【ECL準決勝プレビュー】復調ハマーズと菅原AZが激突! ヴィオラFWが古巣バーゼルと初対峙

2023.05.11 18:30 Thu
Getty Images
ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)準決勝の1stレグが11日に開催される。ファイナル進出を懸けた初戦の展望を紹介していく。

◆ECL準決勝1stレグ

▽5/11(木)
《28:00》
ウェストハム vs AZ
フィオレンティーナ vs バーゼル
◆復調ハマーズと菅原が激突
Getty Images

★予想スタメン
◆ウェストハム◆
【4-2-3-1】
GK:ファビアンスキ
DF:ベン・ジョンソン、オグボンナ、アゲルド、クレスウェル
MF:ソウチェク、ライス
MF:ボーウェン、パケタ、ベンラーマ
FW:アントニオ

◆AZ◆
【4-2-3-1】
GK:ライアン
DF:菅原由勢、ベウケマ、ハツィディアコス、デ・ウィト
MF:クラジー、ラインデルス
MF:オドゴール、マイナンス、ファン・ブレデローデ
FW:パヴリディス
イングランドの名門として知られるウェストハムは、1964-65シーズンのUEFAカップウィナーズカップ以来のタイトル獲得を目指す。

今シーズンのプレミアリーグでは開幕前の積極補強も実らず、開幕から深刻な不振に陥り、一時はモイーズ監督の去就問題も騒がしくなった。それでも、シーズン終盤を迎えて復調したハマーズは直近の試合でマンチェスター・ユナイテッドに1-0の勝利。順位は15位と厳しい状況は変わらずも、残り3試合で降格圏とのポイント差を「7」に広げており、ほぼ残留を決定させた。

リーグ戦の不振とは裏腹に、ECLでは準々決勝1stレグでヘントと1-1で引き分けるまで10戦全勝。また、準々決勝2ndレグではヘントを4-1の快勝で破り、優勝候補として安定したパフォーマンスを継続している。MFライスやMFパケタ、FWボーウェン、FWアントニオらワールドクラスのタレントがやや小粒が目立つ今大会において格の違いを見せつけている。

一方、日本代表DF菅原由勢を擁するAZは2度のエールディビジ優勝など国内では幾つかのタイトルを獲得してきたが、今回がヨーロッパ初タイトル獲得の大チャンスだ。

近年、国内で安定した戦績を残し、ヨーロッパリーグ(EL)やECLの舞台でも着実に経験を積むアルクマールを本拠地とするチーム。今季エールディビジでは一時優勝争いの主役の一角を担ったが、現在はフェイエノールト、PSV、アヤックスの3強に離されて4位に甘んじる。そのため、現状では今大会に全力を注げる状況だ。

今季のECLでは対戦相手のウェストハムほどではないが、ここまで13勝3敗と見事な数字を残す。ラウンド16ではEL敗退組で優勝候補筆頭に挙げられたラツィオを2連勝で撃破し、準々決勝では初戦を0-2で落とすも、ホームでの第2戦を2-0で勝利し、PK戦の末に逆転突破を決めている。主力左サイドバックのDFケルケスをサスペンション、前線の軸を担うFWカールションが負傷で不在となり、プレミアリーグの強豪でも苦戦するロンドン・スタジアムでの初戦は非常にタフなものとなりそうだが、粘り強く戦って最低限ドローという結果は持ち帰りたい。

なお、右サイドバックでの先発起用が濃厚な菅原は緩急自在のドリブルを持ち味とするFWベンラーマに加え、頻繁にサイドに流れるフィジカルモンスターのアントニオというタフな相手とのマッチアップが予想される。まずはサイドバックとして守備の安定に寄与しつつ、要所で攻撃に参加して高精度のクロスを供給したい。ここ最近の報道ではドルトムントからの関心も伝えており、ハマーズという注目度の高い相手との一戦で評価を高めたいところだ。

◆元エースFWカブラウが古巣と初対峙
Getty Images

★予想スタメン
◆フィオレンティーナ◆
【4-2-3-1】
GK:テラッチアーノ
DF:ドゥドゥ、クアルタ、イゴール、ビラギ
MF:アムラバト、マンドラゴラ
MF:ニコラス・ゴンサレス、バラク、イコネ
FW:カブラウ

