涙のハリルホジッチ監督、サラの事故後初のホームゲームを振り返る

2019.01.31 11:55 Thu
Getty Images
ナントヴァイッド・ハリルホジッチ監督が、サンテチェンヌ戦後にコメント。エミリアーノ・サラについて語るとともに、再び歩み出すことを誓った。

ナントは30日、ホームにサンテチェンヌを迎えた。この試合は、カーディフへの移籍が決定したアルゼンチン人FWエミリアーノ・サラ(28)が飛行機事故に遭い、行方不明になってから初のホームゲームだった。

試合前からエモーショナルな雰囲気に包まれたスタジアム。ナントの選手とスタッフは、キックオフ前に全員でピッチサイドで円陣を組み、ハリルホジッチ監督も輪の中に入って指揮を高めた。
また、ナントの選手たちのユニフォームには、全員「SALA」のネームが入り、背番号の下には「ANIMO EMI(スペイン語で、「頑張れエミ」)」のメッセージが入っていた。

試合はキックオフされると、前半9分を迎えるにあたり主審が試合を中断。行方が分からないサラの背番号「9」に合わせ、1分間にわたってスタジアム全体で拍手。ハリルホジッチ監督は涙を浮かべ、サラへの想いを胸に指揮を執った。
試合はナントが先制を許すも、終盤に追いつき1-1のドロー。試合後、ハリルホジッチ監督は一戦を振り返り、スタジアムの雰囲気と、サラについてコメント。ファンやサポーターにも感謝の意を示した。

「私が指揮をしなければいけなかった最も過酷な試合だったが、私は選手たちを誇りに思い、一般の人々からのサポートを誇りに思っている。そして、ゴールの後の反応は、とても素晴らしかった」

「我々は、エミリアーノ・サラを決して忘れないだろう。彼は、並外れた青年で、人生は続いている。そして、選手たちが再び笑顔を取り戻すことを願っている」

「大いなる尊厳を示してくれたファンと選手たちにおめでとうと言いたい。人生は続く。選手たちが、笑顔と勝利の味を取り戻すことを願っている」

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エミリアーノ・サラ悲劇の事故死から4年、カーディフがナントに移籍金一部を支払い

2019年1月に飛行機墜落事故で亡くなったエミリアーノ・サラに関して、カーディフがナントに移籍金の初回支払いを済ませたようだ。イギリス『BBC』が伝えている。 当時の移籍市場でナントからカーディフへの移籍が決まっていたサラは、フランスからイギリスに向かう小型飛行機が墜落し帰らぬ人となった。原因不明の航空機事故として当局による様々な調査が行われた中、クラブ間では同選手の所有権や移籍金をめぐって問題が発生していた。 移籍はカーディフが1700万ユーロを支払う予定となっていたが、事故が起きた瞬間の所有権はまだナント側にあったと主張し、移籍金の支払いを拒否。だがその後、FIFAはカーディフに対し冬の移籍市場での3年間の補強禁止処分を言い渡した。 そして、事故から4年が経つ中で、カーディフは分割支払いの1回目の支払いとして600万ユーロ(利息を含めると800万ユーロ)の支払いが行われたようだ。 なお、今回の支払いに際して、カーディフはFIFAに補強禁止処分の解除を要求しているとのことだ。 2023.01.11 22:00 Wed
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「命を落とした選手を侮辱する言葉はどこから…」ニースの一部サポーターが最低の行為、クラブも激怒

ニースは11日、ファンによる最低のチャントを痛烈に非難した。 問題が起きたのは11日に行われたリーグ・アン第36節のサンテチェンヌ戦。試合は4-2でニースが勝利したが、その試合中にチャントが歌われた。 そのチャントは、2019年1月に移籍が決定してカーディフに合流しようとしていた中、飛行機が墜落して命を落としたナントのFWエミリアーノ・サラにまつわるものだった。 ニースは、7日にクープ・ドゥ・フランス決勝でサラがかつて所属したナントと対戦。しかし、敗れて優勝を逃していた。 その後のホームゲームで歌われた最低のチャントに、ニースは怒りの声明を発表した。 「ニースは、水曜日の夜、アリアンツ・リヴィエラで聞こえてきたエミリアーノ・サラに関するチャントを、最も強い言葉で非難します」 「クラブは、少数派のサポーターによる想像を絶する忌まわしい挑発行為に対して、自分たちの価値観や赤黒の家族全員の価値観を認めません」 「ニースは、エミリアーノ・サラのご家族、ご友人へのサポートを送ります」 また、ニースのクリストフ・ガルティエ監督も試合後に批判していた。 「我々が聞いたことを説明する言葉がない。サッカースタジアムでは多くのことが聞こえてくる」 「しかし、あれは…命を落としたサッカー選手を侮辱する言葉はどこから出てくるのだろうか。それが我々の社会で起きたら、大変なことになる」 2022.05.12 14:49 Thu
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セルジオ・コンセイソン監督がナントを電撃辞任! 古巣ポルトの新指揮官に就任へ

▽ナントは6日、セルジオ・コンセイソン監督(42)との契約解除を発表した。 ▽ナントの公式発表によると、クラブは先日にセルジオ・コンセイソン監督との契約を2020年まで延長していたが、ポルトの新指揮官就任を希望する同監督とそのコーチングスタッフが、一方的に契約解除を求めたという。クラブ側はこの申し出を容認できないと考えているものの、契約上の問題で辞任を受け入れる選択肢しかなかったとのことだ。 ▽レネ・ジラール前監督(62)の後任として昨年12月にナントの新指揮官に就任したコンセイソン監督は、残留争いに巻き込まれていた19位のチームを卓越した手腕で立て直し、最終的に7位でフィニッシュさせていた。 ▽なお、今シーズン限りでヌーノ・エスピリト・サント前監督(43)を解任したポルトの新監督就任が迫る元ポルトガル代表MFは、ユース時代と1996~1998年、2004年にポルトに在籍しており、13年ぶりの古巣帰還となる。 ※写真は現役時代のセルジオ・コンセイソン氏 2017.06.07 15:58 Wed
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バレンシアのスイス代表DFキュメルトがバジャドリーへレンタル移籍…昨季はナントでプレー

レアル・バジャドリーは10日、バレンシアのスイス代表DFエライ・キュメルト(26)をレンタル移籍で獲得したことを発表した。 キュメルトは、トルコにルーツを持つスイス人選手。バーゼルの下部組織で育ち、ルガーノやシオンといった国内クラブへのレンタル移籍を経験した。 2022年1月にバレンシアへと完全移籍。2023-24シーズンはナントへのレンタル移籍を経験。リーグ・アンで25試合に出場し2ゴールを記録するなどしていたが、再びレンタル移籍に出ることとなった。 バジャドリーは、2023-24シーズンのセグンダ・ディビシオン(スペイン2部)で2位に終わり、新シーズンはラ・リーガに所属することとなる。 2024.07.11 10:53 Thu

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