【J1開幕直前クラブガイド】新布陣導入…攻撃力アップでJ1奪冠含む複数タイトルへ《川崎フロンターレ》

2020.02.22 11:30 Sat
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FUJI XEROX SUPER CUP 2020、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)、YBCルヴァンカップとすでに公式戦が開幕。そんな中、J1リーグが最後に開幕を迎える。超ワールドサッカー編集部が、チームのノルマや補強達成度、イチオシ選手、そして、東京オリンピックを翌年に控える注目の五輪候補をお届け。第15弾として、昨季ルヴァンカップを制した川崎フロンターレを紹介する。

◆補強動向《B》※最低E~最高S
【IN】
GK丹野研太(33)←セレッソ大阪/完全移籍
GK馬渡洋樹(25)←愛媛FC/期限付き移籍→完全移籍
GK藤嶋栄介(27)←レノファ山口FC/期限付き移籍→完全移籍
DF山根視来(26)←湘南ベルマーレ/完全移籍
DF神谷凱士(22)←東海学園大学/新加入
DFジェジエウ(25)←アトレチコ・ミネイロ(ブラジル)/期限付き移籍→完全移籍
DFジオゴ・マテウス(27)←コリチーバ(ブラジル)/期限付き移籍
MF三笘薫(22)←筑波大学/新加入
MFイサカ・ゼイン(22)←桐蔭横浜大学/新加入
FW宮城天(18)←川崎フロンターレユース/昇格
FW旗手怜央(22)←順天堂大学/新加入
FW遠野大弥(20)←Honda FC(JFL)/完全移籍
FW宮代大聖(19)←レノファ山口FC/復帰

【OUT】
GK新井章太(31)→ジェフユナイテッド千葉/完全移籍
GKポープ・ウィリアム(25)→ファジアーノ岡山/期限付き移籍
DF奈良竜樹(26)→鹿島アントラーズ/完全移籍
DF馬渡和彰(28)→湘南ベルマーレ/期限付き移籍
DFマギーニョ(28)→横浜FC/期限付き移籍
DFタビナス・ジェファーソン(21)→ガンバ大阪/期限付き移籍
MF阿部浩之(30)→名古屋グランパス/完全移籍
MF鈴木雄斗(26)→松本山雅FC/期限付き移籍
MFカイオ・セザール(24)→V・ファーレン長崎/期限付き移籍延長
FW知念慶(24)→大分トリニータ/期限付き移籍
FW遠野大弥(20)→アビスパ福岡/期限付き移籍
FW赤崎秀平(28)→ベガルタ仙台/完全移籍
FW宮城天(18)←カターレ富山/期限付き移籍



近年、常にビッグネームを獲得し、周囲を賑わせていた川崎Fにしては、珍しく地味なストーブリーグを過ごした。

まず、今オフでは実力者たちを引き抜かれる側に回った。ルヴァンカップ決勝でMVPを手にしたGK新井章太(→ジェフユナイテッド千葉)、気迫のこもったプレーで鼓舞し続けてきたDF奈良竜樹(→鹿島アントラーズ)、そしてシルバーコレクター脱却を含め、常にタイトル獲得に貢献してきた“優勝請負人”MF阿部浩之(→名古屋グランパス)がそれぞれ退団した。

昨年、韓国代表GKチョン・ソンリョンが不調だったこともあり、新井の抜けたGKの面子こそ不安を感じる。ただ、奈良は昨季の稼働率の低さ、阿部に関してはクラブのシステム変更による適正ポジションの消滅もあり、ダメージは最小限に抑えられた。

一方、補強ではDFジェジエウ(←アトレチコ・ミネイロ)をしっかりと確保したほか、DF山根視来(←湘南ベルマーレ)とDFジオゴ・マテウス(←コリチーバ)の右サイドバック2人を獲得。なかでも、山根は16日に行われたYBCルヴァンカップ・グループA開幕節の清水エスパルス戦(○5-1)で躍動。DF馬渡和彰(→湘南ベルマーレ)、DFマギーニョ(→横浜FC)が定着に苦しんだポジションで早くもフィットの兆しを見せている。

さらに、ここ数年の育成が光る大卒選手は同クラブ下部組織出身のMF三笘薫(←筑波大学)を筆頭に、FW旗手怜央(←順天堂大学)、MFイサカ・ゼイン(←桐蔭横浜大学)と今年も人材豊富。計算できる選手が抜け、新加入選手に未知数な部分は多いものの、鬼木達監督が掲げる「育成」と「全体の底上げ」を進めていくにはポテンシャル十分な陣容を整えた印象だ。

◆新システム[4-3-3]、期待感は十分《優勝争い》
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川崎Fは昨季、YBCルヴァンカップを初制覇するも、3連覇を目指した明治安田生命J1リーグを4位で終えた。

スタートからの躓き、得意の夏場に大失速、多かったホームでの引き分けなど、ネガティブな話題が散見されたが、結局は勝ちきれなかった試合が多かった。鬼木監督はそんな昨季の攻撃面での課題を「昨シーズンはスピード感や幅の部分が少し足りなかった」と語る。そこで今季、講じたのが新システム「4-3-3」の導入だ。

その効果は16日に行われたルヴァンカップ初戦の清水戦で早くも見られた。高い位置からのプレス、多彩な崩し、人数をかけた迫力ある攻撃で5-1で勝利。新スタイルに大きな期待感を抱かせた。また、山根、三笘、旗手の新加入選手も結果を残し、実りある好スタートを切った。

だが、守り方も変化したことや運動量がより多く求められることで、後半には清水に主導権を譲ってしまう時間帯もあった。ここは今後の課題。鬼木体制移行後、「堅守」も武器にしてきただけに、攻撃力アップと共に守備力もしっかり維持していきたいところ。

目標はJ1リーグの奪還を含めた複数タイトルの獲得。「観ている方に楽しんでもらえるようなサッカーをして、選手も一緒に楽しめれば」と語る鬼木監督にとって、新布陣の導入による強化、育成と全体の底上げを掲げる今シーズン、真価が問われる1年になりそうだ。

◆超WS編集部イチオシ選手
MF長谷川竜也(25)
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イチオシ選手には、FW長谷川竜也を選出する。

2016年に順天堂大学から川崎F入りを果たした長谷川は、サイドでのドリブルを武器にチームを活性化させ続けてきた。昨季は5ゴール7アシスト。それでも、選手層の厚いチームでは定位置を確保するには至らず。アピールしても次の試合では使われないなど、スーパーサブに止まっていた。

しかし、今シーズン、チームは[4-3-3]の新システムを導入。すると16日の清水戦では左ウイングで先発し、ドリブルや周囲とのパスワークで左サイドを攻略し続け、2ゴールを記録した。

また、右足から放たれるクロスの精度も高く、FWレアンドロ・ダミアンとのコンビも抜群。得点力アップを含め、奪還へのキーとなれる存在だ。

結果を残しながらも地位を確立するのに苦労してきた長谷川だが、今季、ついに天才ドリブラーのイキイキした姿が1年通して観られるかもしれない。

◆注目の東京五輪世代!
MF田中碧(21)
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夏に予定されている東京オリンピック世代の選手としてピックアップするのは、MF田中碧だ。

プロ3年目を迎えた昨シーズン、田中は日を追うごとに逞しくなり、明治安田生命J1リーグで24試合1ゴール2アシストを記録。ベストヤングプレーヤー賞を受賞したほか、日本代表の舞台にも上り詰めた。

そんな1年を「いろいろなことを経験させてもらいましたし、いろいろなものを吸収できました」と振り返り、「だからこそ今年はそういうものを生かして行かなくてはいけないなと思います」と新シーズンに向けて意気込みを語る。

持ち味はボール奪取とキープ力。昨年、U-22ブラジル代表との国際親善試合で2ゴールを挙げたことで注目を浴びたミドルシュートに目が行きがちだが、攻守へのハードワークを厭わず、積極的にゴール前に走り込む姿も魅力的な選手だ。

東京オリンピックへの出場について本人は、「もちろん大事」としつつも、「自分自身が成長することが一番大事」と語る。中盤の選手層も厚い川崎Fでレギュラーポジションに居続け、成長を続けることができれば、自ずと五輪行きを掴むことはできるだろう。
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エゴと献身性の相反する能力を持ち合わせたアフリカ最高のストライカー、サミュエル・エトー

サッカー史には数多くの偉大なアフリカ人ストライカーが名を残している。 古くはミランで活躍しバロンドールも受賞、今は一国の長になっている元リベリア代表FWのジョージ・ウェア大統領、背番号「4」が特徴的で、心臓病がありながらもアーセナルをはじめとするプレミアリーグのクラブやナイジェリア代表として活躍したヌワンコ・カヌ、コートジボワールを強豪国へと引き上げた黄金世代の1人で、チェルシーではチャンピオンズリーグ制覇など数多くのタイトルを獲得。戦争を止めたというエピソードもあるディディエ・ドログバら、多くのスター選手がいる。 ヨーロッパの舞台だけでなく、Jリーグでも2020シーズンに得点王を獲得したFWオルンガのインパクトは絶大。かつては“浪速の黒豹”としても知られたパトリック・エムボマらも活躍し、その能力の高さは知られたところだろう。 現役でもリバプールを支えるエジプト代表FWモハメド・サラーやセネガル代表FWサディオ・マネなどがいるが、そんなアフリカ人ストライカーたちの中でも、一線を画すスタイルで活躍したのが元カメルーン代表FWサミュエル・エトーだ。 <span class="paragraph-title">◆地元の名門育ちのストライカー</span> エトーは、カメルーンのドゥアラにある名門アカデミーのカジ・スポーツアカデミーの一期生。その後、エスパニョールで長らく活躍したGKイドリス・カメニやマンチェスター・ユナイテッドでもプレーしたMFエリック・ジェンバ=ジェンバら、多くの才能ある選手を輩出している。 16歳になったエトーはスペインの名門、レアル・マドリーのカスティージャに入団。当時レアル・マドリー・カスティージャは3部に所属していたため、外国人選手が出場できず。エトーはレガネス、エスパニョール、マジョルカへとレンタル移籍し経験を積んだ。 マジョルカではその活躍が認められ2000年夏に完全移籍。3シーズンを過ごし、チームをコパ・デル・レイで優勝に導くなど、その才能が開花。2004年夏にバルセロナへと完全移籍した。 <span class="paragraph-title">◆ヨーロッパで輝いた“黒い宝石”</span> バルセロナへと加入したエトー。加入1年目からエトーは活躍。ラ・リーガで37試合に出場し25ゴールを記録。ラ・リーガ優勝を経験した。 そして迎えた2年目も躍動。ラ・リーガでは 34試合で26ゴール7アシストを記録し得点王を獲得。チャンピオンズリーグでは11試合で6ゴール2アシストを記録し、決勝のアーセナル戦でもゴールを決め、ビッグイヤー獲得に貢献した。 バルセロナではブラジル代表FWロナウジーニョとの抜群の連携を見せ、一気に得点力を開花させたが、そのエトーはロナウジーニョの影響もあり献身的な守備を身につける。そしてそのプレースタイルが、後のキャリアにも影響する。 5シーズンのバルセロナでのプレーでインパクトを残したエトーは、2009年夏にインテルへと移籍。セリエAの舞台に活躍の場を移すと、そのバルセロナで身につけた献身性を武器に32試合12ゴール。チャンピオンズリーグでも13試合で2ゴール2アシストと、数字に残る成績は低下したものの、チームへの貢献度は大きいものだった。 結果として、バルセロナ最後の2008-09シーズン、そしてインテル最初の2009-10シーズンと2年連続で国内リーグ、国内カップ、そしてチャンピオンズリーグの3冠を達成。史上初の快挙を成し遂げた唯一の選手となった。 その後のエトーは、世界各国を転々。ロシアのアンジ・マハチカラ、イングランドのチェルシー、エバートン、イタリアのサンプドリア、トルコのアンタルヤスポル、コンヤスポル、カタールのカタールSCでプレー。クラブレベルでは6カ国を経験した。 クラブレベルでは公式戦720試合で360ゴール117アシスト。2試合に1点のペースを生涯通じて記録した偉大なストライカーだ。 <span class="paragraph-title">◆CL決勝で決めた2つのゴール</span> バルセロナでは199試合で130ゴール40アシストを記録したエトー。数多くのゴールを決めてきた中、重要なゴールも多い。 まずは、チャンピオンズリーグ決勝でのゴールだ。エトーは、バルセロナ時代に2度チャンピオンズリーグで優勝。その2度の決勝ではどちらもゴールを奪っている。 1つ目2005-06シーズンのアーセナルとの決勝。この試合は、アーセナルのGKイェンス・レーマンが18分で退場するというアクシデントからスタート。さらに37分にはその数的不利なアーセナルが、ソル・キャンベルのゴールで先制するという展開となった。 数的有利なバルセロナとしては逆転したいなか、試合は終盤へ。それでも76分にエトーが見せる。 縦パスがアンドレス・イニエスタから入ると、ヘンリク・ラーションのワンタッチパスに反応し、ニアサイドを撃ち抜いた。 さらにエトーは2008-09シーズンの決勝でマンチェスター・ユナイテッド相手にゴール。こちらは打って変わって、開始10分で決めたゴールだ。 このゴールもボックス手前でボールを持ったイニエスタからのスルーパスをボックス内右で受けると、鋭い切り返しで相手をかわすと、そのままニアサイドを撃ち抜いた。 <div class="dugout-video dugout-embed-eyJrZXkiOiJETUZHelRZbCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0="></div><script type="text/javascript" src="https://embed.dugout.com/v3.1/ultrasoccer.js"></script> <span class="paragraph-title">◆新たな章の始まり</span> 次に紹介したいのはインテル時代のデビューゴールだ。 インテルではジョゼ・モウリーニョ監督の下で3冠を達成したが、その役割はバルセロナ時代のストライカーから少し変化していった。 エゴイスティックな自らのゴールを優先しがちなストライカーとは異なり、周りの選手を生かすアシストや、守備面でも貢献する献身性を伴ったエトーは、本当の意味で相手の脅威となった。 そのエトーがインテルで最初に決めたゴールが2009年8月8日に行われたスーペルコッパ・イタリアのラツィオ戦だった。 <div class="dugout-video dugout-embed-eyJrZXkiOiJHS1NmTFJ0NiIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0="></div><script type="text/javascript" src="https://embed.dugout.com/v3.1/ultrasoccer.js"></script> シーズン開幕前に行われた一戦。エトーにとってはインテルでの公式戦デビュー戦となった試合だが、この試合ではその変化の片鱗を見せる。 献身的なプレーを続けたエトーだがチームは2点ビハインドで試合終盤へ。すると78分、マリオ・バロテッリの浮き球のパスに反応し豪快に蹴り込んで魅せた。 当時はディエゴ・ミリート、バロテッリ、そしてエトーとストライカータイプが揃う中で献身的なプレーを発揮していたエトー。この時はゴールを仕留める役割だったが、この後にウイング起用が増え、このシーズン3冠を達成した。 <span class="paragraph-title">◆プレミア初ハットトリック</span> そして3つ目はプレミアリーグでの活躍だ。 エトーはチェルシーとエバートンに在籍経験があるが、どちらも短いものだった。 チェルシーには1シーズンしか在籍しなかったが、その中でハットトリックを記録。それがマンチェスター・ユナイテッド戦だった。 <div class="dugout-video dugout-embed-eyJrZXkiOiJIeFZIdW1iRyIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0="></div><script type="text/javascript" src="https://embed.dugout.com/v3.1/ultrasoccer.js"></script> 前述の通り、バルセロナ時代の2008-09シーズンのチャンピオンズリーグ決勝でユナイテッド相手にゴールを決めていたエトー。今回はプレミアリーグの試合でハットトリックをやってのけた。 2014年1月19日に行われた試合ではカットインからのシュートで先制ゴールを決めると、2点目はグラウンダーのクロスに合わせて追加点。3点目はCKの流れからこぼれ球を蹴り込みハットトリックを達成した。 エバートン時代を含めプレミアリーグでは12ゴールしか決めていないが、そのうちの3点がユナイテッド戦。この年は優勝を争っていたものの、終盤に失速し3位に終わっていた。 <div id="cws_ad"><hr>バルセロナやインテルなどのクラブチームで活躍し、カメルーン代表としても歴代最多ゴール数を誇るエトーが大人気スポーツ育成シミュレーションゲーム『プロサッカークラブをつくろう!ロード・トゥ・ワールド』(サカつくRTW)に登場!<br/><br/>現役時代に魅せたゴールが『サカつくRTW』でも再現。是非一度チェックしてみよう。</div> <a href="https://web.ultra-soccer.jp/link.php?url=https://ryan.onelink.me/C7cD/f7dd12&c=sega_20210715_2" target="_blank"><div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/900/img/2021/sega20210728.jpg" style="max-width:100%;"></div></a> 2021.07.31 22:15 Sat
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“笑顔”が似合う稀代の天才、記録以上に記憶に残るロナウジーニョ

サッカー界にはこれまでも数々の天才と呼ばれる選手は存在した。 大半はその国を代表する選手であり、引退後もレジェンドとして大きく扱われ、事あるごとに駆り出されることが多い。もちろん、タイトルも獲得し、名実ともに世界的に名の知れた選手たちだ。 テクニックのある選手、多くのゴールを決めた選手、タイトルを数多く獲った選手など様々。中には、スタジアムや大会に名を残す人もいる。 数いる天才の中、最もサッカーを楽しみ、最も楽しませてくれた男と言っても過言ではないのがロナウジーニョだ。 <span class="paragraph-title">◆“笑顔”が似合う天才</span> ロナウジーニョの名前を聞いてまず最初に思い浮かべるのは何か。素晴らしいテクニック、あっと驚くパフォーマンス…どれも間違ってはいないが、やはりあの“笑顔”だろう。 ロナウジーニョ以上にタイトルを獲った選手も、ロナウジーニョ以上に功績を残した選手も多くいる中、あの笑顔でプレーを続けた選手はいない。誰よりもサッカーを楽しみ、それがどんな場面であっても崩れることはない。まるで遊んでいるかのようなプレースタイルは、一気にファンを虜にした。 その笑顔には歴代のレジェンドたちも称賛の言葉を残しておりミシェル・プラティニ氏は「あの笑顔でみんなを引きつける」と評価すると、最大のライバルであるアルゼンチンのレジェンドであるディエゴ・マラドーナ氏も「楽しそうにプレーし、その喜びをピッチにもたらしている」と称賛したほどだ。 そのロナウジーニョはブラジルのグレミオでキャリアをスタート。2001年にパリ・サンジェルマン(PSG)に引き抜かれヨーロッパへと渡る。 当時のPSGは今のクラブとは違い、多くの資金をバックに選手を獲得していたわけではなかった。それでも、その才能には多くのクラブが注目しており、アーセナルもPSGより前に目をつけていた。しかし、イギリスの労働許可証が取得できずに断念していた過去もある。 自身初のヨーロッパ挑戦となったロナウジーニョ。テクニックの高さはあるものの、激しいプレースタイルのフランスで当初は苦しむ。 しかし、徐々にサッカーに慣れると、得点を奪うようになる一方で、ブラジル人に有りがちなピッチ外での問題で監督との仲も怪しくなった。 <span class="paragraph-title">◆キャリアを変えたバルセロナへの移籍</span> 2003-04シーズンにバルセロナへと加入したロナウジーニョ。この移籍がキャリアを大きく変えることとなる。 バルセロナが当初狙っていたのはマンチェスター・ユナイテッドのイングランド代表MFデイビッド・ベッカムだったが、宿敵レアル・マドリーへの移籍が決定してしまう。そこで、バルセロナはユナイテッドが狙っていたロナウジーニョに手を出し、獲得に成功する。 バルセロナ加入当初もケガなどで苦しんだロナウジーニョだが、ここでも慣れると才能を発揮。高いテクニックを生かしたプレーや、緩急をつけたドリブル、ボディフェイントを駆使した突破など、対峙するディフェンダーを翻弄させ続けた。 現在バルセロナのエースであるアルゼンチン代表FWリオネル・メッシのキャリアスタート時にも共にプレー。メッシの凄さは説明するまでもないが、そのメッシを上回るほどの存在感を見せていたのはロナウジーニョだった。 バルセロナではラ・リーガで2度、チャンピオンズリーグで1度と数多くのタイトルを獲得したわけではない。しかし、印象に残るプレー、印象に残るゴールは数々残しており、バルセロナで大きな成功を収めている印象が強いはずだ。 その後はミランやフラメンゴ、アトレチコ・ミネイロ、ケレタロ、フルミネンセと渡り歩き、現役を引退している。 <span class="paragraph-title">◆記録よりも記憶に残る天才</span> ロナウジーニョのプレーは、挙げればキリがないほど記憶に残るスペクタクルなプレーが数多くある。 輝かしいキャリアとなったバルセロナでは、初ゴールが何よりも衝撃だった。 2003年9月3日のラ・リーガ第2節セビージャ戦。バルセロナ1点ビハインドの0-1で迎えた58分、GKビクトール・バルデスが左サイドのロナウジーニョに展開すると、ボールを受けたロナウジーニョはドリブルを開始。まずは相手MFホセ・ルイス・マルティを簡単にかわすと、追いかけてきたMFハビエル・カスケーロもフェイントでいなす。そして、スピードに乗ったロナウジーニョはゴールまでおよそ27mの位置から右足を一閃。矢のようなシュートは、相手GKアントニオ・ナタリオの手をかすめ、クロスバーを直撃してゴールに吸い込まれた。 <div class="dugout-video dugout-embed-eyJrZXkiOiJrWGVOMUc3NCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0="></div><script type="text/javascript" src="https://embed.dugout.com/v3.1/ultrasoccer.js"></script> これが、ロナジウジーニョ伝説のスタートとなるラ・リーガ初ゴール。いきなり見せつけた格好となった。 数々のドリブルスキルで翻弄されたDFもたくさんおり、多くの相手が止めるのに苦労したロナウジーニョ。本人はその試合中にも笑顔を絶やさず、常に楽しそうにプレーを続けていた。 その姿はありえない相手からの称賛を受けることにもつながる。 <span class="paragraph-title">◆ベルナベウでのスタンディングオベーション</span> それが起こったのは、2005-06シーズンの11月に行われた、レアル・マドリーとの“エル・クラシコ”だ。 前年の2004-05シーズンにはFIFA最優秀選手賞を受賞したロナウジーニョ。シーズン最初の“エル・クラシコ”で圧巻プレーを見せる。 リオネル・メッシのゴールで先制したバルセロナ。59分にロナウジーニョがまずは見せる。 ハーフウェイライン付近の左サイドからドリブルを開始したロナウジーニョは、対峙したDFセルヒオ・ラモスを簡単にかわして侵攻。そのままボックスに入り込むと、立ちはだかったDFイバン・エルゲラに対し全くスピードを落とすことなく、上半身のボディフェイントだけで何事もなかったようにエルゲラをかわしてシュート。ロベルト・カルロスが必死にブロックするも、間に合わずにゴールを奪う。 さらに、77分には、スペースがある中でロナウジーニョがパスを受けると、一気にスピードを上げてドリブル開始。再び対峙したDFセルヒオ・ラモスをあっさりかわすと、ボックス内左から冷静にシュート。2点目を奪ってみせたのだ。 <div class="dugout-video dugout-embed-eyJrZXkiOiJQZkNxdVk5YiIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0="></div><script type="text/javascript" src="https://embed.dugout.com/v3.1/ultrasoccer.js"></script> 圧巻の個人技で2発。若き日のセルヒオ・ラモスをいとも簡単にかわしてゴールを奪ったロナウジーニョに対し、サンティアゴ・ベルナベウに詰め掛けた8万7000人もの観客は、スタンディングオベーションでそのパフォーマンスを称えた。 永遠のライバルであるレアル・マドリーのファンにまでも、拍手をさせたロナウジーニョのプレーはこの世のものとは思えないと言えるだろう。 <span class="paragraph-title">◆ロナウジーニョらしさが凝縮した一撃</span> チームが敗れてもなおインパクトを残しているシーンもある。それがバルセロナ2シーズン目。2004-05シーズンのチャンピオンズリーグ ラウンド16のチェルシー戦でのゴールだ。 <div class="dugout-video dugout-embed-eyJrZXkiOiJHOHVITjdkSiIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0="></div><script type="text/javascript" src="https://embed.dugout.com/v3.1/ultrasoccer.js"></script> 2005年3月8日に行われた試合。ホームでの1stレグで2-1と先勝していたバルセロナは、準々決勝進出に向けて敵地で対戦。しかし、開始19分でまさかの3失点という衝撃の展開となる。 逆転を許しているバルセロナだったが、ロナウジーニョはPKを決めて1点差とすると、39分に衝撃のゴールを決めた。 前線にロングボールが送られるもジョン・テリーがクリア。しかし、これを拾ったアンドレス・イニエスタが横パスを出すと、ペナルティアークでロナウジーニョがパスを受ける。 すると、リカルド・カルバーリョが立ちはだかるも、ロナウジーニョは左、右とキックフェイント。動じないカルバーリョだったが、一瞬の隙を突いたロナウジーニョは突然トゥキック。狭いコースを抜けたシュートはゴール左隅に吸い込まれた。 チェルシーの守護神であり、世界でも指折りのGKだったペトル・チェフも全く反応できない完璧なゴール。まるで時を止めたかのようなシュートはロナウジーニョを語る上で外せないゴールだ。なお、試合はチェルシーが追加点を奪い、バルセロナは敗退。しかし、ロナウジーニョのゴールの衝撃が強すぎる試合となっている。 記録以上に記憶に残る数々のプレーを見せてきたロナウジーニョ。引退後は何かとお騒がせなイメージもあるが、その時でも“笑顔”は忘れない。いつだって楽しむことを忘れない稀代の天才は、この先どんな凄い選手が現れようとも、その存在が薄れることはないだろう。 <div id="cws_ad"><hr>パリ・サンジェルマンやバルセロナ、ミランなどのクラブチームで活躍し、ブラジル代表としてもワールドカップを制したロナウジーニョが大人気スポーツ育成シミュレーションゲーム『プロサッカークラブをつくろう!ロード・トゥ・ワールド』(サカつくRTW)に登場!<br/><br/>現役時代に魅せた誰もを魅了するスーパープレーが『サカつくRTW』でも再現。是非一度チェックしてみよう。</div> <a href="https://web.ultra-soccer.jp/link.php?url=https://ryan.onelink.me/C7cD/f7dd12&c=sega_20210715_2" target="_blank"><div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/900/img/2021/sega20210715.jpg" style="max-width:100%;"></div></a> 2021.07.19 11:40 Mon
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【ユーロ2020/グループF総括】3強勝ち抜けもハンガリー奮闘で“死の組”に相応しい大混戦に

