弟分たちは決して弱くはなかった…/原ゆみこのマドリッド
2024.12.17 23:00 Tue
「まさか兄貴分がレガネスに足を向けて寝られなくなる日が来ようとは」そんな風に私が呟いていたのはまだ驚愕の余韻から覚めてなかった月曜日、改めてリーガ17節の結果をスポーツ紙で振り返っていた時のことでした。いやあ、実を言うと、前日夜はマドリッドの第3の弟分がモンジュイックでバルサにgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を浴びるのを見るのが忍びなく、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)にTV観戦に行くのをサボッてしまったんですけどね。
それがキックオフと同時にスタードダッシュをかけたボルハ・ヒメネス監督のチームは3分、ムニルのシュートがGKイニャキ・ペニャに弾かれてCKを獲得。オスカル・ロドリゲスの蹴ったボールをキャプテンのセルヒオ・ゴンサレスがゴール前、ポッカリ空いたスペースからヘッドして先制点を挙げると、GKドミトロビッチがレバンドフスキのシュートを2度もparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれたおかげもあって、前半を0-1のまま終えることに。その時点でバルに後半だけでも見に行くべきかと迷った私だったんですが、だってえ、前節はブタルケでレアル・ソシエダにポンポン、ゴールを決められて、攻撃もさっぱり振るわず、0-3で負けていたレガネスですよお。
どうせ最後は3-1とか、4-1で終わるんだろうと高を括ってしまったのが大誤算。それが、前半中にネユウのタックルで頼りのジャマルが足首を痛めてしまったせいもあり、ベンチ入り禁止処分のフリック監督がスタンドから見守る中、ボールポゼッションが80%もあったバルサが後半も得点できないなんて、一体、誰に想像できたでしょう。もちろん、相手が「Nos ha faltado esa chispa para llegar bien y hacer goles/ノス・ア・ファルタードー・エサ・チスパ・パラ・ジェガール・ビエン・イ・アセール・ゴーレス(ウチは敵エリアに着いて、ゴールを決める火花に欠けていた)」(ペドリ)おかげでとはいえ、0-1でバルサ戦アウェイ初勝利って、もしや自分、レガネスの今季最高試合を見逃した?
これぞ、まさにFWが点を取れないからこそ、「La estrategia es importantísima, los defensas tenemos que aportar goles/ラ・エストラテヒア・エス・インポルタンティシマ、ロス・デフェンサス・テネモス・ケ・アポルタル・ゴーレス(セットプレーは非常に大事だ。DFも得点に貢献しないといけない)」(セルヒオ・ゴンサレス)という、日々の練習の賜物。虎の子の1点を挙げ、更にそれを守りきったCBのセルヒオには称賛の言葉しか浮かびませんが、実はこの予想外の大金星で恩恵を受けたのがレアル・マドリーとアトレティコだったんですよ。そう、首位のバルサが勝ち点を増やさなかったことで、前者は4差になりかねなかったのが、たったの1差に。後者に至ってはお隣さんを追い越して、同じ勝ち点で2位に並んだとなれば…。
いえ、話は順番にしていかないといけません。先週末はダブル兄弟分ダービー節となり、まずは土曜にマドリーがエスタディオ・バジェカスを訪問。CLアタランタ戦で負傷したエムバペ欠場は織り込み済みだったものの、ビニシウスが「Venía de una lesión y queríamos reservarle/ベニア・デ・ウナ・レシオン・イ・ケリアモス・レセルバールレ(負傷から戻って来たから、温存したかった)」(アンチェロッティ監督)という理由で控えだったり、古巣との対戦前に複数メディアにインタビューされていたハメス・ロドリゲスが当日、招集外になったなんてこともあったんですけどね。初っ端から、キックオフのボールをギュレルがロングシュートしたのにはかなりビックリさせられたかと。
いえ、それでも選手が米粒大のサンティアゴ・ベルナベウ8階席よりはずっとマシなんですが、39分に口火を切ったのはバルベルデ。お馴染みのエリア外からの弾丸シュートを決めて、1点差に迫ると、45分にはロドリゴのクロスから、ベリンガムがヘッドでリーガ6試合連続となる得点を挙げ、リードしたままハーフタイムに入りたかったラージョの夢を打ち砕くことに。
同点で始まった後半頭から、イニゴ・ペレス監督はエンバルバに代えて、アルバロ・ガルシアを投入したんですが、ゴールは再び、私のいる側で決まります。そう、11分にロドリゴがエリア前から撃ったシュートがラティウの出した足に当たり、GKバタジャを破ったんですが、とはいえ、これしきでシュンとなるバジェカスじゃありませんからね。19分、折しもビニシウスがブライムと交代でピッチに入った直後、ルジューヌが撃ったミドルシュートをイシがゴール前でコースを変え、ラージョに3-3の同点をもたらしてくれるとは、この弟分も決して侮っちゃいけない?
