FIFA会長がイスラエルとパレスチナの両サッカー連盟に書簡

2023.10.14 08:30 Sat
Getty Images
FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が、イスラエルとパレスチナの両サッカー連盟に書簡を送り、先の武力衝突の犠牲者に対して哀悼の意を表した。

今月7日、パレスチナ暫定自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスは、イスラエルへの攻撃を開始。これを受け、イスラエル側も激しい空爆で応酬し、これまでに双方の死者は2700人を超えている。さらに、負傷者も数千人規模に達している状況だ。

これにより、今回のインターナショナルマッチウィークではイスラエル代表のユーロ2024予選のスイス代表戦とコソボ代表戦が延期となった。
この痛ましい一件を受け、インファンティーノ会長は両国のサッカー連盟に書簡を送り、「敵対行為の即時終結と、イスラエルとパレスチナ双方の人々の苦しみの即時救済」を求めると共に、FIFAとしての救援活動を約束した。

「あまりにも長い間、人々がこれほど深刻な苦しみを経験してきた地域が、さらに苦しんでいるのを見るのはショックであると同時に胸が張り裂けるような思いです」
「もちろん、サッカーが世界の問題を解決できないことは承知していますが、暗闇しかないように見える場所に希望の光をもたらすには、ほんの少しの役割を果たすことはできます」

「サッカーは、たとえ少数の人々を除いて不可能に思えたとしても、相互尊重の環境で人々を結びつけることが可能であり、平和、そして最終的には和解の手段として機能することを示しています」

「FIFAは皆さんの救援活動を支援し、現在そして将来にわたって国民に平和と希望を取り戻すためにできる限りのことを行うことを強調したいと思います」

ジャンニ・インファンティーノの関連記事

欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン会長が、総会に大遅刻した国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長を非難した。イギリス『BBC』が伝えた。 15日、パラグアイのアスシオンで第75回FIFA総会が行われた。 しかし、インファンティーノ会長は2時間17分の遅刻。理由 2025.05.16 18:10 Fri
国際サッカー連盟(FIFA)は7日、2027年にブラジルで行われる女子ワールドカップ(W杯)の開催都市を発表した。 初の南米での開催となる女子W杯。8つの都市での開催が決定し、FIFAが公式に発表した。 開催地は、ベロオリゾンテ、ブラジリア、フォルタレーザ、ポルト・アレグレ、レシフェ、リオ・デ・ジャネイロ、 2025.05.08 12:20 Thu
国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長が、ロシアの復帰に期待を寄せた。 ロシアは、2022年2月にウクライナへの軍事侵攻を行い、3年が経過した現在もまだ続いている状況だ。この軍事侵攻を受け、ロシア代表とロシアのクラブはFIFA、そして欧州サッカー連盟(UEFA)の大会から追放されている。 2025.04.04 13:15 Fri
欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン会長が、2030年の男子ワールドカップ(W杯)の64チーム拡大計画を「悪い考え」と批判した。『AFP通信』が報じている。 スペインとポルトガル、モロッコの3カ国で共催される2030年W杯は、100周年を記念して第1回大会が開催されたウルグアイとアルゼンチン 2025.04.04 08:30 Fri

