旗手、古橋、前田デビューのセルティック、王者マドリーに善戦も後半地力の差に屈す…シャフタールが魂の快勝発進《CL》

2022.09.07 06:16 Wed
Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)のグループF開幕節、セルティックvsレアル・マドリーが6日にセルティック・パークで行われ、アウェイのマドリーが0-3で勝利した。

2017-18シーズン以来のCLグループステージに臨むスコットランド王者のセルティック。直近のレンジャーズとのオールド・ファームに4-0で完勝するなど、開幕から公式戦7連勝中のポステコグルー率いるチームは、久々のCL初戦で昨季王者と対峙した。

なお、注目の日本人選手では、登録メンバー外となった井手口陽介を除き、古橋亨梧、旗手怜央、前田大然が登録メンバー入り。この試合では旗手が唯一スタメンとなり、肩に不安を抱える古橋は前田と共にベンチスタートに。
一方、圧巻の勝負強さで最多優勝記録を14回に更新したディフェンディングチャンピオンのマドリー。今季のラ・リーガでも直近にベティスとの全勝対決を制するなど、開幕4連勝と最高の滑り出しを見せる。難所セルティック・パークでの今季初戦では、先発2人を変更。カマヴィンガとロドリゴに代えてクロース、バルベルデを起用した。

ホームチームの大歓声を後押しにセルティックは、王者相手に臆することなく積極的にチャレンジの縦パスを差し込んで良い形でのボールの循環を見せる。距離感、パススピードも良く押し込む形を作り出すと、10分過ぎには旗手の見事なワンタッチパスでギアクマキスにボックス内でチャンスも、ここはシュートまで持ち込めない。
一方、カウンターを起点にしながら徐々にボール保持率を高めたマドリーは、左サイドでのヴィニシウスの仕掛けからベンゼマ、モドリッチとボックス内で続けてフィニッシュまで持ち込む。

マドリーのクオリティの一端を見せつけられたものの、以降も臆せずに自分たちの戦いを貫くホームチームは、アンカー脇のスペースを効果的に使いながらジョタとアバダの両翼が幾度かサイドバックの背後へ抜け出す場面も作り出す。

すると、良い形で押し込む中で20分にはセットプレーの二次攻撃から旗手が強烈なミドルシュートを枠に飛ばすが、これはGKクルトワの好守に遭う。さらに、直後にはギアクマキスのボックス付近での丁寧な落としからマクレガーが左足を一閃。だが、このシュートは惜しくも左ポストを叩いた。

一方、セルティックの流麗なパスワークに対して、守備がなかなか嵌らずに苦戦が続くマドリーは、痛恨のアクシデントにも見舞われる。20分を過ぎたあたりからヒザを気にしていたベンゼマがプレー続行不可能となり、30分にアザールのスクランブル投入を余儀なくされた。
前半半ばから終盤にかけてはマドリーがボールを握る時間が長くなるが、ベンゼマを失ったチームはコンパクトに守るセルティックの守備に苦戦。バルベルデがアグレッシブなプレーでアクセントを付けるが、決定機には至らず。

43分にはハーフウェイライン付近でアザールのスルーパスにオフサイドぎりぎりで抜け出したヴィニシウスにビッグチャンスが訪れるが、フィニッシュ手前でボールコントロールが大きくなったことで、GKハートにうまく間合いを詰められてしまい、痛恨の決定機逸となった。
セルティックペースもゴールレスで折り返した試合。両チームのベンチはハーフタイム明けに動く。セルティックはアバダを下げて旗手に続くCLデビューとなる前田を投入。対するマドリーはアクシデントか、ミリトンを下げてリュディガーを投入した。

すると、右ウイングに入った前田は立ち上がりにいきなり見せ場。ゴール前でユラノビッチのシュート性のクロスに飛び込むが、ここはシュートをミートし切れない。

失点こそないものの、後半も思うように攻め切れないマドリーだったが、王者たる勝負強さを発揮して後半最初の決定機をモノにした。

56分、自陣深い位置での繋ぎからハーフウェイライン付近でフィードに反応したバルベルデがアザールとのワンツーで一気に背後のスペースへ抜け出す。そして、早いタイミングで正確なグラウンダーのクロスを入れると、快足を飛ばしてファーに走り込んだヴィニシウスが丁寧な右足のシュートをゴール右隅に流し込んだ。

これで均衡を破ったアンチェロッティのチームは畳みかける。60分には相手陣内でのセカンドボール回収から一気に攻撃をスピードアップ。ボックス右でアザールからパスを受けたモドリッチがゴール前で細かい揺さぶりから芸術的な右足アウトサイドのシュートをゴール左へ突き刺した。

王者の圧倒的な個の能力を見せつけられて意気消沈のセルティックは、72分に3枚替えを敢行。奮闘した旗手やギアクマキス、オライリーがベンチに下がり、エースの古橋がモーイ、ターンブルと共に投入される。

だが、完全に本来のパフォーマンスを取り戻したマドリーは、余裕を持ったボール回しで疲弊気味のホームチームを翻弄。そして、77分にはクロースの正確な浮き球パスに完璧なタイミングで抜け出したカルバハルのボックス右からのダイレクトの折り返しを、ゴール前のアザールがワンタッチで流し込み、トドメの3点目とした。

ホームで何とか意地を見せたいセルティックは、3失点目直後にジョタのクロスから古橋に決定機。だが、太ももに当てて泥臭く放ったシュートは右ポストを掠めた。

その後はロドリゴ、アセンシオの投入で試合を締めにかかったアウェイチームの老獪な試合運びに最後まで一矢報いることは叶わず。旗手、前田、古橋のCLデビュー戦は王者に力の差を見せつけられる悔しい一戦となった。

また、同日行われたRBライプツィヒvsシャフタール・ドネツクは、アウェイのシャフタールが1-4で勝利した。

グループ2番手と目される昨季ブンデスリーガ4位チームと、国難のウクライナ国民の大きな期待を背負って今大会に望むウクライナ王者の一戦。

試合は地力で勝るライプツィヒが押し込む展開となるが、相手の信じがたいミスからシャフタールがワンチャンスを生かす。16分、エリア外に大きく出ていたGKグラーチが味方からバックパスを受けた際にパスの出しどころに迷ってもたつくと、シェヴドがボールを奪って無人のゴールへ丁寧なシュートを流し込んだ。

痛恨のミスで先制を許したホームチームは、ここから一気に攻勢を強めるが、最後のところで粘るシャフタールの守備を崩し切れなかった。

迎えた後半、攻勢を仕掛けたライプツィヒは57分にショボスライの見事なお膳立てから右サイドバックのシマカンがボックス内に入り込んで鋭いシュートを突き刺し、ホームチームが早い時間帯に追いつく。

だが、不屈のウクライナ王者は失点からわずか1分後にボックス内でシェヴドが強引に放ったシュートが相手DF2人にディフレクトしてGKの反応の逆を突く幸運なゴールですぐさま勝ち越す。

さらに、前がかるライプツィヒに対してエースのムドリクが躍動。76分にカウンターからゴールを挙げると、85分には正確な折り返しで途中出場のトラオレのゴールを演出。

そして、敵地で下馬評を覆す1-4の快勝を収めたシャフタールが母国に大きな勇気を与える会心の白星スタートとなった。

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