昇格「2」、降格「4」決定についてJリーグ原博実副理事長、優先したのは「最終節の日程」
2020.11.17 18:45 Tue
Jリーグは17日、理事会後の記者会見を実施。決定事項についての報告を行った。
今回の理事会では、様々なことが決議された中、最も話題を集めたのが2021シーズン終了後の昇降格のクラブ数についてだった。
Jリーグの原博実副理事長は「これまでフットボール検討部会、実行委員会、契約担当者会議で議論してきた」とし、「今シーズンは降格なしに決めたが、その時にこの昇降格を決めたかったというのはある」とシーズン前に決めたかったものの、当時は難しかったとした。
今回の昇降格の数について「これまで何度も議論してきた」と原副理事長はコメント。「それぞれのディビジョンの実行委員会や、17日の臨時実行委員会でも議論し、その後我々の案をもう一度提示し、アンケートに答えてもらった」とし、各クラブの意見も聞いた上での決断となったという。
決定に至った理由はいくつかあるとしながらも大きな基準が日程の問題だったという。原副理事長は「最終節をいつにするか、カレンダーがACLの関係もあって決まらないが最終節がいつになりそう、ACLがどうなる、E-1が入りそうなど、カレンダーを見ながらインテグリティ(道徳的価値観)上の最終日をどう合わせるかを優先する」と語り、最終節の日程調整が議論の中心になったとした。
原副理事長は「参入プレーオフというディビジョンをまたいだプレーオフの案もあった。収益やエンタメ性があり、集客もできるのではないかという意見もあった」と案には出たとしたが「軸をしっかり決めて何を優先されるかということを議論しながら、最終節は揃えることにした」と、最終節の日程を軸に置いたとした。
さらに「今回の愛媛や柏であったように急にコロナがチーム内に蔓延して、最終節ができないや揃わないなどを考えた時、来年は修正すべき年とするなら、よりシンプルなカレンダーにすべきじゃないかと。0.5を入れることで日程が難しくなるかどうかを議論した」とし、新型コロナウイルスが収まっていないこの状況で複雑なルールにしない方が良いと判断したようだ。
最終的に降格「4」、昇格「2」に決定したが、原副理事長は「それぞれのクラブやディビジョンのことを考えて、この結果になった」とコメント。また、「2022年はJ1は18クラブ、J2は22クラブ、J3は昇格で数は変わるが、J1は2.5落ちて、J2からは2.5昇格。J2とJ3は2ずつ昇降格に戻すという前提でやりました」とし、2年後にはこれまで通りの形式に戻すことになるとも語った。
なお、リーグをまたいだプレーオフは行わないことが決定したものの、リーグ内でのプレーオフについては「昇格チーム数を確定したので、J2リーグ内でのプレーオフは今後決定する」としていた。
今回の理事会では、様々なことが決議された中、最も話題を集めたのが2021シーズン終了後の昇降格のクラブ数についてだった。
Jリーグの原博実副理事長は「これまでフットボール検討部会、実行委員会、契約担当者会議で議論してきた」とし、「今シーズンは降格なしに決めたが、その時にこの昇降格を決めたかったというのはある」とシーズン前に決めたかったものの、当時は難しかったとした。
決定に至った理由はいくつかあるとしながらも大きな基準が日程の問題だったという。原副理事長は「最終節をいつにするか、カレンダーがACLの関係もあって決まらないが最終節がいつになりそう、ACLがどうなる、E-1が入りそうなど、カレンダーを見ながらインテグリティ(道徳的価値観)上の最終日をどう合わせるかを優先する」と語り、最終節の日程調整が議論の中心になったとした。
これまで行われてきたJ1とJ2の参入プレーオフなどを実施すると、試合数が異なるリーグでスケジュールを合わせる苦労がある。
原副理事長は「参入プレーオフというディビジョンをまたいだプレーオフの案もあった。収益やエンタメ性があり、集客もできるのではないかという意見もあった」と案には出たとしたが「軸をしっかり決めて何を優先されるかということを議論しながら、最終節は揃えることにした」と、最終節の日程を軸に置いたとした。
さらに「今回の愛媛や柏であったように急にコロナがチーム内に蔓延して、最終節ができないや揃わないなどを考えた時、来年は修正すべき年とするなら、よりシンプルなカレンダーにすべきじゃないかと。0.5を入れることで日程が難しくなるかどうかを議論した」とし、新型コロナウイルスが収まっていないこの状況で複雑なルールにしない方が良いと判断したようだ。
最終的に降格「4」、昇格「2」に決定したが、原副理事長は「それぞれのクラブやディビジョンのことを考えて、この結果になった」とコメント。また、「2022年はJ1は18クラブ、J2は22クラブ、J3は昇格で数は変わるが、J1は2.5落ちて、J2からは2.5昇格。J2とJ3は2ずつ昇降格に戻すという前提でやりました」とし、2年後にはこれまで通りの形式に戻すことになるとも語った。
なお、リーグをまたいだプレーオフは行わないことが決定したものの、リーグ内でのプレーオフについては「昇格チーム数を確定したので、J2リーグ内でのプレーオフは今後決定する」としていた。
原博実の関連記事
J1の関連記事
|
原博実の人気記事ランキング
1
大宮アルディージャVENTUSが名称変更、7月から「RB大宮アルディージャWOMEN」に! ロゴなどは男子と同じレッドブル仕様
WEリーグを戦う大宮アルディージャVETNUSは9日、チーム名称を含めたプロパティ変更を発表した。 Jリーグを戦う大宮アルディージャの女子チームとして、2020年10月に創設され、WEリーグ創設の2021-22シーズンから参戦していた大宮V。トップチームを含めた男子チームが2024年10月から『レッドブル』グループに入り、女子チームも共に入っていた中、シーズン途中ということもあり元のプロパティのまま2024-25シーズンを戦っていた。 そんな中、2025年7月1日から新プロパティに変更することが発表。チーム名も「大宮アルディージャVENTUS」から、「RB大宮アルディージャWOMEN(アールビーオオミヤアルディージャウィメン)」に変更することが決定した。 また、エンブレムやロゴは男子チームと同じものが採用される。 原博実 代表取締役社長はクラブを通じてコメントしている。 「日頃より大宮アルディージャVENTUSへのご支援と温かいご声援、誠にありがとうございます。このたび、大宮アルディージャVENTUSは「RB大宮アルディージャWOMEN」に名称を変更することになりました」 「今回の変更により、男女両チームが同じ名称になることで、クラブとしてさらに一体感を高め、またファン・サポーターや地域の皆さまにも親しみを持ってもらいながら、レッドブルサッカーのネットワークを生かした強くて魅力あるチーム作りを進めます。そしてこれまで以上にWEリーグ、そして日本女子サッカー界の発展に寄与できるよう取り組んでまいります」 「あらためて大宮アルディージャVENTUSの立ち上げ、チーム創設時からチームの活動、実施、運営、サポートにかかわっていただいたすべての関係者の皆さまに心から御礼を申し上げます。これからも変わらぬご支援、ご声援をよろしくお願いいたします」 大宮アルディージャVENTUSとしてのラストシーズンとなった今シーズンのWEリーグは開幕から大きく低迷。SOMPOWEリーグ、クラシエカップ共に勝利がないまま進んだ中、3月1日にシーズン初勝利。16試合を終えて11位(12チーム中)に位置している。 2025.04.09 12:20 Wed2
昇格「2」、降格「4」決定についてJリーグ原博実副理事長、優先したのは「最終節の日程」
Jリーグは17日、理事会後の記者会見を実施。決定事項についての報告を行った。 今回の理事会では、様々なことが決議された中、最も話題を集めたのが2021シーズン終了後の昇降格のクラブ数についてだった。 Jリーグの原博実副理事長は「これまでフットボール検討部会、実行委員会、契約担当者会議で議論してきた」とし、「今シーズンは降格なしに決めたが、その時にこの昇降格を決めたかったというのはある」とシーズン前に決めたかったものの、当時は難しかったとした。 今回の昇降格の数について「これまで何度も議論してきた」と原副理事長はコメント。「それぞれのディビジョンの実行委員会や、17日の臨時実行委員会でも議論し、その後我々の案をもう一度提示し、アンケートに答えてもらった」とし、各クラブの意見も聞いた上での決断となったという。 決定に至った理由はいくつかあるとしながらも大きな基準が日程の問題だったという。原副理事長は「最終節をいつにするか、カレンダーがACLの関係もあって決まらないが最終節がいつになりそう、ACLがどうなる、E-1が入りそうなど、カレンダーを見ながらインテグリティ(道徳的価値観)上の最終日をどう合わせるかを優先する」と語り、最終節の日程調整が議論の中心になったとした。 これまで行われてきたJ1とJ2の参入プレーオフなどを実施すると、試合数が異なるリーグでスケジュールを合わせる苦労がある。 原副理事長は「参入プレーオフというディビジョンをまたいだプレーオフの案もあった。収益やエンタメ性があり、集客もできるのではないかという意見もあった」と案には出たとしたが「軸をしっかり決めて何を優先されるかということを議論しながら、最終節は揃えることにした」と、最終節の日程を軸に置いたとした。 さらに「今回の愛媛や柏であったように急にコロナがチーム内に蔓延して、最終節ができないや揃わないなどを考えた時、来年は修正すべき年とするなら、よりシンプルなカレンダーにすべきじゃないかと。0.5を入れることで日程が難しくなるかどうかを議論した」とし、新型コロナウイルスが収まっていないこの状況で複雑なルールにしない方が良いと判断したようだ。 最終的に降格「4」、昇格「2」に決定したが、原副理事長は「それぞれのクラブやディビジョンのことを考えて、この結果になった」とコメント。また、「2022年はJ1は18クラブ、J2は22クラブ、J3は昇格で数は変わるが、J1は2.5落ちて、J2からは2.5昇格。J2とJ3は2ずつ昇降格に戻すという前提でやりました」とし、2年後にはこれまで通りの形式に戻すことになるとも語った。 なお、リーグをまたいだプレーオフは行わないことが決定したものの、リーグ内でのプレーオフについては「昇格チーム数を確定したので、J2リーグ内でのプレーオフは今後決定する」としていた。 2020.11.17 18:45 Tue3
