティコのPSG戦を見に行った私なんですが、ええ、昨季後半から始まったアウェイ弱者傾向のせいで、昨今は気分良く観戦できた試合がほぼ皆無でしたからね。あまつさえ、CL2節など、お隣さんのリール戦が同時開催だったせいで、人が見てないのをいいことに、リスボンでベンフィカに4-0の赤っ恥負けをしてきたぐらいでしたから、この日もキックオフ早々、アクラフ、デンベレ、バルコラと、次々シュートを撃ってこられるのに最悪の結末しか想像できなかったんですが…。
ええ、最悪ですよ。だってえ、開始14分にはラングレがエリア内でボールをデンベレに奪われ、ザイール=エメリに先制点を決められてしまったんですよ。もしやこれは、ベンフィカ戦を上回る惨劇が展開されるのかと、即座に家に帰りたくなったぐらいでしたが、あら意外。18分には最近、ダメダメのチームで1人だけ意地を見せているチョリート(小さなチョロ)、シメオネ監督の三男ジュリアーノが敵エリアに接近。彼の撃ったシュートはGKドンナルンマに弾かれてしまったものの、こぼれ球を敵から取り返し、フリアン・アルバレス、モリーナとの連携で戻って来たボールを再びシュートして、いえ、これも敵DFに当たってしまったんですけどね。
そのボールをゲットしたモリーナがネットを突き刺し、早々と同点にしてくれたから、助かったの何のって。とはいえ、その後の展開が変わったかと言えば、まったくそんなことはなく、PSGのルイス・エンリケ監督も「El rival no ha llegado ni al borde del área/エル・リバル・ノー・ア・ジェガードー・ニ・アル・ボルデ・デル・アレア(敵はエリア付近にすら、辿り着かなかった)」と言っていた通り、残り時間はひたすら、計8本にもなるGKオブラクのparadon(パラドン/スーパーセーブ)と相手のシュート精度の悪さ頼みで追加点を取られずに済んでいたアトレティコだったんですけどね。それが後半ロスタイム3分、まさかあんな奇跡が起きるとは!
それは最後のPSGの攻撃を防ぎ、私も少なくとも勝ち点1は取れたとホッとしていた時のことで、ゴールキックでオブラクがセンター近くにいるグリーズマンへロングスロー。するとその日もようようパスが味方に届かず、絶望しか抱けなかった彼が敵エリアを見て、神判断したんです。そう、すでにリケルメとサムエル・リノは上がっていたものの、土壇場のゴール力を持つコレアが到着するのを見計らってロングパスを供給し、そのシュートで勝ち越し点が入ったとなれば、まさに「El gol es una broma/エル・ゴル・エス・ウナ・ブロマ(まるでジョークのようなゴール)」(ルイス・エンリケ監督)とはこのこと?
いやあ実際、この日もボールロストは無限でしたし、この1-2の勝利だけでアトレティコが強くなったとはとても言えないんですけどね。それでも全員で一生懸命守って、「volvimos a ver un Atlético duro y difícil de jugar/ボルビモス・ア・ベル・ウン・アトレティコ・ドゥーロ・イ・ディフィシル・デ・フガール(対戦するのがハードで難しいアトレティコを再び見られた)」(グリーズマン)というのは確か。「Griezmann no estuvo tan fino, pero cuando está en el campo algo puede pasar/グリーズマン・ノー・エストゥーボ・タン・フィーノ、ペロ・クアンドー・エスタ・エン・エル・カンポ・アルゴ・プエデ・パサール(グリーズマンはそんなに冴えていなかったが、彼がピッチにいる時は何かが起こりうる)」という理由で、7番を最後まで残したシメオネ監督もグッジョブでしたしね。
あとはこの姿が日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのアウェイゲーム、マジョルカ戦でも再現できれば、ファンも少しは見直してくれるのでは?ちなみにマハダオンダ(マドリッド近郊)に戻っての翌日セッションではリハビリ中だったジョレンテとアスピリクエタがチーム練習に合流という朗報も。それが前者など、本隊がパリに行っている間、被災者への支援品を届けにバレンシアまで移動。ついでに洪水後の清掃作業にも参加してきたようですが、その奉仕精神はともかく、早いところ調子を上げないと、ジュリアーノにレギュラーを取られてしまうかもしれませんよ。
