イラン1部の強豪対決、女性ファン侮辱問題を受けた“観客は女性だけ”措置で4万5000人来場 FIFA会長「関係者らに感謝」
2024.12.20 20:05 Fri
国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長が19日、イラン1部での出来事について公式に言及。感謝の意を表明した。サッカーイラン1部では今年5月、首都テヘランのアザディ・スタジアムでペルセポリスvsセパハンという強豪対決が開催され、この際、セパハンの応援団が、ペルセポリスの女性ファンを侮辱するチャントを展開するという事態が。
これを受け、イラン・イスラム共和国サッカー連盟(FFIRI)が「今後2回の当該対戦は女性ファンのみが入場可」という措置を決定。
シーズンを跨いで騒動以来の対戦となった今月16日、セパハンホームで開催された一戦は、両軍ファンから女性のみがスタジアムに入場し、イラン英字紙『テヘラン・タイムズ』によると、観衆およそ4万5000人を記録した。
中東イランは1979年のイラン革命以降、女性のスポーツ観戦が原則として許可されず。2019年には、男装してのサッカー観戦を試みた女性が拘束され、裁判所前で焼身自殺を図る事案が発生。女性は重度の火傷で亡くなっている。
FIFAはインファンティーノ会長名義で声明。
「今週初め、セパハンSCとペルセポリスFCの試合に約4万5000人の女性と少女たちが集まったことを知り、大変嬉しく思います」
「地元当局やイラン・イスラム共和国サッカー連盟など、これを可能にしてくれた関係者全員に心から感謝の意を表します。今後さらに多くの女性や少女たちがサッカーを定期的に観戦する機会を得られることを楽しみにしています」
「イランはアジアサッカー界で大きな勢力を持っていますので、近いうちにイランサッカー協会を訪問し、サッカー関連の問題についてさらに話し合うつもりです。これまで築いてきた前向きで実りある協力関係を、今後も育んでいくことが重要です」
これを受け、イラン・イスラム共和国サッカー連盟(FFIRI)が「今後2回の当該対戦は女性ファンのみが入場可」という措置を決定。
中東イランは1979年のイラン革命以降、女性のスポーツ観戦が原則として許可されず。2019年には、男装してのサッカー観戦を試みた女性が拘束され、裁判所前で焼身自殺を図る事案が発生。女性は重度の火傷で亡くなっている。
それでも、この事案に前後して少しずつ開放が進んでおり、イラン1部では23-24シーズンから全ての試合で女性も入場可。今なお国内の保守層から反対意見が根強いとされるが、今回女性ファンのみで4万5000人が集まり、ひとつの象徴的な出来事となった。
FIFAはインファンティーノ会長名義で声明。
「今週初め、セパハンSCとペルセポリスFCの試合に約4万5000人の女性と少女たちが集まったことを知り、大変嬉しく思います」
「地元当局やイラン・イスラム共和国サッカー連盟など、これを可能にしてくれた関係者全員に心から感謝の意を表します。今後さらに多くの女性や少女たちがサッカーを定期的に観戦する機会を得られることを楽しみにしています」
「イランはアジアサッカー界で大きな勢力を持っていますので、近いうちにイランサッカー協会を訪問し、サッカー関連の問題についてさらに話し合うつもりです。これまで築いてきた前向きで実りある協力関係を、今後も育んでいくことが重要です」
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2034年のW杯開催決定で問題山積のサウジアラビア/六川亨の日本サッカーの歩み
かねてから報道されていたように、30年のワールドカップ(W杯)はモロッコ、スペイン、ポルトガル、ウルグアイ、パラグアイに加えてアルゼンチン、34年のW杯はサウジアラビアで開催されることが11日のFIFA臨時総会で決まった。 南米3か国では1930年の第1回ウルグアイ大会から100周年ということで、記念式典と開幕戦各1試合が開催される。このため6か国には開催国としての出場権が与えられるので、予選を突破しての出場国枠は42チームということになる。「なんでもあり」のFIFAらしい決定であり、南米3か国と、彼らと開幕戦で対戦する3チームは開幕戦後に南米から北大西洋を越えての大移動を強いられることになる。 そしてジャンニ・インファンティーノ会長と蜜月関係にあるサウジアラビアが34年の開催国に決定した。