U-20イスラエル代表の関連記事

U-23日本代表は3日、AFC U23アジアカップ決勝でU-23ウズベキスタン代表と対戦し、1-0で勝利を収めた。 今大会無失点のウズベキスタン相手に苦しんだ中、後半アディショナルタイムに山田楓喜(東京ヴェルディ)が左足ミドルシュートで先制ゴールを奪った。 ついにウズベキスタンの無失点を打ち破ったが、その後 2024.05.04 08:30 Sat
欧州サッカー連盟(UEFA)は23日、ユーロ2024プレーオフの組み合わせ抽選を実施した。 スイスのニヨンで行われた抽選会。12カ国が出場し、3つの枠を争うこととなる。 4カ国が3つに分かれてトーナメント方式で開催。準決勝は2024年3月21日、決勝は3月26日に予定されている。 パスAでは、ポーラン 2023.11.23 22:30 Thu
マインツとの契約を解除された元オランダ代表FWアンワル・エル・ガジ(28)が、クラブに対して法的措置を講じるようだ。 エル・ガジは、10月15日、イスラエル・ハマス紛争を受け、自身のインスタグラムのストーリーを通じて、パレスチナ寄りの投稿を行った。すぐさま当該投稿を削除したが、クラブはこの行動を問題視。17日にト 2023.11.16 09:35 Thu
イスラエル代表のユーロ2024予選の2試合が、ハンガリーで代替開催されることが決定した。欧州サッカー連盟(UEFA)が発表している。 イスラエル・ハマス紛争の影響で先月のユーロ2024予選グループIのコソボ代表戦が開催延期となっていたイスラエル。 その後、国際サッカー連盟(FIFA)によって新たに発表された 2023.11.01 22:35 Wed
イスラエル男女代表チームの延期された試合日程が発表された。 現在、イスラエルとハマスによる紛争が続くなか、今月のインターナショナルウィークに予定されていたイスラエル代表の2試合は、欧州サッカー連盟(UEFA)によって延期された。 今回、国際サッカー連盟(FIFA)によって新たに発表された代替日程では、イスラ 2023.10.24 22:42 Tue

ジャンニ・インファンティーノの人気記事ランキング

1

アジアサッカー連盟は2年に1度のW杯開催案を歓迎「積極的に関与していきたい」

アジアサッカー連盟(AFC)は14日、ワールドカップ(W杯)の2年に1度の開催案を歓迎することを改めて発表した。 このプランは、今年5月にサウジアラビアが初めて提案した構想。国際サッカー連盟(FIFA)もこれに賛同し、元選手であるマイケル・オーウェンやヤヤ・トゥーレなどを起用して支持を表明し、ジャンニ・インファンティーノ会長は実現可能性を探っている段階だ。 一方で、欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン会長は猛反対。また、南米サッカー連盟(CONMEBOL)も反対の姿勢を示していた。 賛否両論分かれているこの件について、AFCは改めて賛同することを発表。「新たな国際試合のカレンダーを最適化するための選択肢を検討する上で、FIFAが主導してスタートさせた協議プロセスを歓迎します」としており、2年ごとの開催の実現可能性を検討するようだ。 AFCはこの案については「ビジョンとミッションの中で、アジアのチームと選手が世界の大舞台で輝き続けることを目指し、ワールドクラスの大会を開催するとともに、加盟協会の発展を促進するためのオーダーメイドのプログラムを提供するという明確な目標を掲げています」としている。 また「同時に、AFCは、サッカーがアジアで最も人気のあるスポーツであり続けることを目指して、世界最大のスタジアムであるアジアの熱狂的なファンとの連携を強化することに引き続き取り組んでいます」としている。 最後には「全てのステークホルダーとの連携を重視しており、多様なニーズを反映し、世界中の全ての地域にとって潜在的な利益を引き出すような、インターナショナル・マッチ・カレンダーの未来を形成するために、積極的に関与していきたいと考えています」とし、2年に1度の開催に限らず、カレンダーの変更に取り組みたいとした。 2021.09.14 17:45 Tue
2