そして最後に今週はミッドウィークに試合のなかった弟分たちの予定もお伝えしておくと、13節は皆、ホームゲーム。一番手のラージョは金曜にエスタディオ・バジェカスに、前節アトレティコに2-0と負けたラス・パルマスを迎えるんですが、その傍らで、延期となった12節のビジャレアルは12月19日にリスケされることに。現在9位でヨーロッパの大会出場圏まで勝ち点3と迫っている彼らにはちょっとじれったいことになりましたが、今節の目標は直近のアラベス戦に続く、ホーム連勝でしょうか。
一方、マドリッド南部の2チームはレガネスが土曜にセビージャをブタルケに、ヘタフェが日曜にジローナをコリセウムに迎えるんですが、実はこの2カードの開催日時、元々は逆だったんですよ。ええ、バレンシアにあるマニセス(地方リーグ/実質6部)とのコパ1回戦が延期となったボルダラス監督のチームが、それを今週の木曜にプレーすることになったため、入れ替えになったという経緯があるんですが、結局、未だに洪水被害の残る現地を考慮して、開催は11月26日に。まあ、どちらも午後9時キックオフだけにそんなに違いはないんですが、両チーム共、前節は負けているため、降格圏から離れるという意味でも、ホームのファンの前でいいところを見せられるといいですよね。
同様にPSVに4-0と大敗したジローナがいよいよ、リーガフェーズ突破崖っぷちとなったのも、初出場の上、夏に昨季の主力が根こそぎ退団。更に負傷禍に襲われているチームでは仕方ないと思った程度だったんですが、まさか、マドリッドの2巨頭の状況が天国と地獄の入れ替えみたいになるとは!
いえまあ、実際、成績で言えば、4節までどちらも2勝2敗の勝ち点6。ゴールアベレージのせいでレアル・マドリーが18位、アトレティコは16強対決プレーオフ圏ギリギリの23位ではあるんですが、双方共、直接進出圏8位まではたったの勝ち点3差ですからね。残りも4試合と、決して慌てる必要はないんですが、違いはこの4節の結果。勝ったシメオネ監督のチームに8位以上を目指す野心が芽生えたのと対照的に、負けたお隣さんはとうとう世間から大々的にクライシス入りと見なされることになるとは、本当に世界一のクラブは生き辛い。
その試合、キックオフ前のスタンドにはCL恒例のモザイクも大幕もなく、代わって巨大なバレンシア州旗が登場。UEFAの配慮で今節の全試合で行われた洪水犠牲者への黙祷が捧げられたんですが、そのしんみりした雰囲気から、先に脱出したのはミランの方だったんですよ。ええ、前半12分にはプリシッチの蹴ったCKをチャウがチュアメニとミリトンの間からヘッドで叩きつけ、GKルニンを破ってしまうんですから、fondo norte(フォンド・ノルテ/北側ゴール裏)上階席をギッシリ埋めた3800人のティフォシがどんなに喜んだことか。
でも大丈夫。この時はマドリーの反撃も早く、23分にはエリア内でビニシウスがエメルソンに倒されてPKをゲット。同点ゴールを決めて、確定と言われていたバロンドール賞を表彰式当日にロドリ(マンチェスター・シティ)にさらわれ、失意を味わったブラジル人FWを励ます応援歌をキックオフからずっと、送っていたファンに応えてくれたんですが、どうもその後がパッとしなくてねえ。もちろん、それは彼だけではなかったんですが、まさか39分、お隣さんもビックリのイージーミスから、再びミランに勝ち越されてしまったから、さあ大変!
というのもチュアメニが自陣でビニシウスに送ろうとしたパスがカットされ、それがエリア内のレオンに繋がって、シュートを撃たれてしまったからなんですけどね。それより最悪だったのはGKが弾いたボールにダッシュで詰めたモラタがゴール前から古巣への恩返し弾を挙げるのを、マドリー勢はただ見ているだけって、これじゃ、負傷中のクルトワに代わり、ゴールを守っているルニンも泣くに泣けない?
