今季3度目のクラシコはバルセロナに軍配! オウンゴールで挙げた先制点を堅守で守り抜く《コパ・デル・レイ》

2023.03.03 07:06 Fri
Getty Images
コパ・デル・レイ準決勝1stレグ、レアル・マドリーvsバルセロナが2日にサンティアゴ・ベルナベウで行われ、アウェイのバルセロナが0-1で先勝した。
PR
準々決勝でアトレティコとのダービーを延長戦の末に3-1で制して4強入りを決めたマドリー。直近のリーグ戦ではその宿敵とのダービーを1-1のドローで終え、公式戦連勝が「5」でストップしたが、6戦無敗を維持してファイナル進出を懸けたコパ・クラシコ初戦を迎えた。アンチェロッティ監督はそのダービーから先発2人を変更。セバージョスとアセンシオに代えてモドリッチ、カマヴィンガを復帰させた。
一方のバルセロナは準々決勝でレアル・ソシエダを1-0の僅差で退けてベスト4に進出。ただ、年明けから好調を維持していたチームはヨーロッパリーグのマンチェスター・ユナイテッド戦で公式戦19試合ぶりの黒星を喫すると、前節のリーグ戦では格下アルメリアにまさかの0-1の敗戦。今季初の公式戦連敗という最悪な状態で敵地に乗り込む形となった。

チャビ監督はベルナベウでの大一番に向け、先発5人を変更。ディフェンスラインをアラウホ、クンデ、マルコス・アロンソ、バルデに入れ替え、負傷で不在のレヴァンドフスキに代えてハフィーニャを起用。フェラン・トーレスが3トップの中央に移った。なお、クラシコ通算46試合目となったブスケッツはセルヒオ・ラモス、メッシを抜き歴代最多出場者となった。

今季ここまで1勝1敗の両雄が激突した今季3度目のエル・クラシコ。開始直後からモドリッチが相手のハイラインの背後への飛び出しを繰り返すなど、ホームのマドリーがよりアグレッシブな入りを見せた。
以降はノックアウトラウンド初戦特有の堅い展開に。12分にはマドリーのショートカウンターからヴィニシウスの浮き球パスに反応したベンゼマがボックス右に抜け出して右足のシュートをゴール左隅へ突き刺すが、これは完全なオフサイドでゴールは認められず。

マドリー優勢の状況がしばらく続いた中、24分には中盤でのフレンキー・デ・ヨングとヴィニシウスの激しいデュエル後の小競り合いでオランダ代表MFを投げ倒したブラジル代表FWにイエローカードが出されると、これをキッカケに両チーム、スタジアムのマドリディスタが一気にヒートアップ。

すると、この直後に思わぬ形からスコアが動く。26分、マドリーの自陣でのスローインの流れからカマヴィンガにプレッシャーをかけてボールを奪い切ったバルセロナがショートカウンターを発動。フェラン・トーレスのスルーパスに抜け出したケシエがゴール前に侵入。右足のシュートはGKクルトワにセーブされるが、その撥ね返りがDFミリトンの足に当たってゴールネットに吸い込まれた。

不運な形のオウンゴールによって試合が動いた中、ビハインドを追うマドリーは、ここから攻勢を強めていく。だが、メリハリは付けるものの、割り切って自陣にブロックを構えるバルセロナの堅守に苦戦。41分にはクロースの浮き球パスに抜け出したカルバハルがボックス内でシュートチャンスを迎えるが、ここは大きくふかしてしまった。

アウェイチームの1点リードで折り返した後半はボールを握ってハーフコートゲームを展開するマドリー、堅守速攻から虎視眈々とロングカウンターを狙うバルセロナという構図が明確に。

中央を固めるバルセロナに対して、サイドからのクロスでチャンスを窺うマドリーだが、単調な攻めはことごとく撥ね返される。この停滞を受け、アンチェロッティ監督は67分にナチョを下げてロドリゴを投入。この交代でカマヴィンガが左サイドバック、バルベルデがインテリオールとポジションを下げた。

一方、守る時間は長いものの、要所で相手を引っくり返すカウンターを仕掛けるなど着実にゲームプランを遂行するバルセロナ。69分にはハフィーニャを下げてアンス・ファティを投入。これでファティが中央、フェラン・トーレスが右に配置を変えた。すると、72分にはボックス内に侵入したケシエに絶好機が訪れるが、右足のシュートはゴール前にいた味方のファティにブロックされる不運な形で枠を外れた。

何とか2失点目を回避したマドリーはクロースに代えてチュアメニ、モドリッチに代えてアルバロ・ロドリゲスを続けてピッチに送り込み、よりフィジカルなメンバーでゴールをこじ開けにかかる。

試合最終盤にはリュディガーやミリトンを前線に上げて決死のパワープレーを敢行するマドリー。ロドリゴの狙いすましたミドルシュートやパワープレーを仕掛けたが、最後まで集中力を切らさないバルセロナの堅守をこじ開けることは叶わず。

この結果、今季3度目のクラシコを泥臭い戦いぶりで制したバルセロナが1-0のスコアで先勝。公式戦連敗をストップすると共に、約1カ月後に行われるカンプ・ノウでの2ndレグへ大きなアドバンテージを手にした。一方、敗れたマドリーは公式戦7試合ぶりの黒星となった。

PR
関連ニュース

人員整理求められるバルセロナ、ファティとラングレのサウジ売却検討中か

バルセロナが2選手の売却に向け動きを見せているようだ。スペイン『スポルト』が報じた。 チャビ・エルナンデス監督の続投が決まり、来シーズンに向けた補強話が盛んに報じられているバルセロナ。しかし、依然として財政難はネックで、選手売却による人員整理が求められる。 バルセロナはここ数週間、サウジアラビアのクラブと会談を行っており、今夏の移籍について話し合っているとのこと。売却候補にブライトン&ホーヴ・アルビオンへレンタル中のスペイン代表FWアンス・ファティ(21)とアストン・ビラへレンタル中の元フランス代表DFクレマン・ラングレ(28)が挙がっているようだ。 1年前にアル・ナスルなどからオファーがあったというラングレは昨シーズンのトッテナム行きに続き、アストン・ビラでプレミアリーグを戦っているが、残留の可能性はほとんどない見通し。バルセロナは契約が残り2年を切る今夏の売却を検討中で、サウジアラビア行きの扉が開く可能性があるという。 また、ケガもありブライトンで苦戦中のファティも将来が不透明。サウジアラビアから多くの関心が寄せられている模様だ。 一方、以前からサウジアラビア行きが取り沙汰されていたブラジル代表FWハフィーニャ(27)に関しては、バルセロナで主力として活躍中。本人も退団を受け入れる様子もなく、移籍の可能性は限りなく低いとみられている。 2024.05.01 14:45 Wed

ビッグクラブ行きが期待されるも交渉進まずのアモリム監督…原因は指揮官のポリシーに?

ビッグクラブ行きの噂がありながら具体的な交渉が進展しないスポルティングCPのルベン・アモリム監督(39)だが、さまざまな原因があるようだ。 母国ポルトガルのカーザ・ピアで監督キャリアをスタートさせたアモリム監督は、2019年12月に就任したブラガでタッサ・ダ・リーガ優勝を果たして初タイトルを獲得。その後、2020年3月にスポルティングCPの指揮官に就任すると、指揮2年目のプリメイラ・リーガでクラブを19年ぶりの優勝に導き、今シーズンも首位を快走している。 そんなアモリム監督は、当然ビッグクラブが放っておかず。特にユルゲン・クロップ監督の退任が決まったリバプールは後任の最有力候補として、招へいを目指すと報じられていた。 しかし、アモリム監督もプレミアリーグ行きに乗り気と伝えられる中で、突如としてリバプール就任の話はトーンダウン。結局、クロップ監督の後任にはフェイエノールトのアルネ・スロット監督の就任が確実視されている。 また、同じくアモリム監督招へいを検討と報じられていたバルセロナも、退任を表明していたチャビ・エルナンデス監督が一転して続投を表明。こちらの話も立ち消えとなった。 ビッグクラブとの交渉が中々具体化しないアモリム監督だが、『ESPN』では指揮官が[3-4-3]のシステムにこだわっていることが原因の一つだと指摘。リバプールはクロップ監督が一貫して[4-3-3]のシステムを採用していたことから、仮にアモリム監督招へいとなると編成に大きな影響が出ることも考慮し、招へい見送りの判断をとったようだ。 また、アモリム監督招へいには何かと資金が必要なことも足枷に。1500万ユーロ(約25億円)の契約解除条項があることに加え、年俸1200万ユーロ(約20億円)程度を要求していることから、財政難のバルセロナは関心が本格化しなかったという。 それでも、アモリム監督にはロンドンで交渉するも物別れに終わったウェストハムが引き続き関心を示しているほか、チェルシーやマンチェスター・ユナイテッドからの接触も噂されており、今夏の去就は大いに注目されている。 2024.04.30 17:25 Tue

「バルサを去ることは絶対にない」今季23ゴール記録のレヴァンドフスキが退団の噂を完全否定

ポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキは、バルセロナ退団の可能性を完全否定した。スペイン『ムンド・デポルティーボ』が伝えている。 レヴァンドフスキは2022年夏にバルセロナへ加入すると、初年度からゴールを量産して公式戦46試合33得点8アシストを記録。流石の活躍を示してチームのラ・リーガ優勝に貢献した。 今シーズンはややペースが落ちながらも、公式戦44試合23ゴール9アシストを記録。29日に行われたラ・リーガ第33節のバレンシア戦でも、ハットトリックを達成してチームを勝利に導いた。 そんなレヴァンドフスキには35歳という年齢やバルセロナが慢性的な財政難に陥っている影響から売却の噂があったものの、本人はこれを完全否定。2026年夏まで契約を残すバルセロナで、今後もプレーし続けると断言している。 「この夏にバルサを去ることは、絶対にあり得ない。これについて議論の余地はないよ。現時点の考えで、僕は少なくともあと2年はこのコンディションを維持できるだろう。もし、身体的により高いレベルでプレーできなくなったら、その時に去就を考えるよ」 2024.04.30 10:55 Tue

