途中から10人のアウェイ・新潟が逃げ切りに成功! 鈴木孝司の先制点を守りきり札幌を下す【明治安田J1第21節】
2023.07.15 15:18 Sat
15日、明治安田生命J1リーグ第21節の北海道コンサドーレ札幌vsアルビレックス新潟が札幌厚別公園競技場で行われ、アウェイの新潟が0-1で勝利を収めた。
対する14位・新潟は前節のヴィッセル神戸戦で黒星。さらに、12日に行われた天皇杯3回戦のカターレ富山戦は延長戦までもつれこんだ末、雷雨により試合が中止に。再開試合が19日に決まるなどタフな状況が続く。今節は谷口がメンバーから外れ、鈴木が最前線に入った。
雨が降りしきる中でキックオフ。新潟が最終ラインからビルドアップを試みるのに対し、構える札幌がタイミングを見計らってボールを奪いにいくという時間帯が続く。
その後も札幌は立て続けにチャンス。9分、右サイドから田中駿汰がクロスを入れると、ファーで待っていたルーカス・フェルナンデスが右足で合わせるが、味方のスパチョークに当たりゴールには至らなかった。
札幌はボールを握る時間も増え、新潟はなかなか攻撃の形を作ることができない。しかし、27分にカウンターから札幌ゴールへ向かう。ハーフウェイライン付近でボールを奪うと、そのまま高が持ち上がり、ボックス手前でトゥーキック気味のシュートを放ったが、ボールはゴール左に飛んだ。
こう着状態が続くも、43分には札幌が左から崩す。駒井が味方を使いながら左サイド深い位置まで侵入し、左足でクロス。スパチョークがニアで頭で合わせたが、惜しくも枠には飛ばせなかった。
後半に入ると、前半に少し状態が懸念された札幌のスパチョークと新潟の三戸がベンチに下がり、菅と太田がピッチに投入される。札幌はこれにより配置を変更。金子が右シャドー、ルーカス・フェルナンデスが右ウイングバックに移り、菅が左ウイングバックに入った。一方の新潟も左ウイングの小見がトップ下へとポジションを変え、太田が空いた左ウイングに入った。
この交代の影響か、前半と打って変わって両チームともに積極的にゴールに迫る。
すると53分、ついに試合の均衡が崩れる。新潟が右サイドを起点にパスワークで崩すと、藤原が右ポケットに侵入しグラウンダーのクロス。中央で待っていた鈴木がきっちりと押し込み、先制点をマークした。
リードを奪った新潟だったが、58分にアクシデント。札幌の駒井がボックス手前に走り込んだ金子にスルーパスを通すと、その金子を新井が後ろから倒してしまう。当初はイエローカードが提示されたものの、VARチェック後のオンフィールド・レビューの結果、DOGSOと判定。レッドカードに覆り、新井が一発退場となった。
10人となった新潟は先制点を決めた鈴木を下げ、田上を投入。新井が務めていた左サイドバックに田上、鈴木が務めていた1トップに小見が入る4-4-1へと形を変え、この状況に対応した。
試合は数的優位となった札幌ペースとなり、1点をリードする新潟が必死に守る時間が続く。69分には札幌がキム・ゴンヒと小林を投入して攻勢を強め、新潟は73分に島田を送り込んで試合を落ち着かせようとした。
76分、攻め立てる札幌は右CKから、ボックス右角付近でボールを受けた金子が左足で地を這うようなシュートを放ったが、左ポストに阻まれた。
同点ゴールが奪えない札幌は80分に福森を入れ、サイズのある岡村を前線に上げる。しかし、85分には新潟がセットプレーからチャンス。右サイドでFKを獲得すると、キッカーの島田が意外性のあるグラウンダーのボールを中央へ。走り込んだ小見がフリーで合わせようとしたが、あと一歩届かなかった。
8分という長いアディショナルタイムに突入してからも札幌は諦めずゴールを目指すが、1点が遠く、アウェイの新潟がそのまま逃げ切りに成功。ホームの札幌は改修前最後の厚別での試合を勝利で終えることができず、5試合未勝利という結果になった。
北海道コンサドーレ札幌 0-1 アルビレックス新潟
【新潟】
鈴木孝司(後8)
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10位・札幌はリーグ戦4試合未勝利という状況の中で臨んだ一戦。改修前最後の厚別での試合ということもあり、より一層勝利が欲しい試合となった。クロアチアの名門ディナモ・ザグレブ移籍が浮上している金子はいつものようにスタメン入り。12日の天皇杯3回戦ヴェルスパ大分戦で途中出場から2ゴールを決めた18歳FW出間がリーグ戦初のベンチ入りを果たした。雨が降りしきる中でキックオフ。新潟が最終ラインからビルドアップを試みるのに対し、構える札幌がタイミングを見計らってボールを奪いにいくという時間帯が続く。
先にゴールに迫ったのは札幌。8分、左サイドから崩すと、バイタルエリア左のこぼれ球に3バックの一角を務める中村桐耶が反応。思い切って右足を振っていったが、これはゴール左に外れた。
その後も札幌は立て続けにチャンス。9分、右サイドから田中駿汰がクロスを入れると、ファーで待っていたルーカス・フェルナンデスが右足で合わせるが、味方のスパチョークに当たりゴールには至らなかった。
札幌はボールを握る時間も増え、新潟はなかなか攻撃の形を作ることができない。しかし、27分にカウンターから札幌ゴールへ向かう。ハーフウェイライン付近でボールを奪うと、そのまま高が持ち上がり、ボックス手前でトゥーキック気味のシュートを放ったが、ボールはゴール左に飛んだ。
こう着状態が続くも、43分には札幌が左から崩す。駒井が味方を使いながら左サイド深い位置まで侵入し、左足でクロス。スパチョークがニアで頭で合わせたが、惜しくも枠には飛ばせなかった。
後半に入ると、前半に少し状態が懸念された札幌のスパチョークと新潟の三戸がベンチに下がり、菅と太田がピッチに投入される。札幌はこれにより配置を変更。金子が右シャドー、ルーカス・フェルナンデスが右ウイングバックに移り、菅が左ウイングバックに入った。一方の新潟も左ウイングの小見がトップ下へとポジションを変え、太田が空いた左ウイングに入った。
この交代の影響か、前半と打って変わって両チームともに積極的にゴールに迫る。
すると53分、ついに試合の均衡が崩れる。新潟が右サイドを起点にパスワークで崩すと、藤原が右ポケットに侵入しグラウンダーのクロス。中央で待っていた鈴木がきっちりと押し込み、先制点をマークした。
リードを奪った新潟だったが、58分にアクシデント。札幌の駒井がボックス手前に走り込んだ金子にスルーパスを通すと、その金子を新井が後ろから倒してしまう。当初はイエローカードが提示されたものの、VARチェック後のオンフィールド・レビューの結果、DOGSOと判定。レッドカードに覆り、新井が一発退場となった。
10人となった新潟は先制点を決めた鈴木を下げ、田上を投入。新井が務めていた左サイドバックに田上、鈴木が務めていた1トップに小見が入る4-4-1へと形を変え、この状況に対応した。
試合は数的優位となった札幌ペースとなり、1点をリードする新潟が必死に守る時間が続く。69分には札幌がキム・ゴンヒと小林を投入して攻勢を強め、新潟は73分に島田を送り込んで試合を落ち着かせようとした。
76分、攻め立てる札幌は右CKから、ボックス右角付近でボールを受けた金子が左足で地を這うようなシュートを放ったが、左ポストに阻まれた。
同点ゴールが奪えない札幌は80分に福森を入れ、サイズのある岡村を前線に上げる。しかし、85分には新潟がセットプレーからチャンス。右サイドでFKを獲得すると、キッカーの島田が意外性のあるグラウンダーのボールを中央へ。走り込んだ小見がフリーで合わせようとしたが、あと一歩届かなかった。
8分という長いアディショナルタイムに突入してからも札幌は諦めずゴールを目指すが、1点が遠く、アウェイの新潟がそのまま逃げ切りに成功。ホームの札幌は改修前最後の厚別での試合を勝利で終えることができず、5試合未勝利という結果になった。
北海道コンサドーレ札幌 0-1 アルビレックス新潟
【新潟】
鈴木孝司(後8)
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9日、明治安田J1リーグ第36節の8試合が行われた。 首位のヴィッセル神戸、2位のサンフレッチェ広島は10日に試合が控える中、3位のFC町田ゼルビアは今まで勝ったことがない国立競技場でFC東京との“新東京ダービー”を戦い、3-0で快勝。国立で初めて勝利したとともに、逆転優勝への望みを繋いだ。 熾烈な優勝争いとは真逆の残留争いも今シーズンは白熱。残留ラインの17位・柏レイソルと16位・アルビレックス新潟の直接対決は柏が勝利目前でまたしても失点。新潟はルヴァンカップ決勝同様に粘りを見せ、1-1のドローに終わった。 そんな中、降格圏の18位に位置するジュビロ磐田(勝ち点35)と5位のガンバ大阪(勝ち点60)の対戦は激闘に。試合は23分に磐田が渡邉りょうのゴールデ先制するも27分に半田陸のゴールでG大阪が同点に。前半アディショナルタイム9分には山下諒也がゴールを決めて逆転に成功する。 さらに62分には宇佐美貴史がネットを揺らして追加点。しかし、残留するためには負けられない磐田は87分に上原力也、そして91分に鈴木海音がゴールを奪い、土壇場で同点に追いつく。 残留に向けて貴重な勝ち点1を手にできるかと思われたが、G大阪は93分にパスを繋いで崩すと最後は坂本一彩が落ち着いて決めて勝ち越しに成功。G大阪が粘りを見せて勝利を収めた。 これにより、降格圏の18位・磐田は勝ち点35のまま。消化が1試合少ないものの、3試合で最大勝ち点「9」しか積み上げられないため、「44」までに。これにより、残留が確定していなかった多くのチームの残留が確定した。 磐田の敗戦により、勝ち点47の9位・名古屋グランパス、10位・アビスパ福岡、勝ち点46に伸ばした11位・横浜F・マリノス、勝ち点45の12位・川崎フロンターレ、13位・湘南ベルマーレ、14位・京都サンガF.C.までが残留決定となった。 15位の浦和レッズは10日に広島と対戦し、勝利すれば残留が確定する。 <h3>◆明治安田J1リーグ順位表(11/9時点)</h3> 1位:ヴィッセル神戸|勝ち点67/35試合/20 2位:サンフレッチェ広島|勝ち点65/35試合/30 ーーーーーACLE出場 3位:FC町田ゼルビア|勝ち点63/36試合/19 4位:ガンバ大阪|勝ち点60/36試合/10 5位:鹿島アントラーズ|勝ち点58/35試合/13 6位:東京ヴェルディ|勝ち点54/35試合/1 7位:セレッソ大阪|勝ち点52/36試合/-1 8位:FC東京|勝ち点51/36試合/5 9位:名古屋グランパス|勝ち点47/36試合/-2 10位:アビスパ福岡|勝ち点47/36試合/-4 11位:横浜F・マリノス|勝ち点46/35試合/-2 12位:川崎フロンターレ|勝ち点45/35試合/8 13位:湘南ベルマーレ|勝ち点45/36試合/-3 14位:京都サンガF.C.|勝ち点45/35試合/-12 ーーーーー残留決定 15位:浦和レッズ|勝ち点43/34試合/2 16位:アルビレックス新潟|勝ち点41/36試合/-14 17位:柏レイソル|勝ち点40/36試合/-10 ーーーーー残留ライン 18位:ジュビロ磐田|勝ち点35/35試合/-15 19位:北海道コンサドーレ札幌|勝ち点34/36試合/-20 20位:サガン鳥栖|勝ち点29/36試合/-26 ※降格決定 2024.11.09 17:59 Sat2
【Jリーグ出場停止情報】首位窺う鹿島のエースFW鈴木優磨らが出場停止
Jリーグは27日、出場停止選手を発表した。 J1では3名が出場停止に。最下位に苦しむ北海道コンサドーレ札幌のDF岡村大八、首位を窺う鹿島アントラーズのFW鈴木優磨、名古屋グランパスのMF内田宅哉が出場停止となる。 また、J2では7名が出場停止に。大分トリニータは、DF安藤智哉、FW長沢駿、MF保田堅心と3名が出場停止となる。 なお、J3はいわてグルージャ盛岡のDF深川大輔、ガイナーレ鳥取のFW富樫佑太が出場停止となる。 【明治安田J1リーグ】 DF岡村大八(北海道コンサドーレ札幌) 第21節 vs湘南ベルマーレ(6/29) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 FW鈴木優磨(鹿島アントラーズ) 第21節 vs湘南ベルマーレ(6/30) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF内田宅哉(名古屋グランパス) 第21節 vs湘南ベルマーレ(6/30) 今回の停止:1試合停止 【明治安田J2リーグ】 MF南秀仁(モンテディオ山形) 第22節 vsブラウブリッツ秋田(6/30) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DFラファエル(栃木SC) 第22節 vsベガルタ仙台(6/29) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DF飯田貴敬(ヴァンフォーレ甲府) 第22節 vs大分トリニータ(6/29) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DFウエンデル(藤枝MYFC) 第22節 vsザスパ群馬(6/29) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DF安藤智哉(大分トリニータ) 第22節 vsヴァンフォーレ甲府(6/29) 今回の停止:1試合停止 FW長沢駿(大分トリニータ) 第22節 vsヴァンフォーレ甲府(6/29) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF保田堅心(大分トリニータ) 第22節 vsヴァンフォーレ甲府(6/29) 今回の停止:1試合停止 【明治安田J3リーグ】 DF深川大輔(いわてグルージャ盛岡) 第19節 vs大宮アルディージャ(6/29) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 FW富樫佑太(ガイナーレ鳥取) 第19節 vs奈良クラブ(6/29) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 2024.06.27 20:40 Thu3
【Jリーグ出場停止情報】ルヴァン杯で一発退場の2選手に処分…町田FW藤尾翔太は2試合停止に
Jリーグは5日、YBCルヴァンカップおよび明治安田Jリーグ全カテゴリーの出場停止選手情報を更新した。 4日に行われたYBCルヴァンカップのプライムラウンド準々決勝第1戦を受け、北海道コンサドーレ札幌MF荒野拓馬とFC町田ゼルビアFW藤尾翔太の2選手に出場停止処分が科された。 横浜F・マリノス戦で一発退場の荒野は「相手チームの決定的得点機会の阻止」によって1試合の停止となった。 一方、アルビレックス新潟戦で一発退場の藤尾は相手競技者の両足に対し、足裏を見せながら両足で過剰な力でタックルした行為が、「著しい反則行為」に該当すると判断され、2試合の出場停止処分と罰金(20万円)が科された。 なお、1試合は9月8日の準々決勝第2戦で消化されるが、2試合目に関しては町田の準決勝進出か、準々決勝敗退かの結果次第で対象試合が変更となる。 【YBCルヴァンカップ】 MF荒野拓馬(北海道コンサドーレ札幌) 準々決勝第2戦 vs横浜F・マリノス(9/8) 今回の停止:1試合停止 FW藤尾翔太(FC町田ゼルビア) 準々決勝第2戦 vsアルビレックス新潟(9/8) 今回の停止:2試合停止(1/2) ※ルヴァンカップ準決勝進出の場合 準決勝第1戦 vsアルビレックス新潟(10/9) 今回の停止:2試合停止(2/2) ※ルヴァンカップ準々決勝敗退の場合 Jリーグ第30節 vsアビスパ福岡(9/14) 今回の停止:2試合停止(2/2) 【明治安田J1リーグ】 MF福田翔生(湘南ベルマーレ) 第30節 vsアルビレックス新潟(9/14) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 【明治安田J2リーグ】 MF藤山智史(ブラウブリッツ秋田) 第30節 vsファジアーノ岡山(9/8) 今回の停止:1試合停止 MF佐藤謙介(レノファ山口FC) 第30節 vs徳島ヴォルティス(9/7) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DFヘナン(レノファ山口FC) 第30節 vs徳島ヴォルティス(9/7) 今回の停止:2試合停止(2/2) DFカイケ(徳島ヴォルティス) 第30節 vsレノファ山口FC(9/7) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF野嶽惇也(大分トリニータ) 第30節 vsモンテディオ山形(9/7) 今回の停止:2試合停止(2/2) DFペレイラ(大分トリニータ) 第30節 vsモンテディオ山形(9/7) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 【明治安田J3リーグ】 MF若林龍(SC相模原) 第27節 vsテゲバジャーロ宮崎(9/7) 今回の停止:1試合停止 MF安永玲央(松本山雅FC) 第27節 vs大宮アルディージャ(9/7) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF中島賢星(奈良クラブ) 第27節 vsカターレ富山(9/8) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DF大城蛍(ガイナーレ鳥取) 第27節 vsアスルクラロ沼津(9/7) 今回の停止:1試合停止 2024.09.05 22:33 Thu4
札幌を率いて7年目、苦境を率いるペトロヴィッチ監督は「我々が去ってもクラブはそこにある」…育てた選手が続々引き抜かれる苦しみも口に「十分引き留めていける資金力があれば…」
北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督が、苦しいシーズンへの想いを口にした。 2日、明治安田J1リーグ第17節で札幌は東京Vとアウェイで対戦。苦しいシーズンとなっている中、ペトロヴィッチ監督の続投も発表された中での一戦となった。 しかし試合は立ち上がりから打ち合いに。10分に東京Vは木村勇大のゴールで先制すると20分に札幌は荒野拓馬がゴールを奪い同点に。それでも東京Vは32分に染野唯月、43分には見木友哉とゴールを重ねて勝ち越しに成功。札幌は後半早々に近藤友喜が1点を返すが、失点を重ね、5-3で敗戦となった。 これで3連敗、そして最下位に転落となった札幌。5月29日にはクラブからペトロヴィッチ監督の続投が発表された中、初戦でまたしても敗れてしまった。 試合後、どう受け止めたのかという質問を受けたペトロヴィッチ監督は、クラブが何よりも大事だと言及した。 「私は66歳、49年間この世界で生きている。こういう状況の中で大事なことは、私がどう思うとか、どう感じるということではない。常に大事なのはクラブ。監督も選手もスタッフも、いずれはクラブを去っていく。我々が去ってもクラブはそこにある。クラブという存在は、働く我々にとって常に大事だ」 「私自身も今年は日本で19シーズン。広島で6シーズン、浦和で6シーズン、そして札幌に関しては7シーズン目に入っている。グラーツ時代も5シーズン、選手として8シーズンやったが、私自身は比較的長く1つのクラブで仕事をする傾向がある」 「常に心がけていることは、1つのクラブで仕事をするときに、与えられる環境でクラブがいかに良い方向に進むか、成長していけるか。それを考えて常に仕事をしている。クラブの決定、クラブがどう判断するのか。我々監督はそれを常に尊重し、受け入れていくことが監督だ。ベストを尽くしていくということが我々の仕事だ」 「そういう中で、ミシャ・ペトロヴィッチが何を思うか。常にクラブを大切にし、クラブの決定に従う人間だ。私は今の状況の中で我々は必ず這い上がれると信じている。全てを我々がやっていることは札幌のためだ」 「結果が伴わない試合が続いているが、希望は失っていない。クラブがどう判断するかということは、常に尊重している」 クラブの決断が出るまでは諦めずにチームを導いていくと語ったペトロヴィッチ監督。会見が終わろうとした中、ある記者からの質問が紛糾。「今シーズンで契約が満了を迎えることになると思う。クラブに残したいものは何か」と問われると、これまで率いていきた中での出来事を回想した。 ペトロヴィッチ監督は、チームにスタイルを植え付けただけでなく、大卒選手やまだ大きく羽ばたいていない選手たちを成長させ、チームを強化。しかし、ほとんどの選手がチームを去っていく状況となり、チーム力が上がっては、移籍で下降するということが続いていると言及した。 「札幌ではプロフェッショナルな仕事をしてきた。札幌に来た当初、最初のシーズンは年齢の高い選手が多かった。若い選手を育てながら、1年1年チームを作りながら、日本のJ1の中でも一目置かれる存在のチームになり、札幌がどういうスタイルのチームになのかを観ている人たちもわかるようなチームに6年かけてやってきた」 「大卒で入ってきた選手たちも6シーズンの中にも多かったし、彼らが1年1年成長する中でチームも強くなっていった」 「残念ながらその選手たちは、我々はなかなか資金力がなく、買われている現状で、積み上げていくことができない状況が毎年続いていた。我々がその選手たちを十分引き留めていける資金力があれば、今シーズンも十分にタイトルを狙える存在だったと思う」 「鈴木武蔵は長崎から札幌に移籍してきて、非常に成長した中でJ1で成績を残した。夏の移籍でベルギーに行くまで、確か14ゴールを決めて得点ランキングのトップに立っていた」 「そしてアンデルソン・ロペスも広島ではなかなかレギュラーになりきれず、ソウルでもなかなかレギュラーになれず、我々札幌に来てチームの中で成長し、活躍していってくれた選手だ。ハーフシーズンで得点ランキングではトップだった中で、中国へと移籍した」 「シーズンでこの2人がいれば25〜30点を取れる計算ができたが、そういった選手が抜けてしまえば、ビッグクラブであっても代わりを見つけるのは難しい」 「進藤亮佑もユースから上がってきて、1年1年プロとして成長した中でセレッソに移籍してしまった。高嶺朋樹は、大卒でうちに入ってきて、1年1年活躍する中で柏に移籍した。田中駿汰も大卒で来て、1年1年成長する中で活躍してくれてセレッソへ移籍した」 「金子拓郎も大卒で来て、1年1年成長して活躍し、今はディナモ・ザグレブの選手だ。小柏剛も大卒で入って来て、活躍した中で今はFC東京に所属している。ルーカス・フェルナンデスは日本では凄いブラジル人選手としてきたわけではないが、札幌で活躍して今はセレッソでプレーしている」 「そういった今名前を挙げた8人の選手がみんな残り、今いる選手たちと共に戦えていれば、我々は十分にタイトルを狙えるチームだろう」 「忘れていた。チャナティップという選手もいた。推定5億円という移籍金で移籍していったが、チームにいたら十分力になってくれた選手だ」 錚々たるメンバーがペトロヴィッチ監督の下で成長し、札幌から羽ばたいていっている。そうした苦悩もありながらも、それでもなお札幌はJ1に残留しなければいけないチームだと語った。 「なかなかそういった選手たちを維持することが難しい中で、1年1年戦う中でどこかでエラーが出る年が出てしまう。今は苦しいが、札幌は残留できると思っているし、私と共にあろうが、私と共になかろうが、札幌は残留しなければいけない」 札幌が苦しい状況にあるのは事実。選手たちも苦しみを味わって戦っていることも感じられる。苦しい状況をどう打開していくのか。後半戦の巻き返しに注目したい。 2024.06.02 21:08 Sun5