そのまま試合は1-2で折り返したんですが、何せ、前回のCLドルトムント戦でも0-2で負けていながら、お家芸、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)が発動。後半だけで5点を取って、5-2の大勝をしていたマドリーですからね。よって、ロッカールームに戻る選手たちにpito(ピト/ブーイング)が降り注ごうが、まだ全然、大船に乗った気分でいた私だったんですが、いつもと違ったのは、常々交代に腰の重いアンチェロッティ監督がハーフタイム中にカマビンガ、ブライム、負傷が治ったロドリゴをアップさせていたこと。
うちカマビンガとブライムが後半頭からピッチに入ったんですが、ええ、2失点目のミスでブーイングの的になっていたチュアメニ、背筋痛のバルベルデが退いたのはともかく、それもあまり効果がなかったのは確か。だってえ、リードしてカウンター狙いになったミランの選手が、鬼のように何度もマドリーゴールに向かって、独走してくるようになったんですよ。幸いレオンのシュートやテオのヘッドはルニンが弾いてくれたものの、こんなザル守備では、28分にはとうとう、レオンのラストパスからラインデルスに3点目を決められてしまったのも必然の結果だったかと。
ただ、それでも2点差なんて、マドリーにとってはレモンターダ圏内だしと、ええ、その直後、ロドリゴも出動しましたしね。勝手に決めつけていた私の予想通り、36分には交代出場のセバージョスのエリア外シュートをGKメニャンが弾くと、そのこぼれ球をリュディガーがシュート。ゴールを決めて、とうとう反撃の狼煙が上がったかと場内も湧き立ったんですが、いやあ。VAR判定でオフサイドにされてしまったとなれば、今日はもう店仕舞いと、スタジアムを出るファンが大量にいても仕方がなかった?
結局、最後はビニシウスやブライムのヘッドも決まらず、1-3で負けてしまったマドリーだったんですが、何せこれでバルサ戦に続いて、ホーム大量失点の2連敗ですからね。となれば、アンチェロッティ監督も「Tenemos que estar preocupados, el equipo no está dando una buena version/テネモス・ケ・エスタル・プレオクパードス、エル・エキポ・ノー・エスタ・ダンドー・ウナ・ブエナ・ベルシオン(ウチは心配しないといけない。チームがいいバージョンを見せていないからね)」と深刻な顔をしていたのも当然だったかと。
まあ、守備に関してはカルバハルが今季絶望となり、右SBが元々、アタッカーだったルーカス・バスケスの専従となっているのも影響しているんですが、それに輪をかけて、ビニシウスやエムバペの守備参加が少ないのは困りもの。その分、ゴールをガンガン挙げて、撃ち勝ってくれるかというと、そういう訳でもありませんしね。とりわけエムバペなど、ここ2試合、それぞれ8本もシュートを撃ちながら、1点も取れていないとなれば、木曜に来週のフランス代表戦の招集メンバーを発表したデシャン監督が10月に続き、彼を呼ばなかったのもわかるかと。エムバペ加入のせいで、今季はポジションが一定せず、遍歴を重ねるベリンガムが未だにノーゴールなのも気になるところとはいえ…。
そこは天下のマドリーですし、いえ、CL次節が4連勝で首位のリバプールとアンフィールドで対決というのは何ですけどね。まだ、そう悲観したものではないと思いますが、悩む間もなく、もう土曜午後2時(日本時間午後10時)にはまたベルナベウでのオサスナ戦が到来。ミラン戦翌日にチュアメニの足首ネンザが発覚し、全治1カ月という悪いニュースもあったものの、とりあえず、ここを乗り切れば、各国代表戦週間のparon(パロン/リーガの停止期間)後にはGKクルトワも戻って来られそうですしね。きっとその頃までには、経験豊富なアンチェロッティ監督が何か対策を考えてくれるんじゃないでしょうか。
そして翌水曜はイヤイヤながら、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)にアトレティコのPSG戦を見に行った私なんですが、ええ、昨季後半から始まったアウェイ弱者傾向のせいで、昨今は気分良く観戦できた試合がほぼ皆無でしたからね。あまつさえ、CL2節など、お隣さんのリール戦が同時開催だったせいで、人が見てないのをいいことに、リスボンでベンフィカに4-0の赤っ恥負けをしてきたぐらいでしたから、この日もキックオフ早々、アクラフ、デンベレ、バルコラと、次々シュートを撃ってこられるのに最悪の結末しか想像できなかったんですが…。