FIFA会長が世界での戦争、紛争ストップへ訴え「最悪の敵とさえ、対話してほしい」

国際サッカー連盟(FIFA)は3月31日、カタールのドーハで第72回の総会を行った。 1日にカタール・ワールドカップ(W杯)の組み合わせ抽選会を前にして行われた総会。各サッカー連盟、サッカー協会が参加した。 この総会には、世界的に厳しい立場にあるロシアサッカー連合(RFU)も参加。一方で、攻撃を受けているウクライナサッカー協会(FFU)はオンラインでの参加となった。 その中で、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長がスピーチを行い、FIFA加盟の人々へ向けて、世界で起きている戦争や紛争を食い止める為に対話をして欲しいと訴えた。 「我々は攻撃的な世界、分断された世界に住んでいるが、私は人々を結びつけ、文化の境界を越えるサッカーの力を大いに信じている」 「ネルソン・マンデラは、スポーツには世界を変える力があると言った。サッカーは世界のスポーツだ。我々はサッカーが世界の問題を解決できると信じているほどナイーブではない」 「この恐ろしい紛争が終わり、世界中の他の全ての紛争も同様に、願わくばすぐにでもサッカーは人間関係を再構築し、平和と理解を確立するために小さな役割を果たすことができると思っている。我々はその最前線にいるつもりだ」 「この世界である程度の権力を持っている全ての人々、世界で重要な政治的立場にある全ての人々への願いは、紛争と戦争を止めて欲しいということだ」 「我々の子供たちの為に、我々の未来のために。最悪の敵とさえ、対話してほしい。一緒になってみて欲しい」 「そしてサッカーがそこにあり、平和のために手助けすることになるだろう。我々は生きる為に再び学ぶ必要があるからだ。一緒に生きていくことの意味を、もう一度学ばなければならない」 2022.04.01 11:40 Fri
3

FIFAインファンティーノ会長の故郷で補償金支払いを求める抗議デモ…華やかな舞台の裏で多くの出稼ぎ労働者が犠牲に

FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長に対するデモ活動が激しくなっているようだ。イタリア『メディアセット』が報じている。 絶賛開催中のカタール・ワールドカップに関して、様々な問題が取り巻いているインファンティーノ会長。以前から開催地決定については癒着や賄賂疑惑が取り沙汰され、スタジアム建設に携わった多数の移民労働者が命を落とすなど、人権問題も表面化して生きている。 ゼップ・ブラッター前会長も「カタールでW杯を開催するのは間違いだった」と言い放った中、インファンティーノ会長の出身地であるスイスのブリッグでは、人権や汚職、貧困、紛争などの問題に関する世界的な活動を推進する『Avaaz』によるデモ活動が活発化しているという。 『メディアセット』によれば、カタールのワールドカップで“死亡”または“搾取”された数千人の移民労働者への補償を求める巨大なビルボードが3枚出現。「インファンティーノ、あなたの家族も移民だった。同じ立場の何千人もの人々が、このワールドカップの犠牲になっているのです。今すぐ補償してください」というメッセージが書かれているようだ。 『Avaaz』のリーガル・ディレクターであるビータ・アンデマリアム氏は「インファンティーノが約束した“FIFAのイメージ回復”とは裏腹に、今回のワールドカップは人道的観点から見て大失敗だった」と指摘する。 また、「FIFAの会長は、この大会から何十億もの利益を得ているにもかかわらず、全く反省しておらず、被害者やその家族に対して実質的に何もしていません。正直に言って、このような冷淡さと貪欲さは恥ずべきことです」と非難した。 なお現在は、カタールW杯の準備期間中に被害を受けた出稼ぎ労働者に補償するようFIFAに要請するための組織が動員され、賞金総額に相当する4億4000万ドルを寄付する基金が設立されている。 2022.12.08 16:25 Thu
4

クラブW杯は32チーム出場で4年に1度開催に変更、偶数年の3月には各大陸を集めたトーナメント「FIFAワールドシリーズ」開催へ

国際サッカー連盟(FIFA)は16日、カタールのドーハで理事会を開き、FIFAクラブ・ワールドカップ(FCWC)が32チームによる開催になることを発表した。 カタール・ワールドカップ(W杯)も3位決定戦と決勝の2試合のみに。初の冬開催、中東開催ということで問題も残った中、大盛況のうちに終わろうとしている。 ジャンニ・インファンティーノ会をはじめ理事が集まって開催された理事会では、2つの大きな決定がなされた。 1つは今後の国際試合のサッカーカレンダーの決定。男子は2025年6月にFCWCを開催し、32チームに出場枠を拡大させるという。 これまでのFCWCは各大陸の王者と開催国のリーグ王者の7カ国が出場して行われていた。 しかし、2021年の大会からは4年に1度の開催都市、24チームに出場枠を拡大する事隣、ヨーロッパからはチャンピオンズリーグ(CL)の優勝、準優勝チーム、ヨーロッパリーグ(EL)の優勝チームの過去4年分となる12チーム、南米からは4、5チーム、オセアニアからは0か1、アジア、アフリカ、北中米カリブ海は2チームずつという事が検討されていた。 2017年を最後に、プレW杯と位置付けられていたコンフェデレーションズカップが廃止。それに変わるとされていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けた結果、ユーロ、コパ・アメリカが1年延期。通常通りの開催となり、開催地は日本だったが、辞退したためにUAEで行われた。 一度は頓挫したが、改めて新たな案を出し、4年に1度、W杯の前年に開催することに決定。そのため、2025年の6月に開催されることとなった。 また、2025年は9月と10月の2試合ずつのインターナショナルマッチウィークを、9月から10月にかけた4試合に変更。11月、3月、6月はこれまで通り組まれている。 さらに、現在はUEFAネーションズリーグがスタートした影響もあり、異なる大陸の代表チームが対戦する機会が激減。そのため、偶数年の3月には「FIFAワールドシリーズ」として、フレンドリートーナメントを開催する方針を固めた。詳細は未定だが、様々なコンフェデレーションの国が集まって開催されることとなる。 なお、2030年のW杯開催国は来年初めに入札ルールが発表され、2024年には決定されるという。 もう1つの決定事項は、サッカーへの投資について。2023年から2026年までのサイクルで、97億ドル(約1兆3300億円)を割り当てるという。 2022.12.16 23:05 Fri
5

FIFA、2030年W杯の3カ国共催+南米3カ国1試合特別開催に、2034年W杯サウジ開催を承認

2030年FIFA男子ワールドカップ(W杯)のスペイン、ポルトガル、モロッコの3カ国共催、2034年男子W杯のサウジアラビア単独開催が正式に承認された。 国際サッカー連盟(FIFA)が11日、臨時総会を実施。ともに唯一の立候補となった2030年男子W杯、2034年男子W杯の開催地決定を承認した。 ジャンニ・インファンティーノ会長は「我々はサッカーをより多くの国に持ち込んでおり、チームの数が増えても質は低下していない。むしろ機会は高まった」、「総会の投票は明確だ」との言葉とともに開催地決定をアナウンスした。 また、2030年W杯に関しては当初の予定通り、スペイン、ポルトガル、モロッコの3カ国の共催に加え、1930年の第1回大会から100周年を記念して、ウルグアイ、パラグアイ、アルゼンチンの南米3カ国で、大会開幕戦としてそれぞれ1試合を開催することも決定。 インファンティーノ会長は「2030年に100周年を祝うには、3大陸6カ国で48チーム、104の壮大な試合を行うワールドカップを開催するより良い方法はないだろう。世界は立ち止まり、ワールドカップ100周年を祝うだろう。素晴らしい書類を提出したすべての入札者に祝意を表するが、私は6連盟の会長とそのチームに心から感謝の意を表したい」と、異例の形式で実施される2030年W杯について言及した。 一方、2034年W杯の唯一の立候補者で大会初開催が決定したサウジアラビアのオリンピック・パラリンピック委員会のアブドゥルアズィーズ・ビン・トゥルキ・ビン・ファイサル・アル・サウド王子は「これはサウジアラビアにとって歴史的な瞬間であり、サッカーを愛する3200万人の国民全員にとって夢の実現だ」と喜びを露わに。 さらに、サウジアラビアサッカー連盟(SAFF)のヤセル・アル・ミセハル会長も「サッカーは私たちの心の中に生きています。FIFAワールドカップを開催することは最高の栄誉であり、私たちは長い間このために取り組んできました。サッカーを世界的に成長させ、前向きな貢献をする責任と機会を歓迎します」と同じく悲願達成を喜んだ。 2024.12.12 05:30 Thu

