敗退にも健闘を誇るコスタリカ「歴史をつくった」

2014.07.06 19:20 Sun
5日に行われたワールドカップ準々決勝でオランダに敗れて大会を終えたコスタリカだが、選手たちはここまで見せた戦いぶりに誇りを感じられると話している。

イングランド、ウルグアイ、イタリアと同じグループで苦戦が予想されたコスタリカだが、まさかの首位通過を果たすと、決勝トーナメント1回戦でギリシャを破って初のベスト8進出。今大会最大のサプライズチームとなった。

オランダに対しても120分間を0-0に抑える健闘を見せたが、最後はPK戦で敗退。FWジョエル・キャンベルは、経験が最後に勝負を分けたと語った。フランス『レキップ』が伝えている。

「残念だけど、すごく誇らしく感じている。僕らは8強に残って歴史をつくることができた。死のグループを突破した後、元欧州チャンピオンのギリシャも倒した」

「ケイロル(・ナバス)は素晴らしい大会を過ごしていただけに、(PK戦での敗退は)残念だ。PK戦は集中力の問題だけど、オランダは僕らよりもこういう状況を数多く経験してきている。僕にとっては忘れられない経験になった」

FWブライアン・ルイスは、4試合12得点と全チーム中最多のゴールを記録していたオランダに対し、守備的な戦いがある程度功を奏したと感じているようだ。

「(アリエン・)ロッベンのような選手にスペースを与えないため、後ろに5人を置いて低くプレーすることを決めた。仕掛けられてもいつも複数の選手で対応して、うまく抑えられていたけど、抑えきれないこともあった」

「それでも僕らは誇らしく感じている。誰もがグループ最下位を予想していたけど、1敗もすることなく大会を終えることができた。PK戦の前に相手がGKを代えると、彼はPKが得意なんだろうと思ったけど、僕らにとっては何も変わらなかった」


提供:goal.com

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なでしこが猶本&藤野のW杯初ゴールでコスタリカ撃破! スペイン引き分け以上でGS突破決定【2023女子W杯】