ええ、最悪ですよ。だってえ、開始14分にはラングレがエリア内でボールをデンベレに奪われ、ザイール=エメリに先制点を決められてしまったんですよ。もしやこれは、ベンフィカ戦を上回る惨劇が展開されるのかと、即座に家に帰りたくなったぐらいでしたが、あら意外。18分には最近、ダメダメのチームで1人だけ意地を見せているチョリート(小さなチョロ)、シメオネ監督の三男ジュリアーノが敵エリアに接近。彼の撃ったシュートはGKドンナルンマに弾かれてしまったものの、こぼれ球を敵から取り返し、フリアン・アルバレス、モリーナとの連携で戻って来たボールを再びシュートして、いえ、これも敵DFに当たってしまったんですけどね。
そのボールをゲットしたモリーナがネットを突き刺し、早々と同点にしてくれたから、助かったの何のって。とはいえ、その後の展開が変わったかと言えば、まったくそんなことはなく、PSGのルイス・エンリケ監督も「El rival no ha llegado ni al borde del área/エル・リバル・ノー・ア・ジェガードー・ニ・アル・ボルデ・デル・アレア(敵はエリア付近にすら、辿り着かなかった)」と言っていた通り、残り時間はひたすら、計8本にもなるGKオブラクのparadon(パラドン/スーパーセーブ)と相手のシュート精度の悪さ頼みで追加点を取られずに済んでいたアトレティコだったんですけどね。それが後半ロスタイム3分、まさかあんな奇跡が起きるとは!
それは最後のPSGの攻撃を防ぎ、私も少なくとも勝ち点1は取れたとホッとしていた時のことで、ゴールキックでオブラクがセンター近くにいるグリーズマンへロングスロー。するとその日もようようパスが味方に届かず、絶望しか抱けなかった彼が敵エリアを見て、神判断したんです。そう、すでにリケルメとサムエル・リノは上がっていたものの、土壇場のゴール力を持つコレアが到着するのを見計らってロングパスを供給し、そのシュートで勝ち越し点が入ったとなれば、まさに「El gol es una broma/エル・ゴル・エス・ウナ・ブロマ(まるでジョークのようなゴール)」(ルイス・エンリケ監督)とはこのこと?
いやあ実際、この日もボールロストは無限でしたし、この1-2の勝利だけでアトレティコが強くなったとはとても言えないんですけどね。それでも全員で一生懸命守って、「volvimos a ver un Atlético duro y difícil de jugar/ボルビモス・ア・ベル・ウン・アトレティコ・ドゥーロ・イ・ディフィシル・デ・フガール(対戦するのがハードで難しいアトレティコを再び見られた)」(グリーズマン)というのは確か。「Griezmann no estuvo tan fino, pero cuando está en el campo algo puede pasar/グリーズマン・ノー・エストゥーボ・タン・フィーノ、ペロ・クアンドー・エスタ・エン・エル・カンポ・アルゴ・プエデ・パサール(グリーズマンはそんなに冴えていなかったが、彼がピッチにいる時は何かが起こりうる)」という理由で、7番を最後まで残したシメオネ監督もグッジョブでしたしね。
あとはこの姿が日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのアウェイゲーム、マジョルカ戦でも再現できれば、ファンも少しは見直してくれるのでは?ちなみにマハダオンダ(マドリッド近郊)に戻っての翌日セッションではリハビリ中だったジョレンテとアスピリクエタがチーム練習に合流という朗報も。それが前者など、本隊がパリに行っている間、被災者への支援品を届けにバレンシアまで移動。ついでに洪水後の清掃作業にも参加してきたようですが、その奉仕精神はともかく、早いところ調子を上げないと、ジュリアーノにレギュラーを取られてしまうかもしれませんよ。
そして最後に今週はミッドウィークに試合のなかった弟分たちの予定もお伝えしておくと、13節は皆、ホームゲーム。一番手のラージョは金曜にエスタディオ・バジェカスに、前節アトレティコに2-0と負けたラス・パルマスを迎えるんですが、その傍らで、延期となった12節のビジャレアルは12月19日にリスケされることに。現在9位でヨーロッパの大会出場圏まで勝ち点3と迫っている彼らにはちょっとじれったいことになりましたが、今節の目標は直近のアラベス戦に続く、ホーム連勝でしょうか。