ユーロ2020のグループステージが6月23日に終了した。前大会王者、世界王者、ドイツの強豪3チームが同居したグループFは“死の組”という前評判通りの大混戦に。その中で唯一無敗のフランスが首位通過し、ドイツとポルトガルも共に決勝トーナメント進出。一方、敗退となったハンガリーだったが、強豪相手に大奮闘を見せてかき回し役を見事に完遂した。 ■順位表■ 1.フランス(勝ち点5) 2.ドイツ(勝ち点4) 3.ポルトガル(勝ち点4) 4.ハンガリー(勝ち点2) ■試合結果■ ▽第1節 ハンガリー 0-3 ポルトガル フランス 1-0 ドイツ ▽第2節 ハンガリー 1-1 フランス ポルトガル 2-4 ドイツ ▽第3節 ポルトガル 2-2 フランス ドイツ 2-2 ハンガリー ◆攻守に課題残すも貫録の首位通過~フランス~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210624_102_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ベルギーらと並んで今大会の優勝候補筆頭に挙がるフランスは、攻守に課題残すも1勝2分けの無敗で首位通過を決めた。試金石となったドイツとの初戦では決勝点こそオウンゴールも、持ち味の堅守速攻を武器に多くの決定機を創出した上、相手の攻撃陣を危なげなく封じた。だが、第2節ではハンガリー相手に攻撃が停滞し、不用意な形で失点を喫するなど、消化不良のドローに。最終節ではポルトガル相手にPK2本で追いつかれるも、ここまで結果が出ていなかったFWベンゼマに2ゴールが生まれるなど最低限のドローに持ち込み、首位通過を果たした。 MFカンテとMFポグバのゴールデンコンビの安定感に加え、FWムバッペ、ベンゼマ、FWグリーズマンのトリデンテの連携にも磨きがかかっており、今後はしり上がりに調子を上げていくことが期待される。その一方で、DFリュカとDFディーニュの左サイドバック2人を中心に数人の負傷者が出ているところは懸念材料だ。ただ、ラウンド16の対戦相手はグループA3位通過のスイスとやや力が劣る相手だけに徐々にかみ合い始めた攻撃陣を軸に押し切りたい。 ◆守備改善急務も前大会王者振り切る~ドイツ~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210624_102_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 最終節の残り20分まで敗退危機に陥っていた中、不屈のゲルマン魂を見せて最低限の目標であるグループリーグ突破を決めた。フランスとの初戦ではボールを持たされた際、崩しの局面でのアイデア、パワーに欠けた上、MFキミッヒの右ウイングバック起用などに注文が付いたが、第2戦では指揮官の良い意味での頑固さが大勝をもたらす結果に。ポルトガル戦ではキミッヒとMFゴセンズの両ウイングバックに高い位置を取らせてサイドバックの守備に難がある相手を力業でねじ伏せて4-2の大勝を飾った。 ただ、この大勝で波に乗るかに思われた最終節ではハンガリーの攻守両面に渡るハードワークに屈し、2度のリードを許す窮地に追いやられた。それでも、リスクを冒した攻めからMFハヴァーツ、MFゴレツカのゴールでドローに持ち込み、直接対決で勝利している前回王者を振り切っての2位通過を決めた。ラウンド16ではグループDを首位通過したイングランドとの対戦が決まっており、快足を揃える相手の攻撃陣に対して、グループリーグを通じて問題となっているDFフンメルスのアジリティ不足など守備面の修正を施したい。 ◆エース躍動も指揮官采配に疑問符~ポルトガル~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210624_102_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 大会連覇を目指すポルトガルだが、奇しくも前大会と同じ3位で決勝トーナメントに進出することになった。ハンガリーとの初戦では苦しみながらも試合終盤の3ゴールによって快勝スタートを飾ったが、第2節ではドイツに屈辱の2-4で大敗。最終節ではフランス相手に2-2のドローに持ち込んだが、結果内容共に大きな課題を残すグループリーグの戦いとなった。 エースのFWクリスティアーノ・ロナウドが3試合連続を含む最多5ゴールと抜群の存在感を放った一方、気がかりはフェルナンド・サントス監督の采配だ。MFダニーロとMFウィリアム・カルヴァーリョと配球力と機動力に欠ける2選手の併用にこだわり、2戦目ではドイツの5枚の攻撃陣に対して完全にウィークとなっていた4バックにテコ入れを行わず、チームを苦境に陥れていた。その采配の影響か、MFブルーノ・フェルナンデスがなかなか存在感を放てず、持ち味だった守備のソリッドさも欠いている印象だ。そういった中、ラウンド16ではグループBを首位通過した優勝候補ベルギーとの対戦が決定。[3-4-2-1]を採用する相手はドイツの戦い方を参考としてくるだけに、指揮官の修正力が勝敗のカギを握りそうだ。 ◆未勝利も大善戦~ハンガリー~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210624_102_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 組み合わせが決定した時点では勝ち点の草刈り場になると思われたハンガリーだったが、強豪相手に2つの引き分けに持ち込む大善戦を見せた。ポルトガルとの初戦では80分までほぼ互角の戦いに持ち込むも、試合終盤の連続失点で0-3の完敗。この敗戦によって大きく崩れるかに思われたが、満員のサポーターの後押しを受けた世界王者との一戦では攻守両面で素晴らしいハードワークを披露し、堂々たるドローゲームを演じた。さらに、最終節では主砲FWアダム・サライのゴールなどで強豪ドイツをあと一歩のところまで追い詰めた。結果的にはベスト16進出を果たした前大会及ばずも、チームとしての成長を感じさせる戦いぶりだった。 2021.06.26 12:30 Sat
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【ユーロ2020/グループE総括】スウェーデンが不振スペインを押し退けて首位通過