なでしこジャパン(日本女子代表)は26日、ダニーデン・スタジアムで行われたオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)グループC第2節でコスタリカ女子代表と対戦し、2-0の勝利を収めた。 第1節でザンビア女子代表に5-0と大勝したなでしこ。グループCの首位に立つなかでコスタリカに勝利すれば、他会場(スペインvsザンビア)の結果次第でスペイン女子代表との最終節を残して決勝トーナメント進出が決まる可能性もある。 池田太監督はザンビア戦のスタメンから4人の変更に動き、GK山下杏也加の前に三宅史織、キャプテンの熊谷紗希、南萌華。MFに清水梨紗、長谷川唯、林穂之香、杉田妃和を並べ、FWに猶本光、田中美南、藤野あおばという[3-4-3]の布陣となった。 立ち上がりのなでしこはコスタリカの前線からの積極的なプレスをかわしながら打開を模索。最初のシュートは右CKからで、6分にエース田中がドンピシャヘッドで合わせたが、シュートはゴール右へと外れる。 11分にも右CKからシュートシーン。今度はゴール前でマークを外した熊谷がダイビングヘッドを放つも、コスタリカGKダニエラ・ソレラの守備範囲を突いてセーブされた。 15分に決定機。猶本がボックス左からシュートを放つと、GKソレラが弾いたボールは右から駆け上がった清水の足元へと転がる。押し込めば1点という場面だったが、清水はすかさず反応した藤野と被るような形になってしまい、足を振れなかった。 一方のコスタリカ。スペインとの初戦を0-3で落とし、なでしこに敗れるとグループステージ敗退が濃厚となるためか、攻守にわたって集中力が高く、前線からのプレスにも余念がない。システムもスペイン戦の[5-4-1]から[4-4-2]に変更しており、なんとしてでも勝利を掴む意志が見て取れる。 それでも、なでしこが25分に先制点。猶本がボックス左でGKソレラとの一対一を迎えると、ワントラップから左足を振り抜き、ソレラの左手を弾いてファーネットに突き刺した。10代のころから未来のなでしこを背負うと期待され続けてきた猶本。今大会が自身初のW杯となったなか、嬉しい初ゴールだ。 猶本が均衡を破った直後の27分、今度は藤野が右サイドの深い位置でドリブルを開始し、DFを2人かわして角度のない位置から右足を力強く振り抜く。弾丸シュートをニアネットに突き刺した。日テレ・東京ヴェルディベレーザ所属の19歳・藤野もW杯初ゴールとなった。 2点リードで迎えた後半立ち上がりの46分には決定機。ゴール前での混戦から、この試合がW杯デビューの三宅が右足ボレーを放つも、惜しくもクロスバーの上へと外れる。 時折、コスタリカのアタッキングを受けながらも付け入る隙を決して与えないなでしこ。池田監督は58分、藤野と田中を下げ、宮澤ひなたと植木理子を投入する。2試合連続スタメンとなった前線の2人を下げつつも、3点目、4点目はしっかり狙う。 だが、後半に入ってからはこう着した時間が長引き、決定的な場面をなかなか作れず。試合も終盤に差しかかる74分には猶本と林を下げ、清家貴子と背番号「10」の長野風花を投入。これで3トップ全員が途中出場選手となった。 77分にはコスタリカ陣内でのボール奪取から手数をかけずに前進し、最後は宮澤がボックス手前から右足を振り抜く。コースを突いたグラウンダーのシュートだっだが、GKソレラにキャッチされる。 それでも、なでしこは終始危なげないゲーム運びで2試合連続となる無失点に抑え、コスタリカに2-0で勝利。グループ2連勝とした。 これにより、この一戦の直後に始まるスペインvsザンビアでスペインが引き分け以上なら、なでしこはグループC最終節のスペイン戦1試合を残してグループステージ突破が決定することに。現段階ではグループC首位に勝ち点「6」のなでしこ、2位に「3」のスペイン、3位と4位に「0」のコスタリカ、ザンビアとなっている。 なでしこジャパン 2-0 コスタリカ女子代表 【日本】 猶本光(前25) 藤野あおば(前27) 2023.07.26 16:07 Wed

なでしこ属するC組はスペインがコスタリカを圧倒!PK失敗も40本超えのシュート浴びせ白星発進【2023女子W杯】

21日、オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)グループCのスペイン女子代表vsコスタリカ女子代表がウェリントン・リージョナル・スタジアムで行われ、3-0でスペインが勝利を収めた。 この数年でメキメキと力を付け、3大会連続3度目の大会に臨むスペイン。育成年代も2022年のU-20女子W杯、U-17女子W杯でいずれも優勝しており、今大会で"3冠"を達成すれば、日本に次いで2カ国目の三世代W杯制覇となる。 ヒザの前十字じん帯(ACL)断裂から復活の選出となった女子バロンドーラー、アレクシア・プテジャスはベンチスタートとなったが、アイタナ・ボンマティやジェニファー・エルモソが[4-3-3]の中盤に君臨。圧倒的にボールを保持し、[5-4-1]でブロックを作るコスタリカを序盤から押し込んでいく。 先制点が生まれたのは21分。ボンマティのフリックからエスター・ゴンザレスが左ポケットを取ってグラウンダーのクロスを送ると、バレリア・デル・カンポはクリアし切れず、コスタリカのオウンゴールで試合は動いた。 さらにスペインが畳みかけ、2分後に追加点を奪取。今度は右サイドでの作りからアテネア・デル・カスティージョがボックスへ侵入し、ラストパスを受けたボンマティが左足のフィニッシュを流し込んだ。 一気呵成に攻め立てるスペインは27分にセットプレー崩れからもネットを揺らす。テレサ・アベイラが右サイドから浮き球のクロスを送り、ファーのエルモソがヘディングシュート。クロスバーに当たった跳ね返りをゴンザレスが詰めた。 34分にはオルガ・カルモナがボックス内で倒されPKを獲得。だが、ここはコスタリカもGKダニエラ・ソレラが甘くなったエルモソのキックをストップし、悪い流れを止める。 2大会ぶり2度目の出場でW杯初勝利が懸かるコスタリカも、メリッサ・ヘレラを中心に時折可能性を感じる速攻を披露したが、スペインの壁を破ることはできず、後半は一層防戦に。それでも、サルマ・パラジュエロやカルモナの決定機を守護神が防ぎ、辛うじて踏み止まる。 スペインは後半に追加点こそ奪えなかったものの、トータル40本を超えるシュート数を記録。試合の大部分を相手陣内で展開し、危なげなく初戦白星スタートを切っている。 スペイン女子代表 3-0 コスタリカ女子代表 【スペイン】 OG(前21) アイタナ・ボンマティ(前23) エスター・ゴンザレス(前27) 2023.07.21 18:35 Fri

