vol.11/メキシコ代表【カタールW杯出場国ガイド】地力十分も主砲の状態懸念
2022.11.18 21:40 Fri
11月20日、フットボール界における4年に1度の祭典、ワールドカップがカタールの地で遂に開幕する。約1カ月の激闘をより深く、より楽しむべく、超ワールドサッカー編集部が出場国32カ国ガイドを作成。11カ国目は、メキシコ代表を紹介する。
◆メキシコ代表
監督:ヘラルド・マルティーノ
主将:アンドレス・グアルダード
予選成績:7勝2分け1敗
W杯出場数:8大会連続17回目
W杯最高位:ベスト8
FIFAランク:13位
◆地力十分も主砲の状態懸念

北中米カリブ海の雄は危なげなく予選を突破し、8大会連続の本大会行きを決定。直近7大会連続でベスト16進出を果たしており、今大会においてもグループリーグ突破が期待される。かつてバルセロナを指揮した経験もあるタタ・マルティーノが率いるチームは、[4-3-3]の攻撃的なスタイルを志向。近年は各ポジションで選手の大型化、ヨーロッパで活躍する選手が増えており、以前の小兵のテクニシャンが細かな連携で崩し切るスタイルからより標準化した印象だ。
GKのポジションは若手の突き上げがなく3選手すべてが35歳以上。その中で各大会において印象的なビッグセーブを見せてきた37歳の守護神オチョアが5大会連続出場を果たしている。
ディフェンスラインは代表120試合以上のキャップ数を誇るエクトル・モレノを中心にガジャルド、モンテスと国内の名門モンテレイの3選手が主軸を担い、今夏加入のアヤックスで主力として起用されるホルヘ・サンチェスが右サイドバックで主力を担う。
前線ではテカティートの負傷欠場に加え、主砲ラウール・ヒメネスの状態が懸念材料。通常であれば、圧倒的な決定力、駆け引きの巧さに確度の高いポストワークを兼備する万能型ストライカーが攻撃を牽引するが、臀部のケガが長引いて所属クラブでは欠場が続いており、万全の状態でのプレーは甚だ疑問だ。もう一人のキーマンである絶好調ナポリの主力ロサーノを軸に、センターフォワードで代役を担うマルティン、フネス・モリらの奮闘が求められる。
◆超WS的注目プレーヤー
MFエドソン・アルバレス(アヤックス)

メキシコの注目プレーヤーは、中盤の底に君臨するアルバレスだ。母国で10代の頃から将来を嘱望されてきた逸材は、センターバック、守備的MFを主戦場とする187cmの屈強な守備者。球際の強さ、守備センス、カバーリング能力と中盤のフィルター役として必要な要素を兼ね備えており、2019年からプレーするアヤックスで智将テン・ハグの薫陶を受けたことで、マイボール時の的確なポジショニング、配球力にも優れる。今夏にはチェルシー移籍目前に迫るなど、メガクラブ行きは既定路線となっており、今大会での活躍によって自身の評価をさらに高めたい。
◆登録メンバー
GK
1.アルフレド・タラベラ(FCフアレス)
12.ロドルフォ・コスタ(レオン)
13.ギジェルモ・オチョア(クラブ・アメリカ)
DF
2.ネストル・アラウホ(クラブ・アメリカ)
3.セサール・モンテス(モンテレイ)
5.ヨハン・バスケス(クレモネーゼ/イタリア)
6.ヘラルド・アルテアガ(ヘンク/ベルギー)
15.エクトル・モレノ(モンテレイ)
19.ホルヘ・サンチェス(アヤックス/オランダ)
23.ヘスス・ガジャルド(モンテレイ)
26.ケビン・アルバレス(パチューカ)
MF
4.エドソン・アルバレス(アヤックス/オランダ)
7.ルイス・ロモ(モンテレイ)
8.カルロス・ロドリゲス(クルス・アスル)
14.エリック・グティエレス(PSV/オランダ)
16.エクトル・エレーラ(ヒューストン・ダイナモ/アメリカ)
17.オルベリン・ピネダ(AEKアテネ/ギリシャ)
18.アンドレス・グアルダード(レアル・ベティス/スペイン)
24.ルイス・チャベス(パチューカ)
FW
9.ラウール・ヒメネス(ウォルバーハンプトン/イングランド)
10.アレクシス・ベガ(グアダラハラ)
11.ロジェリオ・フネス・モリ(モンテレイ)
20.エンリ・マルティン(クラブ・アメリカ)
21.ウリエル・アントゥナ(クルス・アスル)
22.イルビング・ロサーノ(ナポリ/イタリア)
25.ロベルト・アルバラード(グアダラハラ)
◆グループステージ日程
▽11/22
《25:00》
vsポーランド代表
@スタジアム974
▽11/26
《25:00》
vsアルゼンチン代表
@ルサイル・スタジアム
▽11/30
《28:00》
vsサウジアラビア代表
@ルサイル・スタジアム
◆メキシコ代表
監督:ヘラルド・マルティーノ
主将:アンドレス・グアルダード
予選成績:7勝2分け1敗
W杯出場数:8大会連続17回目
W杯最高位:ベスト8
FIFAランク:13位
◆地力十分も主砲の状態懸念

