【ECL準決勝プレビュー】菅原AZは今大会無敗ハマーズに逆転突破狙う! 決勝懸けた運命の第2戦

2023.05.18 12:30 Thu
Getty Images
ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)準決勝の2ndレグが18日に開催される。ファイナル進出を懸けた第2戦の展望を紹介していく。

◆ECL準決勝2ndレグ

▽5/18(木)
《28:00》
AZ vs(AGG:1-2) ウェストハム
バーゼル vs(AGG:2-1) フィオレンティーナ
◆菅原が逆転での決勝進出目指す
Getty Images

★予想スタメン
◆AZ◆
【4-2-3-1】
GK:ライアン
DF:菅原由勢、ベウケマ、ハツィディアコス、ケルケス
MF:クラジー、ラインデルス
MF:オドゴール、マイナンス、ファン・ブレデローデ
FW:パヴリディス

◆ウェストハム◆
【4-2-3-1】
GK:アレオラ
DF:ケーラー、ズマ、オグボンナ、クレスウェル
MF:ソウチェク、ライス
MF:ボーウェン、パケタ、ベンラーマ
FW:イングス
DF菅原由勢を擁するAZは、今季ECLで無敗を継続する優勝候補相手に初黒星を与えての逆転突破を目指す。

先週にロンドン・スタジアムで行われた1stレグは、ホームのウェストハムが2-1の逆転勝利で先勝した。立ち上がりから一進一退の攻防を見せた中、アウェイのAZが前半終盤にMFラインデルスの強烈なミドルシュートで先制に成功した。しかし、後半に入って徐々に盛り返したウェストハムはMFベンラーマのPKで同点に追いつくと、76分にはセットプレーの二次攻撃からFWアントニオの泥臭いゴールで逆転に成功。このままリードを守り切ったモイーズのチームが先勝した。

試合を通しては善戦を見せたものの、ロンドン・スタジアムの独特な空気や世界屈指のリーグでプレーする格上の個の力に屈したAZ。それでも、先週末のエールディビジでは格下エメン相手に前半だけで5ゴールを奪う、圧巻のパフォーマンスで5-1の完勝。菅原を含めて多くの主力を早いタイミングでベンチに下げ、コンディション調整を含めてホームでの逆転突破に弾みを付ける大勝となった。また、今回の試合では左サイドバックの主力である逸材DFケルケスがサスペンション明けで復帰となり、右の菅原と共にサイドアタックに厚みを加えてくれるはずだ。

一方、準決勝でも今大会で披露する勝負強さを見事に発揮し、初戦を逆転勝利で飾ったウェストハム。ただ、PKにセットプレー流れのゴールとややツキに恵まれた印象もあり、敵地での2ndレグに向けて全く油断できない状況だ。

それでも、プレミアリーグですでに残留を決めているアドバンテージによって直近のブレントフォード戦では大幅なターンオーバーを敢行。0-2で敗戦を喫したが、主力温存によって大一番へしっかりとコンディションを整えてきた。なお、初戦で決勝点を挙げた主砲アントニオとDFツォウファルは遠征メンバー入りしたものの軽傷を抱えており、起用の可否は微妙なところだ。もちろん、代役を担うFWイングスは実力派のストライカーだが、カウンターの起点やイーブンボールを五分以上で競り勝てるフィジカルモンスターが不在となれば、より難しい試合になるかもしれない。

◆スイス勢初のファイナルか、ヴィオラの逆転か
Getty Images

★予想スタメン
◆バーゼル◆
【3-5-2】
GK:ヒッツ
DF:ラング、ヌフ、ペルマール
MF:エンドイエ、ディウフ、ブルヘル、ジャカ、ミラー
FW:アムドゥニ、オギュスタン

◆フィオレンティーナ◆
【4-2-3-1】
GK:テラッチアーノ
DF:ドゥドゥ、クアルタ、ミレンコビッチ、ビラギ
MF:アムラバト、マンドラゴラ
MF:ニコラス・ゴンサレス、ボナヴェントゥーラ、イコネ
FW:カブラウ