U-20イスラエル代表の人気記事ランキング

1

ロシアがAFCへ? イスラエル転籍の歴史/六川亨の日本サッカーの歩み

去る2月1日、バーレーンのマナマで第33回AFC(アジアサッカー連盟)コングレス2023が開催され、JFA(日本サッカー協会)の田嶋幸三会長がアジア選出のFIFAカウンシル(理事会)メンバーに再選された。 任期は2027年までの4年間で、3選は元JFA会長の小倉純二氏の2選を抜いて最多。2016年にJFA会長に就任した田嶋氏は、来年で4期8年の任期を終え、その後は名誉会長に就任予定だが、FIFAカウンシルのメンバーとしての公式活動は今後4年間続くことになる。 アジア選出のFIFA理事選には定員5名に対し7名が立候補した。満票は45票で、過半数を取らないと理事として認められない。田嶋会長は39票を獲得して7人中2番目で当選した。他にはカタール、サウジアラビア、フィリピン、マレーシアの4人が理事に選出され、中国と韓国の2人は過半数に届かず落選した。 このAFCコングレスには、UEFA(欧州サッカー連盟)からAFCへの転籍が噂されるロシアサッカー協会の会長も出席したことを田嶋会長は明らかにした。その上で「まだ最終的な議論をするまでには至っていません。かつてイスラエルの例もあったが、同じにしていいとは思わない。スポーツと政治は分けて考えるべきだと思う」と私見を述べた。 そのイスラエル、現在はUEFAに所属しているが、かつてはAFCに属していた。 アジアのチームがW杯に出場したのは54年スイス大会の韓国が初めてだった(38年フランス大会のオランダ領東インド=現在のインドネシアは除く)。次が66年イングランド大会の北朝鮮で、グループリーグでイタリアを倒してベスト8に進出したのは長らくアジアの最高成績だった。 そして3番目にW杯に出場したのがイスラエルで、70年メキシコ大会ではイタリアと0-0、スウェーデンと1-1で引き分ける健闘を見せたがグループリーグで敗退した。 そのイスラエルと日本は73年の西ドイツW杯予選で初めて対戦。ソウルでの集中開催だったが、組分け予選で1-2と負けたものの南ベトナムに4-0で勝って準決勝に進出。しかしイスラエルとの再戦となった準決勝では延長戦の末0-1で敗れた。アジア予選を勝ち抜いたのは韓国だったが、オセアニアとの最終予選でオーストラリアに敗れてW杯出場はならなかった。 このイスラエル、本来なら中東のグループに所属するはずだった。しかし67年の第三次中東戦争でイスラエル軍がパレスチナ自治区を占領したことで起こったパレスチナ問題やその後の中東戦争などにより周辺のアラブ諸国との関係が悪化。アラブ諸国はもちろん北朝鮮や中国、イスラム教徒の多いインドネシアなどもイスラエルとの対戦を拒否したため、消去法から予選は東アジアと対戦することになった。 彼らは64年に自国開催のアジアカップで初優勝を飾ったが、72年のタイ大会から出場辞退を余儀なくされ、74年にはクウェートの主導による投票の結果、賛成17、反対13、棄権6によりAFCから除名され、地域連盟に未加盟の状態が続いた。 それでも76年3月のモントリオール五輪予選、77年3月のアルゼンチンW杯予選で日本はイスラエルと対戦。いずれも韓国との3か国によるホーム・アンド・アウェーの対戦だったが、日本はイスラエルの来日に際して安全を保証できないとの理由から、モントリオール五輪予選のホーム・ゲームはソウル(0-3、1-4)で、W杯アルゼンチン予選は2試合ともテルアビブ(0-2、0-2)で開催され、完敗を喫したのだった(通算対戦成績は7戦7敗)。 その後、“さまよえる"イスラエルは一時期UEFA(82年スペインW杯予選)やOFC(オセアニアサッカー連盟)の暫定メンバーとなり、86年メキシコW杯と90年イタリアW杯の予選はオセアニアで戦った。90年大会ではオセアニア代表としてコロンビアとのプレーオフに臨んだものの2試合合計0-1で敗れてオセアニア代表としてのW杯出場はかなわなかった。 そんなイスラエルが長年望んでいたのが、距離的にも近いUEFAに加盟することだった。ようやく92年にUEFAに受け入れられると、94年からは正式なメンバーとして昨年のカタールW杯まで8度の欧州予選に参加。EUROにも96年イングランド大会から参加しているものの、いずれも予選で敗退している。 果たしてウクライナ侵攻によりヨーロッパで孤立しているロシアのサッカーがアジアに転籍してくるのか。パリ五輪の参加資格も含めて注視したい。そして3月24日に国立競技場で開催されるキリンチャレンジカップ2023の対戦相手はウルグアイに決まったが、日本代表のレベルアップのためには日本がUEFAに転籍することも一考ではないだろうか。 2023.02.13 23:00 Mon
2

