FWミュラーの2発でスコットランド撃破 ブラジルW杯王者のドイツが白星発進《ユーロ2016予選》

▽ユーロ2016予選が7日に開幕した。ブラジル・ワールドカップ覇者のドイツ代表は、グループD開幕節でスコットランド代表とホームで対戦し、2-1で勝利した。

▽3日前に行われたアルゼンチン代表との国際親善試合で2-4の敗戦を喫したドイツは、同試合の先発メンバーから4人を変更。代表通算1キャップのホッフェンハイムMFルディが、右サイドバックに抜擢された。

▽一方のスコットランドは、マンチェスター・ユナイテッドに所属するキャプテンのMFフレッチャーやエバートンに所属するFWネイスミスらプレミアリーグでプレーする主力メンバーが先発。5大会ぶりの本選出場を目指し、開幕戦でワールドカップ覇者のドイツ撃破を狙った。

▽FWゲッツェを最前線に配した[4-3-3]の“ゼロトップ”システムを採用したドイツがポゼッションで優位に立ち、スコットランドの守備ブロックを崩しにかかる。8分から10分にかけて、FWミュラーが2度ヘディングでゴールを狙うが、いずれもボールは枠を捉えきれない。

▽対するスコットランドは、ネイスミスを1トップに据えた[4-2-3-1]でスタート。立ち上がりからドイツの攻撃に我慢の時間が続いたが、13分には得点機。右サイドからボックス中央に切り込んだMFバナンが左足でシュートを放つも、これはゴール前のDFが精一杯に伸ばした右足にブロックされた。

▽ドイツのペースで進んだ試合が動いたのは18分。右サイドからルディがセンタリングをボックス中央に入れると、DFハットンとDFラッセル・マーティンの間に入り込んだFWミュラーがヘディングシュートでスコットランドのゴールネットを揺らし、ドイツが先制に成功した。

▽1点を先取したドイツは、その後もゲッツェやMFクロースを軸にポゼッションを高め、スコットランドに攻め入る隙を与えない。42分には左からFWシュールレが入れたグラウンダーのクロスに対し、ニアに走り込んだMFロイスがワンタッチで合わせるが、これはGKマーシャルが阻止。ドイツは1点をリードし、ハーフタイムを迎えた。

▽迎えた後半もボールの主導権を握るドイツのペースとなる。そんななか、47分にはドイツの攻撃に防戦一方のスコットランドに得点機が訪れるが、ボックス右からFWネイスミスが右足で放ったシュートは惜しくも左ポストの外側を掠めて、ゴールとはならなかった。

▽何とか攻め手を見いだしたいスコットランドのストラカン監督は、58分に2枚替えを敢行。MFバナン、MFフレッチャーに代えて、MFマッカーサー、FWスティーブン・フレッチャーを投入し、攻撃の意識を高めると、66分に同点に追いつく。S・フレッチャーのポストワークからボールを左サイドで受けたMFアニャがそのままボックス中央に侵攻し、ゴール右隅に叩き込んだ。

▽不意を突かれたドイツだったが、その同点弾にリズムを崩されることなく再びポゼッションサッカーを展開すると、失点からわずか4分後に勝ち越す。クロースの右CKがボックス中央で対応に入ったマッカーサーのクリアミスを誘発。最後はゴール前の混戦からミュラーのシュートがネットを揺らし、ドイツがすかさずスコットランドを突き放した。

▽終盤を迎えた試合もドイツがスコットランドを圧倒。試合終了間際にはロイスが相手との接触で負傷交代を強いられたドイツだったが、後半のロスタイムにMFマルグリューがこの日2枚目のイエローカードで退場したスコットランドの攻撃を1失点に凌いで試合終了。ワールドカップチャンピオンのドイツがユーロ2016予選を白星発進した。

▽グループDのそのほかの試合では、アイルランド代表がグルジア代表に2-1で勝利。また、今大会から参加が認められたジブラルタル代表はホームでポーランド代表と対戦し、相手のFWレヴァンドフスキに4ゴールを許すなど大量7失点を喫し、大敗スタートとなった。