日本戦に続きアイメンが2得点! ベトナムが意地を見せるもGS首位確定済みのイラクが土壇場で勝ち越し3戦全勝【アジアカップ2023】

2024.01.24 22:53 Wed
アイメンがまたも2ゴールで勝利に貢献
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アイメンがまたも2ゴールで勝利に貢献
アジアカップ2023のグループD第3節イラク代表vsベトナム代表が24日にジャシム・ビン・ハマド・スタジアムで行われ、3-2でイラクが勝利した。初戦でインドネシア代表を下し、第2節では日本代表からも勝利をあげたイラク。当該チーム同士の対戦成績により、グループ首位での決勝トーナメント進出を決めている。

対するベトナムは日本に善戦しながらも初戦を落とし、続くインドネシア戦も0-1で敗北。グループステージ敗退が決まっている中、少しでも爪痕を残したい一戦となった。
低い位置から繋ぐイラクに対し、高い位置から積極的にプレッシャーをかけにいくベトナム。しかし、時間が経つにつれイラクがペースを握り始める。

突破口を開けないまま15分が経過。すると17分、5バックでブロックを固めるベトナムがワンチャンスからネットを揺らす。
左サイド高い位置でスローインを得ると、その流れからヴォー・ミン・チョンがグラウンダーのクロス。ザイド・タシーンの必死に足を伸ばしたクリアがそのままゴールへ向かった。これでベトナム先制かに思われたが、VARとオンフィールド・レビューによるチェックの結果、クロスのタイミングでわずかにオフサイドがあったと判定され、ノーゴールに覆った。

肝を冷やしたイラクはその後もボールを保持。35分には相手GKのビルドアップミスからチャンスを得るが、シュートはDF陣の体を張ったブロックに遭う。

ゴールレスのままハーフタイム突入の気配も出てきた42分、またしてもベトナムがわずかな隙を突く。敵陣右サイドでFKを得ると、クアット・ヴァン・カンのクロスにブイ・ホアン・ベト・アインが右足から飛び込み、今度こそ先制に成功した。

このまま優位に試合を進めたいベトナムだったが、前半アディショナルタイムに予期せぬ事態が。競り合いの際に飛び蹴りを見舞うような格好となったクアット・ヴァン・カンが、この試合2枚目のイエローカードを受け退場。抗議したグエン・タイ・ソンにもイエローカードが提示され、後半に不安を残す形で試合を折り返した。

追いかけるイラクは後半頭から日本戦で2ゴールを決めたアイメン・フセインら2選手を投入。10人となったベトナムのフィリップ・トルシエ監督も1人選手を入れ替えるが、早々に失点してしまう。

47分、左CKを獲得したイラク。インスイングのクロスがゴール前に送り込まれると、レビン・カリーブ・スラカが頭で合わせ、理想的な後半の入りとした。

このまま逆転したいイラクは、ジダン・イクバルの個人技や、途中出場のユセフ・ワリ・アミンのヘディングなどでベトナムゴールに襲いかかる。すると、73分にはついにイラクが逆転。アリ・ジャシム・エライビが左サイドを突破すると、切り替えしてから右足で上げたクロスをアイメンが頭で押し込んだ。

さらに83分、ユセフ・ワリ・アミンがボックス内で倒されてPKを獲得すると、キッカーを務めたのはアイメン。しかし、ゴール左隅を狙ったがポストに阻まれ、追加点とはならなかった。

このまま終われないベトナムは最後に意地を見せる。アディショナルタイム1分、セットプレーの流れからイラク陣内で混戦を生み出すと、味方のパスに反応したグエン・クアン・ハイが最終ラインの裏へ抜け出す。そのままGKとの一対一を制し、土壇場で同点に追いついた。