◆バーゼル◆
【3-5-2-】
GK:ヒッツ
DF:ラング、ヌフ、ペルマール
MF:エンドイエ、ディウフ、バーガー、ジャカ、ミラー
FW:アムドゥニ、ゼキリ

今シーズンのヨーロッパコンペティションで躍動するイタリア勢の流れに乗ってベスト4進出を果たしたフィオレンティーナは、1960-61シーズンのUEFAカップウィナーズカップ以来のタイトル獲得を目指す。

やや浮き沈みが目立つセリエAでは、1桁フィニッシュの可能性は十分に残すものの、ここまで12位に甘んじる。それでも、ECLの舞台では多士済々なアタッカー陣の活躍もあって安定したパフォーマンスを継続。準々決勝では初戦4-1の大勝によって少し油断が出たか、ホームで2-3の敗戦を喫したが、レフ・ポズナンを破って4強入りを決めた。

対してスイス・スーパーリーグで通算20度の優勝を誇るバーゼルは、2012-13シーズンのEL以来のヨーロッパコンペティションでの準決勝進出を果たした。

今季はアレクサンダー・フライ前監督、フォーゲル現監督の下でリーグ戦では6位に低迷。カップ戦でも早い段階で敗退しており、クラブとしては今大会で何とか悲願のヨーロッパ初タイトルを掲げたいところだ。

フィオレンティーナは同じグループ2位通過も、バーゼルは前述の4強3チームとは異なり、決勝トーナメントで最もタフな戦いを経験してきた。プレーオフのトラブゾンスポル戦を2戦合計2-1の逆転で突破すると、ラウンド16ではスロバン・ブラチスラバをPK戦、準々決勝ではニースを延長戦の末に撃破。地力では最も力が劣るが、いわゆる“持っている”チームだ。

今回の対戦に向けてはフィオレンティーナのMFアムラバトやMFカストロヴィッリ、FWヨビッチ、バーゼルのGKヒッツやMFタウラント・ジャカ、FWアムドゥニらが注目プレーヤーとなるが、最注目は2022年1月末にバーゼルからフィオレンティーナに移籍したFWカブラウだ。

バーゼル在籍期間に公式戦106試合65ゴールを挙げたエースストライカーは、今シーズンに入って新天地でも徐々にフィット。ECLでは11試合6ゴールと同僚ヨビッチらと共に得点ランキングトップタイに立っており、古巣初対戦となるこの試合でのパフォーマンスに注目が集まる。

AZの関連記事

AZは15日、CDグアダラハラのU-23メキシコ代表DFマテオ・チャベス(21)が今夏に加入することを発表した。契約期間は2030年6月30日までとなる。 グアダラハラの下部組織で育ったチャベスは、2022年夏にリザーブチームのタパティオに昇格を果たすと、2024年1月にトップチームデビュー。左サイドを主戦場にこ 2025.05.16 09:50 Fri
オランダのKNVBベーカー決勝のAZアルクマールvsゴー・アヘッド・イーグルスが21日に行われ、1-1で120分の戦いが終了。その後、PK戦を2-4で制したイーグルスが初優勝を果たした。 今大会は今シーズンのエールディビジで首位から3位までを独占するアヤックス、PSV、フェイエノールトの3強が揃って敗退する波乱が 2025.04.22 06:30 Tue
ヨーロッパリーグ(EL)のラウンド16・2ndレグが13日に行われた。 リーグフェーズを1位~8位で終えたストレートイン8チームと、プレーオフを制した8チームがホーム&アウェイ形式で準々決勝進出を争うラウンド16。 今ラウンド屈指の好カードとなったアスレティック・ビルバオvsローマは、ホームのアスレティック 2025.03.14 07:56 Fri
ヨーロッパリーグ(EL)のラウンド16・2ndレグ、トッテナム・ホットスパーvsAZが13日にトッテナム・ホットスパースタジアムで行われ、ホームのスパーズが3-1で勝利。この結果、2戦合計3-2としたスパーズの準々決勝進出が決まった。なお、AZのDF毎熊晟矢は80分までプレーした。 敵地で行われた1stレグを枠内 2025.03.14 07:01 Fri

UEFAカンファレンスリーグの関連記事

ユールゴーデンのDF小杉啓太が日本代表への思いを語った。スウェーデン『Fotbollskanalen』が伝えた。 湘南ベルマーレの下部組織から2024年3月にユールゴーデンに加入した小杉。挑戦から1年が経過した中で、公式戦38試合で5ゴール2アシストを記録している。 アルスヴェンスカン(スウェーデン1部)で 2025.05.09 21:20 Fri
フィオレンティーナのラッファエレ・パッラディーノ監督が、レアル・ベティス戦を振り返った。 8日、UEFAカンファレンスリーグ(ECL)の準決勝2ndレグでフィオレンティーナはベティスと対戦。1stレグを2-1で敗れていたフィオレンティーナは、アントニーのゴールで失点し苦しい状況に。それでもロビン・ゴセンスの2ゴー 2025.05.09 16:55 Fri
チェルシーのエンツォ・マレスカ監督が8日に行われ、1-0で勝利したUEFAカンファレンスリーグ(ECL)の準決勝2ndレグのユールゴーデン戦を振り返った。 アウェイでの1stレグで4-1と快勝したチェルシーは、この試合も立ち上がりから主導権を握ると38分にジョージの縦パスに反応したデューズバリー=ホールがボックス 2025.05.09 13:35 Fri
レアル・ベティスのブラジル代表FWアントニーがUEFAカンファレンスリーグ(ECL)決勝進出を喜んだ。スペイン『マルカ』が伝えた。 8日、ECL準決勝2ndレグが行われ、ベティスはフィオレンティーナとアウェイで対戦した。 1stレグはホームで2-1と勝利していたベティス。試合は30分にアントニーが直接FKを 2025.05.09 10:45 Fri
UEFAカンファレンスリーグ(ECL)準決勝2ndレグのフィオレンティーナvsレアル・ベティスが8日にスタディオ・アルテミオ・フランキで行われ、2-1でフィオレンティーナが勝利。2戦合計でタイスコアのため行われた延長戦を0-1で制したベティスが、2戦合計スコア4-3で決勝進出を決めた。 1週間前にアウェイでの1s 2025.05.09 06:45 Fri

AZの人気記事ランキング

1

ボーンマスが若手の有望株、ハンガリー代表DFケルケズを獲得…AZで菅原由勢とサイドバックでコンビ

ボーンマスは20日、AZのハンガリー代表DFミロス・ケルケズ(19)を完全移籍で獲得したことを発表した。 オーストリアのラピド・ウィーンの下部組織で育ったケルケズは、ジェールETO FCから2021年2月にミランのU-19に加入した。 退任したパオロ・マルディーニTD(テクニカル・ディレクター)が獲得を望み、ミラン入りを果たしたが、ファーストチームでの出場はなく、2022年1月にAZへと完全移籍した。 AZでは1年半在籍し、公式戦57試合に出場し5ゴール8アシストを記録した。左サイドバックの主軸としてプレーし、日本代表DF菅原由勢と両サイドでコンビを組んでいた。 期待の若手として注目を集めており、ハンガリー代表としても8試合に出場していた。 2023.07.20 20:45 Thu
2

ベンフィカが昨季エールディビジ得点王を獲得! AZ菅原由勢の同僚

ベンフィカは1日、AZからギリシャ代表FWヴァンゲリス・パヴリディス(25)を完全移籍で獲得したことを発表した。契約期間は2029年6月30日までの5年となる。 なお、移籍金に関しては2000万ユーロ(約34億7000万円)程度になったようだ。 母国のテッサロニキで生まれたパヴリディスは10代でドイツに渡り、ボーフムでプロキャリアをスタート。ドイツの地ではなかなか結果を残すことができず、2019年1月にヴィレムIIへレンタル加入。翌シーズンに完全移籍に移行すると、オランダの地でストライカーとしての才能を完全に開花させた。 2019–20シーズンからヴィレムIIで2シーズン連続リーグ戦2桁得点を記録し、2021-22シーズンにステップアップしたAZでも2季連続2桁得点を記録。さらに、昨シーズンはPSVのFWルーク・デ・ヨングと共に、29ゴールを挙げる圧巻の活躍をみせ、自身初のエールディビジ得点王に輝いた。 186cmの恵まれた体躯を活かした空中戦も得意とするセンターフォワードだが、その真価は柔らかな足元のテクニックを駆使したキープ力や個での打開力、両利きと評される優れたキック精度にあり、多彩なゴールパターンを持っている。 日本代表DF菅原由勢と共に今夏の移籍市場で多くのクラブの関心を集める中、その新天地はかつて同胞FWコンスタンティノス・ミトログルが活躍したポルトガル屈指の名門となった。 2024.07.02 16:20 Tue
3

