両エース不在の中でロドリゴがドブレーテ! マドリーがEL決勝控えるセビージャとのアウェイ戦で逆転勝利《ラ・リーガ》
2023.05.28 04:04 Sun
ラ・リーガ第37節、セビージャvsレアル・マドリーが27日にサンチェス・ピスフアンで行われ、アウェイのマドリーが1-2で逆転勝利した。
セビージャが来週ミッドウィークにローマとのヨーロッパリーグ(EL)決勝を控える関係で、前倒し開催となった名門対決。
10位のセビージャは、前節のエルチェ戦でのドローによって逆転でのヨーロッパコンペティション出場が絶望的に。そのため、ホーム最終戦となる今節は一部主力を温存し、EL決勝に向けて万全の準備を整える形となった。
一方、前節ラージョに2-1と競り勝って公式戦連敗をストップし、2位に返り咲いたマドリー。今節はラージョ戦で右足に裂傷を負ったベンゼマと打撲による軽傷を抱えるヴィニシウスの両エース、同じく負傷でアセンシオが招集外となった中、前節から先発5人を変更。注目の前線は右からバルベルデ、ロドリゴ、セバージョスという急造トリデンテとなった。
メンバーは入れ替えながらもホーム最終戦で気迫籠るセビージャがいきなり試合を動かす。開始3分、左サイド深くに抜け出したアクーニャが高速クロスを供給すると、DFにブロックされたこぼれをブライアン・ヒルがすかさずシュート。これもブロックに阻まれたが、再びこぼれに反応したラファ・ミルがゴール左上隅に見事な左足のシュートを突き刺した。
一方、序盤の守勢を凌いだマドリーは14分、セバージョスの斜めのスルーパスに抜け出したルーカス・バスケスがボックス付近に持ち込んで正確なグラウンダークロスを供給。これにファーで反応したロドリゴがワンタッチシュートを狙うが、相手DFの寄せもあって枠の左に外す。
序盤の攻防を経てマドリーは完全にボールの主導権を掌握。左右のウイングも中盤が本職の選手ということもあり、密集地帯でも難なくボールが回るが、アタッキングサードではアクションが少なくフィニッシュの数が増えていかない。
それでも、29分にボックス手前の好位置でチュアメニがFKを獲得すると、ここでキッカーのロドリゴが5枚の壁と2枚の壁の間へ低い弾道の鋭いシュートを放つと、駆け引きに敗れて完全に逆を突かれたGKボノは全く反応できず。ゴール右下隅へ決まった。
ロドリゴの2試合連続ゴールで振り出しに戻ったが、ホームチームは主導権までは渡さない。ここから序盤のように攻勢を強めていくと、36分にはパプ・ゴメス、モンティエルと繋いで最後はボックス右でボールを受けたラメラが左足のシュートを放つが、これは惜しくも右ポストを叩いた。前半終盤にかけてもより押し込む形を作り出すが、マドリーの粘りの守備をこじ開けるまでには至らず。
セビージャペースも1-1のイーブンで折り返した試合。後半も前半同様の展開が続いていく。
そういった中、マドリーは負傷したバルベルデに代えてカマヴィンガ、67分にはメンディを下げて切り札のアルバロ・ロドリゲスを続けてピッチに投入。対するセビージャはEL決勝を睨みラキティッチとブライアン・ヒルを下げて、スソとジョルダンを投入した。
すると、一連の交代で試合の流れが変わったか、後半半ば過ぎにスコアが動く。69分、セビージャのFKを撥ね返した流れからマドリーのロングカウンターが発動。自陣ボックス手前でルーズボールを拾ったロドリゴがモドリッチに預けて中央のスペースを駆け上がると、クロースを経由したパスがブラジル代表FWに繋がる。そして、相手ボックス内で対峙したDFモンティエルを鮮やかな仕掛けで完璧に外すと、ゴール右隅へ絶妙なコントロールシュートを流し込み、ドブレーテを達成した。
この試合初めて追う展開となったセビージャは、直後にラメラとパプ・ゴメスを下げてテカティートとオリベル・トーレスを同時投入。2列目に特長が異なるフレッシュなアタッカーを投入し、同点を目指す。
一方のマドリーは殊勲のロドリゴに代えてナチョ、ルーカス・バスケスに代えてリュディガーを投入。2-1での逃げ切り態勢に入ると、83分にはセバージョスに対するアクーニャの危険なアフターチャージに対してレッドカードが掲示され、リードに加えて数的優位まで手にした。
その後、試合は荒れ模様の様相を呈したが、ヒートアップするホームチームを尻目に冷静に時計を進めたマドリーがこのまま試合をクローズ。両エース不在の中、ロドリゴのドブレーテで勝ち切ったマドリーが2連勝で2位を死守した。
一方、ホーム最終戦を逆転負けで終えたセビージャは週明けに7度目のEL優勝を懸けてローマと対戦する。
セビージャが来週ミッドウィークにローマとのヨーロッパリーグ(EL)決勝を控える関係で、前倒し開催となった名門対決。
10位のセビージャは、前節のエルチェ戦でのドローによって逆転でのヨーロッパコンペティション出場が絶望的に。そのため、ホーム最終戦となる今節は一部主力を温存し、EL決勝に向けて万全の準備を整える形となった。
メンバーは入れ替えながらもホーム最終戦で気迫籠るセビージャがいきなり試合を動かす。開始3分、左サイド深くに抜け出したアクーニャが高速クロスを供給すると、DFにブロックされたこぼれをブライアン・ヒルがすかさずシュート。これもブロックに阻まれたが、再びこぼれに反応したラファ・ミルがゴール左上隅に見事な左足のシュートを突き刺した。
幸先よく先制に成功したセビージャは、以降もラメラやラファ・ミルを起点に相手の背後を狙った攻撃でチャンスを窺う。
一方、序盤の守勢を凌いだマドリーは14分、セバージョスの斜めのスルーパスに抜け出したルーカス・バスケスがボックス付近に持ち込んで正確なグラウンダークロスを供給。これにファーで反応したロドリゴがワンタッチシュートを狙うが、相手DFの寄せもあって枠の左に外す。
序盤の攻防を経てマドリーは完全にボールの主導権を掌握。左右のウイングも中盤が本職の選手ということもあり、密集地帯でも難なくボールが回るが、アタッキングサードではアクションが少なくフィニッシュの数が増えていかない。
それでも、29分にボックス手前の好位置でチュアメニがFKを獲得すると、ここでキッカーのロドリゴが5枚の壁と2枚の壁の間へ低い弾道の鋭いシュートを放つと、駆け引きに敗れて完全に逆を突かれたGKボノは全く反応できず。ゴール右下隅へ決まった。
ロドリゴの2試合連続ゴールで振り出しに戻ったが、ホームチームは主導権までは渡さない。ここから序盤のように攻勢を強めていくと、36分にはパプ・ゴメス、モンティエルと繋いで最後はボックス右でボールを受けたラメラが左足のシュートを放つが、これは惜しくも右ポストを叩いた。前半終盤にかけてもより押し込む形を作り出すが、マドリーの粘りの守備をこじ開けるまでには至らず。
セビージャペースも1-1のイーブンで折り返した試合。後半も前半同様の展開が続いていく。
そういった中、マドリーは負傷したバルベルデに代えてカマヴィンガ、67分にはメンディを下げて切り札のアルバロ・ロドリゲスを続けてピッチに投入。対するセビージャはEL決勝を睨みラキティッチとブライアン・ヒルを下げて、スソとジョルダンを投入した。
すると、一連の交代で試合の流れが変わったか、後半半ば過ぎにスコアが動く。69分、セビージャのFKを撥ね返した流れからマドリーのロングカウンターが発動。自陣ボックス手前でルーズボールを拾ったロドリゴがモドリッチに預けて中央のスペースを駆け上がると、クロースを経由したパスがブラジル代表FWに繋がる。そして、相手ボックス内で対峙したDFモンティエルを鮮やかな仕掛けで完璧に外すと、ゴール右隅へ絶妙なコントロールシュートを流し込み、ドブレーテを達成した。
この試合初めて追う展開となったセビージャは、直後にラメラとパプ・ゴメスを下げてテカティートとオリベル・トーレスを同時投入。2列目に特長が異なるフレッシュなアタッカーを投入し、同点を目指す。
一方のマドリーは殊勲のロドリゴに代えてナチョ、ルーカス・バスケスに代えてリュディガーを投入。2-1での逃げ切り態勢に入ると、83分にはセバージョスに対するアクーニャの危険なアフターチャージに対してレッドカードが掲示され、リードに加えて数的優位まで手にした。
その後、試合は荒れ模様の様相を呈したが、ヒートアップするホームチームを尻目に冷静に時計を進めたマドリーがこのまま試合をクローズ。両エース不在の中、ロドリゴのドブレーテで勝ち切ったマドリーが2連勝で2位を死守した。
一方、ホーム最終戦を逆転負けで終えたセビージャは週明けに7度目のEL優勝を懸けてローマと対戦する。
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