JFL首位高知の新戦力...瀬尾純基25歳のほろ苦くも決意を伴う新天地デビュー「人生初の観衆1万人越え…楽しかった」
2024.09.02 17:10 Mon
瀬尾純基「高知の力になってほしいと声をかけていただき、素直に嬉しかったですね」
この夏に高知ユナイテッドSCへ加入したMF瀬尾純基(25)が、新天地で感じた喜びを活躍への誓いに昇華する。1日、日本フットボールリーグ(JFL)第18節の高知ユナイテッドSCvsヴェルスパ大分が行われ、高知は0-1と敗戦。
本拠地にクラブ史上最多の観衆1万1085人を動員したなか、スコアもゲーム内容もV大分に凌駕された印象が強く、V大分に対しては今季2戦2敗。首位チームがミライへの糧とすべき、悔しい黒星だったことが想像に難くない。
表題の瀬尾は中断期間中に加入した新戦力。7月末に現在JFL3位のヴィアティン三重を退団し、8月上旬にV三重と同じくJ3リーグ入会を目指す高知への加入が発表された。
この日は1点を追う64分の途中出場で新天地デビュー。まだチーム合流から2週間ほどだそうだが、さっそく重要な局面で起用され、ほろ苦くも決意を伴うゲームとなった。
「僕はこの夏に加入させていただいて、さっそく得点やアシストを強く求められる形での起用。大きな悔しさが残りますし、次からは小柄なアタッカー(165cm)の特徴として、スピードやドリブルをもっともっと活かしたいです」
デビュー戦でいきなり、JFLで稀に見る「観衆1万人越え」。率直な感想を尋ねてみた。
「自分がまだいない時にチームメイトやスタッフの方々が尽力された賜物ですね。1万人超えの試合は人生初で、スタンドを眺めて緊張したけど、いざ試合に入れば集中できました」
「高知県全体に後押ししてもらえるクラブだと思いますし、1万人の方々に勝利を届けられなかった悔しさが一番強いですけど、その反面、プレーしていて“楽しさ”も正直ありましたね」
新天地として高知を選んだ点については。
「(前所属)V三重が3位で、高知は首位という、どちらもJ3昇格が狙えるライバル。ですが、高知からお話をいただいたとき、首位のチームでサッカーができる喜びについて考えました」
「退団後にお話を貰ったのですが、僕は昨年所属していたソニー仙台FCで高知と対戦したとき、後半AT(90+3分)に同点ゴールを決めて…(笑) 『“高知の”力になってほしい』と声をかけていただきました。素直に嬉しかったですね」
高知の一員として歩み出し、ほろ苦くも決意を伴うデビュー戦を戦った瀬尾。もちろん、Jリーガーを少年時代から目指しているそうで、今季ラストへ見据えるは最高のフィナーレだ。
「全クラブが高知に対して牙を向けているはずだし、残りの全試合がビッグマッチ。半分は僕がいない時に築かれたものだけど、残り半分で僕の持てる力を発揮し、J3昇格の助けになりたい。まずは切り替えて、次の試合に臨みます」
◇JFL第19節
9月8日(日) 15:00キックオフ
レイラック滋賀 vs 高知ユナイテッドSC
東近江市総合運動公園布引陸上競技場
◇MF24瀬尾純基
1999年6月7日生まれ。鳥取県出身。ガイナーレ鳥取の下部組織、青森山田高校、大阪体育大学を経て、2022年からJFLの舞台へ。ソニー仙台FCで2年間、ヴィアティン三重で半年間プレーし、8月に高知ユナイテッドSCへ加入した。
本拠地にクラブ史上最多の観衆1万1085人を動員したなか、スコアもゲーム内容もV大分に凌駕された印象が強く、V大分に対しては今季2戦2敗。首位チームがミライへの糧とすべき、悔しい黒星だったことが想像に難くない。
この日は1点を追う64分の途中出場で新天地デビュー。まだチーム合流から2週間ほどだそうだが、さっそく重要な局面で起用され、ほろ苦くも決意を伴うゲームとなった。
「得点のチャンスはどちらにもありました。V大分さんがモノにして、僕たちはモノにできなかった…今日に向けて良い取り組みができたと思いますが、結果には繋がりませんでした」
「僕はこの夏に加入させていただいて、さっそく得点やアシストを強く求められる形での起用。大きな悔しさが残りますし、次からは小柄なアタッカー(165cm)の特徴として、スピードやドリブルをもっともっと活かしたいです」
デビュー戦でいきなり、JFLで稀に見る「観衆1万人越え」。率直な感想を尋ねてみた。
「自分がまだいない時にチームメイトやスタッフの方々が尽力された賜物ですね。1万人超えの試合は人生初で、スタンドを眺めて緊張したけど、いざ試合に入れば集中できました」
「高知県全体に後押ししてもらえるクラブだと思いますし、1万人の方々に勝利を届けられなかった悔しさが一番強いですけど、その反面、プレーしていて“楽しさ”も正直ありましたね」
新天地として高知を選んだ点については。
「(前所属)V三重が3位で、高知は首位という、どちらもJ3昇格が狙えるライバル。ですが、高知からお話をいただいたとき、首位のチームでサッカーができる喜びについて考えました」
「退団後にお話を貰ったのですが、僕は昨年所属していたソニー仙台FCで高知と対戦したとき、後半AT(90+3分)に同点ゴールを決めて…(笑) 『“高知の”力になってほしい』と声をかけていただきました。素直に嬉しかったですね」
高知の一員として歩み出し、ほろ苦くも決意を伴うデビュー戦を戦った瀬尾。もちろん、Jリーガーを少年時代から目指しているそうで、今季ラストへ見据えるは最高のフィナーレだ。
「全クラブが高知に対して牙を向けているはずだし、残りの全試合がビッグマッチ。半分は僕がいない時に築かれたものだけど、残り半分で僕の持てる力を発揮し、J3昇格の助けになりたい。まずは切り替えて、次の試合に臨みます」
◇JFL第19節
9月8日(日) 15:00キックオフ
レイラック滋賀 vs 高知ユナイテッドSC
東近江市総合運動公園布引陸上競技場
◇MF24瀬尾純基
1999年6月7日生まれ。鳥取県出身。ガイナーレ鳥取の下部組織、青森山田高校、大阪体育大学を経て、2022年からJFLの舞台へ。ソニー仙台FCで2年間、ヴィアティン三重で半年間プレーし、8月に高知ユナイテッドSCへ加入した。
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ソニー仙台FCラストイヤーを彩った選手たちの新天地が概ね決定。一方でスパイクを脱ぎ、社業に専念する者も少なくない。 2024シーズン限りで活動終了、日本フットボールリーグ(JFL)を退会したソニー。JFL王者に輝いたこともある名門実業団が幕を閉じた。 ラストイヤーを彩った選手たちの去就は、1月14日時点で概ね発表済み。現役続行でJリーグ、JFL、地域リーグに新天地を求める者いれば、引退してソニーの社業に専念する者も。 例えば、中盤主力のMF伊藤綾汰(24)はJ3リーグへ参入する高知ユナイテッドSCに移籍。不動の右サイドバックを担ったDF後藤裕二(24)は福島ユナイテッドFC、DF中山雅斗(23)は奈良クラブへ。現在、Jリーグ挑戦は3名を数える。 JFLクラブへ移籍するのは、昨季リーグ新人王のFW布方叶夢(22/→FCマルヤス岡崎)、DF辻椋大(23/→ブリオベッカ浦安)など今のところ計5名。VONDS市原へ向かうFW勝浦太郎(24)など地域リーグ移籍も計5名である。 一方、キャプテンを担ったMF吉野蓮(27)、2023シーズンJFLベストイレブンのMF平田健人(28)、正守護神のGK佐川雅寛(28)など、これまでに計7名が引退を発表。吉野は発表に伴い、「今後は会社に恩返しを」と綴っている。 ◆選手たちの去就(1月14日時点) GK 1 佐川雅寛→現役引退 21 八井田舜→現役引退 26 松田亮→ジェイリースFC(九州/地域) DF 2 後藤裕二→福島ユナイテッドFC(J3) 3 塩崎悠司→現役引退 4 長江皓亮→未発表 6 中山雅斗→奈良クラブ(J3) 16 辻椋大→ブリオベッカ浦安(JFL) 22 平山裕也→ヴェルスパ大分(JFL) 23 神田悠成→福山シティFC(中国/地域) 25 山下翼→FC延岡AGATA(九州/地域) 30 大友豪士→未発表 MF 5 平田健人→現役引退 7 吉森恭兵→現役引退 8 伊藤綾汰→高知ユナイテッドSC(J3) 10 藤原元輝→現役引退 11 信太英駿→未発表 14 吉野蓮→現役引退 18 秋元佑太→未発表 20 小池陸斗→福山シティFC(中国/地域) FW 9 勝浦太郎→VONDS市原FC(関東1部/地域) 13 山田晋平→ヴィアティン三重(JFL) 15 布方叶夢→FCマルヤス岡崎(JFL) 17 加藤佑弥→未発表 19 甲元大成→飛鳥FC(JFL) 2025.01.15 15:15 Wed3
【JFL表彰式】今季のMVPは吉田篤志! 栃木シティの初優勝&J3入会を支える…ベストイレブンは栃木C&高知で計8名
5日、第26回日本フットボールリーグ(JFL)の表彰式が開催され、2024シーズンの最優秀選手賞(MVP)には、優勝&J3リーグ入会の栃木シティからFW吉田篤志(25)が選出された。 MVP吉田は今季、栃木Cに2度目の加入を果たし、チーム最大の得点源として12ゴール。チームに勝ち点をもたらす決定的な得点が多かったのも特徴的で、見事、MVPに選出された。 得点王は沖縄SVのFW青戸翔(28)で15ゴール。今季J3宮崎から加入し、とりわけ後半戦14試合出場で10ゴールと得点を量産した。 新人王はソニー仙台FCの大卒ルーキーFW布方叶夢(22)。国士舘大学から加入した160cmドリブラーは全30試合出場で3得点6アシスト…名門ソニーのラスト1年を鮮やかに彩った。 ベストイレブンには吉田と青戸を含め、優勝した栃木Cから6名、準優勝した高知ユナイテッドSCから2名などが選出。 栃木CのFW田中パウロ淳一(31)は今季がキャリア初となるJFLだったが、キレキレのドリブルで相手チームの脅威に。また、高知のDF吉田知樹(26)は、今季のJFLフィールドプレーヤーで唯一、全30試合フルタイム出場を達成した。 ■チーム表彰 優勝:栃木シティ(初優勝) 準優勝:高知ユナイテッドSC 3位:FCティアモ枚方 フェアプレー賞:高知ユナイテッドSC 特別賞:ソニー仙台FC ■個人表彰 ▽最優秀選手賞(MVP) FW 吉田篤志 (栃木シティ) ▽得点王 FW 青戸翔(沖縄SV) 15ゴール ▽新人王 FW 布方叶夢(ソニー仙台FC) ▽優勝監督賞 今矢直城(栃木シティ) ▽優秀レフェリー賞 小林健太朗 ■ベストイレブン GK 相澤ピーターコアミ(栃木シティ) DF 吉田知樹(高知ユナイテッドSC) DF 池松大騎(Honda FC) DF 奥井諒(栃木シティ) DF 上月翔聖(高知ユナイテッドSC) MF 宇都木峻(栃木シティ) MF 関野元弥(栃木シティ) FW 田中パウロ淳一(栃木シティ) FW 青戸翔(沖縄SV) FW 吉田篤志(栃木シティ) FW 田村翔太(ヴィアティン三重) 2024.12.05 16:47 Thu4
“野球王国”高知からJリーグへ… “サッカー不毛の地”を覆せ!【JFL高知の歩み】
“Jなし県”高知。野球王国として知られる一方、“サッカー不毛の地”とさえ言われるこの高知で今年、「高知ユナイテッドSC」が熱を帯びている。JFLで2000人、天皇杯で3000人、7000人という観客動員を記録するなど大きな変化が起きている中で、Jリーグ参入を掲げる彼らはこれまでどんな道のりを歩んできたのか。過去を紐解けば、未来へのヒントとなるかもしれない。【第1回/全3回|<a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=452485" target="_blank">中編</a>、<a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=452489" target="_blank">後編</a>に続く】 <span class="paragraph-subtitle">~NPB(プロ野球)球団がなくとも野球は文化~</span> 「高知県のスポーツと言えば?」と問われて「高校野球」が頭に思い浮かぶ人は多いと思う。名将・馬渕史郎率いる明徳義塾高校野球部は夏の甲子園優勝1回、秋の神宮大会優勝2回を誇り、社会問題化した星稜高校の4番・松井秀喜に対する“5打席連続敬遠”が色濃く残る人も多いはずだ。 また、明徳義塾と半世紀近く覇権を争う高知高校野球部は甲子園で春夏ともに優勝経験があり、こちらは“ミスター・ロッテ”有藤通世氏、弘田澄男氏などを輩出。この2人はプロ野球史に名を残す高知県出身のスタープレーヤーだ。 高知県とNPBの関係性で言えば、レギュラーシーズンに前後し、多くの球団が秋季・春季キャンプで温暖な高知へと来県。なかでも阪神タイガースは1965年から毎年訪れ、かつて高知県出身の最強クローザー・藤川球児氏を擁していたこともあって県民の間で人気が根強いと聞く。 したがって「高知県のスポーツと言えば?」に対しては、明徳義塾や高知高校に代表される「高校野球」と答えるか、ストレートに「野球」と答えるのが妥当か。もちろん独立リーグ・四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドックス(高知FD)も根強い人気を誇る。 では、そろそろ本題へ。NPB球団がなくとも「野球」が文化として根付く高知県において「サッカー」はどういった立ち位置か。 全国高校サッカー選手権大会における高知県勢の最高成績は、全47都道府県から代表校が参加するようになった第62回大会(1983年度)以降でベスト8。高校総体(インターハイ)でも高知県勢がベスト8の壁を破ったことは一度もない。 高知県出身のJリーガーで代表的な存在は元ガンバ大阪DF山口智であり、今のところ、高知県出身選手で唯一の日本代表経験者。他には元名古屋グランパスMF吉村圭司、元セレッソ大阪FW小松塁などがいるが、他県と比べて高知県のJリーガー輩出数は非常に少なく、現役選手はなんと1人。高知ユナイテッドSCのジュニアユース育ちで、カマタマーレ讃岐でプレーするDF山本勇武(18)のみだ。 また、2000年代に入って四国から徳島ヴォルティス(05年)、愛媛FC(06年)、カマタマーレ讃岐(14年)とJクラブが誕生していったなか、高知が四国4県で唯一の“Jなし県”となってもうすぐ10年に。取り残されている感は否めない。 1993年のJリーグ誕生から30年…2023年現在、“Jなし県”は高知を含めて6県のみ。高知以外には、福井、滋賀、三重、和歌山、島根にないが、ヴィアティン三重、レイラック滋賀、アルテリーヴォ和歌山とJリーグ入りを目指すクラブがある県はもちろんある。Jクラブを擁する県と優劣をつける必要はないのだが、サッカーを愛する高知県の人たちが「いつか高知にもJクラブを…」という想いを長年にわたって抱き続けているのは言うまでもない。 このように高知県はプロアマ問わず野球が浸透も、その反面、“サッカー不毛の地”と呼ばれ、Jリーグ誕生後はいつしか“Jなし県”という呼称も定着。しかし、年号が令和となった2019年、高知県のサッカー界は大きな一歩を遂げる。 (中編に続く) ◆クラブ名改称にライバルとの統合…南国高知FCはアイゴッソ高知へ、そして高知ユナイテッドSCへ【JFL高知の歩み/第2回(全3回)】 2023.11.01 21:45 Wed5