実際、その先はビニシウスがギュレルの受けたファールにイエローカードが出ないことに文句を言って、自身がイエローカードをゲット。累積警告で次節セビージャ戦に出られなくなってしまったり、当人がエリア内でムニンに倒されたプレーでは、いえ、これについては後で、「Cuando la he visto he dicho que puede pitarla pero también no/クアンドー・ラ・エ・ビストー・エ・ディッチョー・ケ・プエデ・ピタールラ・ペロ・タンビエン・ノー(それを見た時、ペナルティでありうるし、そうではないこともありうると言った)」とイニゴ・ペレス監督も告白していたんですけどね。その時は何故か、主審もVAR(ビデオ審判)もスルー。
おかげでPKをもらえず、終盤のビニシウスのエリア内シュートもバタジャに弾かれてしまったため、マドリーは再度の勝ち越し点が奪えなかったんですが、同様にラージョもルジューヌのFKをGKクルトワが弾いたところに詰め切れず。結局、3-3のまま、痛み分けとなったんですが、いやあ。だってえ、ラージョはマドリーとのホームゲーム、ここ4試合で1勝2分け1敗とまったくの五分ですからね。となれば、ブカネーロス(ラージョのウルトラグループ)が勝利試合限定だった「Vida de pirata/ビダ・デ・ピラータ(海賊人生)」を歌って、選手たちと一緒に祝っていたのは無理もなかった?
そんなラージョは今週、水曜に延期分の12節ビジャレアル戦が控えているんですが、心配なのは選手たちの体力。ええ、エヌテカも「Se corre casi igual en la medular que arriba con Iñigo/セ・コレ・カシー・イグアル・エン・ラ・メドゥラル・ケ・アリーバ・コン・イニゴ(イニゴ監督の下では中盤も前線も同じぐらい走る)。家に帰った時にはクタクタだよ」と言っていましたが、このダービーでは普段以上に消耗したはずですからね。ただ、マルセリーノ監督のチームは日曜試合でベティスに1-2と負け、中日が1日少ないのと、アレックス・バエナ、パレホ、キケ・フェメニアらが出場停止になるのが救いになりますが…バジェカスで隣になったラージョ番記者に「練習でも全然、走ってなかった」と言われていたハメスが、年内最終試合の遠征に参加するのかは微妙かもしれませんね。
一方、マドリーには同じ水曜午後6時(日本時間翌午前2時)から、インターコンチネンタルカップ決勝パチューカ戦が控えていて、早くも月曜午後にはカタールに移動。全治10日と言われたエムバペも招集メンバーに入ったんですが、出発前のバルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションではすでにチーム練習に一部参加していたよう。10月の負傷時同様、人一倍、治癒力が高いことを証明していましたが、ただ、実際にプレーできるかはまだ不明です。まあ、土曜に準決勝のアル・アハリ戦を延長、PK戦で乗り切ったパチューカの選手たちもドーハで3試合目とあって、かなり疲れているはずですしね。日曜には最近、首位争いが激化しまくっているリーガのセビージャ戦もあるため、性急な復帰は避けた方がいいかもしれませんよ。
そして翌日曜、お日様が嬉しいメトロポリターノでアトレティコとヘタフェの兄弟分ダービーが開催となったんですが、こちらは前夜とは打って変わって、渋い展開でねえ。クリスマスが近いこともあって、クラブが来場するファンにサンタ帽を配ったのと、とうとう本家マドリーダービーの時のGKクルトワへの物投げ込み騒動により、身バレしたメンバーが永久追放になったことを受け、ずっと応援ストをしていたフレンテ・アトレティコ(ウルトラグループ)が活動を再開。スタンドに継続的な応援BGMが戻ったこともあり、場内はキックオフ前からフィエスタ状態だったんですが、もしやアトレティコ、ここ5試合、ずっと3得点以上を続けていて、ゴールを入れるのに飽きてしまった?
いやまあ、序盤のチャンスでサムエル・リノがエリア外からのクロスをゴール前で押し込めばいいだけなのを2度続けて外し、やっぱりセビージャ戦のロングシュートが同点ゴールになったのは例外で、まだまだ決定力に課題が残っているのが明白になったのは、当人も天狗にならずに済んで良かったかもしれないんですけどね。ただ、前半はフリアン・アルバレス、ジュリアーノ、デ・パウルもチャンスを生かせず、0-0で折り返したのは、ここまで15試合で11得点と、「Tenemos un déficit con el gol no solo desde el inicio de temporada, sino en pretemporada/テネモス・ウン・デフィシット・コン・エル・ゴル・ノー・ソロ・デスデ・エル・イニシオ・デ・テンポラーダ、シノ・エンプレテンポラーダ(ウチのゴール不足はシーズン当初からだけじゃなく、プレシーズンから)」と認めているボルダラス監督の思う壺だったかも。
後半頭からはリノを諦め、セルロートを入れたアトレティコに対し、ヘタフェも10分にはジェジュやデビュー組のカンテラーノ(ヘタフェBの選手)、ケイタをレギュラーのウチェとアレックス・ソラに代えて、ゴールを探すことにしたんですが、控えが頼りになることにかけては最近のシメオネ監督のチームに並ぶ者はなし。ジュリアーノ、ジョレンテからコレア、モリーナに代わり、一時、4人FW体制になった後、18分にはグリーズマンをコケにしたところ、とうとう24分、待望のゴールが生まれることに。そう、アルゼンチン代表でのケガがようやく治ったモリーナが右サイドからクロスを上げると、それがドンピシャでセルロートの真上に落ち、彼がヘッドでGKダビド・ソリアを破ってくれたとなれば、どれだけ場内が盛り上がったことか。
リードされたヘタフェも32分には3選手を一斉交代したものの、うーん、やっぱりアルバロ・ロドリゲスがベルトゥになっても、昨年、アトレティコのホーム20連勝の始まる前と終了の引分けに貢献した、未だにヒザの半月板損傷が完治していないボルハ・マジョラルとは違いますからね。結局、そのまま試合は1-0で終わり、アトレティコは破竹の11連勝を達成。まあ、昨今のゴール祭りと比べると地味ではありましたが、シメオネ監督も「Siempre digo que el mejor resultado es 1-0/シエンプレ・ディゴ・ケ・エル・メホール・レスルタードー・エス・ウノ・セロ(常に自分は、最高の勝利は1-0と言ってきた)。守備が良くて、攻撃に決定力があるってことだからね。4-3とかで勝つと、見直すことがありすぎる」と話していましたしね。
そこまで兄貴分に苦労をさせたことで、ヘタフェのメンツも保てて良かったんですが、現在、16位で降格圏と勝ち点2差の彼らには、「アトレティコと競えたことは慰めになるが、necesitamos puntos/ネセシタモス・プントス(ウチには勝ち点いる)」(ボルダラス監督)というのも事実。とりあえず、コリセウムにマジョルカを迎える土曜の試合で頑張って、彼らが残留ゾーンで年を越せることを祈るばかりですが…相手のエースのムリキがジローナ戦で退場し、出場停止なのは有難くても、やっぱり誰かがゴールを入れてくれないと勝てないため、ここはお隣さんのレガネスを見習って、このミッドウィークはセットプレーに磨きをかけるのがいいかもしれませんよ。
そしてアトレティコは消化試合数が1つ少ない状態で日曜にモンジュイックで頂上決戦に挑むんですが、いやあ、彼らがバルサのホームで勝利した記憶が私にはほとんどなくてねえ。今回は両チーム共、3週間の連戦が終わり、ミッドウィークの試合がなくなって休養十分なところは五分で、ジャマルが足首のケガで全治3、4週間になってしまった、再びフリック監督がスタンドから指揮する相手と比べ、先週末から負傷者ゼロになっているのは有利なんですけどね。といっても、これでホーム2連敗となったバルサだって、いつまでも負け続ける訳ありませんし、アトレティコの連勝が止まる日がいつか必ずやって来るのは確か。明るい年末を過ごすためにも、それが今週末でないといいのですが…。
