ガスペリーニ監督、交代19秒で決勝点のパシャリッチ投入の名采配に「思い描いていたプランではない」

2020.02.16 15:20 Sun
Getty Images
アタランタを率いるジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督が、ローマ戦でチームを逆転勝利に導いた自身の名采配を振り返った。

アタランタは15日、ホームで行われたセリエA第24節でローマと対戦し、2-1の逆転勝利を収めた。

前節終了時点で4位のアタランタは、チャンピオンズリーグ(CL)出場権を争う5位チームを迎え撃った一戦で前半終了間際にDFホセ・ルイス・パロミーノのミス絡みで先制を許す苦しい展開に。
それでも、後半立ち上がりにセットプレーからそのパロミーノに名誉挽回の同点ゴールが生まれると、59分には投入されたばかりのMFマリオ・パシャリッチが見事なコントロールシュートを叩き込み、逆転に成功。その後、安定した試合運びで相手の反撃を凌いでCL出場権を懸けたシックスポインターを制した。

同試合後、ガスペリーニ監督は主砲FWドゥヴァン・サパタに代えてピッチに送り込み、投入から19秒で決勝点を決めたパシャリッチの起用理由を説明。「彼にゴールを決めさせるプランではなかった」と語り、自身にとっても驚きの名采配になったことを認めている。老将がイタリア『DAZN』のインタビューで明かした。
「我々は前半に関して一定のバランスを保つことができていたが、相手に脅威を与えるという部分で少し苦労していた。そのため、(パシャリッチ投入によって)パプ・ゴメスをより攻撃的な位置でプレーさせたいと考えていた」

「投入したプレーヤーが19秒後に得点を奪った場合、それは間違いなく思い描いていたプランではなかったと言うべきだろうね。重要なことは中盤で自分たちのバランスを取り戻すことだった」

なお、自身の采配が偶然だったことを強調したガスペリーニ監督だが、今シーズンは途中出場の選手が12ゴールを決めるなど、選手交代の妙が目立っている。

今回の勝利によって5位以下との実質的な勝ち点差を「7」に広げたアタランタは、19日に行われるCLラウンド16初戦のバレンシア戦に向けて大きな弾みを付けている。そして、ガスペリーニ監督は同試合に向けて意気込みを見せている。

「我々がサポーターと共に経験していることはイタリアではとてもレアなことだ。水曜日のバレンシア戦はとても楽しみだし、街全体が(試合会場のサン・シーロがある)ミラノに旅することになる」

「対戦相手のバレンシアはバルセロナ戦、アトレティコ戦を見たが、非常に難しい相手だ。バレンシアには多くのクオリティを持ったプレーヤーがおり、難しい試合になることは間違いないが、我々は興奮しているよ。4万人でサン・シーロに向かい、楽しむつもりだ」

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リバプールやブライトン、2部リーグで躍動する19歳アレックス・スコットに関心か

ブリストル・シティのU-20イングランド代表MFアレックス・スコット(19)が各方面から注目を集めているようだ。イギリス『90min』が伝えている。 スコットはチャンピオンシップ(イングランド2部)で躍動する若きセントラルハーフ。下部組織時代から過ごすブリストルで昨シーズンからファーストチーム昇格を果たすと、1年目からリーグ戦で39試合、2年目の今シーズンもここまで40試合に出場している。まさにチームの要だ。 ブリストルとの契約を2025年6月まで残すなか、スコットはシーズン終了後のステップアップを熱望。プレミアリーグからはリバプールやブライトン&ホーヴ・アルビオン、ニューカッスル、ブレントフォード、リーズ・ユナイテッドなどが関心を寄せているという。 また、イングランド以外からも注目が集まっているようで、RBライプツィヒ、モナコ、アタランタ、ボローニャもスコットを注視。この4クラブはスコットが先月末にU-20イングランド代表として出場した試合にスカウトを派遣していたとのことだ。 ブリストルが要求すると考えられているのは3000万ポンド(約51億4000万円)。チームを率いるナイジェル・ピアソン監督はつい先日、スコットについて「まだ19歳なのに、ここ2年の一貫したパフォーマンスは素晴らしい。長期契約を結ぶべきだ」と残留を望むコメントを残している。 『90min』いわく、スコットは中盤のポジションならどこでも対応可能で、左右のウィンガーとしてもプレーできるとのことだ。 2023.04.29 14:11 Sat
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選手売却でサイクルを回す“売りのアタランタ”、今度は夏のルックマン売却を準備「意志に反してまで残るなんてダメ」

アタランタの幹部2人が、ナイジェリア代表FWアデモラ・ルックマン(27)の売却を示唆。イタリア『コリエレ・デラ・セラ』が伝える。 ルックマンは市場価値5500万ユーロ(約89.9億円)というセリエA有数のアタッカー。 22年夏にレスター・シティからアタランタへ加入後、22-23シーズンはセリエA13得点、23-24シーズンは11得点、今季すでに10得点と3年連続2桁得点を記録し、昨季のEL決勝ではレバークーゼン相手に3得点を叩き込んだ。 まさにアタランタ新時代を引っ張る存在なわけだが、必然的に他クラブからの熱視線も浴びることに。EL優勝後の昨夏は残留で、契約も26年夏まで残すが、やはりそこは“売りのアタランタ”…ルックマンも売却する用意があるようだ。 アントニオ・ペルカッシ会長とルカ・ペルカッシ最高経営責任者(CEO)が本件に言及。この冬の間にアタッカーを1人獲得し、2025年夏にもルックマンを売却する用意を整えるようだ。 「できる限りの誠意を尽くして残留を求めるが、ルックマン自身の意志に反してまでここに残るなんてことは、あってはならない」 「たとえばトゥン・コープマイネルス。彼は昨夏ユベントスに移籍するため、奇妙な診断書の数々を提出してまでアタランタの練習を拒否したが、そこまでする必要はないということだ」 「現場サイドの要望により、今月中に前線の選手を1人確保する見通しでね。それが誰かはまだ我々としてもハッキリしていないが、価値ある選手であることは間違いない」 アタランタといえば、23年夏にデンマーク代表FWラスムス・ホイルンドをマンチェスター・ユナイテッドへ高値で売却。 その半年後、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督は「ホイルンドの売却益はCL3回出場の賞金額とほぼ同じ」と笑顔で振り返り、さらに半年後、EL制覇で欧州タイトルを獲得した。 2025.01.24 21:05 Fri

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