「いい写真ですね」「懐かしい」同窓会さながら、FC東京と大宮のTMにゆかりある選手多数で試合後1枚に脚光「熱い!!ちょっと鳥肌」
両クラブにとって懐かしい面々が顔を合わせた。 14日、FC東京と大宮アルディージャは小平グラウンドにて練習試合を実施。45分×3本の変則マッチは、2-2の引き分けに終わった。 試合後には両クラブがX(旧:ツイッター)を更新。それぞれのクラブに在籍した選手・スタッフの写真を公開し、同窓会のような雰囲気を感じさせた。 FC東京は「お久しぶりなみなさん、元気でした」と、大森理生、岡庭愁人、矢島輝一、志村滉のほか、原博実氏(現:大宮フットボール本部長)や山岸範之GKコーチとの一枚を公開。 大宮側は東慶悟と橋本早十氏、青木拓矢と金澤慎コーチの現役時代と現在の2ショットを公開した。 絆を感じる一枚は両サポーターから大きな反響があり、「いい写真ですねぇ〜」、「みんな元気そうで良かった」、「こういうのいいね」、「なつい」、「早十さん左サイドで東トップ下で終盤残留したの懐かしい」、「やるやん広報さん!」、「エモい!」、「熱い!!ちょっと鳥肌」、「黄金のダブルボランチ」、「二人が中盤で組んでいた時代からもう10年も経ったのか」など、様々に思いを馳せる声が集まった。 <span class="paragraph-title">【写真】FC東京と大宮の練習試合には両チームにとって懐かし顔ぶれが多数!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr"><br>お久しぶりなみなさん、元気でした<a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%A4%A7%E6%A3%AE%E7%90%86%E7%94%9F?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#大森理生</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%B2%A1%E5%BA%AD%E6%84%81%E4%BA%BA?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#岡庭愁人</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/%E7%9F%A2%E5%B3%B6%E8%BC%9D%E4%B8%80?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#矢島輝一</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%BF%97%E6%9D%91%E6%BB%89?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#志村滉</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/ardija?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#ardija</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/fctokyo?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#fctokyo</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/tokyo?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#tokyo</a> <a href="https://t.co/vbcgSXAy5s">pic.twitter.com/vbcgSXAy5s</a></p>— FC東京【公式】 #東京が熱狂 (@fctokyoofficial) <a href="https://twitter.com/fctokyoofficial/status/1713082339797196867?ref_src=twsrc%5Etfw">October 14, 2023</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr"><br>スタッフの方々も<a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%8E%9F%E5%8D%9A%E5%AE%9F?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#原博実</a> 大宮フットボール本部長 <a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%B1%B1%E5%B2%B8%E7%AF%84%E4%B9%8B?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#山岸範之</a> GKコーチ <a href="https://twitter.com/hashtag/fctokyo?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#fctokyo</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/tokyo?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#tokyo</a> <a href="https://t.co/5ChCSvgTzb">https://t.co/5ChCSvgTzb</a> <a href="https://t.co/nlv1hGAinl">pic.twitter.com/nlv1hGAinl</a></p>— FC東京【公式】 #東京が熱狂 (@fctokyoofficial) <a href="https://twitter.com/fctokyoofficial/status/1713084317289918885?ref_src=twsrc%5Etfw">October 14, 2023</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="qme" dir="ltr"><a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9D%B1%E6%85%B6%E6%82%9F?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#東慶悟</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%A9%8B%E6%9C%AC%E6%97%A9%E5%8D%81?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#橋本早十</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%A4%A7%E5%AE%AE%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#大宮アルディージャ</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/ardija?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#ardija</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/J%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#Jリーグ</a> <a href="https://t.co/bmKKeoDvXY">pic.twitter.com/bmKKeoDvXY</a></p>— 大宮アルディージャ (@Ardija_Official) <a href="https://twitter.com/Ardija_Official/status/1713098254660067481?ref_src=twsrc%5Etfw">October 14, 2023</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="qme" dir="ltr"><a href="https://twitter.com/hashtag/%E9%9D%92%E6%9C%A8%E6%8B%93%E7%9F%A2?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#青木拓矢</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E9%87%91%E6%BE%A4%E6%85%8E?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#金澤慎</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%A4%A7%E5%AE%AE%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A3?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#大宮アルディージャ</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/ardija?