レアル・マドリー、ベルナベウ全面改装に着手へ…改装費用として764億円の債務を負うことが承認される
2018.09.25 00:08 Tue
23日にレアル・マドリーのソシオ(クラブ会員)総会が行われ、本拠地サンティアゴ・ベルナベウの全面改装費として、5億7500万ユーロ(約764億円)の債務を抱えることが承認された。
マドリーはアブダビ首長国が全額出資する投資会社IPICにベルナベウのネーミングライツを譲渡することで、全面改装費の資金調達を目指した。が、ホテル併設をマドリー上位裁判所から禁じられたタイミングで、IPICがプロジェトから撤退(マドリーは契約違反を訴え、パリで係争中)。これによりマドリーは債務を抱えて全面改装に着手する方針を立てた。
マドリーのクラブ規約においては、予算の15~20%以上の債務を抱える場合に、総会でソシオの代表者たちの3分の2から同意を得なければならない。そして23日に行われた総会での投票結果は賛成1017票、反対57票、白紙23票となり、債務を負うことが承認されている。
5億7500万ユーロの債務の返済期間は35年。1シーズンあたりの返済額は2500万ユーロ(約33億円)となるが、マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長は総会で、それがクラブ収入の4%足らずの額であることを強調した。同会長はまた、全面改装後のベルナベウでは、1シーズンにつき1億5000万ユーロ(約200億円)の収入を見込んでいることも説明している。
全面改装は来夏に着工となり、2022年に完了する予定。倫理上の観点から、ペレス会長の建設会社ACSは工事に参加しない。なおマドリーの2017−18シーズンの総収入は、前シーズン比11.3%増の7億5090万ユーロ(約997億円)で、純利益は45.9%増の3120万ユーロ(約41億円)となっている。
提供:goal.com
マドリーはアブダビ首長国が全額出資する投資会社IPICにベルナベウのネーミングライツを譲渡することで、全面改装費の資金調達を目指した。が、ホテル併設をマドリー上位裁判所から禁じられたタイミングで、IPICがプロジェトから撤退(マドリーは契約違反を訴え、パリで係争中)。これによりマドリーは債務を抱えて全面改装に着手する方針を立てた。
マドリーのクラブ規約においては、予算の15~20%以上の債務を抱える場合に、総会でソシオの代表者たちの3分の2から同意を得なければならない。そして23日に行われた総会での投票結果は賛成1017票、反対57票、白紙23票となり、債務を負うことが承認されている。
5億7500万ユーロの債務の返済期間は35年。1シーズンあたりの返済額は2500万ユーロ(約33億円)となるが、マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長は総会で、それがクラブ収入の4%足らずの額であることを強調した。同会長はまた、全面改装後のベルナベウでは、1シーズンにつき1億5000万ユーロ(約200億円)の収入を見込んでいることも説明している。
全面改装は来夏に着工となり、2022年に完了する予定。倫理上の観点から、ペレス会長の建設会社ACSは工事に参加しない。なおマドリーの2017−18シーズンの総収入は、前シーズン比11.3%増の7億5090万ユーロ(約997億円)で、純利益は45.9%増の3120万ユーロ(約41億円)となっている。
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「カシージャスとラウールはマドリーの2大詐欺師」、ペレス会長の2006年辞任後の発言収めた音声データが今になって流出…
レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長は、クラブのレジェンド中のレジェンドである元スペイン代表GKイケル・カシージャス、同FWラウール・ゴンザレスを“クラブ史上最大の詐欺師”と考えていたようだ。スペイン『ESPN』が伝えている。 カシージャスはマドリーのカンテラ育ちで在籍16シーズンで公式戦通算725試に出場し、5度のラ・リーガ制覇や3度のチャンピオンズリーグ(CL)優勝など、18ものタイトル獲得に貢献した伝説的な守護神。 一方、同じくマドリーのカンテラ育ちのラウールはクラブ歴代最多の通算741試合に出場し、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(現ユベントス)に抜かれるまで、クラブ歴代最多の323ゴールを挙げていた伝説的なストライカーだ。 その2人に関しては2009年に自身2度目の当選を果たして以降、長らくエルブランコの会長職に留まるペレス会長の現行の任期中に一度クラブを離れたが、現役引退後の現在は前者がレアル・マドリー・ファンデーションのゼネラル・ディレクターのアシスタント。後者がレアル・マドリー・カスティージャの指揮官として復帰している。 そのため、現在の関係性は昵懇の間柄とは言えないものの、表面上の関係は問題ないと思われている。 しかし、今回スペイン『El Confidencial』はどういった経緯で入手したかは不明だが、2006年にペレス会長が辞任した直後の発言を収めたと見られる音声データを入手。そして、その音声データには当時選手としてチームに在籍していたカシージャスとラウールを強く非難する趣旨の発言が収められていた。 ペレス会長は2000年に初当選した際、元ポルトガル代表FWルイス・フィーゴ、元ジネディーヌ・ジダン、元ブラジル代表FWロナウド、元イングランド代表MFデイビッド・ベッカムと毎年のようにスーパースターを獲得し、“ロス・ガラクティコス”と評された絢爛豪華なスカッドを作り上げた。 しかし、2006年2月には2シーズン連続のシーズン無冠の責任を執る形でクラブを追われていた。その際、一部ではクラブ生え抜きのスタープレーヤーで、同会長のやり方に不満を示していた前述の2人との不仲説も囁かれていた。 そういった経緯もあった中、今回流出した音声データではペレス会長による2人のレジェンドへの以下のような発言があった。 「(カシージャスについて)彼はレアル・マドリーのGKになるには十分ではない、私に何を言ってほしいんだ?」 「彼はダメだし、その器ではない」 「それは我々が犯した大きな間違いだ。何が起こったかというと、彼ら(クラブ関係者)は彼を崇拝し、彼と話したがった。私にはわからないがね。彼らは彼をとても擁護している。彼はマドリーの大きな詐欺師のひとりだ。そして次はラウールだ。マドリーの2大詐欺師は、まずラウール、そしてカシージャスだ」 「ジダンは素晴らしい人間だ。それにベッカムやロナウドも…。ただ、他にもそう思う人間はいたよ。ただ、ラウールは悪い人間だ」 「彼はマドリーを自分のものだと思っていて、マドリーにあるすべてのものを利用し、自分の利益のためにすべてを発展させている。彼と彼のエージェントがね。マドリーがうまくいっていないのは、彼らのせいだ」 「私が退団したのは他にも理由があるが、彼のせいだ。彼は自分の時間が終わると考えて、『俺が出て行く前に、マドリーを終わらせるんだ』と言っている。彼はネガティブな男で、クラブやプレーヤーの中のモラルを破壊していて、『マドリーが悪いのであって、ラウールが悪いわけではない』と言われるようになっている。この男の悪さは酷いものだ」 なお、『ESPN』は「2大詐欺師」などかなり過激な言葉で2人のレジェンドを批判したペレス会長の今回のコメントに関して、その真偽を含めてマドリー側に回答を求めているが、現時点で反応はないという。 2021.07.13 21:12 Tue3
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ハルケの死に苦しんでいたイニエスタ「全てが暗く、全てが黒く」
ヴィッセル神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが、親友の死によって苦しんでいた過去を『Rakuten TV España』に語った。 2009年8月8日、エスパニョールのスペイン人DFダニエル・ハルケが遠征先のホテルで急性心筋梗塞により26歳で急逝。突然の死にサッカー界が悲しみに包まれたが、ハルケの親友だったイニエスタは当時の状況について次のように振り返った。 「彼が亡くなったとニュースを聞いて殴られたように感じた。ノックアウトするようなとても強烈なパンチを食らった感じだった。それから全く元気が出なかったんだ。日々が過ぎても自分の状態が良くないこと、気分が悪いことに気付いた。全てが暗く、全てが黒く見えていた」 さらに父親のホセ・アントニオさんによれば「25歳の息子が真夜中に我々親の元にやってきて一緒に寝たいと言ってきたんだ。彼は私に調子が悪いと言い、サッカーを止めた方が良いかもしれないと言い出すことさえあった」と証言。親友の死によってイニエスタがうつ病に苦しんでいた過去を明かした。 2020.04.25 01:30 Sat3
メキシコ代表FWベガが欧州上陸か? 東京五輪では日本戦でゴール記録の24歳
エスパニョールがCDグアダラハラのメキシコ代表FWアレクシス・ベガ(24)の獲得を目指すようだ。 メキシコを代表する強豪クラブのひとつであるグアダラハラで背番号10を背負うベガは、173cmと小柄ながらメキシコ人らしい巧みなボールコントロールや、重心の低いドリブルが特徴の左ウィンガーで、メキシコ代表では通算16試合3得点を記録。昨夏の東京オリンピックにも出場しており、3位決定戦のU-24日本代表戦でCKからヘディング弾を決めるなど、大会通算3得点を挙げ、銅メダル獲得に大きく貢献していた。 今秋のカタール・ワールドカップ(W杯)でもお目にかかれる可能性があるベガだが、アメリカ『ESPN』によると、エスパニョールが獲得に本腰を入れる見込みとなっており、W杯を目前にしてキャリア初のヨーロッパ移籍となる可能性は低くないようだ。 これまでにもPSVやポルトといった、欧州外の出身選手にとって登竜門となるクラブから関心を寄せられてきたベガだが、スペイン『ムンド・デポルディポ』の北米版によると、欧州へのステップアップは時間の問題とのことで、グアダラハラ側は移籍金1000万ドル(約13億5000万円)以上のオファーであればベガの売却を前向きに検討するとみられている。 2022.06.28 17:11 Tue4
元セルタ主将マージョ、マスコットの女性に対する性的虐待で有罪判決…すでに控訴の意向表明
元セルタのキャプテンであるスペイン人DFウーゴ・マージョ(33)が、対戦相手のマスコットの女性に対する性的虐待の罪で有罪判決を受けた。『ESPN』が伝えている。 今回の事件は2019年4月24日に行われたエスパニョールvsセルタのラ・リーガの試合で発生。マージョは試合前の整列後にエスパニョールの選手と握手を行っていた流れで、エスパニョールのマスコットであるセキセイインコを模したぺリコ、ペリカの2匹の内のメスにあたるペリカのコスチュームを着ていた女性の胸を故意に触った疑いが持たれていた。 そして、今回の裁判の結果、マージョに性的虐待の罪で有罪判決が下され、同選手は6000ユーロ(約94万円)の賠償金と非金銭的損失に対する1000ユーロ(約15万円)の支払いを命じられた。さらに、裁判の訴訟費用をすべて支払うことになる。 ただ、現在はギリシャのアリス・サロニカでプレーしている右サイドバックは、自身の不正行為を依然として否定しており、すでに控訴の意向を表明している。 2024.09.12 22:45 Thu5