Getty Images
北中米カリブ海の雄は危なげなく予選を突破し、8大会連続の本大会行きを決定。直近7大会連続でベスト16進出を果たしており、今大会においてもグループリーグ突破が期待される。かつてバルセロナを指揮した経験もあるタタ・マルティーノが率いるチームは、[4-3-3]の攻撃的なスタイルを志向。近年は各ポジションで選手の大型化、ヨーロッパで活躍する選手が増えており、以前の小兵のテクニシャンが細かな連携で崩し切るスタイルからより標準化した印象だ。
ディフェンスラインは代表120試合以上のキャップ数を誇るエクトル・モレノを中心にガジャルド、モンテスと国内の名門モンテレイの3選手が主軸を担い、今夏加入のアヤックスで主力として起用されるホルヘ・サンチェスが右サイドバックで主力を担う。
チームのストロングポイントとなる中盤は、歴代最多キャップを誇るキャプテンのグアルダードとエクトル・エレーラの重鎮2選手、アヤックスとPSVでレギュラーを務めるエドソン・アルバレス、エリック・グティエレスの2選手が主軸。ここに国内で活躍する実力者が脇を支える。安定したパスワーク、切り替えの精度、球際のタフさいずれもハイレベルのセクションだ。
前線ではテカティートの負傷欠場に加え、主砲ラウール・ヒメネスの状態が懸念材料。通常であれば、圧倒的な決定力、駆け引きの巧さに確度の高いポストワークを兼備する万能型ストライカーが攻撃を牽引するが、臀部のケガが長引いて所属クラブでは欠場が続いており、万全の状態でのプレーは甚だ疑問だ。もう一人のキーマンである絶好調ナポリの主力ロサーノを軸に、センターフォワードで代役を担うマルティン、フネス・モリらの奮闘が求められる。
◆超WS的注目プレーヤー
MFエドソン・アルバレス(アヤックス)

Getty Images
メキシコの注目プレーヤーは、中盤の底に君臨するアルバレスだ。母国で10代の頃から将来を嘱望されてきた逸材は、センターバック、守備的MFを主戦場とする187cmの屈強な守備者。球際の強さ、守備センス、カバーリング能力と中盤のフィルター役として必要な要素を兼ね備えており、2019年からプレーするアヤックスで智将テン・ハグの薫陶を受けたことで、マイボール時の的確なポジショニング、配球力にも優れる。今夏にはチェルシー移籍目前に迫るなど、メガクラブ行きは既定路線となっており、今大会での活躍によって自身の評価をさらに高めたい。
◆登録メンバー
GK
1.アルフレド・タラベラ(FCフアレス)
12.ロドルフォ・コスタ(レオン)
13.ギジェルモ・オチョア(クラブ・アメリカ)
DF
2.ネストル・アラウホ(クラブ・アメリカ)
3.セサール・モンテス(モンテレイ)
5.ヨハン・バスケス(クレモネーゼ/イタリア)
6.ヘラルド・アルテアガ(ヘンク/ベルギー)
15.エクトル・モレノ(モンテレイ)
19.ホルヘ・サンチェス(アヤックス/オランダ)
23.ヘスス・ガジャルド(モンテレイ)
26.ケビン・アルバレス(パチューカ)
MF
4.エドソン・アルバレス(アヤックス/オランダ)
7.ルイス・ロモ(モンテレイ)
8.カルロス・ロドリゲス(クルス・アスル)
14.エリック・グティエレス(PSV/オランダ)
16.エクトル・エレーラ(ヒューストン・ダイナモ/アメリカ)
17.オルベリン・ピネダ(AEKアテネ/ギリシャ)
18.アンドレス・グアルダード(レアル・ベティス/スペイン)
24.ルイス・チャベス(パチューカ)
FW
9.ラウール・ヒメネス(ウォルバーハンプトン/イングランド)
10.アレクシス・ベガ(グアダラハラ)
11.ロジェリオ・フネス・モリ(モンテレイ)
20.エンリ・マルティン(クラブ・アメリカ)
21.ウリエル・アントゥナ(クルス・アスル)
22.イルビング・ロサーノ(ナポリ/イタリア)
25.ロベルト・アルバラード(グアダラハラ)
◆グループステージ日程
▽11/22
《25:00》
vsポーランド代表
@スタジアム974
▽11/26
《25:00》
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@ルサイル・スタジアム
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@ルサイル・スタジアム
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