乱打戦制したバルセロナ、続投発表後の初白星にチャビ監督は「立ち直ったチームの姿勢に満足」

バルセロナのチャビ・エルナンデスは、点の取り合いを制したチームを称えた。スペイン『ムンド・デポルティーボ』が伝えている。 29日、バレンシアとのラ・リーガ第33節に挑んだバルセロナはMFフェルミン・ロペスのゴールで先制するも、前半だけで逆転される苦しい展開に。それでも、ハーフタイム直前に相手GKが一発退場となると、後半は数的優位を活かして押し込み、FWロベルト・レヴァンドフスキがハットトリックを達成。その後は失点を許さず、4-2で試合を終えた。 25日に続投が発表されてから初となる試合で勝利を収めたチャビ監督は満足感を示しつつ、クラブで働き続けることが決まった現在の心境にも触れている。 「我々は勝利したことによって、ポジティブな分析ができる。チームは基本的に良いプレーをしていたが、時折ミスも見られた。そして、よりアグレッシブで困難なバレンシア相手にリードを許してしまったんだ」 「失点はセットプレーからだった。後半は数的有利となったのだから、もっとチャンスを作りたかったが、攻撃はあまり良くなかった。とはいえ、難しい試合から立ち直ったチームの姿勢には満足だ。そして、戦略面で懸命に働いてくれたスタッフにも満足している」 「私はとても元気だ。先日、(続投の理由について)自然な形で説明できたと思う。1月には悪い結果の責任を感じ、身を引くのが最善だと思っていた。だが、その後で会長や(SDの)デコ、クラブ、そして特に選手たちからの信頼を目の当たりにしたんだ」 2024.04.30 10:20 Tue

チャビ監督続投のバルセロナ、レヴァンドフスキのハットなどで10人のバレンシアとの打ち合いを制す!【ラ・リーガ】

バルセロナは29日、ラ・リーガ第33節でバレンシアと対戦し4-2で勝利した。 首位レアル・マドリーとの“エル・クラシコ”で逆転負けを喫した3位バルセロナ(勝ち点70)は、その試合のスタメンから負傷したF・デ・ヨングをフェルミン・ロペスに変更した以外は同じメンバーを採用。3トップにヤマル、レヴァンドフスキ、ハフィーニャを並べた[4-3-3]の布陣で試合に臨んだ。 8位のバレンシア(勝ち点47)に対し、ボールの主導権を握るバルセロナだが、[4-4-2]のコンパクトな守備陣形で守る相手の集中した守りの前になかなか決定機まで持ち込めず時間が経過していく。 それでもバルセロナは最初の決定機でスコアを動かす。22分、ボックス左横に抜け出したカンセロのバックパスを受けたハフィーニャがピンポイントクロスを供給。これを走り込んだフェルミン・ロペスの頭で合わせると、シュートがゴール右隅に吸い込まれた。 先制したバルセロナだったが、27分にミスから失点する。ペテルのロングパスからウーゴ・ドゥロがDFの裏に抜け出すと、飛び出したGKテア・シュテーゲンがクリアミス。このボールを奪ったウーゴ・ドゥロが無人のゴールにシュートを流し込んだ。 試合を振り出しに戻したバレンシアは36分にも決定機。GKママルダシュヴィリのロングフィードがそのままバルセロナDFの裏に流れると、これに反応したペテルがボックス右でアラウホに倒されPKを獲得。このPKをペペルが真ん中に沈め、逆転に成功した。 1点を追いかける展開となったバルセロナは、前半追加タイムに数的優位を得る。ガシオロフスキがGKママルダシュヴィリにボールを下げたところをヤマルが猛追。GKママルダシュヴィリのトラップが大きくなったところを奪い、チップキックでかわそうした浮き球がボックス外へ飛び出したGKの左手に当たると、オンフィールドレビューの末にGKママルダシュヴィリにレッドカードが提示された。 1点ビハンドで前半を終えたバルセロナは、ハーフタイムでクリステンセンとパウ・クバルシを下げてセルジ・ロベルトとイニゴ・マルティネスを投入。すると49分、ギュンドアンの左CKをニアサイドのレヴァンドフスキがヘディングでゴール右隅に流し込み、後半開始早々に同点に追いついた。 その後は互いに選手を入れ替えながらゴールを目指したが、拮抗した展開が続く。それでもバルセロナは82分にエースが再びネットを揺らす。ギュンドアンの左CKをゴール前のアラウホが競り合うと、当たり損なった浮き球をゴール左手前のレヴァンドフスキが頭で押し込んだ。 勝ち越しに成功したバルセロナは、試合終了間際の93分にもレヴァンドフスキが直接FKでゴールネットを揺らし、そのまま4-2でタイムアップ。レヴァンドフスキのハットトリックなどでバルセロナが10人のバレンシアとの打ち合いを制した。 2024.04.30 06:10 Tue
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly