タイトル請負人・オズの“魔法”は選手、そして浦和サポーターへ/編集部コラム

2018.12.11 23:35 Tue
©超ワールドサッカー
▽自身にとっては3度目の天皇杯優勝。日本では無冠に終わったことがない。“オズの魔法使い”と呼ばれる名将は、やはり魔法使いだった。
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▽「昨夜はあまり眠れなかったことを告白しておく」。試合後の優勝会見で浦和レッズオズワルド・オリヴェイラ監督が明かした。準決勝から中4日。初優勝を目指すベガルタ仙台を下し、12年ぶりに天皇杯を制したものん、それは簡単な道のりではなかった。◆アジア王者、最悪のシーズンスタート
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▽堀孝史監督がチームを率い、アジア王者としてスタートした今シーズン。しかし、開幕から5試合で2分け3敗と未勝利が続き、第5節でジュビロ磐田に敗れた翌日に堀監督が解任された。その後、ユースで監督を務めていた大槻毅氏がチームを率いると、公式戦6戦無敗。第9節からオリヴェイラ監督が指揮を執った。
▽2007年から2011年まで鹿島アントラーズを率いていたオリヴェイラ監督。日本での5シーズンで獲得したタイトルはリーグ優勝3回、リーグカップ1回、天皇杯2回の6つ。鹿島を率いた全てのシーズンでタイトルを獲り、リーグ3連覇を成し遂げるなど常勝軍団を作り上げていた。
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▽タイトル請負人としてチームの立て直しを託されたオリヴェイラ監督だったが、ロシア・ワールドカップ開催による過密日程の影響もあり、簡単にはいかなかった。「モチベーションを上げるということが重要だった」と明かしたオリヴェイラ監督。そして、チームのウィークポイントもすぐに把握した。

「試合では後半にパフォーマンスが低下し、追いつかれたり逆転できないということがあった」
▽オリヴェイラ監督就任後の浦和は、初戦の北海道コンサドーレ札幌戦をゴールレスドロー、続く柏レイソル戦は終盤に失点し敗戦。湘南ベルマーレ戦は前半に先制されると追いつくことなく敗れた。その後も川崎フロンターレ戦に勝利するも、鹿島アントラーズには敗戦。サガン鳥栖、ガンバ大阪と無得点で引き分け、中断期間に入った。オリヴェイラ監督が感じた不安要素が、結果にも表れてしまった。

◆中断期間に“魔法”をかける
▽「静岡での夏合宿が始まってからは時間ができたので、フィジカル的な部分だけでなく戦術的な部分も浸透させた」とオリヴェイラ監督は語っている。DF槙野智章が日本代表に招集されたものの、ほとんどの選手が残り、オリヴェイライズムの浸透が図られた。しかし、リーグ戦で調子を取り戻すことは簡単ではなく、中断明けの19試合は10勝4分け5敗。攻守が噛み合う試合とそうでない試合が顕著に分かれてしまった。

▽時期を同じくして連覇を達成した川崎Fは順調に勝ち点を重ね、浦和のリーグ優勝は叶わないものとなる。ルヴァンカップも6月のプレーオフステージでJ2のヴァンフォーレ甲府に敗れ敗退。タイトルの望みは天皇杯に絞られた。

▽天皇杯の2回戦ではJ3のY.S.C.C.横浜を相手に勝利。3回戦では後にJ2を制する松本山雅FC、4回戦では東京ヴェルディ、準々決勝ではサガン鳥栖を下してベスト4に駒を進めた。

▽決勝進出をかけた相手は、アジア王者に輝き、オリヴェイラ監督の古巣でもある鹿島。DFマウリシオがセットプレーからゴールを奪うと、その1点を守り切り勝利。3大会ぶりの決勝進出を決めた。しかし、その代償は大きかった。

「通常の状況では試合に関わらなかったであろう選手が6人いた。そのうちの1人であるマウリシオがゲームに関わることができなかった」
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▽これが、オリヴェイラ監督が決勝前夜に眠れなかった理由だ。マウリシオ、青木拓矢、武藤雄樹、興梠慎三が鹿島戦で負傷。武藤、興梠、青木は先発したが、青木に至ってはヒジを脱臼し、プロテクターをつけて決勝の仙台戦にフル出場した。