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#ardija</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/J%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#Jリーグ</a> <a href="https://t.co/co23ZaFRuQ">pic.twitter.com/co23ZaFRuQ</a></p>— 大宮アルディージャ (@Ardija_Official) <a href="https://twitter.com/Ardija_Official/status/1713098913723654200?ref_src=twsrc%5Etfw">October 14, 2023</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2023.10.15 14:38 Sun4
次期会長選に出馬した2人の弱点/六川亨の日本サッカーの歩み
JFA(日本サッカー協会)は10月29日に臨時評議員会を開催し、次期会長選挙の「会長予定者選出管理委員会」の活動スケジュール(会長選挙の流れ)を評議員に説明した。現会長の田嶋幸三氏は2016年に就任し、来年で4期8年の任期を全うする。 東浩之JFAマネジメント本部長によると、10月30日から11月25日の27日間が「推薦依頼期間」で、立候補希望者はこの間に47都道府県の代表(会長など)とJ1クラブの社長、女子プロリーグ、フットサル連盟やビーチ連盟、中高大学の各連盟など79団体で構成されている評議員から16人以上の推薦を獲得する必要がある。 そして11月26日から12月24日までがマニフェスト(公約)の公開などの選挙期間となっていて、12月24日(日)の評議員の投票によって次期会長予定者を決定。来年3月に選任された予定者は、理事の互選により新会長と承認される。 16票以上の推薦を得られた予定者が1人の場合は選挙を行わず、評議員会で承認決裁を諮る。現状、東本部長は複数の候補者がいるものの「何人かは言えない」とし、29日は候補者の事前評価を評議員に伝えた。 ただ、関係者によると、立候補しているのはJFA専務理事の宮本恒靖氏(46歳)と、Jリーグチェアマン室特命担当オフィサーの鈴木徳昭氏(61歳)の2人と判明している。宮本氏については詳しい説明は不要だろう。日本代表として02年日韓と06年ドイツの2度のW杯に出場し、G大阪の監督などを経て昨年JFAの理事、今年3月からは専務理事を務めている。 鈴木氏は、オールドファンならハンス・オフト監督の通訳をしていたことを覚えているかもしれない。慶応大学から日産自動車に入り、マネージャーやGMとしてチーム運営と強化に携わった後、1993年にJFAに入り2002年のW杯招致に尽力。2018年にJリーグに入り、経営企画本部長などを歴任し、2020年東京五輪の招致にも貢献した。AFC(アジアサッカー連盟)ではデベロップメント委員会委員や競技部長を務めるなど、実務派として手腕を振るってきた。実兄の鈴木徳彦氏はファジアーノ岡山の代表取締役社長。 かつてJFAの会長選は、会長予定者の最終的な承認方法こそ現在と同じだが、選出方法は会長や副会長、専務理事からなる“幹部会"の合議制により決まってきた。言葉は悪いが“禅譲"的な側面があり、「密室の人事」といった批判も多かった。 例えば96年に日韓W杯の開催が決まったスイス・チューリッヒのFIFA総会に出席したのは長沼健JFA会長以下、岡野俊一郎副会長、川淵三郎副会長、小倉純二専務理事、釜本邦茂参議院議員(当時)だった。そして98年に長沼氏が会長を退くと、岡野氏が第9代の、川淵氏が第10代の、そして小倉氏が第12代の(第11代は犬飼基昭氏)会長に就任した。 そんなJFAに対し、FIFAはFIFAメンバー(各国会長)による選挙と同じシステムを採用するよう迫ったのが16年の会長選だった。当時は原博実JFA専務理事が立候補したものの、選挙に勝った田嶋氏が第14代の会長に就任した。 身内による“合議制"では透明性を担保できないし、不正の温床にもつながりかねない。FIFAの指導(日本と韓国に対し)は適切だったし時宜にかなったものだろう。 しかしながら今回の会長選では一抹の不安を抱かざるを得ない。宮本専務理事は、知名度は抜群だが現職になってまだ1年も経っていない。実務経験の少なさを心配せずにはいられない。一方の鈴木チェアマン特命担当は、実務経験は豊富でも知名度が低いのが気がかりだ。 次期会長を合議制で決めるデメリットは紹介したが、メリットもあった。抱えている問題点や課題を共有することで、継続性があることだ。その点、宮本氏は専務理事だし、鈴木氏はJFAでの経験も長い。しかしJFAがコロナ禍という未曾有の危機を乗り越えた時期を共有していない(鈴木氏はJリーグで経験)。 田嶋会長が宮本氏を後継者と選んだのなら、もう少し早く専務理事としてJFAに迎え、経験を積ませるべきではなかったか。 ともあれ次期会長選はスタートした。JFAとJリーグの票の取り合いといった様相になるだろう。水面下でどのような動きがあるのかも気になるところだ。 2023.10.31 21:00 Tue5