ベトナムが追いつき、同点で終わるかと思われ中、10分の追加タイムが取られた試合はまだ終わらない。102分、再びユセフ・ワリ・アミンがボックス内で倒され、イラクがPKを獲得。今度はアイメンが右隅にきっちり決め勝負あり。3-2とシーソーゲームを制したイラクが3戦全勝で決勝トーナメントでの戦いに弾みをつけた。

イラク代表 3-2 ベトナム代表
【イラク】
レビン・カリーブ・スラカ(後2)
アイメン・フセイン(後28、後45+12[PK])
【ベトナム】
ブイ・ホアン・ベト・アイン(前42)
グエン・クアン・ハイ(後45+1)

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残念だったイラク戦の浅野の選択/六川亨の日本サッカーの歩み

かつて中東でのサッカーの試合といえば、観客は民族衣装の「トーブ」を身にまとった男性か(オバQのイメージ)、その子供がほとんどで、観客も数えられるほどだった(イランのホームゲームはのぞく)。 しかしW杯効果なのか、今回のアジアカップではアラブ諸国の試合でも女性の進出が目立つ。さらに大人と子供も応援はワールドワイドのスタンダードなスタイルで、以前はよく聞かされた牧歌的な、眠くなるような独特のスローモーな音色が懐かしく感じられた。 そしてイラク戦である。すでにネットでは多くのメディアが敗因の分析と課題にフォーカスし、インドネシア戦への提言も行っている。そこで今回のコラムでは、これまであまり取り上げられていない敗因の1つについて言及したい。 問題だったと思うシーンは前半32分のFW浅野拓磨のプレーだ。MF久保建英のスルーパスに浅野が左サイドで抜け出してショートカウンターを仕掛けた。浅野はドリブルでペナルティーエリアまで侵入。右サイドにはMF伊東純也がしっかりとフォローしていて、まったくのフリーだった。 浅野がGKと追走するDFの間にグラウンダーのパスを出せば同点ゴールは確実だった。 しかし浅野はパスではなくシュートを選択し、大きくゴール枠を外した。 FWだから、シュートを打ちたい気持ちはわかる。それまで日本のシュートらしいシュートは23分の遠藤航のボレーくらい。浅野自身も「まずは初シュート」と意気込んだかもしれない。あるいはカタールW杯のドイツ戦でのゴール=成功体験をイメージした可能性もある。 もしも浅野1人しかいない状況であれば、選択肢はシュートしかなかったため彼の判断は正しいだろう。さらに0-0、もしくは1-0とリードしている状況なら、思い切った決断も悪くはない。しかし状況は開始5分に先制点を奪われ、劣勢に立たされていた。まず最初に考えなければならないのは、できるだけ早い時間帯に追いつくことである。 29歳と経験を積んでいながら、そんなこともわからないのかとガッカリした。そしてパスを要求しながら出て来なかった伊東は天を仰いだ。伊東には、浅野に詰め寄り「なぜパスを出さなかった!」と激怒して欲しかった。でないと、浅野は今後も同じ過ちを繰り返しかねないからだ。 すでにこのエピソードは当コラムで紹介済みだが、88年に西ドイツ(当時)で開催されたEURO決勝、オランダ対ソ連(当時)戦で、オランダはルート・フリットのゴールで先制すると、マルコ・ファン=バステンが左後方からのロングパスを右足ボレーシュートでGKリナト・ダサエフの頭上を破って追加点を決めた。「EURO史上最高」と表されたビューティフルゴールだった。 この試合を現地で解説した釜本邦茂氏とミュンヘン空港で会ったので、「釜本さんだったらボレーで打ちますか、それともトラップしますか」と聞いた。すると釜本氏は「0-0や0-1だったら確実に決めるためトラップしたでしょう。しかし1-0でリードしていたので、バステンのようにダイレクトで狙ったと思う」と話していた。 試合の状況に応じてプレーを選択する。至極当り前のことで簡単そうだが、それがまた難しいのがサッカーという競技なのだろう。 2024.01.22 22:45 Mon
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