歴史は繰り返す~イスラエルの入国拒否でインドネシアの開催権を剥奪/六川亨の日本サッカー見聞録

「スポーツと政治は別物」と言われたが、それは幻想に過ぎないことをサッカーの歴史が証明している。さらに最近ではIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長が、ロシアとベラルーシの選手について、個人参加であればパリ五輪に出場できる可能性を示唆して欧州から猛反発を食らっている。 サッカーに関して言えば、2月14日のコラムでイスラエルの歴史を紹介した。中東勢の反発にあい、五輪やW杯の予選で東アジアやオセアニアに組み込まれたり、日本のホームゲームにもかかわらず警視庁が安全を保証できないとして、韓国で日本のホームゲームを開催したりした。 その後はヨーロッパのグループに入りW杯予選を戦っているが、一度も予選を突破したことはない。 ところが今回、U-19イスラエル代表がUEFA U-19欧州選手権の予選を突破して2度目となる本大会に出場すると、グループリーグを突破してベスト4に進出。この時点で5月20日からインドネシアで開催されるU-20W杯の出場権を初めて獲得した。さらに準決勝ではフランスを2-1と下し、決勝戦こそイングランドに1-3と敗れたものの初の準優勝を果たした(U-20W杯には他にイタリアとスロバキアの5か国が出場権を獲得)。 そして3月31日にはインドネシアで組分け抽選会が行われる予定だったが、突如延期される。そのニュースを聞いた時は嫌な予感がしたが、30日0時4分にFIFA(国際サッカー連盟)から届いたメールで嫌な予感は的中した。 すでに当サイトのニュースでも既報のように、FIFAはU-20W杯の開催権をインドネシアから剥奪した。 インドネシアはイスラム教徒の人口が世界一で、かねてからパレスチナを支持していたし、イスラエルとは国交も樹立されていない。このため同国ではイスラエルの参加禁止を求める抗議活動が活発化していた。「政治的な背景」に加え「宗教的対立」も絡んできたのである。過去にもインドネシアは1962年にジャカルタで開催したアジア大会(サッカー競技の優勝はインド、準優勝が韓国)で、イスラエル選手団の入国を拒否した例がある。 こうした混乱を収拾するためジャンニ・インファンティーノFIFA会長は、インドネシアサッカー連盟のエリック・トヒル会長と会談。現状を憂慮しつつ、騒動が拡大することを恐れてインドネシアでの開催権を剥奪する決断を下した。予選を突破した国を、政治的・宗教的な理由から閉め出すことはフェアプレー精神に反するだけに、当然の措置だろう。 FIFAは声明で「現在の状況により2023年のU-20W杯の開催国としてインドネシアを除外することを決定した。新しいホスト国はできる限り早く発表されるが、トーナメント日程は変更されていない」と発表した。 気になる代替地だが、大会招致に立候補していたのはカタールとアルゼンチンだった。しかしカタールは、インドネシアと同じ理由でイスラエルの入国を認めないだろう。同じアジアで開催できる国として、予選のホスト国を務めたウズベキスタンもあるが、こちらも国民の90パーセント以上がイスラム教徒のため開催は不可能だろう。宗教的に問題がないのは過去の例と同様、東アジアということになる。しかし日本を始め、韓国も中国もそんな余裕はない。 となると消去法から開催地はアルゼンチンということになるが、FIFAはインドネシアへの制裁を含めてどのような決断を下すのか。イスラエルに罪はないのだが、改めて“アジアの嫌われ者”を証明する形になってしまった。 2023.03.31 14:30 Fri

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly