【プレミアリーグ第31節プレビュー】チェルシーvs三笘ブライトン! 2強はボトムハーフ勢と対戦
2023.04.15 12:00 Sat
前節はアーセナルの連勝がストップした一方、マンチェスター・シティはしっかりと勝ち点3を積み重ねてリーグタイトル争いはさらに激化。同じく熾烈を極めるトップ4争いでは上位3チームが揃って勝利を収めている。
引き続きUEFAコンペティションの谷間で行われる第31節では、11位のチェルシー(勝ち点39)と、7位のブライトン(勝ち点46)が対峙する強豪対決に注目。
ランパード監督の再初陣となった新生チェルシーは前節、ウォルバーハンプトンとアウェイで対戦。[4-3-3]へのシステム変更や選手選考で新指揮官の色が見受けられたものの、前体制から続く決定力不足は改善されず、0-1の敗戦。また、同じくアウェイゲームとなったチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグのレアル・マドリー戦では先日のリバプール戦に近いメンバー選考と[3-5-2]の布陣で臨んだが、0-2というスコア以上の力の差を見せつけられて完敗。新体制連敗スタートとなった。
前体制から続く公式戦無得点試合は「4」に更新され、DFチルウェルの退場にDFクリバリの負傷によって逆転でのCLベスト4進出は絶望的な状況にあるブルーズだが、1stレグの内容で2点差で折り返せたという部分ではツキが残っており、開き直って臨めるはずだ。そういった中、今回のブライトン戦では指揮官の用兵に注目。日程面を考慮すれば、DFチアゴ・シウバやMFカンテら一部主力を温存して戦う可能性が高いが、マドリー戦での逆転に向けて課題の攻撃面にテコ入れを図る上ではシステム変更や新たなメンバーの組み合わせといった実験的な試みも想定される。
一方、対戦相手のブライトンは6戦ぶりの黒星からのバウンスバックを図る一戦となる。前節のトッテナムとのシックスポインターでは内容面では相手を凌駕しながらも、試合後にPGMOLが公式謝罪したMF三笘薫のPK見逃しや、微妙なハンドによって取り消された2つのゴールなど、判定面で大きなディスアドバンテージを被って1-2の惜敗となった。
鬼門アンフィールドで連勝が「7」でストップした首位のアーセナル(勝ち点73)は、14位のウェストハム(勝ち点30)とのダービーで仕切り直しの白星奪取を目指す。リバプール戦ではFWマルティネッリとFWガブリエウ・ジェズスの連続ゴールによって前半30分までに2点を先行する最高の入りを見せたが、MFジャカの不用意なプレーで眠っていた相手選手、KOPを起こしてしまうと、以降は防戦一方の展開に。アルテタ監督の5バックでの逃げ切り策も失敗したが、逆転負け不可避と思われた後半最終盤の守護神ラムズデールの2つのビッグセーブで勝ち点1を持ち帰ることができた点はプラス材料だ。
対戦相手のウェストハムは前節、モイーズ監督の進退が懸かったフルアムとのダービーを相手のオウンゴールで辛くも1-0で勝利。ただ、直近のヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)ではヘントに1-1のドローに持ち込まれ、今季ECLで初めて勝利を逃す結果に。疲労に加えてチーム状態は相変わらず波があり、休養十分の首位チームが勝ち点3を持ち帰る可能性は高そうだ。
その首位チームを暫定6ポイント差で追う2位のマンチェスター・シティ(勝ち点67)は、ディーン・スミス新監督を招へいした19位の新生レスター(勝ち点25)と対戦する。前節は最下位のサウサンプトン相手にFWハーランドの2ゴールなど4ゴールを奪って4-1の快勝を収めたペップのチーム。さらに、CL準々決勝1stレグでは指揮官の古巣バイエルン相手に望外の3-0の圧勝。試合後に指揮官・選手がいずれもミュンヘンでの2ndレグへの強い警戒感を口にしたが、試合後にFWマネとFWサネが乱闘事件を起こすなど一枚岩になり切れぬドイツの盟主相手に不覚を取る可能性は限りなく低い。
元アストン・ビラ、ノリッジ指揮官の招へいで監督解任ブーストも予期されるフォクシーズに対しては、敵地での2ndレグにある程度余裕があることもあり、ターンオーバーを最小限にとどめて全力でリーグ6連勝を目指したい。
5連勝で3位を堅持するニューカッスル(勝ち点56)は、4連勝を含め直近6勝1分けの7戦無敗と上位2チームを除き最も安定したパフォーマンスを継続する6位のアストン・ビラ(勝ち点47)というタフな相手と対戦。前線で圧倒的な突破力を見せるFWサン=マクシマンが戦線離脱を強いられる一方、MFアルミロンの戦列復帰が見込まれており、ポジティブなポジション争いを繰り広げるFWイサクとFWウィルソンのストライカーコンビと共に好調の攻撃陣の躍動で押し切りたい。
その3位チームと同勝ち点で4位に位置するマンチェスター・ユナイテッドは、降格圏の18位に沈むノッティンガム・フォレスト(勝ち点27)を相手にリーグ3連勝を目指す。前節のエバートン戦では相手守護神ピックフォードの驚異的なパフォーマンスに苦しめられたが、MFマクトミネイとFWマルシャルのゴールで2-0の完勝を収めた。
ただ、ヨーロッパリーグ(EL)準々決勝1stレグのセビージャ戦ではMFザビッツァーの2ゴールなどで楽勝ムードだった中、試合終盤の2つのオウンゴールによって追いつかれてホームで痛恨のドロー。さらに、同試合ではDFヴァランとDFマルティネスの主力センターバックコンビがいずれも負傷。エースFWラッシュフォードに加え、超過密日程の中で新たな負傷者を出してしまった。対戦相手のフォレストは直近9試合未勝利と泥沼の状況だが、今季ホームゲームではシティやチェルシー、リバプールから勝ち点を奪っている侮れない相手だ。バックラインと前線に不安を抱えるテン・ハグのチームとしては、4試合停止から復帰するMFカゼミロやエバートン戦で戦列復帰したMFエリクセンら充実した中盤の構成力で優位に試合を進めて勝ち切りたい。
ニューカッスルとユナイテッドの取りこぼしを期待しつつ連勝でのトップ4返り咲きを狙う5位のトッテナム(勝ち点53)は、15位のボーンマス(勝ち点30)と対戦。ブライトン戦では物議を醸す判定に救われた一方、FWソン・フンミンのプレミア通算100ゴール、FWケインの決勝ゴールと両エース揃い踏みと今後に繋がる勝利となった。対戦相手のボーンマスは前回対戦で3-2の打ち合いの末に薄氷の勝利となった侮れない相手だが、今季アウェイゲームではわずかに3勝と敵地での戦いに苦戦しており、ホームアドバンテージを生かして勝ち切りたい。
最後に8位のリバプール(勝ち点44)は、マンデーナイト開催の16位リーズ(勝ち点29)との一戦で5試合ぶりの勝利を目指す。前節のアーセナル戦では後半の猛攻で最低限の勝ち点1を手にした一方、逆転まで持っていけなかった部分で今季の不振が印象付けられる結果に。MFチアゴの復帰に、この試合ではFWルイス・ディアスの戦列復帰も見込まれており、スカッドの厚みは間違いなく改善されており、前回対戦でアンフィールドを攻略されたホワイツ相手に今度こそ勝ち点3を手にしたい。
◆プレミアリーグ第31節
▽4/15(土)
《20:30》
アストン・ビラ vs ニューカッスル
《23:00》
チェルシー vs ブライトン
エバートン vs フルアム
サウサンプトン vs クリスタル・パレス
トッテナム vs ボーンマス
ウォルバーハンプトン vs ブレントフォード
《25:30》
マンチェスター・シティ vs レスター・シティ
▽4/16(日)
《22:00》
ウェストハム vs アーセナル
《24:30》
ノッティンガム・フォレスト vs マンチェスター・ユナイテッド
▽4/17(月)
《28:00》
リーズ vs リバプール
引き続きUEFAコンペティションの谷間で行われる第31節では、11位のチェルシー(勝ち点39)と、7位のブライトン(勝ち点46)が対峙する強豪対決に注目。
ランパード監督の再初陣となった新生チェルシーは前節、ウォルバーハンプトンとアウェイで対戦。[4-3-3]へのシステム変更や選手選考で新指揮官の色が見受けられたものの、前体制から続く決定力不足は改善されず、0-1の敗戦。また、同じくアウェイゲームとなったチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグのレアル・マドリー戦では先日のリバプール戦に近いメンバー選考と[3-5-2]の布陣で臨んだが、0-2というスコア以上の力の差を見せつけられて完敗。新体制連敗スタートとなった。
一方、対戦相手のブライトンは6戦ぶりの黒星からのバウンスバックを図る一戦となる。前節のトッテナムとのシックスポインターでは内容面では相手を凌駕しながらも、試合後にPGMOLが公式謝罪したMF三笘薫のPK見逃しや、微妙なハンドによって取り消された2つのゴールなど、判定面で大きなディスアドバンテージを被って1-2の惜敗となった。
とはいえ、悔やんでも勝ち点が加えられることはなく気持ちを切り替えて白星を取り戻す必要がある。そういった意味ではDFククレジャ、ポッター監督を引き抜かれた上にデ・ゼルビ監督の新指揮官招へいや新たな主力引き抜きの噂も伝えられるなど、リクルート部門で遺恨を残すホームチームは憂さ晴らしの相手にうってつけだ。前回対戦で4-1と圧勝した相手にシーズンダブルを達成し、今後の巻き返しに繋げたい。前節はPK見逃しに幻のゴール、失点に繋がるボールロストとチーム以上にフラストレーションを溜めた三笘は、マドリーFWヴィニシウスのように相手右サイドを蹂躙する躍動を期待したい。
鬼門アンフィールドで連勝が「7」でストップした首位のアーセナル(勝ち点73)は、14位のウェストハム(勝ち点30)とのダービーで仕切り直しの白星奪取を目指す。リバプール戦ではFWマルティネッリとFWガブリエウ・ジェズスの連続ゴールによって前半30分までに2点を先行する最高の入りを見せたが、MFジャカの不用意なプレーで眠っていた相手選手、KOPを起こしてしまうと、以降は防戦一方の展開に。アルテタ監督の5バックでの逃げ切り策も失敗したが、逆転負け不可避と思われた後半最終盤の守護神ラムズデールの2つのビッグセーブで勝ち点1を持ち帰ることができた点はプラス材料だ。
対戦相手のウェストハムは前節、モイーズ監督の進退が懸かったフルアムとのダービーを相手のオウンゴールで辛くも1-0で勝利。ただ、直近のヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)ではヘントに1-1のドローに持ち込まれ、今季ECLで初めて勝利を逃す結果に。疲労に加えてチーム状態は相変わらず波があり、休養十分の首位チームが勝ち点3を持ち帰る可能性は高そうだ。
その首位チームを暫定6ポイント差で追う2位のマンチェスター・シティ(勝ち点67)は、ディーン・スミス新監督を招へいした19位の新生レスター(勝ち点25)と対戦する。前節は最下位のサウサンプトン相手にFWハーランドの2ゴールなど4ゴールを奪って4-1の快勝を収めたペップのチーム。さらに、CL準々決勝1stレグでは指揮官の古巣バイエルン相手に望外の3-0の圧勝。試合後に指揮官・選手がいずれもミュンヘンでの2ndレグへの強い警戒感を口にしたが、試合後にFWマネとFWサネが乱闘事件を起こすなど一枚岩になり切れぬドイツの盟主相手に不覚を取る可能性は限りなく低い。
元アストン・ビラ、ノリッジ指揮官の招へいで監督解任ブーストも予期されるフォクシーズに対しては、敵地での2ndレグにある程度余裕があることもあり、ターンオーバーを最小限にとどめて全力でリーグ6連勝を目指したい。
5連勝で3位を堅持するニューカッスル(勝ち点56)は、4連勝を含め直近6勝1分けの7戦無敗と上位2チームを除き最も安定したパフォーマンスを継続する6位のアストン・ビラ(勝ち点47)というタフな相手と対戦。前線で圧倒的な突破力を見せるFWサン=マクシマンが戦線離脱を強いられる一方、MFアルミロンの戦列復帰が見込まれており、ポジティブなポジション争いを繰り広げるFWイサクとFWウィルソンのストライカーコンビと共に好調の攻撃陣の躍動で押し切りたい。
その3位チームと同勝ち点で4位に位置するマンチェスター・ユナイテッドは、降格圏の18位に沈むノッティンガム・フォレスト(勝ち点27)を相手にリーグ3連勝を目指す。前節のエバートン戦では相手守護神ピックフォードの驚異的なパフォーマンスに苦しめられたが、MFマクトミネイとFWマルシャルのゴールで2-0の完勝を収めた。
ただ、ヨーロッパリーグ(EL)準々決勝1stレグのセビージャ戦ではMFザビッツァーの2ゴールなどで楽勝ムードだった中、試合終盤の2つのオウンゴールによって追いつかれてホームで痛恨のドロー。さらに、同試合ではDFヴァランとDFマルティネスの主力センターバックコンビがいずれも負傷。エースFWラッシュフォードに加え、超過密日程の中で新たな負傷者を出してしまった。対戦相手のフォレストは直近9試合未勝利と泥沼の状況だが、今季ホームゲームではシティやチェルシー、リバプールから勝ち点を奪っている侮れない相手だ。バックラインと前線に不安を抱えるテン・ハグのチームとしては、4試合停止から復帰するMFカゼミロやエバートン戦で戦列復帰したMFエリクセンら充実した中盤の構成力で優位に試合を進めて勝ち切りたい。
ニューカッスルとユナイテッドの取りこぼしを期待しつつ連勝でのトップ4返り咲きを狙う5位のトッテナム(勝ち点53)は、15位のボーンマス(勝ち点30)と対戦。ブライトン戦では物議を醸す判定に救われた一方、FWソン・フンミンのプレミア通算100ゴール、FWケインの決勝ゴールと両エース揃い踏みと今後に繋がる勝利となった。対戦相手のボーンマスは前回対戦で3-2の打ち合いの末に薄氷の勝利となった侮れない相手だが、今季アウェイゲームではわずかに3勝と敵地での戦いに苦戦しており、ホームアドバンテージを生かして勝ち切りたい。
最後に8位のリバプール(勝ち点44)は、マンデーナイト開催の16位リーズ(勝ち点29)との一戦で5試合ぶりの勝利を目指す。前節のアーセナル戦では後半の猛攻で最低限の勝ち点1を手にした一方、逆転まで持っていけなかった部分で今季の不振が印象付けられる結果に。MFチアゴの復帰に、この試合ではFWルイス・ディアスの戦列復帰も見込まれており、スカッドの厚みは間違いなく改善されており、前回対戦でアンフィールドを攻略されたホワイツ相手に今度こそ勝ち点3を手にしたい。
◆プレミアリーグ第31節
▽4/15(土)
《20:30》
アストン・ビラ vs ニューカッスル
《23:00》
チェルシー vs ブライトン
エバートン vs フルアム
サウサンプトン vs クリスタル・パレス
トッテナム vs ボーンマス
ウォルバーハンプトン vs ブレントフォード
《25:30》
マンチェスター・シティ vs レスター・シティ
▽4/16(日)
《22:00》
ウェストハム vs アーセナル
《24:30》
ノッティンガム・フォレスト vs マンチェスター・ユナイテッド
▽4/17(月)
《28:00》
リーズ vs リバプール
マンチェスター・ユナイテッドの関連記事
プレミアリーグの関連記事
|
マンチェスター・ユナイテッドの人気記事ランキング
1
「ワカバヤシだ!」ユナイテッドGKの“帽子姿”に世界中のサポーターから反応
マンチェスター・ユナイテッドに所属するイングランド代表GKディーン・ヘンダーソンのプレースタイルが話題になっている。 ユナイテッドは18日、プレミアリーグ第32節でバーンリーとホームで対戦。ヘンダーソンはリーグ戦6試合連続先発出場を果たした。 オフサイドにより取り消しとなったものの、開始20秒過ぎに不用意な飛び出しからネットを揺らされたヘンダーソンは、日光が気になったのか、後半からは赤地にクラブのエンブレムが描かれた“帽子”を着用。イングランドで帽子をかぶるGKはほとんどおらず、その珍しい姿は大きな話題を呼んだ。 ヘンダーソンはシェフィールド・ユナイテッド時代にも帽子をかぶってゴールマウスを守ったことがあるが、アメリカ『Bleacher Report』が帽子姿を公開すると、「似合ってないけど可愛い」「帽子をかぶるGKは減った」などの意見が寄せられた。 中でも、「ワカバヤシだ!」「ワカバヤシ・ヘンドー」など、漫画『キャプテン翼』に登場する、帽子がトレードマークのGK若林源三になぞらえる声が多く、そのことに驚く日本人のファンの声もあった。 ヘンダーソンは50分に左CKの場面で相手DFジェームズ・タルコウスキにゴールを許したものの、ユナイテッドは後半だけで3ゴールを記録。リーグ5連勝を達成している。 <span class="paragraph-title">【画像】若林源三を彷彿とさせる“帽子姿”のヘンダーソン</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">Dean Henderson brought out the cap for the second half <a href="https://t.co/yQrtMpjOPY">pic.twitter.com/yQrtMpjOPY</a></p>— B/R Football (@brfootball) <a href="https://twitter.com/brfootball/status/1383822300311478273?ref_src=twsrc%5Etfw">April 18, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2021.04.19 20:30 Mon2
“ジャンピングチョップ事件”いまだ和解なし、ファン・ニステルローイが宿敵との騒動を振り返る
▽現役時代にマンチェスター・ユナイテッドで活躍した元オランダ代表FWルート・ファン・ニステルローイ氏が、宿敵との騒動を振り返った。イギリス『インデペンデント』が伝えた。 ▽事件は約13年前のオールド・トラフォード、マンチェスター・ユナイテッドvsアーセナルで起こった。当時のプレミアリーグは、ユナイテッドとアーセナルの2強時代。MFロイ・キーン、MFパトリック・ヴィエラという闘将に率いられていた両者の直接対決は、常に意地と意地がぶつかり合う激闘だった。 ▽そして試合では、0-0で迎えたアディショナルタイムにFWディエゴ・フォルランがボックス内でDFマーティン・キーオンに倒されてPKを獲得。しかし、このPKキッカーを務めた名手ファン・ニステルローイは、シュートをバーに当ててしまった。 ▽そして、試合は0-0のまま終了。宿敵の絶対的エースがPKを失敗したことにより勝ち点を獲得してテンションが上がったアーセナルの選手たちは、試合終了の笛とともにファン・ニステルローイを囲んで挑発。試合中も激しくやりあっていたキーオンは、ファン・ニステルローイに“ジャンピングチョップ”を敢行した。 ▽オックスフォード大学での講義にゲストとして参加したファン・ニステルローイ氏は、「キーオンに街でたまたま会ったら、どのように振舞うのか?」と尋ねられると、冗談交じりに「彼は再び私の上に飛んでくるだろう(笑)。時代を生きていくには、クレバーじゃないといけないと思ったよ」と語り、会場の笑いを誘った。 ▽一方、この事件があった2003-04シーズンにプレミアリーグ無敗優勝を経験したキーオン氏は先月、当時について以下のように振り返っていた。 「おそらく、私は過剰な反応を見せてしまった。ルート・ファン・ニステルローイは、ブラックリスト入りする信用できない敵だった。彼はトッププレーヤーであり、ファイターだったが、どんな手を使ってでも相手を打ちのめそうとするような選手だった」 2016.02.08 20:42 Mon3
伝説のGKカーンが語る意外な後悔「あそこに移籍すれば良かった」
▽フットボール界のレジェンドである元ドイツ代表GKオリバー・カーン氏が、キャリアにおける後悔として、「マンチェスター・ユナイテッドへの移籍」を挙げた。 ▽カーン氏は現役時代、1994年にカールスルーエから加入したバイエルンで14シーズンにわたって守護神として活躍し、8度のブンデスリーガや2000-01シーズンのチャンピオンズリーグ制覇を経験した。また、ドイツ代表としては86試合に出場し、1996年のユーロ優勝や2002年の日韓ワールドカップ準優勝を経験した。 ▽ドイツ『スポーツ・ビルト』のインタビューに応じたカーン氏は、海外移籍に挑戦してみたかったという思いを吐露し、当時アレックス・ファーガソン氏が率いていたユナイテッドへの移籍についての後悔を口にした。 「アレックス・ファーガソンは未だに私に怒っているんじゃないかな。2003年か2004年、彼は私がユナイテッドに移籍すると思っていただろうからね。でもバイエルンで締めくくることが私にとってより重要だった」 「振り返ってみれば、移籍してみるべきだったと思う。私にとっていい挑戦になったはずだ」 ▽当時ユナイテッドは、2005年にGKエドウィン・ファン・デル・サールが加わるまでGKに確固たる存在を立てることができずにいた時代が続いていた。ファン・デル・サールと共に2007-08シーズンには欧州王者に君臨したユナイテッドだが、カーンが加わっていたらまた大きな違いが生まれていたことだろう。 2017.12.15 14:09 Fri4
【平成史に残るレジェンドチーム50選】vol.37“モスクワの歓喜”チェルシーとのCL決勝/マンチェスター・ユナイテッド[2007-08]
1989年1月8日に日本で始まった「平成」。日本では31年にわたって使用されてきたが、2019年4月30日をもってその時代が終わりを告げる。 日本サッカーにおいても激動の時代であった「平成」だが、目をヨーロッパに向け、同じ時代で印象に残ったレジェンドチームを超ワールドサッカー編集部が選出。記憶や記録に残る50チームを紹介していく。 <div style="position: relative;margin: 2em 0;padding: 25px 10px 7px;border: solid 2px #FFC107;"><span style="position: absolute;display: inline-block;top: -2px;left: -2px;padding: 0 9px;height: 25px;line-height: 25px;vertical-align: middle;font-size: 17px;background: #FFC107;color: #ffffff;font-weight: bold;">vol.37</span><p style="margin: 0; padding: 0;font-weight:800">2007-2008シーズン/マンチェスター・ユナイテッド 〜モスクワの歓喜〜</p></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2021/2007-08united.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brians,LTD.<hr></div><div style="padding: 0.5em 1em;margin: 2em 0;border: double 5px #4ec4d3;"><p style="margin: 0; padding: 0;">監督:アレックス・ファーガソン(65) 主なタイトル実績:プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ 攻撃力9:★★★★★★★★★☆ 守備力9:★★★★★★★★★☆ タレント9:★★★★★★★★★☆ 連係8:★★★★★★★★☆☆ 選手層9:★★★★★★★★★☆ </p></div> <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">モスクワの歓喜</div> 2005-06シーズン、ジョゼ・モウリーニョ率いるチェルシーにリーグ連覇を許したユナイテッドは、2006-07シーズンにクリスティアーノ・ロナウドの大車輪の活躍もあり、リーグタイトルを戴冠。迎えた2007-08シーズンは、連覇とともにチャンピオンズーグ優勝を狙った。 シーズン開幕前には、バイエルンからハーグリーブスを獲得したほか、スポルティングからナニ、ポルトからアンデルソンを獲得するなど、中盤の強化に努めた。 プレミアリーグでは、開幕から3試合で2分1敗という厳しいスタートを切る。第3節では、マンチェスター・シティとのダービーに敗れて17位にまで転落したが、そこから破竹の8連勝。一気に首位に立った。 年明け以降は、さらに調子を上げる。3月末までの12試合では10勝1分1敗。その12試合は内容も上々で、31得点4失点という素晴らしい成績で乗り切った。首位の座を確かなものとしたチームは、終盤にやや息切れしたものの、チェルシーを勝ち点2差で振り切って、見事に連覇を達成した。 リーグ杯(3回戦敗退)とFA杯(6回戦敗退)では結果を残せなかったが、CLでは躍進した。決勝トーナメント1回戦でリヨン、準々決勝でローマを撃破したユナイテッドは、準決勝でバルセロナと対戦。カンプ・ノウでの1stレグをゴールレスで終えて迎えたホームでの2ndでは、サポーターが素晴らしい雰囲気をつくりだした。そして、試合はスコールズの強烈なミドルシュートでのゴールを守ったユナイテッドが1-0で勝利。チェルシーの待つファイナルに進出した。 ロシアのルジニキで行われた試合は、前半26分にC・ロナウドのゴールでユナイテッドが先制したが、前半終了間際にランパードに同点弾を奪われる。1-1のまま90分、そして延長戦を終え、勝負はPK戦へ。PK戦では、後攻のチェルシーがリードして迎えた5人目、これを決めれば優勝という場面でテリーが足を滑らせて失敗。7人目でギグスがきっちりと沈めたのに対し、チェルシーはアネルカが失敗し、勝敗は決す。ミュンヘンの飛行機事故から50年、運命という最強の味方を有していたユナイテッドがクラブ史上3度目となる欧州王者となった。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">鉄壁&強力な矛</div> 当時のチームは、攻守共に素晴らしいタレントを揃えていた。GKには足元、そしてハイボールに強く、弱点がないファン・デル・サールが君臨。センターバックのファーディナンドとヴィディッチはキャリア全盛期を迎えており、世界最高のコンビとして名を馳せた。右サイドバックはギャリー・ネビルが負傷離脱していたため、ブラウンがレギュラーとしてプレー。それでも、G・ネビルの穴を補ってあまりある活躍を見せた。 中盤は多士済々だった。セントラルMFはスコールズを中心に、フレッチャー、キャリック、ハーグリーブスとレベルの高い選手が揃う。サイドハーフには、アクセントを付けることができるベテランのギグス、豊富な運動量で攻守に貢献できるパク・チソンが在籍。そして、何といっても攻撃陣が強力。C・ロナウドとルーニー、テベスという世界屈指のアタッカー3人がポジションチェンジしながら仕掛け、相手守備陣をかく乱した。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">ピックアップ・プレイヤー</div> <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">FWクリスティアーノ・ロナウド(22)</span> 2003-04シーズンにユナイテッドに移籍したC・ロナウドだが、その後の3シーズンはパフォーマンスに波があり、決して超一流の選手とは言えなかった。しかし、2006-07シーズンに17ゴール14アシストを記録し、チームプレーの楽しみも覚えたC・ロナウドは、その後に覚醒する。2007-08シーズンは開幕からゴールを量産し、リーグ31ゴールを挙げて得点王を獲得。CLでも決勝戦のゴールを含む8ゴールを奪った。決勝ではPK失敗で号泣する場面もあったが、チームが優勝したこともあって立ち直ったCR7。この年、自身初となるバロンドールとFIFA最優秀選手賞をダブル受賞した。 2019.04.21 22:00 Sun5