なでしこと同組コスタリカはW杯前最終戦で黒星…壮行試合ボイコットの南アフリカに敗れる

なでしこジャパンとオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)で対戦するコスタリカ女子代表は、大会前のラストマッチを落とした。 40時間の長旅を経て10日にニュージーランド入りしたコスタリカ。クライストチャーチで調整を行い、15日には同じくW杯に出場する南アフリカ女子代表とテストマッチを行った。 ともに女性監督が指揮を執るチーム同士の一戦となったが、コスタリカは32分に先制を許す。最終ラインからビルドアップを試みたものの、縦パスを狙われてショートカウンターを受けると、FWテンビ・クガトラナ(レーシング・ルイビル/アメリカ)にゴールを割られた。 攻撃面でもチャンスに乏しく苦しむと、55分にはFWヒルダ・マガイア(世宗スポーツTOTO/韓国)に直接FKを決められ、0-2で敗れた。 コスタリカは2015年カナダ大会に次ぐ2度目のW杯出場。当時はブラジル、韓国、スペインと同居し、2分け1敗という成績だった。 杉田妃和のチームメイトであるラケル・ロドリゲス(ポートランド・ソーンズFC/アメリカ)らを擁し、W杯初勝利を目指す今大会。21日にスペインと、26日になでしこジャパンと対戦し、31日にグループステージ最終節でザンビア女子代表と顔を合わせる。 <span class="paragraph-title">【動画】W杯前ラストマッチで南アフリカに敗れたコスタリカ</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="DFBEDT55rlM";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2023.07.16 20:15 Sun

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「僕のプレーをしたかった」とミャンマー戦で反省。「もっと自己中になっていい」と本拠地で奮起を期す広島の看板・川村拓夢【新しい景色へ導く期待の選手/vol.43】