それがキックオフと同時にスタードダッシュをかけたボルハ・ヒメネス監督のチームは3分、ムニルのシュートがGKイニャキ・ペニャに弾かれてCKを獲得。オスカル・ロドリゲスの蹴ったボールをキャプテンのセルヒオ・ゴンサレスがゴール前、ポッカリ空いたスペースからヘッドして先制点を挙げると、GKドミトロビッチがレバンドフスキのシュートを2度もparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれたおかげもあって、前半を0-1のまま終えることに。その時点でバルに後半だけでも見に行くべきかと迷った私だったんですが、だってえ、前節はブタルケでレアル・ソシエダにポンポン、ゴールを決められて、攻撃もさっぱり振るわず、0-3で負けていたレガネスですよお。
どうせ最後は3-1とか、4-1で終わるんだろうと高を括ってしまったのが大誤算。それが、前半中にネユウのタックルで頼りのジャマルが足首を痛めてしまったせいもあり、ベンチ入り禁止処分のフリック監督がスタンドから見守る中、ボールポゼッションが80%もあったバルサが後半も得点できないなんて、一体、誰に想像できたでしょう。もちろん、相手が「Nos ha faltado esa chispa para llegar bien y hacer goles/ノス・ア・ファルタードー・エサ・チスパ・パラ・ジェガール・ビエン・イ・アセール・ゴーレス(ウチは敵エリアに着いて、ゴールを決める火花に欠けていた)」(ペドリ)おかげでとはいえ、0-1でバルサ戦アウェイ初勝利って、もしや自分、レガネスの今季最高試合を見逃した?
いえ、話は順番にしていかないといけません。先週末はダブル兄弟分ダービー節となり、まずは土曜にマドリーがエスタディオ・バジェカスを訪問。CLアタランタ戦で負傷したエムバペ欠場は織り込み済みだったものの、ビニシウスが「Venía de una lesión y queríamos reservarle/ベニア・デ・ウナ・レシオン・イ・ケリアモス・レセルバールレ(負傷から戻って来たから、温存したかった)」(アンチェロッティ監督)という理由で控えだったり、古巣との対戦前に複数メディアにインタビューされていたハメス・ロドリゲスが当日、招集外になったなんてこともあったんですけどね。初っ端から、キックオフのボールをギュレルがロングシュートしたのにはかなりビックリさせられたかと。
その後はとにかく、バックスタンドに大幕を広げ、赤と白の旗を振るファンのモザイクで迎えられたラージョが序盤から猛攻をかけ、ええ、早くも4分にはデ・フルートスのクロスをウナイ・ロペスがフリーでヘッドして、先制点をゲットしちゃいましたからね。丁度、正面スタンド右端の記者用ボックスが当たったため、更には36分、イシが蹴ったCKから、ルーカス・バスケスとギュレルのマークをモノともせず、ムミンが頭で2点目を加えるのも目の前で見られたんですが、その直後に始まったマドリーの反撃は逆に遠目で、肉眼では何が起きたのか、よくわからなかったのは残念だったかと。
いえ、それでも選手が米粒大のサンティアゴ・ベルナベウ8階席よりはずっとマシなんですが、39分に口火を切ったのはバルベルデ。お馴染みのエリア外からの弾丸シュートを決めて、1点差に迫ると、45分にはロドリゴのクロスから、ベリンガムがヘッドでリーガ6試合連続となる得点を挙げ、リードしたままハーフタイムに入りたかったラージョの夢を打ち砕くことに。
同点で始まった後半頭から、イニゴ・ペレス監督はエンバルバに代えて、アルバロ・ガルシアを投入したんですが、ゴールは再び、私のいる側で決まります。そう、11分にロドリゴがエリア前から撃ったシュートがラティウの出した足に当たり、GKバタジャを破ったんですが、とはいえ、これしきでシュンとなるバジェカスじゃありませんからね。19分、折しもビニシウスがブライムと交代でピッチに入った直後、ルジューヌが撃ったミドルシュートをイシがゴール前でコースを変え、ラージョに3-3の同点をもたらしてくれるとは、この弟分も決して侮っちゃいけない?
実際、その先はビニシウスがギュレルの受けたファールにイエローカードが出ないことに文句を言って、自身がイエローカードをゲット。累積警告で次節セビージャ戦に出られなくなってしまったり、当人がエリア内でムニンに倒されたプレーでは、いえ、これについては後で、「Cuando la he visto he dicho que puede pitarla pero también no/クアンドー・ラ・エ・ビストー・エ・ディッチョー・ケ・プエデ・ピタールラ・ペロ・タンビエン・ノー(それを見た時、ペナルティでありうるし、そうではないこともありうると言った)」とイニゴ・ペレス監督も告白していたんですけどね。その時は何故か、主審もVAR(ビデオ審判)もスルー。
おかげでPKをもらえず、終盤のビニシウスのエリア内シュートもバタジャに弾かれてしまったため、マドリーは再度の勝ち越し点が奪えなかったんですが、同様にラージョもルジューヌのFKをGKクルトワが弾いたところに詰め切れず。結局、3-3のまま、痛み分けとなったんですが、いやあ。だってえ、ラージョはマドリーとのホームゲーム、ここ4試合で1勝2分け1敗とまったくの五分ですからね。となれば、ブカネーロス(ラージョのウルトラグループ)が勝利試合限定だった「Vida de pirata/ビダ・デ・ピラータ(海賊人生)」を歌って、選手たちと一緒に祝っていたのは無理もなかった?
そんなラージョは今週、水曜に延期分の12節ビジャレアル戦が控えているんですが、心配なのは選手たちの体力。ええ、エヌテカも「Se corre casi igual en la medular que arriba con Iñigo/セ・コレ・カシー・イグアル・エン・ラ・メドゥラル・ケ・アリーバ・コン・イニゴ(イニゴ監督の下では中盤も前線も同じぐらい走る)。家に帰った時にはクタクタだよ」と言っていましたが、このダービーでは普段以上に消耗したはずですからね。ただ、マルセリーノ監督のチームは日曜試合でベティスに1-2と負け、中日が1日少ないのと、アレックス・バエナ、パレホ、キケ・フェメニアらが出場停止になるのが救いになりますが…バジェカスで隣になったラージョ番記者に「練習でも全然、走ってなかった」と言われていたハメスが、年内最終試合の遠征に参加するのかは微妙かもしれませんね。
一方、マドリーには同じ水曜午後6時(日本時間翌午前2時)から、インターコンチネンタルカップ決勝パチューカ戦が控えていて、早くも月曜午後にはカタールに移動。全治10日と言われたエムバペも招集メンバーに入ったんですが、出発前のバルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションではすでにチーム練習に一部参加していたよう。10月の負傷時同様、人一倍、治癒力が高いことを証明していましたが、ただ、実際にプレーできるかはまだ不明です。まあ、土曜に準決勝のアル・アハリ戦を延長、PK戦で乗り切ったパチューカの選手たちもドーハで3試合目とあって、かなり疲れているはずですしね。日曜には最近、首位争いが激化しまくっているリーガのセビージャ戦もあるため、性急な復帰は避けた方がいいかもしれませんよ。
そして翌日曜、お日様が嬉しいメトロポリターノでアトレティコとヘタフェの兄弟分ダービーが開催となったんですが、こちらは前夜とは打って変わって、渋い展開でねえ。クリスマスが近いこともあって、クラブが来場するファンにサンタ帽を配ったのと、とうとう本家マドリーダービーの時のGKクルトワへの物投げ込み騒動により、身バレしたメンバーが永久追放になったことを受け、ずっと応援ストをしていたフレンテ・アトレティコ(ウルトラグループ)が活動を再開。スタンドに継続的な応援BGMが戻ったこともあり、場内はキックオフ前からフィエスタ状態だったんですが、もしやアトレティコ、ここ5試合、ずっと3得点以上を続けていて、ゴールを入れるのに飽きてしまった?
いやまあ、序盤のチャンスでサムエル・リノがエリア外からのクロスをゴール前で押し込めばいいだけなのを2度続けて外し、やっぱりセビージャ戦のロングシュートが同点ゴールになったのは例外で、まだまだ決定力に課題が残っているのが明白になったのは、当人も天狗にならずに済んで良かったかもしれないんですけどね。ただ、前半はフリアン・アルバレス、ジュリアーノ、デ・パウルもチャンスを生かせず、0-0で折り返したのは、ここまで15試合で11得点と、「Tenemos un déficit con el gol no solo desde el inicio de temporada, sino en pretemporada/テネモス・ウン・デフィシット・コン・エル・ゴル・ノー・ソロ・デスデ・エル・イニシオ・デ・テンポラーダ、シノ・エンプレテンポラーダ(ウチのゴール不足はシーズン当初からだけじゃなく、プレシーズンから)」と認めているボルダラス監督の思う壺だったかも。
後半頭からはリノを諦め、セルロートを入れたアトレティコに対し、ヘタフェも10分にはジェジュやデビュー組のカンテラーノ(ヘタフェBの選手)、ケイタをレギュラーのウチェとアレックス・ソラに代えて、ゴールを探すことにしたんですが、控えが頼りになることにかけては最近のシメオネ監督のチームに並ぶ者はなし。ジュリアーノ、ジョレンテからコレア、モリーナに代わり、一時、4人FW体制になった後、18分にはグリーズマンをコケにしたところ、とうとう24分、待望のゴールが生まれることに。そう、アルゼンチン代表でのケガがようやく治ったモリーナが右サイドからクロスを上げると、それがドンピシャでセルロートの真上に落ち、彼がヘッドでGKダビド・ソリアを破ってくれたとなれば、どれだけ場内が盛り上がったことか。
リードされたヘタフェも32分には3選手を一斉交代したものの、うーん、やっぱりアルバロ・ロドリゲスがベルトゥになっても、昨年、アトレティコのホーム20連勝の始まる前と終了の引分けに貢献した、未だにヒザの半月板損傷が完治していないボルハ・マジョラルとは違いますからね。結局、そのまま試合は1-0で終わり、アトレティコは破竹の11連勝を達成。まあ、昨今のゴール祭りと比べると地味ではありましたが、シメオネ監督も「Siempre digo que el mejor resultado es 1-0/シエンプレ・ディゴ・ケ・エル・メホール・レスルタードー・エス・ウノ・セロ(常に自分は、最高の勝利は1-0と言ってきた)。守備が良くて、攻撃に決定力があるってことだからね。4-3とかで勝つと、見直すことがありすぎる」と話していましたしね。
そこまで兄貴分に苦労をさせたことで、ヘタフェのメンツも保てて良かったんですが、現在、16位で降格圏と勝ち点2差の彼らには、「アトレティコと競えたことは慰めになるが、necesitamos puntos/ネセシタモス・プントス(ウチには勝ち点いる)」(ボルダラス監督)というのも事実。とりあえず、コリセウムにマジョルカを迎える土曜の試合で頑張って、彼らが残留ゾーンで年を越せることを祈るばかりですが…相手のエースのムリキがジローナ戦で退場し、出場停止なのは有難くても、やっぱり誰かがゴールを入れてくれないと勝てないため、ここはお隣さんのレガネスを見習って、このミッドウィークはセットプレーに磨きをかけるのがいいかもしれませんよ。
そしてアトレティコは消化試合数が1つ少ない状態で日曜にモンジュイックで頂上決戦に挑むんですが、いやあ、彼らがバルサのホームで勝利した記憶が私にはほとんどなくてねえ。今回は両チーム共、3週間の連戦が終わり、ミッドウィークの試合がなくなって休養十分なところは五分で、ジャマルが足首のケガで全治3、4週間になってしまった、再びフリック監督がスタンドから指揮する相手と比べ、先週末から負傷者ゼロになっているのは有利なんですけどね。といっても、これでホーム2連敗となったバルサだって、いつまでも負け続ける訳ありませんし、アトレティコの連勝が止まる日がいつか必ずやって来るのは確か。明るい年末を過ごすためにも、それが今週末でないといいのですが…。
レアル・マドリーの関連記事
ラ・リーガの関連記事
|
レアル・マドリーの人気記事ランキング
1
アレクサンダー=アーノルドとの契約は90%完了? レアルが夏のフリー獲得に迫る
