「日本は最高クオリティ」日本代表に敗れ2大会連続POへ回ることが決まったオーストラリア指揮官「ガッカリしている」

2022.03.25 09:49 Fri
Getty Images
オーストラリアグラハム・アーノルド監督が、日本代表戦を振り返った。オーストラリア『ABC』が伝えた。24日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でホームに日本を迎えたオーストラリア。グループ3位に位置しているものの、日本、そして29日のサウジアラビア代表戦で連勝すればW杯出場が決定する。

一方で、日本戦に敗れるとプレーオフに回ることが決定するという状況で試合に臨んだ。
大雨が降る中の試合は、序盤から日本に押し込まれる展開に。オーストラリアはなかなか攻撃の形が作れず、少ないチャンスも生かすことができない。またセットプレーからゴールに迫るが、GKチャージを取られるなどうまくいかない。

後半に入って徐々にボールを繋ぎ、日本を押し込むことに成功。ロングボールを使いラインを下げさせて攻め込むが、ゴールを奪えず。勝利が必要なオーストラリアは攻勢に出るが、逆に日本にスペースを与えてしまうと、終盤に2失点。W杯出場の夢はプレーオフに託すこととなった。
試合を終えたアーノルド監督は、日本を称え敗戦を認めた。

「明らかにガッカリしているが、87分にはまだ0-0であり、予選を通過するには十分ではなかった。だから、我々は開き直って、前線を4人にし、相手にスペースを与えすぎてしまった」

「結局のところ、彼らはクオリティの高いチームであり、おそらく今夜はより良いチームだった」

また、試合前には招集したい選手が新型コロナウイルス(COVID-19)に感染した他、ケガ、ワクチン接種問題などが発生。自身も陽性判定となり、試合当日まで指揮できるかわからないという事態だった。

アーノルド監督は、苦労した予選だったとしながらも、3位でW杯に向けたチャンスがまだ残っていることをポジティブに捉えた。

「正直なところ、新型コロナウイルスと国際試合、移動、選手やスタッフたちが経験してきたことを考えると、この2年間は大変だった」

「結局のところ、我々は3位に位置している。それについてポジティブに捉えなければいけない。2018年には同じことを行い、W杯に出場した。前進しなければいけない」

また自身の采配についても言及。試合終盤まで2試合連続ゴール中のFWジェイミー・マクラーレンを温存したことについては日本対策だったとした。

「ジェイミーは常に試合のどの時点でもゴールを決めることができる選手だ。日本の大きなCBに対し、ミッチェル・デュークが必要だと思った」

「彼が足を使い切った時、我々はブルーノ(・フォルナローリ)のように、彼らの体をうまく使うことができる選手が必要だった。そして、ブルーノはうまくいったと思った」

3位が確定したオーストラリアはグループAの3位チームと対戦後、南米予選5位チームと対戦してW杯を目指す。

アーノルド監督は、日本のクオリティを評価しながらも、サウジアラビア戦で選手たちにもう一度奮起してほしいと期待を寄せた。

「選手たちにもう一度チャンスを与えるのはサウジアラビア戦だ。今夜はたくさんの選手たちに、ビッグゲームでチャンスを与えた。彼らはこの経験から多くを学ぶだろう」

「日本の選手を見てもらいたい。彼らは最高クオリティの選手であり、日本は明らかにトップのチームだ。彼らの功績は十分ある。しかし、我々は埃を払いのけて準備を整える必要がある」

「私はいつも選手たちを信じていると言ってきた。1試合1試合、キャンプ1回1回が勝負だ。何が起こるか見てみよう」

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Jリーグの公式SNSがアップした1枚の写真が話題になっている。 24日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア代表戦に0-2で勝利し、7大会連続7度目のW杯出場を決めた日本。この試合のヒーローとなったのがMF三笘薫(ユニオン・サン=ジロワーズ)だった。 勝てばその時点でW杯出場が確定するという日本だったが、MF南野拓実のシュートが2度クロスバーに阻まれるなどしてゴールを奪えず。0-0のまま終盤へ突入した。 ベンチスタートだった三笘は84分から途中出場。すると89分、右サイドでボールを持ったDF山根視来がMF守田英正との連携で崩し、山根がラインギリギリで折り返す。すると、マイナスのクロスに逆サイドから走り込んだ三笘が右足を振り抜き、日本に先制点をもたらした。 三笘は後半アディショナルタイムの94分にもボックス左でボールを持つと、得意のカットインから右足一閃。GKマシュー・ライアンに触れられながらも日本の2点目をマーク。日本がアウェイで初めてオーストラリアに勝利し、W杯出場を決めた。 試合後のインタビューでは、この試合の解説を務めた元日本代表MF中村憲剛氏から「個人的には小さい頃から見ている薫がこういう舞台で2ゴール決められただけで本当に嬉しい」とも言われていたが三笘だが、Jリーグの公式SNSは2人の付き合いの長さを象徴するような1枚を投稿した。 「約13年の時を経て。中村憲剛 と手を繋ぐ少年が、日本をカタールW杯に導く立役者となる Jリーグ には世代を超えたドラマがあります」というコメントとともに添えられたのは、川崎フロンターレ時代の中村氏がエスコートキッズの三笘と手をつなぎながら入場する姿だった。 この投稿には、「漫画かよ」、「熱いものがこみ上げてくる」、「ドラマがあるなぁ」、「これはカッコいい」、「エモすぎる」といったファンからの反応が相次いでいる。この写真が撮影されたのは2009年。13年の時を経て繋がるドラマは大きな反響を呼んでいる。 <span class="paragraph-title">【写真】“ヒーロー”三笘薫と解説務めた中村憲剛の13年前2ショット</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">約13年の時を経て。<a href="https://twitter.com/hashtag/%E4%B8%AD%E6%9D%91%E6%86%B2%E5%89%9B?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#中村憲剛</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/%E4%B8%89%E7%AC%98%E8%96%AB?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#三笘薫</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%B7%9D%E5%B4%8E%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AC?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#川崎フロンターレ</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/daihyo?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#daihyo</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/SAMURAIBLUE?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#SAMURAIBLUE</a> <a href="https://t.co/53j1dH0vJS">pic.twitter.com/53j1dH0vJS</a></p>&mdash; Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) <a href="https://twitter.com/J_League/status/1507228042967814153?ref_src=twsrc%5Etfw">March 25, 2022</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2022.03.25 15:34 Fri
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ニューカッスルがオーストラリア代表の逸材、18歳FWガラン・クオルを完全移籍で獲得…来年1月に加入

ニューカッスルは30日、オーストラリアのセントラルコースト・マリナーズに所属するオーストラリア代表FWガラン・クオル(18)が完全移籍で加入することで合意したことを発表した。 加入は2023年1月になるとのこと。メディカルチェックを完了し、合意に至ったという。 クオルはエジプト出身で、難民として家族とともにオーストラリアへ移住。2021年1月にセントラルコースト・マリナーズのユースに加入した。 すぐに頭角を現すと、2021年12月にファーストチームでデビュー。ここまで公式戦10試合で4ゴール1アシストを記録していた。 才能溢れるストライカーで、オーストラリアの期待の星でもあるクオルは、9月にオーストラリア代表初招集。ニュージーランド代表との親善試合でデビューを果たしている。 多くのクラブが興味を示す中で、ニューカッスルが獲得に成功。加入が決まったクオルは、プレミアリーグでプレーできることが信じられないとコメントしている。 「非現実的だ。オーストラリアの少年にとって、プレミアリーグは誰もが見ているものだけど、実際に自分がそこに到達するとは思っていなかった」 「その中の1人で、今のポジションにいることはとても素晴らしい」 「ニューカッスルと契約したからには、一生懸命トレーニングをして、一生懸命にプレーして、できればワールドカップに出場して、戻ってきたい」 兄のFWアル・クオル(21)はシュツットガルトに所属。その兄をも超える存在として注目を集めている。 2022.09.30 16:30 Fri

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