6日のミャンマー戦(ヤンゴン)を5-0で圧勝した日本代表。その後、バンコク経由で帰国し、7日からは広島入り。11日の次戦・シリア戦に向けて調整を行っている。 前回の試合でベンチ外となった長友佑都(FC東京)と久保建英(レアル・ソシエダ)の試合出場は微妙な情勢だが、冨安健洋(アーセナル)の方は復帰。森保一監督が攻撃的3バックのテストを続けると見られるため、彼が最終ラインに陣取る可能性が大だ。 ボランチは遠藤航(リバプール)と田中碧(デュッセルドルフ)のコンビが濃厚だが、地元・サンフレッチェ広島所属の川村拓夢もどこかでチャンスが与えられるのではないか。 9日のYBCルヴァンカップでFC東京を下した広島のミヒャエル・スキッベ監督も「拓夢と大迫(敬介)の2人にはぜひ本拠地で試合に出てほしい。前日練習に招かれているので、森保監督に直接お願いしてみようかな」と出場を熱望する。もちろん試合展開にもよるが、前回同様、後半からの登場が有力視される。 「個人的には良いパフォーマンスができなかった。もっと出して入っていくところであったり、ポケットに入っていく回数を増やしていかないといけない。そういった回数を多くできるのが僕の良さ。今回のプレーは正直、誰でもできるというか、僕を選んでもらったからには、僕のプレーをしたかった」と川村はミャンマー戦後に反省の弁を口にした。 悔恨の念は帰国してから日に日に強まっているようだ。ボランチコンビを組んだ守田英正(スポルティングCP)が「(拓夢は)すごい自重していたというか、下がり過ぎていた。もっとシュートを打っていいし、30mくらい離れていても全然決められる。左利きで素晴らしいキックを持っているところは碧とか航、僕にはない。もっともっと見たいですよね」と要望を出したのを受け、本人も「その通り」と苦渋の表情を浮かべた。「アンパイなプレーじゃダメ。もっと自己中になってもいいので、自分の良さを出していきたい」と彼は自らを鼓舞するように語気を強めた。まだ代表キャップ数2という駆け出しだが、だからこそ、失うものは何もない。スキッベ監督が「拓夢は日本サッカーの未来を担うような選手」と太鼓判を押しているように、ワールドクラスのスケール感とポテンシャルは間違いないのだから、それを思い切って発揮すればいいのだ。 川村のマイナス面は年代別代表で国際舞台に立った経験が少ないこと。日の丸を背負った時には想像以上の重圧を感じるのかもしれない。そういうメンタル的な課題を乗り越えることが2026年W杯出場への第一歩。そろそろ弱気の虫は一層してほしい。 そのうえで、本人も語っているように、3列目からガンガン飛び出して、ゴール前に入っていく仕事を増やしたいところ。ダイナミックなアップダウンを繰り返し、攻守両面に迫力を持って絡める強みを押し出せるようになれば、遠藤、田中、守田とは異なるタイプの大型ボランチとして輝けるはず。地元での重要ゲームでその布石を打つべきだ。 「広島のサポーターの方も、サンフレッチェの選手がピッチに立ったところをすごく見たいと思っているので、その期待に応えられるようにしたい。僕自身、サンフレッチェを見て育ったし、森保監督がいて3連覇した時も今のスタジアムはできていなかったんで、あのピッチに立てていることにすごく感謝している。日本代表としてそこでプレーできるのは大きなことだと思います」と本人もエディオンピースウイング広島で初の代表戦に向けて気持ちを高めている。 とにかく川村にはゴールに直結するプレーを強く求めたい。今季はまだ2点とゴール数が伸びていないが、2023年6月の京都サンガ戦で奪った得点シーンのように、ハーフウェーライン手前でボールを奪って一気にドリブルで持ち上がり、フィニッシュを決めるだけの推進力と決定力を備えている。 森保監督も「拓夢は守備から攻撃に移った時のダイナミックな動きから、自らペナルティボックスに入っていけるし、ミドルシュートも打てる」と絶賛していたが、伝家の宝刀を故郷でのシリア戦で抜いてくれれば、まさに理想的。川村拓夢の存在価値を確実に高めることにつながるはずだ。 昨年までは海外移籍を考えることは皆無に近かったというが、これだけ欧州組がズラリと並ぶ場所に来れば、「自分ももっと高いレベルに辿り着きたい」と感じるようになるのも当然のこと。先月には上田綺世(フェイエノールト)や鈴木唯人(ブレンビー)の代理人と契約。いよいよ世界へ踏み出す態勢を整えつつある。 もちろん、日本代表に定着しなければ、そういった野心も現実にはならない。もちろん本人も今季広島でJ1タイトル、AFCチャンピオンズリーグ制覇を目指して戦っているが、ステップアップした彼の姿も見てみたい。シリア戦で「これほどの選手なら欧州へ行くのも仕方ない」と人々を納得させる形が一番いいだろう。 いずれにせよ、見る者を驚かせるほどのインパクトを次こそは残すべき。ミャンマー戦の反省を生かすタイミングは今しかない。 <hr>【文・元川悦子】<br/><div id="cws_ad">長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。 2024.06.11 12:00 Tue

37歳カバーニがウルグアイ代表を引退、2010年W杯ではベスト4進出

ボカ・ジュニアーズのFWエディンソン・カバーニ(37)が30日、自身のインスタグラムでウルグアイ代表からの引退を発表した。 「間違いなく美しい時間だった。言いたいこと、伝えたいこと、思い出したいことはたくさんあるが、今はクラブのキャリアに専念し、自分が居るべき場所で全てを捧げたい」 こう綴ったカバーニは2008年2月にウルグアイ代表デビュー。これまで136試合出場58ゴールを挙げた。ワールドカップ(W杯)には4大会連続出場。17試合出場で5ゴールをマークした。2010年南アフリカW杯ではFWルイス・スアレス、FWディエゴ・フォルランと共に強力な前線を形成し、ベスト4進出に貢献していた。 またコパ・アメリカでは2011年に優勝を経験していた。 2024.05.31 08:00 Fri

日本代表メンバー発表も伊東純也と三笘薫の名前は……/六川亨の日本サッカー見聞録

6月6日のアウェー・ミャンマー戦と11日の広島でのシリア戦に臨む日本代表26人が昨日24日に発表された。すでに2次予選は突破が決まっているため、国内組を中心にチームを作るプランもあったかもしれないが、森保一監督は海外組も含めてほぼベストメンバーを招集した。何事にも万全を期す、森保監督らしい人選と言える。 GKの前川黛也、大迫敬介、谷晃生の3人は順当なところ。3人とも今シーズンのJ1リーグで実力を証明している。鈴木彩艶と小久保怜央ブライアンはしばらく五輪に専念という事情もある。これまでの出場数では大迫がリードしているが、前川と谷には高いレベルでのポジション争いを期待したい。 DF陣については、パリ五輪のOA枠候補として名前のあがっている板倉滉と町田浩樹、谷口彰悟だが、「現段階で森保監督にOA枠について伝える状況ではない。できればU-23の話は(メンバー発表の)30日にまた発表させていただきます」と山本昌邦NTDは話すにとどめた。 長友佑都に関しては、3月の北朝鮮戦に続いての招集だが、その理由は当時と変わらないだろう。森保監督は「まずはプレーヤーとして選んだ」と言うものの、彼のファイティングスピリットとムードメーカーとしての精神的支柱を期待しての招集だろう。 逆に右SBの主力選手と思われていた毎熊晟矢がメンバー外になった。その理由を森保監督は「コンディションを見ながら決めさせていただいている。代表は約束された絶対な場所ではない」と明かした。1月のアジアカップで精彩を欠いた菅原由勢の奮起を期待する部分もあるのではないだろうか。 攻撃陣では北朝鮮戦で復帰し決勝ゴールを決めた田中碧に続き、ラツィオで復活した鎌田大地の復帰も明るい材料と言える。3月に続いての代表となる小川航基も楽しみな存在だ。上田綺世とのポジション争いに期待したい。 一方で残念なのは、まだ負傷が癒えていない三笘薫と、スピードスター伊東純也の招集が見送られたことだ。負傷の三笘は仕方ないとして、伊東に関しても「結論から言うと3月と状況が変わらないし、彼のために招集しませんでした。彼がスタッド・ランスでプレーしているところは日頃から確認していて、確実に戦力になるのは評価している。ただ3月と同じで、代表として来る場合、彼にプレッシャーがかかることが起こりえる」と、サッカー以外で注目を集めてしまうことを懸念しての招集断念であると話した。 彼ら2人の代わりと期待されているのが相馬勇紀であり前田大然、中村敬斗だろうが、まだ絶対的な存在にはなれていない。ここらあたりが森保ジャパンの悩ましいところであり、アジアカップでベスト8止まりに終わった一因ではないだろうか。 最後に久保建英と鈴木唯人に関しては「長い時間をかけてU-23(パリ五輪)の招集をクラブとやりとりしてきました。その中で鈴木と久保はFIFAルールで招集できない。クラブができない」(山本NTD)ということから、招集に強制力のあるA代表の活動に専念するようになった。 リーグ戦とカップ戦に加え、久保はCLも戦っただけに、オフをしっかり取って休養することも必要だろう。6月の2試合は、いわば消化試合のようなもの。くれぐれもケガには細心の注意を払ってもらいたい。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> 2024.05.25 18:00 Sat

オーストラリア代表が6月のW杯予選で若手をテスト? 主将は招集外濃厚、バイエルン移籍の18歳を初招集か

オーストラリア代表は、6月に開催される2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア二次予選のラスト2試合で若手をテストか。 豪代表は日本代表と同じく、W杯アジア二次予選の突破が決定済み。現在I組首位で2位パレスチナ代表とは勝ち点「5」差…そのパレスチナおよびバングラデシュ代表と対戦する6月で勝ち点1でも積めば、ほぼ確実に首位突破だ。 そんなこんなで新戦力、また若手をテストする余地がある模様。豪『news.com.au』によると、キャプテンで正守護神のGKマシュー・ライアン(32)は6月招集外になる見込みという。 また、オランダ1部・エールディビジのAZで日本代表DF菅原由勢とチームメイトのライアンは、6月末の契約満了に伴う退団が濃厚。豪代表としては、不動の正GKに6月を新天地探しに専念してもらう意向だ。 これに伴い、6月6日のバングラデシュ戦、11日のパレスチナ戦は、アジア杯後にプレミアリーグのアストン・ビラへ移籍した通算2キャップのGKジョー・ガウチ(23)がゴールマウスを守ることになるとみられている。 なお、豪代表のグラハム・アーノルド監督は、U-23豪代表がパリ五輪行きを逃したことを恩恵として捉え、この世代の選手に初めて声をかける可能性も。 今夏バイエルンへ移籍するアデレード・ユナイテッドのFWネストリ・イランクンダ(18)を、ドイツ渡航前にA代表デビューさせることを検討し、ラージリストに含めているとのことだ。 アーノルド監督は、25日に行われるAリーグ・メン(豪1部)のオールスターゲームを視察したうえで、6月の最終メンバー23人を選定する。 2024.05.23 17:20 Thu

韓国代表が元神戸FWキム・ドフン氏を暫定監督に任命…蔚山でACL制覇などの実績、6月の2試合を担当

大韓サッカー協会(KFA)は20日、指揮官不在の韓国代表に関して、キム・ドフン氏(53)暫定的に指揮を執ることを発表した。 韓国代表は、アジアカップ終了後にユルゲン・クリンスマン監督を解任。その後新監督探しの時間がなく、U-23韓国代表を指揮するファン・ソンホン監督が暫定指揮。3月の北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選を戦っていた。 その後、6月の北中米W杯アジア2次予選に向けて監督探しを再会。しかし、候補として名前が浮上していたジェシー・マーシュ氏はカナダ代表監督に就任するなど、後任が見つからない状況だった。 キム・ドフン氏は、現役時代は韓国代表のストライカーとしても活躍。“コリアン・ボンバー(爆撃機)”の愛称で親しまれ、全北現代ダイノス(現:全北現代モータース)、城南一和(現:城南FC)でプレー。また、1998年から1999年にはヴィッセル神戸dメオプレーし、2シーズンで58試合27ゴールと得点を量産した。 引退後は指導者となり、2015年に仁川ユナイテッドで初となる監督に就任。2017年からは蔚山現代FC(現:蔚山HD FC)で指揮を執り、コロナ禍の2020年のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を制して退任。2021年からはシンガポールのライオン・シティ・セーラーズで監督を務めていたが、2022年7月に相手コーチと取っ組み合いの喧嘩をし、頭突きなどの暴力行為で解任されていた。 KFAは監督の選任は続いているものの、6月のW杯予選に間に合わない可能性を考慮し、暫定的にキム・ドフン氏が指揮を執ると発表した。 「代表チーム監督選定のための交渉が継続されており、6月のAマッチ前まで監督選任が終わらない可能性がある。この場合を備え、今日(20日)午前、国家代表電力強化委員を開き、この問題を議論し、その結果、6月の2試合を引き受ける臨時監督でキム・ドフン監督を選任することにした」 また、キム・ドフン氏については「キム・ドフン監督は指導者として多様なキャリアを築きながら能力と成果を見せた」と評価。「シンガポールリーグでチームを優勝に導くなど、現地環境をよく知っている点も背景として作用した」と、これまでの指導実績をもとに選んだとした。 2024.05.20 18:20 Mon
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