バーゼルとフィオレンティーナの対決は、下馬評を覆してスイスの名門が初戦で大きなアドバンテージを手にした。

先週にスタディオ・アルテミオ・フランキで行われた1stレグは、バーゼルの元エースストライカーであるFWカブラウの古巣初対戦に注目が集まった中、その主役が前半に恩返しゴールとなる先制点を奪取。以降もホームのフィオレンティーナが優勢に試合を運んだものの、なかなか追加点を奪い切れず。

すると、前半から幾度か鋭いカウンターを仕掛けていたバーゼルは、GKのロングフィードからパス2本で局面を変えてMFディウフのファインフィニッシュで同点に追いつく。さらに、試合終了間際には前がかったヴィオラの隙を突き、セットプレーの二次攻撃からFWアムドゥニの値千金の逆転ゴールでアウェイチームが2-1の逆転勝利を収めた。

望外のアドバンテージを手にしてザンクト・ヤコブ・パルクでの2ndレグを迎えることになったバーゼルは、スイスのチーム史上初となるUEFAコンペティション決勝進出への機運高まり、チケットがソールドアウト。直近のリーグ戦ではザンクト・ガレンに屈辱の1-6の大敗を喫したが、同試合では1stレグから先発9人を入れ替えており、この大一番へ周到な準備を整えている。初戦で手の内を晒していることもあり格上相手に苦戦必至だが、引き続き粘り強い戦いを見せられれば、悲願達成の可能性は十二分にある。

一方、ホームでショックが残る敗戦となったフィオレンティーナだが、直近のウディネーゼ戦では大幅なターンオーバーを敢行した中で2-0の快勝。公式戦4試合ぶりの勝利によってバウンスバックに成功した。多士済々なアタッカー陣に制空権を握れるセットプレーを含め、敵地でもゴールを奪える可能性は非常に高いが、初戦で手を焼いたカウンター対応など問題点をしっかりと修正したい。

AZの関連記事

AZは15日、CDグアダラハラのU-23メキシコ代表DFマテオ・チャベス(21)が今夏に加入することを発表した。契約期間は2030年6月30日までとなる。 グアダラハラの下部組織で育ったチャベスは、2022年夏にリザーブチームのタパティオに昇格を果たすと、2024年1月にトップチームデビュー。左サイドを主戦場にこ 2025.05.16 09:50 Fri
オランダのKNVBベーカー決勝のAZアルクマールvsゴー・アヘッド・イーグルスが21日に行われ、1-1で120分の戦いが終了。その後、PK戦を2-4で制したイーグルスが初優勝を果たした。 今大会は今シーズンのエールディビジで首位から3位までを独占するアヤックス、PSV、フェイエノールトの3強が揃って敗退する波乱が 2025.04.22 06:30 Tue
ヨーロッパリーグ(EL)のラウンド16・2ndレグが13日に行われた。 リーグフェーズを1位~8位で終えたストレートイン8チームと、プレーオフを制した8チームがホーム&アウェイ形式で準々決勝進出を争うラウンド16。 今ラウンド屈指の好カードとなったアスレティック・ビルバオvsローマは、ホームのアスレティック 2025.03.14 07:56 Fri
ヨーロッパリーグ(EL)のラウンド16・2ndレグ、トッテナム・ホットスパーvsAZが13日にトッテナム・ホットスパースタジアムで行われ、ホームのスパーズが3-1で勝利。この結果、2戦合計3-2としたスパーズの準々決勝進出が決まった。なお、AZのDF毎熊晟矢は80分までプレーした。 敵地で行われた1stレグを枠内 2025.03.14 07:01 Fri

UEFAカンファレンスリーグの関連記事

ユールゴーデンのDF小杉啓太が日本代表への思いを語った。スウェーデン『Fotbollskanalen』が伝えた。 湘南ベルマーレの下部組織から2024年3月にユールゴーデンに加入した小杉。挑戦から1年が経過した中で、公式戦38試合で5ゴール2アシストを記録している。 アルスヴェンスカン(スウェーデン1部)で 2025.05.09 21:20 Fri
フィオレンティーナのラッファエレ・パッラディーノ監督が、レアル・ベティス戦を振り返った。 8日、UEFAカンファレンスリーグ(ECL)の準決勝2ndレグでフィオレンティーナはベティスと対戦。1stレグを2-1で敗れていたフィオレンティーナは、アントニーのゴールで失点し苦しい状況に。それでもロビン・ゴセンスの2ゴー 2025.05.09 16:55 Fri
チェルシーのエンツォ・マレスカ監督が8日に行われ、1-0で勝利したUEFAカンファレンスリーグ(ECL)の準決勝2ndレグのユールゴーデン戦を振り返った。 アウェイでの1stレグで4-1と快勝したチェルシーは、この試合も立ち上がりから主導権を握ると38分にジョージの縦パスに反応したデューズバリー=ホールがボックス 2025.05.09 13:35 Fri
レアル・ベティスのブラジル代表FWアントニーがUEFAカンファレンスリーグ(ECL)決勝進出を喜んだ。スペイン『マルカ』が伝えた。 8日、ECL準決勝2ndレグが行われ、ベティスはフィオレンティーナとアウェイで対戦した。 1stレグはホームで2-1と勝利していたベティス。試合は30分にアントニーが直接FKを 2025.05.09 10:45 Fri
UEFAカンファレンスリーグ(ECL)準決勝2ndレグのフィオレンティーナvsレアル・ベティスが8日にスタディオ・アルテミオ・フランキで行われ、2-1でフィオレンティーナが勝利。2戦合計でタイスコアのため行われた延長戦を0-1で制したベティスが、2戦合計スコア4-3で決勝進出を決めた。 1週間前にアウェイでの1s 2025.05.09 06:45 Fri

AZの人気記事ランキング

1

ボーンマスが若手の有望株、ハンガリー代表DFケルケズを獲得…AZで菅原由勢とサイドバックでコンビ

ボーンマスは20日、AZのハンガリー代表DFミロス・ケルケズ(19)を完全移籍で獲得したことを発表した。 オーストリアのラピド・ウィーンの下部組織で育ったケルケズは、ジェールETO FCから2021年2月にミランのU-19に加入した。 退任したパオロ・マルディーニTD(テクニカル・ディレクター)が獲得を望み、ミラン入りを果たしたが、ファーストチームでの出場はなく、2022年1月にAZへと完全移籍した。 AZでは1年半在籍し、公式戦57試合に出場し5ゴール8アシストを記録した。左サイドバックの主軸としてプレーし、日本代表DF菅原由勢と両サイドでコンビを組んでいた。 期待の若手として注目を集めており、ハンガリー代表としても8試合に出場していた。 2023.07.20 20:45 Thu
2

ベンフィカが昨季エールディビジ得点王を獲得! AZ菅原由勢の同僚

ベンフィカは1日、AZからギリシャ代表FWヴァンゲリス・パヴリディス(25)を完全移籍で獲得したことを発表した。契約期間は2029年6月30日までの5年となる。 なお、移籍金に関しては2000万ユーロ(約34億7000万円)程度になったようだ。 母国のテッサロニキで生まれたパヴリディスは10代でドイツに渡り、ボーフムでプロキャリアをスタート。ドイツの地ではなかなか結果を残すことができず、2019年1月にヴィレムIIへレンタル加入。翌シーズンに完全移籍に移行すると、オランダの地でストライカーとしての才能を完全に開花させた。 2019–20シーズンからヴィレムIIで2シーズン連続リーグ戦2桁得点を記録し、2021-22シーズンにステップアップしたAZでも2季連続2桁得点を記録。さらに、昨シーズンはPSVのFWルーク・デ・ヨングと共に、29ゴールを挙げる圧巻の活躍をみせ、自身初のエールディビジ得点王に輝いた。 186cmの恵まれた体躯を活かした空中戦も得意とするセンターフォワードだが、その真価は柔らかな足元のテクニックを駆使したキープ力や個での打開力、両利きと評される優れたキック精度にあり、多彩なゴールパターンを持っている。 日本代表DF菅原由勢と共に今夏の移籍市場で多くのクラブの関心を集める中、その新天地はかつて同胞FWコンスタンティノス・ミトログルが活躍したポルトガル屈指の名門となった。 2024.07.02 16:20 Tue
3