50年までの単独開催を目ざす日本は、34年での開催には政府保証を取り付けなければならないなど高いハードルがあり、根回しをする時間的な余裕もないため田嶋幸三JFA元会長は立候補を断念。サウジアラビアでの開催支持に回った。 懸命な判断だろう。02年日韓大会で使用したスタジアムは屋根をつけるなどの大幅な改修が必要だが、そのための費用をどうするのか。国内の消費は冷え込み、W杯開催の機運はまったく盛り上がっていないだけに、日本開催はいまのところ「絵に描いた餅」でしかない。 ご存知のようにW杯はこれまでヨーロッパと南米、北中米だけで開催されてきた。02年に初めてアジアで開催され、その後は大陸ごとに持ち回りとなり、10年に初めてアフリカ大陸の南アで開催。14年には78年アルゼンチンW杯以来36年ぶりに南米のブラジルで開催された。 その後はヨーロッパに戻り18年ロシアW杯を経て、22年はアジアで2度目となるカタールで開催。南アに続き自国開催で初めての出場を果たした。そして26年は32年ぶりにアメリカと、カナダ、メキシコによる北中米での初の3か国開催となっている。持ち回りの原則から言えば、30年はアフリカ、34年は南米、38年はヨーロッパ開催となり、アジアでの開催は42年という順になるはずだった。 ところが30年のW杯をアフリカ、ヨーロッパ、南米の3大陸でまとめて開催することで、34年は8年前倒しでアジア開催となり、サウジアラビアが念願のW杯招致に成功した。これもまた「なんでもあり」のFIFAとインファンティーノ会長らしい“英断”と言っていいだろう。 サウジアラビアをいえば、中東で最もイスラム教の戒律が厳しい国として有名だ。独身女性は特別な理由がないと入国できなかったし、入国したらしたで女性は頭髪を隠すヒジャブ(スカーフのようなもの)をかぶらなければならなかった。オシム・ジャパンの時代、あまりの暑さにヘジャブを脱いだ独身女性がいた。ヘジャブを脱いで取材したことがわかると、その代償としてJFAから3ヶ月の代表戦取材NGのペナルティを受けてしまったほどだ。 しかし22年のACL決勝、アルヒラル戦を取材に訪れた女性記者の話によると、行動制限はかなり緩和されていたそうだ。近年のサウジアラビアはF1やボクシングなどのスポーツイベントを開催し、W杯の招致にも積極的なだけに、開放策に舵を切りつつあるのかもしれない。 大会は5都市15会場で開催予定となっていて、そのうち8会場が首都のリヤド、4会場がメッカ近郊のジッダにあり、残るアル・コバール、アバ、ネオムはいずれも1会場ずつの開催となる。しかし、すでに建設されているスタジアムはリヤドの4会場と、ジッダの4会場だけで、いずれも本大会までに改装を予定している。そして残る7会場のうち2会場は現在建設で、アル・コバールは26年、ジッダは27年に完成予定とされており、いずれも27年に開催されるアジアカップで使用する予定になっている。 サウジアラビアでの開催が決まり問題視されているのは、カタールW杯でスタジアムや地下鉄、道路などの建設・整備のために中央アジアからの出稼ぎ労働者が過酷な労働環境に置かれたことだ。かつて04年3月にアテネ五輪アジア最終予選を取材した際に、海岸沿いのホテルに宿泊したことがある。ところがホテルの前の海岸沿いの道路建設のため、夜は工事の騒音で眠れない経験をしたことがある。 中東は12月から2月を除けば日中はかなりの猛暑になる。このため肉体労働は猛暑を避けて夜中に行われていたのだ。出稼ぎ労働者は昼夜逆転した過酷な肉体労働を長期間に渡り強いられることになる。このためスタジアムの建設と改築、そして都市の整備も同じ労働環境になることが予想される。 国際人権団体であるアムネスティ・インターナショナルが「十分な人権が確保されることなく、サウジアラビアでW杯を開催するというFIFAの無謀な決定は、多くの命を危険にさらすことになるだろう」と警鐘を鳴らしたのも頷ける。 それ以外にも、開催時期として予定されている1月から2月にかけてはラマダン(断食)にあたるため、33年の年末か34年の3月以降になるのではないかという報道もある。ヨーロッパと同様にカレンダーを変える日本も、国内リーグの中断を余儀なくされる可能性があるのだ。 11年にカタールのアジアカップを取材した際の移動手段はバスかタクシーしかなかった。しかし22年のW杯や今年1月のアジアカップでは、メディアにはプレスバスが用意されたし、市内とスタジアムには3路線の地下鉄が整備され、ファン・サポーターの利便性は確実に増した。果たして34年までにサウジアラビアの各都市はどのような変貌を遂げるのか。女性の地位向上など国際社会に受け入れられるには課題山積のサウジアラビアだけに、今後の政策転換にも注目が集まるところだ。 文・六川亨 2024.12.17 11:00 Tue3