リバプールのイングランド代表DFトレント・アレクサンダー=アーノルド(26)は、レアル・マドリーとの契約に近づいているようだ。 リバプールのアカデミー出身で、クラブのアイコン的存在とも言えるアレクサンダー=アーノルド。アルネ・スロット監督が就任した今シーズンは、快進撃を見せるチームで公式戦22試合5アシストを記録している。 しかし、右サイドバックの補強を目指すマドリーが獲得に関心。現在はスペイン代表DFダニエル・カルバハルが長期離脱の状況で、契約最終年を迎えているイングランド代表DFが主要ターゲットとみなされてきた。 選手本人がリバプールのフロントへ移籍希望を伝えたとも報じられたなか、スペイン『アス』によると、マドリーは契約締結まで90%の状態まで交渉を進めたとのこと。1月の移籍ではなく、2025年夏のフリー獲得に向かっており、相手クラブの許可なしに本格交渉が可能な1月1日へカウントダウンが始まっているという。 マドリーはすでに契約の意向をリバプールに伝えており、決着に向け準備万端。あとはサインを交わすだけだというが、生まれ育ったマージ―サイドを離れる時が来るのだろうか。 2024.12.29 20:20 Sun2
アレクサンダー=アーノルドの冬でのマドリー移籍はなし、リバプールが拒否
リバプールがイングランド代表DFトレント・アレクサンダー=アーノルド(26)を今冬の移籍市場でレアル・マドリーに放出することはないようだ。イギリス『ガーディアン』など複数メディアが報じている。 同メディアによると12月31日にマドリーからリバプールにアレクサンダー=アーノルドへの問い合わせがあったようだが、リバプールが放出する意思がないことを伝え、マドリーはオファーを出すには至らなかったという。 今季終了後にリバプールとの契約が満了を迎えるため、来夏にはフリーでクラブを離れることになってしまうアレクサンダー=アーノルドだが、5季ぶりのプレミアリーグ優勝へ欠かすことのできない戦力とリバプールは考えており、冬に放出する意思を見せなかったようだ。 なお、アレクサンダー=アーノルドはマドリーへの移籍希望を12月28日の段階でリバプールに通達したと報じられていた。 2025.01.01 06:00 Wed3
「時間の問題」TAAのレアル行きに“先輩”オーウェン氏が私見、契約延長の姿勢なら「マドリーが表立って動くことはなかった」
かつてリバプールやレアル・マドリーで活躍した元イングランド代表FWマイケル・オーウェン氏が、リバプールのイングランド代表DFトレント・アレクサンダー=アーノルド(26)の移籍話に触れた。 高齢化が進んでいることに加え、スペイン代表DFダニエル・カルバハルが重傷を負い、右サイドバックの補強が取り沙汰されているマドリー。以前からアレクサンダー=アーノルドへの関心が報じられていた。 ここ数週間はスペインメディアの報道が加速。マドリーは1月中の獲得にも動きつつ、契約満了を迎える2025年夏のフリー獲得へ向かい、あとはサインだけとも伝えられている。 そんななか、アレクサンダー=アーノルドと同じリバプールの下部組織出身で、2004年8月にマドリーへ移籍したレジェンド、オーウェン氏がXで反応。状況証拠から、後輩が自分と同じ足跡を辿ることはほぼ間違いないと見解を述べた。 「トレント・アレクサンダー=アーノルドとのサインに向け、レアル・マドリーが明確な動きを見せている事実から、彼が契約を結ぶのは時間の問題だと私は考えている」 「もし彼が(リバプールとの)契約延長へ向かっていたら、マドリーが表立って動くことはなかっただろう。秘密裏に話し合いが行われていたはずだ。大きなニュースだ」 イギリス『ガーディアン』などでは、12月31日にマドリーからリバプールへ問い合わせがあり、リバプールが放出を拒否したという報道も。急転直下の契約更新がなければ、残される選択肢はやはり契約満了後のフリー移籍となる。 2025.01.01 22:29 Wed4
今季ソシエダ残留もスビメンディ狙うクラブは止まず…スペイン代表望むレアルがクロースの後継者として獲得検討か
レアル・ソシエダのスペイン代表MFマルティン・スビメンディ(25)に、レアル・マドリーも注目しているようだ。スペイン『アス』が報じた。 日本代表MF久保建英の同僚で、夏の移籍市場ではリバプール行きが取り沙汰されたスビメンディ。6000万ユーロ(約円)の契約解除条項が行使されるとみられたが、選手本人が移籍を拒否。下部組織から所属するラ・レアルにとどまった。 その後はスペイン代表MFロドリが長期離脱となったマンチェスター・シティの関心も報じられたなか、自国選手でのチームの若返りや強化を目指すマドリーも獲得を検討しているとのこと。引退した元ドイツ代表MFトニ・クロースに代わるゲームメイカーともみなしているようだ。 ユーロ2024を始めとするスペイン代表での活躍も要因に。また、久保やノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴール(現:アーセナル)、元スペイン代表DFアルバロ・オドリオソラ、元スペイン代表MFアシエル・イジャラメンディ(現:ダラス)をやり取りするなど、クラブ間で良好な関係を築いていることが有利に働くとみられている。 ソシエダへの忠誠心から残留を決断したものの、依然として多くのビッグクラブから関心を集めるスビメンディ。クラブとの契約は2027年6月までとなっている。 2024.12.30 22:15 Mon5