毎熊晟矢と同僚の逸材ファン・ボメルがトッテナム戦12分に負傷交代…晴れ舞台を観に来た元オランダ代表の父&祖父は…

AZのU-21オランダ代表FWルーベン・ファン・ボメルがトッテナム戦で負傷した。蘭『Voetbal International』が伝える。 ルーベン・ファン・ボメルは、バルセロナやバイエルン、ミラン、そしてオランダ代表などで活躍したマルク・ファン・ボメル氏を父に持ち、祖父は元オランダ代表監督のベルト・ファン・マルヴァイク氏という20歳。 192cmの長身ワイドアタッカーで、祖父がアドバイザーも務めるオランダ2部・マーストリヒトでプロデビュー後すぐに頭角を表し、昨季からAZへ。19歳で挑んだキャリア初のオランダ1部にて、公式戦10得点をマークした。 今季もここまで公式戦13試合6得点3アシストと順調に滑り出し、ヨーロッパリーグ(EL)にも初参戦。ELデビュー戦で2得点を決めるなどし、25日はアウェイ・ノースロンドンでのトッテナム戦に先発出場した。 ところが開始12分で負傷交代。DF毎熊晟矢も先発したこの一戦、ファン・ボメルは接触でトッテナム選手に足を踏まれ、マールテン・マルテンス監督いわく「つま先に深刻な傷」とのこと。「スパイクは穴があいていた」そうだ。 父マルク・ファン・ボメル氏と祖父ファン・マルヴァイク氏も、息子、孫の晴れ舞台を見届けるべく、スタジアムを訪れていたとのこと。しかし、負傷シーンに頭を抱え、そこから最後まで落胆した様子だったという。 近い将来のステップアップも十分に考えられる逸材、ルーベン・ファン・ボメル。今回のつま先負傷により、少なくとも27日のリーグ戦出場は困難か。今のところ、正式な診断結果は出ていないとのことだ。 2024.10.25 21:45 Fri
4

スパーズ、昨季エールディビジ得点王FWヤンセンを4年契約で獲得…移籍金は推定23億円

▽トッテナムは12日、AZからオランダ代表FWフィンセント・ヤンセン(22)を完全移籍で獲得したことを発表した。契約期間は4年。移籍金については未公表も、イギリス『BBC』によれば1700万ポンド(約23億1000万円)程度が支払われるようだ。 ▽2015年にAZ入りしたヤンセンは、昨シーズンのエールディビジに34試合出場で27ゴールを記録。自身初の得点王に輝いた。この活躍を受けて、今年3月にオランダ代表デビュー。これまで5試合に出場して3得点を挙げている。 ▽トッテナムは、今夏の移籍市場でサウサンプトンからケニア代表MFビクター・ワニアマを獲得。ヤンセンは、トッテナムにとって今夏2人目の新戦力となり、イングランド代表FWハリー・ケインの負担を減らす待望のストライカーとなる。 2016.07.12 20:30 Tue
5

ヴォルフスブルク、AZからオランダ代表FWベグホルストを獲得!「僕のステップアップとって正しい決断」

▽ヴォルフスブルクは26日、AZからオランダ代表FWワウト・ベグホルスト(25)を完全移籍で獲得した。契約期間は2022年6月30日までとなる。 ▽2012年に当時エールステ・ディヴィジ(オランダ2部)に所属していたエメンでプロデビューを飾ったベグホルストは、ヘラクレス・アルメロでのプレーを経て、2016年の夏にAZへ加入。 ▽AZでは加入初年度からレギュラーとしてリーグ戦29試合に出場し、13ゴール4アシストをマークすると、シーズン途中に主将に就任した今季もリーグ戦31試合で18ゴール6アシストを記録した。 ▽また、2018年3月に行われたイングランド代表との国際親善試合でオランダ代表デビューすると、ここまで3試合に出場している。 ▽ベグホルストは、クラブ公式サイトを通じて以下のようにコメントしている。 「AZでの時間はとても素晴らしいものでした。だけど、僕は次のステップへ踏み出した位と思ったんだ。いまは新たな挑戦が楽しみだよ」 「ブンデスリーガへの挑戦は、僕のステップアップとって正しい決断だと確信している。新たなチームメイトと新たな環境を学ぶことを今から楽しみにしているよ」 2018.06.27 00:40 Wed

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly