ロドリゴの周囲に漂う不穏な空気…アンチェロッティ監督は憶測否定「体調が良くなく、熱から回復できなかった」
2025.05.13 23:45 Tue
マジョルカ戦欠場が決定
レアル・マドリーのブラジル代表FWロドリゴ・ゴエス(24)が厳しいシーズン最終盤を過ごしている。
直近2シーズンは右ウイングを主戦場にマドリーの前線で複数のタスクをこなし、ビッグマッチでの勝負強い活躍も光ったロドリゴ。今シーズンもここまで公式戦50試合に出場し、13ゴール10アシストを記録している。
ただ、今年2月以降はリーグ戦13試合連続無得点に終わるなど深刻なスランプに陥ると、先日のコパ・デル・レイ決勝では前半のみの出場。前々節のセルタ戦は体調不良を理由にベンチ外、前節のエル・クラシコではベンチ入りもプレー機会はなく、得点が必要な状況でカルロ・アンチェロッティ監督が最後のカードとして切ったのは、プリメーラデビューとなったカンテラーノのFWビクトル・ムニョスだった。
ここ数カ月は前線の放出候補として名前が挙がり、去就が騒がしくなるなか、地元紙はロドリゴがバルセロナ戦で自身を起用しないように指揮官に伝えたとの憶測も報じられている。
さらに、14日にラ・リーガ第36節のマジョルカ戦を控えるなか、前日のトレーニングセッションで足を引きずりトレーニングを切り上げたブラジル代表FWは最終的に招集リストから外れることになった。
「ロドリゴは発熱があり、ベストなパフォーマンスを発揮できなかった。今日のトレーニングでは、足に違和感があったようだ。どこが原因かはわからないが、体調が良くなく、熱からなかなか回復できなかった。その後、この件について様々な憶測が飛び交った。誰もがロドリゴに特別な愛情を抱いているし、とりわけ私がそうだ」
また、選手が精神面で問題を抱えているのではないかとの質問に対しては「選手の調子が悪い時は、精神的にも良くない。自分の実力を発揮してチームに貢献したいと願うのは当然のことだ」と、あくまでパフォーマンスや体調不良の問題にすぎないと否定した。
アンチェロッティ監督としてはブラジル代表指揮官と選手の一人として今後も関係性が続くこともあり、大事にしたくないという印象もあるが、24歳を巡る状況はあまり芳しくないようだ。
直近2シーズンは右ウイングを主戦場にマドリーの前線で複数のタスクをこなし、ビッグマッチでの勝負強い活躍も光ったロドリゴ。今シーズンもここまで公式戦50試合に出場し、13ゴール10アシストを記録している。
ただ、今年2月以降はリーグ戦13試合連続無得点に終わるなど深刻なスランプに陥ると、先日のコパ・デル・レイ決勝では前半のみの出場。前々節のセルタ戦は体調不良を理由にベンチ外、前節のエル・クラシコではベンチ入りもプレー機会はなく、得点が必要な状況でカルロ・アンチェロッティ監督が最後のカードとして切ったのは、プリメーラデビューとなったカンテラーノのFWビクトル・ムニョスだった。
さらに、14日にラ・リーガ第36節のマジョルカ戦を控えるなか、前日のトレーニングセッションで足を引きずりトレーニングを切り上げたブラジル代表FWは最終的に招集リストから外れることになった。
選手を巡る奇妙な状況が続くなか、改めてロドリゴの欠場理由やコンディションに関して質問を受けたアンチェロッティ監督はその噂を真っ向から否定。体調不良が欠場の原因だと主張した。
「ロドリゴは発熱があり、ベストなパフォーマンスを発揮できなかった。今日のトレーニングでは、足に違和感があったようだ。どこが原因かはわからないが、体調が良くなく、熱からなかなか回復できなかった。その後、この件について様々な憶測が飛び交った。誰もがロドリゴに特別な愛情を抱いているし、とりわけ私がそうだ」
また、選手が精神面で問題を抱えているのではないかとの質問に対しては「選手の調子が悪い時は、精神的にも良くない。自分の実力を発揮してチームに貢献したいと願うのは当然のことだ」と、あくまでパフォーマンスや体調不良の問題にすぎないと否定した。
アンチェロッティ監督としてはブラジル代表指揮官と選手の一人として今後も関係性が続くこともあり、大事にしたくないという印象もあるが、24歳を巡る状況はあまり芳しくないようだ。
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レアル・マドリーU-19のU-17スペイン代表DFジョアン・マルティネスが、復帰へと近づいている。スペイン『マルカ』が報じた。 今シーズン開幕前のアメリカツアーでは、ブレイクを果たしたスペイン人DFラウール・アセンシオらとともにファーストチームに帯同したマルティネス。カルロ・アンチェロッティ監督も高く評価した17歳センターバックだが、ツアー終了後のトレーニングで左ヒザ前十字じん帯断裂の重傷を負っていた。 2024年8月の負傷からもうすぐ7カ月が経とうというなか、すでにボールを使ったピッチでのトレーニングを再開しているとのこと。リハビリは最終段階にあり、あと1カ月ほどでチームに復帰できる段階まで来ているという。 アルバロ・アルベロア監督率いるU-19チームでのシーズン中の復帰が期待される一方、ファーストチーム に帯同してのFIFAクラブ・ワールドカップ(CWC)参加も視野に。出場することが目標ではなく、再びアンチェロッティ監督のもとでトレーニングし、その後のプレシーズンに備えたいという考えのようだ。 2025.02.26 18:58 Wed3