一方、マドリッド南部の2チームはレガネスが土曜にセビージャをブタルケに、ヘタフェが日曜にジローナをコリセウムに迎えるんですが、実はこの2カードの開催日時、元々は逆だったんですよ。ええ、バレンシアにあるマニセス(地方リーグ/実質6部)とのコパ1回戦が延期となったボルダラス監督のチームが、それを今週の木曜にプレーすることになったため、入れ替えになったという経緯があるんですが、結局、未だに洪水被害の残る現地を考慮して、開催は11月26日に。まあ、どちらも午後9時キックオフだけにそんなに違いはないんですが、両チーム共、前節は負けているため、降格圏から離れるという意味でも、ホームのファンの前でいいところを見せられるといいですよね。
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レアル・マドリーのブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールが、国際サッカー連盟(FIFA)の倫理規定違反で2年間の出場停止処分を科される可能性が浮上している。 昨年はバロンドールこそ逃したもののFIFAザ・ベストを受賞し、チャンピオンズリーグとラ・リーガの2冠に貢献したヴィニシウス。今シーズンは昨シーズンほどのインパクトこそ残せていないが、公式戦20ゴール14アシストと十分なスタッツを残し、マドリーの主軸として活躍。直近では2030年までの新契約締結で合意に至ったとの報道も出ていた。 そんななか、イタリア『ジャンルカ・ディ・マルツィオ』などの報道によれば、現在フットボール界屈指のスーパースターには父親と代理人とともに経営する『ALL Agenciamento Esportivo』社のサッカークラブ買収に関する問題で、FIFAから調査を受けているという。 『ALL』はポルトガルのFCアルベルカと、カンピオナート・ブラジレイロ・セリエB(ブラジル2部)のアスレティック・クラブを買収した。 後者のアスレティック・クラブに関しては16.5%の株式を保有するブラジル企業『ティベリス・ホールディング・ド・ブラジル』が、クラブのセリエB昇格を受けて、株式過半数を取得する優先購入権を行使する計画を立てていた。 しかし、実際に株式はヴィニシウスと関係のある『ALL』に直接売却され、サンパウロ商事裁判所は調査のため取引を停止。 だが、捜査が行われている間に『ALL』がクラブの運営権を握ったことに激怒した『ティベリス』は4月7日、FIFA倫理委員会の調査委員会に申し立てを行い、ヴィニシウスに対して2年間の出場停止処分を要求した。 『ティベリス』の訴えによると、これはFIFA倫理規定第20条およびスペインサッカー連盟(RFEF)スポーツ正義規定第22条に違反するとして国際訴訟を起こすことを決定。これらの規定はいずれも、利益相反の明らかなリスクがある場合に、現役サッカー選手がプロサッカークラブを直接的または間接的に所有することを禁じている。 懸念されるのは、選手オーナーにとって有利な個人契約、スポーツの試合結果への影響。さらに、異例の形で他の選手を引きつける可能性、税務上の不正行為に至るまで、多岐にわたるという。実際、アスレティック・クラブとアルベルカの間ではここにきて選手移籍の動きもある。 この訴えはFIFAに審査される予定であり、出場停止処分に至らない可能性もあるが、『ティベリス』は2年間の出場停止処分を求めており、この訴えが全面的に認められた場合、ヴィニシウスの選手生命に関わる事態となる。 ただ、現状の見立てでは両者間での和解を目指しつつ、ヴィニシウス側に処分が下ったとしても、罰金といったより軽微な処分にとどまる可能性が高いようだ。 2025.04.23 20:51 Wed2
40歳C・ロナウドが約400億円で3年連続最も稼いだアスリートに! メッシが5位、ドジャース・大谷翔平は9位
アル・ナスルのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(40)が、再び世界で最も稼ぐアスリートとなった。アメリカ『フォーブス』が伝えた。 サッカー界のスーパースターの1人であるC・ロナウド。初めて世界で最も稼ぐアスリートになってから9年。40歳になった中で、3年連続5度目のナンバーワンとなった。 スポルティングCPで才能を見出され、マンチェスター・ユナイテッドで輝きを放ち、レアル・マドリーで全盛期を迎えると、ユベントス、ユナイテッドでプレーし、現在はサウジアラビアのアル・ナスルでプレー。AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)では準決勝で川崎フロンターレに敗れてアジア王者は逃したが、その存在感は健在だ。 サッカー界のNo.1プレーヤーという肩書きは譲りつつあるものの、この1年間で稼いだ金額は推定2億7500万ドル(約399億6000万円)とのこと。これは自己最高記録であり、歴代でも2015年に3億ドル、2018年に2億8500万ドルを稼いだプロボクサーのフロイド・メイウェザーだけとなっている。 内訳としては2億2500万ドル(約326億9000万円)がアル・ナスルとの契約で手にしており、残りの5000万ドル(約72億7000万円)はピッチ外での収入となり、スポンサー契約などの収入と見られている。 サッカー選手ではトップ10にはアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)が1億3500万ドル(約196億3000万円)で5位。8位に元フランス代表FWカリム・ベンゼマ(アル・イテハド)が1億400万ドル(約151億2000万円)でランクイン。トップ50に広げると、フランス代表FWキリアン・ムバッペ(レアル・マドリー)が9000万ドル(約130億9000万円)で16位、ブラジル代表FWネイマール(サントス)が7600万ドル(約110億5000万円)で25位、ノルウェー代表FWアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)が6200万ドル(約90億1000万円)で34位、ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリー)が5500万ドル(約80億円)で46位、セネガル代表FWサディオ・マネ(アル・ナスル)が5400万ドル(約78億5000万円)で48位となった。 全体では2位にNBAのゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリーで1億5600万ドル(約226億7000万円)、3位にイングランドのプロボクサーであるタイソン・フューリーで1億4600万ドル(約212億2000万円)、4位にNFLのダラス・カウボーイズに所属するダック・プレスコットで1億3700万ドル(約199億1000万円)、5位がメッシとなった。 なお、日本人では9位にはMLBのロサンゼルス・ドジャーズに所属する大谷翔平が唯一入り1億250万ドル(約148億9000万円)。フィールド上で250万ドル(約3億6000万円)、フィールド外で1億ドル(約145億3000万円)を稼いでいるとされている。 <h3>◆最も稼ぐアスリートランキング 2025</h3> 1位:クリスティアーノ・ロナウド(サッカー/ポルトガル/40歳) 総収益:2億7500万ドル(約399億6000万円) 2位:ステフィン・カリー(バスケットボール/アメリカ/37歳) 総収益:1億5600万ドル(約226億7000万円) 3位:タイソン・フューリー(ボクシング/イギリス/36歳) 総収益:1億4600万ドル(約212億2000万円) 4位:ダック・プレスコット(アメリカン・フットボール/アメリカ/31歳) 総収益:1億3700万ドル(約199億1000万円) 5位:リオネル・メッシ(サッカー/アルゼンチン/37歳) 総収益:1億3500万ドル(約196億3000万円) 6位:レブロン・ジェームズ(バスケットボール/アメリカ/39歳) 総収益:1億3380万ドル(約194億4000万円) 7位:フアン・ソト(野球/ドミニカ共和国/26歳) 総収益:1億1400万ドル(約165億8000万円) 8位:カリム・ベンゼマ(サッカー/フランス/36歳) 総収益:1億400万ドル(約151億2000万円) 9位:大谷翔平(野球/日本/歳) 総収益:1億250万ドル(約148億9000万円) 10位:ケビン・デュラント(バスケットボール/アメリカ/35歳) 総収益:1億140万ドル(約147億3000万円) 2025.05.16 17:40 Fri3
レアル・マドリーがミランから19歳DFヒメネスを一時的に呼び戻し? 昨夏完全移籍移行も半年レンタルのアイデアを保有か