ユーロ2020のグループステージが6月23日に終了した。スペインの首位通過有力と見なされていたグループEだが、その本命の不振を受けてスウェーデンが首位通過を決めた。深刻な得点力不足に喘いだスペインも最終節の大勝によって2位通過となった。一方で、スロバキアとポーランドは無念のグループリーグ敗退となった。 ■順位表■ 1.スウェーデン(勝ち点7) 2.スペイン(勝ち点5) 3.スロバキア(勝ち点3) 4.ポーランド(勝ち点1) ■試合結果■ ▽第1節 ポーランド 1-2 スロバキア スペイン 0-0 スウェーデン ▽第2節 スウェーデン 1-0 スロバキア スペイン 1-1 ポーランド ▽第3節 スロバキア 0-5 スペイン スウェーデン 3-2 ポーランド ◆堅守ベースに攻撃も活性化~スウェーデン~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210624_101_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 下馬評では3番手評価も、見事首位で4大会ぶりの決勝トーナメント進出を果たした。大会前にFWイブラヒモビッチの不参加が決定した上、MFクルゼフスキとMFスベンベリの2選手が新型コロナウイルス感染によって序盤戦を欠場する苦境に立たされたアンデション率いるチーム。しかし、ロシア・ワールドカップで機能した堅守速攻の原点に立ち返ったチームは、2勝1分けの無敗で首位通過を決めた。スペインとの初戦をGKオルセン、DFリンデロフを中心とした堅守でゴールレスドローに持ち込むと、第2戦ではMFフォルスベリのPKによるゴールを守り切ってスロバキアに1-0の勝利。すでに突破を決めていた最終節ではポーランド相手に今大会初失点を喫したが、課題の攻撃陣が3ゴールを奪って決勝トーナメントに弾みを付ける劇的な勝利を飾った。 スペインを封じ込めた堅守をベースに、圧巻の個の打開力を見せたFWイサク、チーム最多の3ゴールを挙げたフォルスベリがけん引する攻撃ではポーランド戦でようやく初出場を飾ったクルゼフスキが持ち味の突破力を早速披露し、厚みを加えている。ラウンド16の対戦相手はグループCを3位通過したウクライナという、比較的与しやすい相手となっており、更なる躍進が期待されるところだ。 ◆ボールは握れど、攻撃に怖さなし~スペイン~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210624_101_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> グループ大本命と目されたスペインだったが、最終節でようやく初勝利を挙げての薄氷の2位突破となった。大会直前に主将MFブスケッツの新型コロナウイルス感染の影響により、直前のテストマッチを回避するなど、混乱に見舞われたラ・ロハ。初戦のスウェーデン戦は圧倒的にボールを握りながらも相手の堅守をこじ開けられなかったが、この一戦に関してはGKオルセンの再三の好守や調整の問題というエクスキューズがあった。 だが、問題は2戦目のポーランド戦でFWモラタやFWジェラール・モレノの決定力不足に加え、相手の守備ブロックに対してなかなか仕掛けのパスが入らず、個で局面を打開できる選手の不在を含め、多くの課題を露呈しての1-1のドローに終わった。最終節のスロバキア戦ではブスケッツの復帰に加え、相手のミスによって序盤にゴールを奪えたことで、MFサラビア、FWフェラン・トーレスらのゴールなどによって5-0の大勝を飾ったが、お世辞にも優勝候補とは言えない低調なグループステージとなった。グループDを2位通過したクロアチアと対峙するラウンド16では、多くの批判を浴びたモラタらアタッカー陣の奮起に加え、MFペドリやMFダニ・オルモといった若きタレントの覚醒が求められる。 ◆1勝も得失点差に泣く~スロバキア~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210624_101_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> グループ4番手の評価を覆して3位フィニッシュとなったスロバキアだったが、最終節での大敗が響き得失点差によってグループリーグ敗退となった。ポーランドとの初戦では相手GKシュチェスニーのオウンゴールやMFクリホヴィアクの退場と相手の自滅に助けられて白星スタートを飾った。また、2節のスウェーデン戦でも守備的な戦いで勝ち点1に近づいたが、最終的に0-1で競り負けた。そして、最終節では守護神ドゥブラフカに痛恨ミスが出るなど守備が崩壊し、0-5の屈辱的な大敗となった。DFシュクリニアルなど守備陣の奮闘は目立ったものの、初戦を除き攻撃陣はほとんど決定機を作り出せず、今後に向けてはストライカーを中心にアタッカーの台頭が求められるところだ。 ◆エース存在感示すも未勝利~ポーランド~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210624_101_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 下馬評ではスペインと共に突破の本命だったポーランドだったが、最終的に未勝利で大会を去ることになった。バイエルンでの自身初のゴールデンシュー(欧州得点王)の肩書を引っ提げて臨んだFWレヴァンドフスキはスペイン戦で1ゴール、スウェーデン戦で2ゴールとさすがの存在感を発揮したが、チームは3戦6失点と守備面で苦戦を強いられた。ただ、大会最年少デビューを飾った17歳MFコズウォフスキ、MFジエリンスキに加え、ケガで大会欠場となったFWミリクらが順調に成長すれば、カタール・ワールドカップでの巻き返しが期待できるはずだ。 2021.06.26 12:00 Sat
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【ユーロ2020/グループD総括】下馬評通りイングランドが首位突破!クロアチアとチェコも決勝Tへ