21世紀の出場試合数ランキング発表! 首位は1145試合のC・ロナウド、トップ10に日本人選手がランクイン
IFFHS(国際サッカー歴史統計連盟)が、21世紀で最もプレーした選手のランキングを発表。トップ10には日本人選手もランクインした。 様々な統計を行うIFFHS。2022年までのデータを集計し、21世紀に入ってからのプレーした試合数をもとにランキングを作成した。 対象となるのは、各国のリーグ戦やカップ戦、国際カップ戦、代表チームの試合も含まれ、全ての公式戦が対象になっている。 今回の統計では1000試合以上プレーした選手が3人に増加。首位は昨年と変わらず、サウジアラビアへ活躍の場を移したポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)となり、1145試合を記録した。 2022年に1000試合を突破したのは、ブラジル代表DFダニエウ・アウベス(UNAMプーマス)とアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン)。アウベスは1033試合、メッシは1003試合となった。メッシはカタール・ワールドカップ(W杯)での試合で1000試合を超えたことになる。 そんな中、8位には日本人がランクイン。941試合に出場したMF遠藤保仁(ジュビロ磐田)だ。遠藤はガンバ大阪と磐田、そして日本代表での試合が21世紀に含まれている。なお、アジア人でも唯一となり、900試合以上を達成しているのも12名となっている。 ◆21世紀の出場試合数ランキング 合計(国内リーグ/国内カップ/国際カップ/代表) 1位:クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル) 1145試合(651/93/205/196) 2位:ダニエウ・アウベス(ブラジル) 1033試合(620/115/172/126) 3位:リオネル・メッシ(アルゼンチン) 1003試合(559/102/170/172) 4位:イケル・カシージャス(スペイン) 974試合(585/57/171/161) 5位:ジョアン・モウティーニョ(ポルトガル) 958試合(563/107/142/146) 6位:ズラタン・イブラヒモビッチ(スウェーデン) 948試合(603/72/152/121) 7位:ルカ・モドリッチ(クロアチア) 947試合(569/69/146/162) 8位:遠藤保仁(日本) 941試合(606/117/66/152) 9位:チャビ・エルナンデス(スペイン) 937試合(536/95/174/132) 10位:セルヒオ・ラモス(スペイン) 935試合(534/70/151/180) 11位:アンドレス・イニエスタ(スペイン) 933試合(552/98/152/131) 12位:ロジェリオ・セニ(ブラジル) 904試合(675/71/149/9) 2023.01.12 12:45 Thu4
代表戦で衝突のアルダ・ギュレルとソボスライがSNSで場外戦…出場時間揶揄に対してマドリーMFが痛烈な返し
レアル・マドリーのトルコ代表MFアルダ・ギュレルとリバプールのハンガリー代表MFドミニク・ソボスライがSNS上で場外戦を繰り広げている。 両国は今回のインターナショナルマッチウィークに行われたUEFAネーションズリーグ(UNL)2024-25・リーグA/B昇降格プレーオフで激突。 トルコホームの1stレグをトルコが3-1で先勝していたなか、ハンガリーホームで行われた23日の2ndレグもトルコが3-0で快勝。2戦合計6-1の完勝でリーグA昇格を決めていた。 同試合ではチーム2点目を挙げたギュレルが1年前のフレンドリーマッチでも衝突が伝えられ、今回の再戦でもバチバチとやり合っていたソボスライに激しく詰め寄られた際に「黙れ」のジェスチャーを行い、小競り合いとなっていた。 ここまでであれば、試合中によくある揉め事として流されるはずだったが、試合後も怒りが収まらないハンガリー代表のキャプテンはハンガリー『Nemzeti Sport』がインスタグラムに投稿した当該のやり取りを収めた写真に対して、「1088」とのコメントを残した。 この数字はカルロ・アンチェロッティ監督の下、ポジション争いで苦戦するギュレルのマドリーでの今シーズンのプレータイムを揶揄したものとされ、物議を醸していた。 これに対して血気盛んな20歳MFも黙っておらず、自身のインスタグラムのストーリーズで反撃。「この男は冗談だ。6ゴールで黙るには十分じゃないのか?」とのキャプションとともに同じ画像とトルコの3-0のスコアを写した画像を投稿。 さらに、画像をよく確認すると、ハンガリーのスコアの下に「ソボスライ 1インスタグラムコメント」と細かな加工も加えられており、痛烈に煽り返した。 ここに至る両選手の衝突の経緯はわからず、外野がとやかく言うべきではないが、ひとまず互いに冷静さを取り戻し、今後は場外戦ではなく改めてピッチの上で白黒つけたいところか。 2025.03.25 06:30 Tue5