レアル・マドリーに、ミランからスペイン人DFアレックス・ヒメネス(19)を一時的に呼び戻すプランが存在か。イタリア『カルチョメルカート』が伝えている。 ヒメネスはスペイン出身で、マドリーの下部組織育ち。23年夏にレンタル移籍でミランU-19へ加わり、1年後の昨夏、ミランへの完全移籍と共にトップチーム昇格となった。 すなわち現在は完全にミランの一員なわけで、迎えた今シーズンはセリエA5試合、スーペルコッパ・イタリアーナ2試合などに出場。ただ、主戦場はセリエCのフトゥーロ(U-23)である。 そんななか、最終ラインが手薄なマドリーが、半年レンタルでのヒメネス呼び戻しを画策か。 現段階ではいちプランに過ぎずも、ドライローンでの獲得に興味を持っているとのこと。マドリーには2025年夏なら900万ユーロ(約14.4億円)、26年夏なら1200万ユーロ(約19.2億円)という、買い戻し条項があるとされている。 2025.01.16 15:40 Thu4
終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル①~ペジェグリーニ体制プレイバック~
2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆マヌエル・ペジェグリーニ体制/2009-10</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190308_23_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>ペレス会長は、2度目の政権の皮切りにペジェグリーニ監督を招へい。前シーズンにはビジャレアルで攻撃的なサッカーを組み立て、チャンピオンズリーグ(CL)ベスト8に名を連ねており、国内外で評価を上昇させていた。 マドリーは前年度までのCLで5シーズン連続のベスト16に終わっており、リーガでもバルセロナの後塵を拝しての2位。コパ・デル・レイのタイトルも獲れず、ペジェグリーニ監督にはCLベスト8以上に加えて、主要タイトルの獲得が求められていた。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-4-2]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190308_23_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>2009年夏、ペジェグリーニ監督を招へいしたマドリーはFWクリスティアーノ・ロナウド、MFカカら多く新戦力を獲得し、FWロッベンやMFスナイデル、DFエインセ、DFカンナバーロ、DFサルガドらが去った穴を埋めた。“新銀河系軍団”はこの時から形作られている。 基本フォーメーションに関しては、フラットな[4-4-2]だけでなく、カカをトップ下に配した[4-3-1-2]も多く採用した。また、負傷によりシーズン後半を棒に振ったDFペペが起用可能だった当初には、マルセロを一列前に上げてセルヒオ・ラモスを右SB、アルベロアを左SBに回している。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point!~クラシコでの2敗&CLベスト16の壁~</span> 結果から言えば、このシーズンのマドリーは無冠に終わった。CLどころか、リーガは宿敵バルセロナに奪われ、コパ・デル・レイに至っては当時3部だったアルコルコン(1stレグの0-4敗戦が後に“アラコルコンの悲劇”と呼ばれる)に敗れベスト32で散っている。 たらればの話ではあるが、CLベスト8に進出出来ていれば閉塞感を振り払えていただろう。決勝戦の会場が本拠地サンティアゴ・ベルナベウに決まっていただけに、多くの期待が寄せられていたが、ベスト16でリヨンに2戦合計1-2で敗戦。6シーズン連続のベスト16敗退となった。 さらに、CLを逃したとなれば、リーガ優勝がペジェグリーニ監督続投の条件となっていたが、ここでも首位バルセロナ(勝ち点99)とわずか3ポイント差で撃沈。2試合の直接対決では2敗を喫しており、“エル・クラシコ”で勝ち越せなかったことがタイトル獲得を阻んだ。 そして、ペジェグリーニ監督は2010年の夏に解任。言わずもがな、その理由は全てのタイトルを逸したためだ。<hr>▽マヌエル・ペジェグリーニ 【在任期間】 1シーズン(2009-10) 【戦績】 公式戦48試合36勝5分け7敗 チャンピオンズリーグ:ベスト16 リーガエスパニョーラ:2位(勝ち点96) コパ・デル・レイ:ベスト16 【主な獲得選手】 FWクリスティアーノ・ロナウド、FWカリム・ベンゼマ、MFカカ、MFシャビ・アロンソ 【主な放出選手】 FWアリエン・ロッベン、MFヴェスレイ・スナイデル、DFガブリエル・エインセ、DFファビオ・カンナバーロ、DFミチェル・サルガド 2019.03.09 18:30 Sat5