毎熊晟矢と同僚の逸材ファン・ボメルがトッテナム戦12分に負傷交代…晴れ舞台を観に来た元オランダ代表の父&祖父は…

AZのU-21オランダ代表FWルーベン・ファン・ボメルがトッテナム戦で負傷した。蘭『Voetbal International』が伝える。 ルーベン・ファン・ボメルは、バルセロナやバイエルン、ミラン、そしてオランダ代表などで活躍したマルク・ファン・ボメル氏を父に持ち、祖父は元オランダ代表監督のベルト・ファン・マルヴァイク氏という20歳。 192cmの長身ワイドアタッカーで、祖父がアドバイザーも務めるオランダ2部・マーストリヒトでプロデビュー後すぐに頭角を表し、昨季からAZへ。19歳で挑んだキャリア初のオランダ1部にて、公式戦10得点をマークした。 今季もここまで公式戦13試合6得点3アシストと順調に滑り出し、ヨーロッパリーグ(EL)にも初参戦。ELデビュー戦で2得点を決めるなどし、25日はアウェイ・ノースロンドンでのトッテナム戦に先発出場した。 ところが開始12分で負傷交代。DF毎熊晟矢も先発したこの一戦、ファン・ボメルは接触でトッテナム選手に足を踏まれ、マールテン・マルテンス監督いわく「つま先に深刻な傷」とのこと。「スパイクは穴があいていた」そうだ。 父マルク・ファン・ボメル氏と祖父ファン・マルヴァイク氏も、息子、孫の晴れ舞台を見届けるべく、スタジアムを訪れていたとのこと。しかし、負傷シーンに頭を抱え、そこから最後まで落胆した様子だったという。 近い将来のステップアップも十分に考えられる逸材、ルーベン・ファン・ボメル。今回のつま先負傷により、少なくとも27日のリーグ戦出場は困難か。今のところ、正式な診断結果は出ていないとのことだ。 2024.10.25 21:45 Fri
4

スパーズ、昨季エールディビジ得点王FWヤンセンを4年契約で獲得…移籍金は推定23億円

▽トッテナムは12日、AZからオランダ代表FWフィンセント・ヤンセン(22)を完全移籍で獲得したことを発表した。契約期間は4年。移籍金については未公表も、イギリス『BBC』によれば1700万ポンド(約23億1000万円)程度が支払われるようだ。 ▽2015年にAZ入りしたヤンセンは、昨シーズンのエールディビジに34試合出場で27ゴールを記録。自身初の得点王に輝いた。この活躍を受けて、今年3月にオランダ代表デビュー。これまで5試合に出場して3得点を挙げている。 ▽トッテナムは、今夏の移籍市場でサウサンプトンからケニア代表MFビクター・ワニアマを獲得。ヤンセンは、トッテナムにとって今夏2人目の新戦力となり、イングランド代表FWハリー・ケインの負担を減らす待望のストライカーとなる。 2016.07.12 20:30 Tue
5

ヴォルフスブルク、AZからオランダ代表FWベグホルストを獲得!「僕のステップアップとって正しい決断」

▽ヴォルフスブルクは26日、AZからオランダ代表FWワウト・ベグホルスト(25)を完全移籍で獲得した。契約期間は2022年6月30日までとなる。 ▽2012年に当時エールステ・ディヴィジ(オランダ2部)に所属していたエメンでプロデビューを飾ったベグホルストは、ヘラクレス・アルメロでのプレーを経て、2016年の夏にAZへ加入。 ▽AZでは加入初年度からレギュラーとしてリーグ戦29試合に出場し、13ゴール4アシストをマークすると、シーズン途中に主将に就任した今季もリーグ戦31試合で18ゴール6アシストを記録した。 ▽また、2018年3月に行われたイングランド代表との国際親善試合でオランダ代表デビューすると、ここまで3試合に出場している。 ▽ベグホルストは、クラブ公式サイトを通じて以下のようにコメントしている。 「AZでの時間はとても素晴らしいものでした。だけど、僕は次のステップへ踏み出した位と思ったんだ。いまは新たな挑戦が楽しみだよ」 「ブンデスリーガへの挑戦は、僕のステップアップとって正しい決断だと確信している。新たなチームメイトと新たな環境を学ぶことを今から楽しみにしているよ」 2018.06.27 00:40 Wed

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly