【パリ行きの命運を託された23選手】巡ってきたチャンスを活かせるか、ハードワークでチーム支える左SB大畑歩夢

2024.04.12 11:00 Fri
浦和でポジション争いが続く大畑歩夢
©超ワールドサッカー
浦和でポジション争いが続く大畑歩夢
パリ・オリンピックのアジア最終予選を兼ねるAFC U23アジアカップが15日に開幕する。出場16カ国が4組に分かれてのグループステージから始まる五輪出場もかけた戦いは約2週間ちょっとのスケジュール的にも勝ち上がれば勝ち上がるほど総力戦が必至。ここではパリ行きの命運が託されたU-23日本代表の23選手を紹介し、大畑歩夢にフォーカスする。

■大畑歩夢(DF/浦和レッズ)
サガン鳥栖の下部組織出身であり、2020年にトップチーム昇格を果たすと同年にJリーグデビュー。ルーキーイヤーからコンスタントに出場機会を得ると、2021シーズンにはJ1リーグで30試合に出場するなど主力へと定着した。

2022年から浦和レッズに加入すると、負傷がありながらも初年度から左サイドバックのポジションを掴んだが、昨シーズンはリーグ戦のスタメンわずか4試合と出番が激減。今シーズンからペア・マティアス・ヘグモ監督が新たに就任したが、ここまでは途中出場がメインとなっている。
特徴は、鳥栖で鍛えられた1対1の対人守備とハードワークを厭わない豊富な運動量。身長は168cmと小柄ながらその粘り強い守備が買われ、鳥栖時代には3バックの一角としても起用されていた。左サイドバックとしては機を見ての攻め上がりも大きな特徴であり、レフティとして攻撃にも積極的に絡む存在だ

大岩ジャパンでは、3月に行われた国際親善試合のU-23マリ代表戦こそ出番なしも、3日後のU-23ウクライナ代表戦では左サイドバックとして先発。85分までプレーし、勝利に貢献した。
これまではどちらかというと途中交代での出場がメインだったが、今大会ではこれまで左サイドバックの主力だったDFバングーナガンデ佳史扶が落選。これによって出場機会が増える可能性は高く、すでにトップリーグでの場数を十分に踏んでいる経験を遺憾なく発揮することが期待される。

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「全てを変えたのはレッドカード」夢の五輪出場を逃した開催国・カタール、指揮官は10人で健闘した選手を称える「彼らは降伏しなかった」

パリ・オリンピックの出場権を逃したU-23カタール代表のイリディオ・ヴァレ監督が、U-23日本代表戦を振り返った。アジアサッカー連盟(AFC)が伝えた。 25日、AFC U23アジアカップ準々決勝でカタールは日本と対戦した。今大会の開催国であり、グループAを首位通過したカタール。A代表はアジアカップを連覇中であり、U-23世代は1992年のバルセロナ・オリンピック以来8大会ぶりの出場を目指した。 試合は開始2分に山田楓喜にゴールを許して失点するも、24分にアーメド・アル・ラウィのゴールで同点に追いつく。しかし、41分にGKユセフ・アブドゥラーがラフプレーで一発退場。数的不利となるが、後半早々にFKからジャッセム・ガベルがネットを揺らして逆転に成功する。 リードを奪ったことで[5-4]のブロックを形成して日本に攻め込ませない戦いを見せたカタール。しかし、67分にCKから失点。その後は防戦一方となる中で、90分を耐えることとなった。 延長戦に入ってからはPK戦まで持っていこうという姿勢を見せたが、101分に失点。ゴールが必要になった中、延長後半にも失点し、2-4で敗戦。パリ・オリンピック出場は夢に終わった。 ポルトガル代表のアシスタントコーチとして多くの経験をしてきたヴァレ監督は、試合後にコメント。数的不利の中でしっかりと戦えたことを評価。選手たちを称え、将来の有望性を口にした。 「選手が11人いる日本と対戦するのは、すでに非常に難しい状況であることは誰もが知っている。自分のチームが10人で、経験豊富な日本の選手11人と対戦しなければならないことを想像してみてほしい」 「カタールの選手たちを祝福したい。彼らはファイターだった。全ての試合でファイターであることを示し、今日は10人の選手でしかプレーしていないにも関わらず、降伏しなかった」 「カタールの選手たちは非常に有望な将来を持っている。彼らは独自のキャラクター、性格、野心を持っており、自分たちの国をリスペクトしていたと思う。今日彼らは、栗色のジャージをリスペクトしていた」 ホームの大観衆にも背中を押され、粘りを見せて戦っていたものの、やはりターニングポイントはGKの退場。オリンピックを逃したことを悔やみつつも、更なる選手たち、そしてカタールの若手の成長に期待を寄せた。 「全てを変えたのはレッドカードだった。組織的に言えば、それは我々に影響を与えた」 「我々はパリ・オリンピックに出場できなくなり、若い選手たちの夢も叶わない。彼らはオリンピックに出ることを夢見ていた」 「我々が一緒にいた間、彼らは本当に一生懸命働いてくれたが、我々はこれら全ての努力から多くの恩恵を受けてきた。現在のチームには、最高レベルで戦える精神的にも肉体的にも成熟した選手が揃っている」 「私は多くの感情を経験しているが、ロッカールームにいる選手たちも同じだ。我々はこの大会でできるだけ上まで行きたいという、ファンの夢を達成できなかったことに痛みを感じている」 「選手たちはこれらの試合で、本物の男であることを証明した。もちろん、精神的にも肉体的にも成長した選手を発掘し、アジアの最高の選手やチームと対戦することで、彼らの素質を証明知っている。このような大会はとても有益だった」 <span class="paragraph-title">【動画】カタールの明暗を分けたGKの愚行…細谷真大を蹴りつけるラフプレー</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="ZUAs0mZlSNI";var video_start = 186;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.26 12:52 Fri
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パリ五輪出場なるか? 海外組は5名、U-23日本代表メンバーが発表!【AFC U23アジアカップ】

日本サッカー協会(JFA)は4日、AFC U23アジアカップに臨むU-23日本代表メンバー23名を発表した。 2024年のパリ・オリンピック出場を目指すU-23日本代表。AFC U23アジアカップ カタール2024では中国、UAE、韓国と対戦し、3.5枠のオリンピック切符を懸けて戦う。 3月にはU-23マリ代表、U-23ウクライナ代表と国際親善試合を戦い、1勝1敗。課題も見えた中で、ついに大事な大会を迎えることとなる。 国際Aマッチデーではないため、海外組の招集が困難だとされて居た中、大岩剛監督はMF佐藤恵允(ブレーメン)、MF山本理仁、MF藤田譲瑠チマ(共にシント=トロイデン)、DF内野貴史(デュッセルドルフ)、GK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)と、先日の国際親善試合に招集した海外組5名を招集。MF鈴木唯人(ブレンビー)やMF斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム)などは招集しなかった。 その他、FW染野唯月(東京ヴェルディ)やDF馬場晴也(北海道コンサドーレ札幌)、GK藤田和輝(ジェフユナイテッド千葉)、MF小見洋太(アルビレックス新潟)、DFバングーナガンデ佳史扶(FC東京)、FW植中朝日(横浜F・マリノス)が招集外となり、GK山田大樹(鹿島アントラーズ)、DF木村誠二(サガン鳥栖)、FW内野航太郎(筑波大学)が新たに招集された。 今回発表されたU-23日本代表メンバーは以下の通り。 ◆U-23日本代表メンバー ※4月9日に合流 GK 1.小久保玲央ブライアン(ベンフィカ/ポルトガル)※ 23.山田大樹(鹿島アントラーズ) 12.野澤大志ブランドン(FC東京) DF 16.内野貴史(デュッセルドルフ/ドイツ)※ 21.大畑歩夢(浦和レッズ) 3.西尾隆矢(セレッソ大阪) 5.木村誠二(サガン鳥栖) 2.半田陸(ガンバ大阪) 4.関根大輝(柏レイソル) 15.鈴木海音(ジュビロ磐田) 22.高井幸大(川崎フロンターレ) MF 20.平河悠(FC町田ゼルビア) 11.山田楓喜(東京ヴェルディ) 10.佐藤恵允(ブレーメン/ドイツ) 6.川﨑颯太(京都サンガF.C.) 7.山本理仁(シント=トロイデン/ベルギー) 8.藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン/ベルギー) 14.田中聡(湘南ベルマーレ) 17.松木玖生(FC東京) FW 9.藤尾翔太(FC町田ゼルビア) 19.細谷真大(柏レイソル) 13.荒木遼太郎(FC東京) 18.内野航太郎(筑波大学) 2024.04.04 14:01 Thu
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チェルシー注目のムサ・デンベレもメンバー入り…U-20フランス代表メンバー18名を発表《トゥーロン国際大会》

▽フランスサッカー連盟(FFF)は16日、トゥーロン国際大会に臨むU-20フランス代表メンバー18名を発表した。 ▽今回のメンバーには、チェルシーも関心を示しているフルアムFWムサ・デンベレが招集リスト入り。そのほか、国内組中心のメンバー構成となった。 ▽パトリック・ゴンファローネ監督率いるU-20フランス代表はグループAに入り、メキシコ(18日)、ブルガリア(20日)、マリ(24日)、チェコ(26日)と対戦する。 ▽なお、手倉森誠監督率いるU-23日本代表とは決勝トーナメントに勝ち上がれば、3位決定戦か、決勝戦で相対する可能性がある。 GK <B>フロリアン・エスカレス</B>(マルセイユ) <B>ビングル・カマラ</B>(トゥール) DF <B>アンジェロ・フルジーニ</B>(ヴァランシエンヌ) <B>セガ・クレバリー</B>(レンヌ) <B>ディラン・バテュバンシカ</B>(パリ・サンジェルマン) <B>ムクタル・ディアカビ</B>(リヨン) <B>ムサ・ニャカテ</B>(ヴァランシエンヌ) MF <B>セバスティアン・サルス・ラモング</B>(レンヌ) <B>サミド・クリク</B>(オセール) <B>オリヴィエ・ケマン</B>(リヨン) <B>アロイス・コンフェ</B>(トロワ) <B>ブラヒム・コナテ</B>(オセール) FW <B>ロリ・ペレイラ・デ・サ</B>(パリFC) <B>ムサ・デンベレ</B>(フルアム/イングランド) <B>ピエール・スリジャ</B>(ヴァランシエンヌ) <B>リース・ムセ</B>(ル・アーブル) <B>セルフロウ・グラシー</B>(オセール) <B>ジョナタン・バンバ</B>(パリFC) 2016.05.17 23:15 Tue

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