▽ケガを抱えながらも先発した興梠は「あの人に付いていけば間違いない」とオリヴェイラ監督への信頼を口にした。スーパーゴールで決勝点を記録した宇賀神友弥は「前日練習でも練習しましたし、オリヴェイラ監督からもこぼれ球のところは信頼をもらって、あのポジションに居させてもらっている」とコメント。監督の指示通り、トレーニングを積み重ねた結果が、タイトルへ繋がるゴールを生んだ。
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◆“魔法”をかけられたのは選手だけではない
▽そして、オズの“魔法”は、選手たち以外にもかかったのだろう。浦和が誇るサポーターたちも、チームを立て直したオズの“魔法”に魅せられ、その結果、選手たちに今まで以上のパワーを選手たちへと与えた。

▽準決勝の鹿島戦では、ゴール裏のサポーターがアウェイながらコレオグラフィーで後押し。決勝戦では、キックオフ前に巨大なエンブレムがゴール裏に掲げられ、度肝を抜いた。前日練習にも大勢のサポーターが集まり、横断幕を掲載した。
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▽大声援を受け、しっかりとタイトルを獲得した浦和。阿部勇樹は「サポーターの方と浦和レッズが一緒になれば、抑え切れないぐらい大きなチームになると思っている」と語り、オリヴェイラ監督も「今日はサポーターの応援が決定的だったと思う。彼らの応援する意欲が、選手たちの力になったと思う」とコメント。選手バスがスタジアムに到着するときには、発煙筒をたき、大声援で選手を迎えたサポーターのパワーは、選手たちにとってオズをも超える“魔法”になったのかもしれない。

◆自信を取り戻し、再び頂点へ
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▽天皇杯は決勝を含め、4試合連続無失点。6試合でわずかに1失点だった。守備を立て直し、勝負強さを植え付けられた結果が、3年連続のタイトル獲得に繋がった。「選手たちに自信をつけること」が大事だと語ったオリヴェイラ監督。オズは選手たちの心に、しっかりと“魔法”をかけていた。

▽天皇杯の優勝により、来シーズンは再びアジアの舞台に立つことができる。2017年アジア王者の目標は、王座奪還、そしてオズにとっての初アジア制覇だろう。
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▽オリヴェイラ監督も「ACLで戦えないということは避けなければいけなかった」と語り、槙野は「アジアチャンピオンというのにもう一度返り咲くためにも、チャレンジャーとしてやりたい」と意気込む。興梠も「来年はACLがあるので、楽しみが1つ増えた」とアジアへ挑戦することに期待を寄せている。

▽オズの“魔法”により、3シーズン連続のタイトル獲得、2年ぶりのACL出場を掴んだ浦和。その“魔法”で、来シーズンは全てのタイトル獲得に挑み、“魔法”でパワーアップしたサポーターの声援は選手たちに届くことだろう。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》

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【Jリーグ出場停止情報】J1横浜FMのMFジャン・クルードが次節出場停止、J2では清水FW北川航也が暴行の判断で残り2試合欠場、甲府は3名が出場停止に

Jリーグは29日、最新の出場停止選手情報を発表した。 J1リーグでは横浜F・マリノスのMFジャン・クルードが追加。他の大会での出場停止処分の影響により、30日の第35節浦和レッズ戦が出場停止となった。 J2リーグでは8選手が出場停止に。清水エスパルスのFW北川航也は27日の栃木SC戦で一発退場。「ファウルを受け両選手ともに倒れている状態で、相手競技者の右肩に対して左足で過剰な力を用いて蹴った行為は、『選手等に対する暴行(肘打ち、パンチ、蹴り、噛みつき、唾を吐きかける又は殴打する等)』に相当する」と判断された。 3試合の出場停止処分と15万円の罰金が科されることに。しかし、J2の全日程が11月10日をもって終了し、出場停止処分の対象となる同レベルの大会もなく、停止処分となる対象試合が1試合で翌シーズンへ繰り越さないことから、出場停止試合は2試合となっている。 ヴァンフォーレ甲府のDFエドゥアルド・マンシャは27日のレノファ山口FC戦で一発退場。「ペナルティーエリア外で、ドリブルをしていた相手競技者に対し、ボールにプレーできず反則で止めた行為は、『相手チームの決定的得点機会の阻止』に該当する」と判断され、1試合の出場停止となった。 また、甲府のDF林田滉也も山口戦で一発退場。「スライディングをしボールにプレーした後、相手競技者が起き上がったところを足裏で顔を蹴った行為は、『選手等に対する反スポーツ的な行為』に該当する」と判断され、こちらも1試合出場停止となった。 J3リーグでは7名が追加。Y.S.C.C.横浜のDF大嶋春樹は26日の松本山雅FC戦で一発退場。「ペナルティーエリア内で、ドリブルをしていた相手競技者に対し、ボールにプレーできず反則で止めた行為は、『相手チームの決定的得点機会の阻止』に該当する」と判断され、1試合の出場停止処分を受けている。 【明治安田J1リーグ】 DFマリウス・ホイブラーテン(浦和レッズ) 第35節 vs横浜F・マリノス(10/30) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF安斎颯馬(FC東京) 第35節 vs湘南ベルマーレ(11/3) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DF昌子源(FC町田ゼルビア) 第35節 vsサガン鳥栖(11/3) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DF高井幸大(川崎フロンターレ) 第28節 vs浦和レッズ(11/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MFジャン・クルード(横浜F・マリノス) 第35節 vs浦和レッズ(10/30) 今回の停止:その他の停止 MFレオ・ゴメス(ジュビロ磐田) 第35節 vsヴィッセル神戸(11/1) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 GKク・ソンユン(京都サンガF.C.) 第35節 vsサンフレッチェ広島(11/3) 今回の停止:1試合停止 FWウェリントン(アビスパ福岡) 第35節 vs柏レイソル(11/3) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF松岡大起 (アビスパ福岡) 第35節 vs柏レイソル(11/3) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 FWマルセロ・ヒアン(サガン鳥栖) 第35節 vsFC町田ゼルビア(11/3) 今回の停止:3試合停止(1/3) 第36節 vs横浜F・マリノス(11/9) 今回の停止:3試合停止(2/3) 第37節 vs名古屋グランパス(11/30) 今回の停止:3試合停止(3/3) 【明治安田J2リーグ】 DF中塩大貴(ザスパ群馬) 第37節 vs大分トリニータ(11/3) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF品田愛斗(ジェフユナイテッド千葉) 第37節 vsV・ファーレン長崎(11/3) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 FW高橋利樹(横浜FC) 第37節 vs栃木SC(11/3) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DFエドゥアルド・マンシャ(ヴァンフォーレ甲府) 第37節 vsブラウブリッツ秋田(11/3) 今回の停止:1試合停止 MF佐藤和弘(ヴァンフォーレ甲府) 第37節 vsブラウブリッツ秋田(11/3) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF林田滉也(ヴァンフォーレ甲府) 第37節 vsブラウブリッツ秋田(11/3) 今回の停止:1試合停止 FW北川航也(清水エスパルス) 第37節 vsいわきFC(11/3) 今回の停止:3試合停止(1/3) 第38節 vsロアッソ熊本(11/10) 今回の停止:3試合停止(2/3) DFヘナン(レノファ山口FC) 第37節 vs愛媛FC(11/3) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 【明治安田J3リーグ】 MF音泉翔眞(ヴァンラーレ八戸) 第35節 vsカマタマーレ讃岐(11/3) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DF大嶋春樹(Y.S.C.C.横浜) 第35節 vsAC長野パルセイロ(11/2) 今回の停止:1試合停止 MF山中麗央(AC長野パルセイロ) 第35節 vsY.S.C.C.横浜(11/2) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF大山啓輔(ツエーゲン金沢) 第35節 vsいわてグルージャ盛岡(11/3) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DF生駒稀生(奈良クラブ) 第35節 vs福島ユナイテッドFC(11/2) 今回の停止:1試合停止 MF曽我大地(ガイナーレ鳥取) 第35節 vs大宮アルディージャ(11/2) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DF工藤孝太(ギラヴァンツ北九州) 第35節 vsアスルクラロ沼津(11/2) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DF藤春廣輝(FC琉球) 第35節 vsFC今治(11/3) 今回の停止:3試合停止(2/3) 第36節 vs大宮アルディージャ(11/10) 今回の停止:3試合停止(3/3) 2024.10.29 18:29 Tue
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浦和MF大久保智明が右ヒザ手術で全治3カ月の見込み…今季中の復帰難しく

浦和レッズは22日、MF大久保智明についてを発表した。 大久保は右ヒザ半月板損傷と診断され、21日に手術。全治3カ月の見込みで、22日に後半から再開となる明治安田J1リーグ第28節の川崎フロンターレ戦でも当初の出場メンバーで唯一の変更となり、松尾佑介が代わって出る。 東京ヴェルディのアカデミーから中央大学に進み、2021年に浦和入りの大久保。今季はここまでJ1リーグ22試合で2得点1アシストだったが、シーズン中の復帰は難しそうだ。 2024.11.22 17:59 Fri
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浦和がバルサ、リバプールと並ぶ!! 『世界の熱狂的なサポーター5選』に浦和サポーターが選出!

▽世界各国のフットボールシーンにおいて、熱狂的なサポーターを抱えることで知られるクラブがいくつかある。日本を代表する熱狂的なサポーターと言えば、浦和レッズサポーターだが、『Fox Sports』が選ぶ『世界の熱狂的なサポーター5選』に見事選ばれた。 ▽浦和が選ばれた『世界の熱狂的なサポーター5選』には、リーベル・プレート(アルゼンチン)、ガラタサライ(トルコ)、リバプール(イングランド)、バルセロナ(スペイン)が入っており、浦和サポーターは世界でも“熱狂的”なファンで知られるクラブと肩を並べることとなった。 ▽浦和については「Jリーグの20シーズン中、14シーズンで最高の平均入場者数を誇り、サポーターが作る最高のコレオグラフィーがある」と紹介。「次東京に行く際は、埼玉スタジアムでの試合を観て欲しい」と、観戦を勧めている。以下、4クラブのサポーターの特徴を紹介。 ◆リーベル・プレート(アルゼンチン) ▽リーベル・プレートは、アルゼンチンで最もサポーターが多いクラブの1つで、ボカ・ジュニアーズとの激しいライバル関係は有名だ。ロス・ミジョナリオス(億万長者)の愛称でも知られ、ボカ・ジュニアーズとのダービーは、死人が出るほどの激しい試合になるとも言われている。 ◆ガラタサライ(トルコ) ▽ガラタサライは、ファンの大声援が地響きを起こすとも称されるほど。悪名高い「Wellcome to Hell(地獄へようこそ)」というバナーは広く知られている。1993年のマンチェスター・ユナイテッド戦、2001年のパリ・サンジェルマン戦ではサポーターが衝突し、まさに“地獄”となってしまった。 ◆リバプール(イングランド) ▽サポーターを「12人目の男」と考えるリバプール。「You'll Never Walk Alone」の大合唱は有名であり、スタジアムが素晴らしい雰囲気で包まれる。2005年のチャンピオンズリーグ決勝のミラン戦では、ビハインドで迎える後半にサポーターの大声援が選手の背中を後押しし、逆転での優勝に繋がったとも。 ◆バルセロナ(スペイン) ▽かつては「ソシオ」がチームを支えるほど、サポーターとの関係が重要視されているバルセロナ。近年、胸スポンサーを入れるようになったが、それまではサポーターの会員費と入場料収入でクラブは運営されていた。かつて、レアル・マドリーへ禁断の移籍をしたルイス・フィーゴが凱旋した時には、豚の頭が投げ込まれるほど熱狂的だ。 2017.10.12 22:45 Thu

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