FIFA、2030年W杯の3カ国共催+南米3カ国1試合特別開催に、2034年W杯サウジ開催を承認
2030年FIFA男子ワールドカップ(W杯)のスペイン、ポルトガル、モロッコの3カ国共催、2034年男子W杯のサウジアラビア単独開催が正式に承認された。 国際サッカー連盟(FIFA)が11日、臨時総会を実施。ともに唯一の立候補となった2030年男子W杯、2034年男子W杯の開催地決定を承認した。 ジャンニ・インファンティーノ会長は「我々はサッカーをより多くの国に持ち込んでおり、チームの数が増えても質は低下していない。むしろ機会は高まった」、「総会の投票は明確だ」との言葉とともに開催地決定をアナウンスした。 また、2030年W杯に関しては当初の予定通り、スペイン、ポルトガル、モロッコの3カ国の共催に加え、1930年の第1回大会から100周年を記念して、ウルグアイ、パラグアイ、アルゼンチンの南米3カ国で、大会開幕戦としてそれぞれ1試合を開催することも決定。 インファンティーノ会長は「2030年に100周年を祝うには、3大陸6カ国で48チーム、104の壮大な試合を行うワールドカップを開催するより良い方法はないだろう。世界は立ち止まり、ワールドカップ100周年を祝うだろう。素晴らしい書類を提出したすべての入札者に祝意を表するが、私は6連盟の会長とそのチームに心から感謝の意を表したい」と、異例の形式で実施される2030年W杯について言及した。 一方、2034年W杯の唯一の立候補者で大会初開催が決定したサウジアラビアのオリンピック・パラリンピック委員会のアブドゥルアズィーズ・ビン・トゥルキ・ビン・ファイサル・アル・サウド王子は「これはサウジアラビアにとって歴史的な瞬間であり、サッカーを愛する3200万人の国民全員にとって夢の実現だ」と喜びを露わに。 さらに、サウジアラビアサッカー連盟(SAFF)のヤセル・アル・ミセハル会長も「サッカーは私たちの心の中に生きています。FIFAワールドカップを開催することは最高の栄誉であり、私たちは長い間このために取り組んできました。サッカーを世界的に成長させ、前向きな貢献をする責任と機会を歓迎します」と同じく悲願達成を喜んだ。 2024.12.12 05:30 Thu4
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国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長が、中国サッカーへの協力姿勢を強調。中国『新浪』などが伝えている。 第9代FIFA会長、W杯の出場枠を増やしたインファンティーノ氏。 同会長は10月末にAFCアワードで韓国・ソウルを訪問したのち、中国・上海へ。中国国営通信『新華社』のインタビューに応じ、中国サッカーへの協力姿勢を鮮明にした。 「中国サッカーが男子、女子、クラブシーン、代表チーム…最高レベルの大会へ参加できるようになるには、才能を発掘して、育成していく必要がありますね」 「中国は世界において、非常に重要な国です。中国という国は、何をしても一流になることができます。個人的には、中国と協力して中国サッカーを広めることを楽しみにしていますよ」 「発展には近道も秘訣もありません。誰もが己の仕事をうまく遂行し、より一層の努力を続けていくだけです。中国にはサッカーを愛する人々がたくさんいるでしょう。若者を結びつける人材育成が必要です」 「我々(FIFA)としては、この国にコーチを派遣し、インストラクターを派遣し、審判と専門家を派遣し、コースを開発することができます。中国サッカーの発展を支援するべく、最善を尽くします」 「中国サッカーとFIFAが協力を強化し、学校と青少年にサッカーを導入していくことも奨励します。私は選手育成プログラムを支持しているのでね。中国サッカー協会(CFA)の幹部との話し合いも楽しみです」 「サッカーは“協力”です。協力、投資、献身がある限り、中国サッカーは将来輝けると信じています。我々は世界中のチームが選手やブランドイメージを発信でき、継続的に競技を続けられる機会を支援する必要があるのです」 また、インファンティーノ会長は「中国はW杯の潜在的開催国」とし、「男子W杯、女子W杯、年代別W杯、クラブW杯…いずれも中国で開催される可能性があります」と明言した。 中国は2031年女子W杯の開催地に立候補している。 2024.11.05 20:05 Tue5