ユーロ2020のグループステージが6月23日に終了した。グループDは下馬評通りの順当な結果となった。大本命のイングランドが2勝1分け無敗で堂々の首位通過を果たし、クロアチアとチェコはほとんど同じ成績となったが、共に白星を挙げたスコットランド戦のスコア差でクロアチアが2位でグループ突破。しかし、3位となったチェコも成績上位4チームに入って16強入り。スコットランドは唯一イングランドに善戦も、未勝利で大会を去ることになった。 ■順位表■ 1.イングランド(勝ち点7) 2.クロアチア (勝ち点4)※得失点3 3.チェコ(勝ち点4)※得失点2 4.スコットランド(勝ち点1) ■試合結果■ ▽第1節 イングランド 1-0 クロアチア スコットランド 0-2 チェコ ▽第2節 クロアチア 1-1 チェコ イングランド 0-0 スコットランド ▽第3節 クロアチア 3-1 スコットランド チェコ 0-1 イングランド ◆攻撃陣不発も堅実な戦いで次なるステップへ~イングランド~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210625_100_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 開幕前は優勝候補の一角と目されながらも、グループステージから苦戦が続いたイングランド。世界最高峰のプレミアリーグで活躍する猛者たち顔を揃え、予選の様な圧倒っぷりを期待したが、大舞台に弱い傾向が今回も見られ、初戦のクロアチア戦から攻撃面でやや不安の残る結果に。 続くスコットランド戦でも、個々の能力に対し連携が伴わずチグハグな攻撃に終止。逆に宿敵相手に何度も決定機を作られ、あわや歴史的勝利を献上かという試合内容に。そして最終節のチェコ戦も主導権を握りながらも1ゴールにとどまり、グループステージは予選に37得点を挙げた攻撃陣が鳴りを潜める、わずか2得点という冴えない結果だった。 とはいえ、クロアチア戦のトリッピアーの左サイドバック起用など、守備戦術にこだわりを持つサウスゲイト監督の下、3試合で見事クリーンシート。派手さはなかったものの、堅実な戦いで次のステップへ歩を進めた。 ◆躍進の鍵はやはりモドリッチ~クロアチア~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210625_100_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 初戦でグループD本命のイングランドに敗れ、難しいスタートとなったクロアチア。2戦目のチェコ戦も、ラキティッチやマンジュキッチといった個で試合を作れた柱となる選手がチームから去ったことで、準優勝した2018年のワールドカップほどの創造性が欠けていた印象だ。 それでも、グループ突破のかかった最終節のスコットランド戦は攻撃を一手に担う主将モドリッチが躍動。先制点の起点となったパスに始まり、同点の中で沈めたアウトサイドを巧みに操ったゴラッソ、そして試合を決定づける3点目をアシストするなど全得点に絡む活躍で、2大会連続の決勝トーナメント進出に導いた。 ◆守護神躍動でベスト16滑り込み~チェコ~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210625_100_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 同グループではイングランドに並ぶ最多10度目の出場となったチェコは、開幕直前にGKパブレンカの負傷離脱に見舞われた中、その無念を背負う守護神ヴァツリークがまさに神懸かったセービングでチームを救い続けた。初戦のスコットランド戦では、相手のロバートソンのミドルシュートを片手でわずかにコースを変えて枠の外に書き出すと、後半にも2度のピンチを凌いで無失点に貢献。一方、攻撃では大会ベストゴール候補に挙げられるシックの超ロングシュートが決まるなど、初戦から見どころの多い試合に。 2戦目以降もこの勢いのまま押し切りたかったが、クロアチア戦はシックのPKで先制しながらもドローに持ち込まれ、最終節のイングランド戦はほとんど主導権を握られたまま敗戦。攻撃面でなかなか決定的な役者が現れず得点に苦労したが、先述のように成績上位4チームに入ったことで、ベスト16へ2大会ぶりに駒を進めている。 ◆6大会ぶり出場も史上初のGS突破ならず~スコットランド~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210625_100_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 6大会ぶりのユーロはほろ苦い結果に。予選ではグループ突破とはならず、ネーションズリーグの成績からプレーオフに回り、イスラエルとセルビアを下して3度目の本大会出場を果たしたスコットランド。下馬評では最下位が大方の予想ではあったが、プレミアリーグで実績を残している実力者も擁していることから、ダークホース的な立ち回りも期待されていた。 しかしながら結果は1分け2敗。イングランドに唯一渡り合えたポイントは評価すべきだが、普段以上にモチベーションが高められる特別な相手だったことも事実。主将を務めたロバートソンは「この国のキャプテンであることを誇りに思う」と胸を張ったが、史上初のグループ突破は今回も叶わなかった。 2021.06.25 19:00 Fri
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