「経験は生きている」過去の残留争いを糧に戦った湘南DF大野和成、改めたクラブへの想い「このクラブで頑張りたい」
2023.11.25 22:20 Sat
残留を喜ぶ湘南・大野和成
湘南ベルマーレのDF大野和成が、横浜FC戦の勝利を振り返った。
24日、明治安田生命J1リーグ第33節で湘南はニッパツ三ツ沢球技場で横浜FCと対戦した。
最下位の横浜FCと17位の湘南の直接対決。両者の勝ち点は「2」となっており、湘南は勝利すれば残留が確定する一方で、敗れれば降格圏転落という生死を懸けた戦いとなった。
試合は前半から横浜FCが押し込んでいく形に。湘南は左サイドを中心に攻め込もうとするが、我慢の時間が続いていく。するとゴールレスで迎えた49分、湘南は連続でCKを獲得すると、ショートコーナーからのミドルシュートを防がれるも、こぼれ球を大岩一貴が詰めて先制。その後は、横浜FCの反撃をなんとか耐え凌ぎ、0-1で勝利。自力で残留を確定させた。
試合後、メディア取材に応じた大野は「堅い試合になるなとは思っていましたが、その通りでした。後ろは集中切らさずにやろうかなと思っていました」とコメント。0-1という難しい試合でありながらも、しっかりと集中を切らさずに戦ったとした。
その難しい試合では耐える時間が多かった。その中でもしっかりと勝利し、残留を決めるという勝負強さを見せた。大野は「残留が懸かった大一番でしたけど、自分としては楽しめたというか、こういうヒリヒリした場面はそうないと思うし、みんなでやれることもあって自信を持って戦えていたので、心配はしていませんでした」とコメント。チームとしてもしっかりと戦えているのを感じたという。
残留争いの経験は豊富。「正直慣れてはいけないですけど、そんなに気負う感じもなく、個人的にはやれているなと思います」と経験豊富な大野は語る。「気負いすぎると固くなっていつものプレーができないので、残留争いはしちゃいけないですけど、その経験は生きていると思います」と語り、良くないことではあるが、残留を掴んできた経験は今回も生きたという。
それは終盤に押し込まれても慌てないことにも繋がっていた。「ある意味割り切ったというか、相手も必死で点取らなければいけないので割り切った部分はありますが、かといってラインを下げすぎたりもなく、みんなで声をかけ合いながら90分できたと思います」とコメント。押し込まれても自分たちの守りができていた手応えはあるという。
大野はシーズン序盤戦はほとんど出番がなく、第14節のセレッソ大阪戦から出番を増やしていくことに。夏場以降守備も安定し、最終的に残留を掴むこととなった。
大野の出番の増加とともに復調した点については「自分は在籍が長いですし、このクラブで頑張りたいという思いが強いので、なかなか最初は出られなかったですけど、出たら責任感を持ってやろうという気持ちは常に持っていて、結果に表れたので、それは良かったと思います」とコメント。ベテランの思いが出たプレーが、チームを救うことにもなった。
24日、明治安田生命J1リーグ第33節で湘南はニッパツ三ツ沢球技場で横浜FCと対戦した。
最下位の横浜FCと17位の湘南の直接対決。両者の勝ち点は「2」となっており、湘南は勝利すれば残留が確定する一方で、敗れれば降格圏転落という生死を懸けた戦いとなった。
試合後、メディア取材に応じた大野は「堅い試合になるなとは思っていましたが、その通りでした。後ろは集中切らさずにやろうかなと思っていました」とコメント。0-1という難しい試合でありながらも、しっかりと集中を切らさずに戦ったとした。
終盤は横浜FCのロングボールの対応も増えていたが、「空中戦は結構勝っていました」とコメント。「逆に後ろに入れられると、後ろ向きな守備が増えてしまうので、頑張って競って、前に落とすことでピンチも防げてカウンターのチャンスも増えると思っていました」と語り、しっかりと競り勝っていくことを目指していたという。
その難しい試合では耐える時間が多かった。その中でもしっかりと勝利し、残留を決めるという勝負強さを見せた。大野は「残留が懸かった大一番でしたけど、自分としては楽しめたというか、こういうヒリヒリした場面はそうないと思うし、みんなでやれることもあって自信を持って戦えていたので、心配はしていませんでした」とコメント。チームとしてもしっかりと戦えているのを感じたという。
残留争いの経験は豊富。「正直慣れてはいけないですけど、そんなに気負う感じもなく、個人的にはやれているなと思います」と経験豊富な大野は語る。「気負いすぎると固くなっていつものプレーができないので、残留争いはしちゃいけないですけど、その経験は生きていると思います」と語り、良くないことではあるが、残留を掴んできた経験は今回も生きたという。
それは終盤に押し込まれても慌てないことにも繋がっていた。「ある意味割り切ったというか、相手も必死で点取らなければいけないので割り切った部分はありますが、かといってラインを下げすぎたりもなく、みんなで声をかけ合いながら90分できたと思います」とコメント。押し込まれても自分たちの守りができていた手応えはあるという。
大野はシーズン序盤戦はほとんど出番がなく、第14節のセレッソ大阪戦から出番を増やしていくことに。夏場以降守備も安定し、最終的に残留を掴むこととなった。
大野の出番の増加とともに復調した点については「自分は在籍が長いですし、このクラブで頑張りたいという思いが強いので、なかなか最初は出られなかったですけど、出たら責任感を持ってやろうという気持ちは常に持っていて、結果に表れたので、それは良かったと思います」とコメント。ベテランの思いが出たプレーが、チームを救うことにもなった。
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【J1注目プレビュー|第15節:湘南vs広島】惨敗直後の湘南、4連敗ストップの広島と共に大事な一戦に
【明治安田J1リーグ第15節】 2025年5月7日(水) 19:00キックオフ 湘南ベルマーレ(13位/18pt) vs サンフレッチェ広島(8位/20pt) [レモンガススタジアム平塚] <h3>◆惨敗からどう立ち直るか【湘南ベルマーレ】</h3> 前節はアウェイでのガンバ大阪戦で4-0と惨敗。今シーズンワーストとも言える内容で3試合ぶりの黒星となった。 2試合連続クリーンシートで終えていた湘南だったが、G大阪の圧力に屈することに。連続失点で崩壊したが、攻められるのは初めてではない。 ここまでの戦い方も、守備が耐えて、我慢して戦った中でゴールを奪えていたということ。守備が耐えられなければ、同じような試合は何度もあった可能性はある。 しっかりと集中して守備を行うことを考えつつも、勝利を掴みたいところ。悪い流れにしたくない一戦となる。 ★予想スタメン[3-4-2-1] GK:上福元直人 DF:鈴木雄斗、キム・ミンテ、鈴木淳之介 MF:藤井智也、奥野耕平、奥埜博亮、畑大雅 MF:池田昌生、平岡大陽 FW:鈴木章斗 監督:山口智 <h3>◆4連敗ストップ、波に乗れるか【サンフレッチェ広島】</h3> 指揮官不在の中で4連敗という苦しい状況に立たされていたが、前節はアビスパ福岡相手に2-1で勝利を収め、連敗をストップさせた。 期待されていたほどの結果がここまでは出ていない広島。AFCチャンピオンズリーグ2を戦っていた影響もあるが、ケガ人なども多く、苦しい台所事情を表しているとも言える。 攻撃陣に課題はあるものの、再びここから波に乗りたい広島。連敗を止めた後の大事な一戦で、しっかりと勝ち切って連勝街道を歩みたい。 ★予想スタメン[3-4-2-1] GK:大迫敬介 DF:塩谷司、荒木隼人、佐々木翔 MF:中村草太、田中聡、川辺駿、東俊希 MF:前田直輝、加藤陸次樹 FW:ジャーメイン良 監督:ミヒャエル・スキッベ 2025.05.07 15:15 Wed4
「去年の味スタでワーストの試合」東京Vの城福監督、昨季負け越した湘南戦へ「心して臨まないといけない」
東京ヴェルディの城福浩監督が、11日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第16節の湘南ベルマーレ戦に向けた会見を実施した。 東京Vは前節、ホームで行われた横浜FC戦を2-0で勝利。5勝5分け5敗と再び星を五分に戻し、トップハーフも窺う11位に浮上した。 今季初の複数得点差での勝利となった横浜FC戦は休養十分の相手に対して、中2日の厳しい日程で臨んだなか、ディフェンスラインを中心に離脱者が相次いだなか、今季リーグ初先発となったDF深澤大輝、MF稲見哲行の2選手を含め先発6人を変更。 急造布陣や高さのアンマッチというディスアドバンテージがありながらも、走行距離やスプリント回数で相手を凌駕する痛快な勝利でもあった。 「だからこそ『勝ってやる』という思いでやる」と戦前に発破をかけていたとはいえ、それだけで選手たちを走らせられるほど簡単なものではない。それゆえにコンディション面、メンタル面を含めアプローチの工夫があったことは想像に難くない。 ロジカルな働きかけとしては「1試合1試合の一つひとつの課題と成果を共有することを大事にしていた」と、0-2で敗れた浦和レッズ戦からは、連戦の重さに加え試合への入りのアプローチの拙さによって喫した開始早々の失点を明確な課題。退場者が出て10人となった後半半ば以降の運動量で相手を上回った点をひとつの成果とし、横浜FC戦へと活かしたという。 「浦和戦では松尾(佑介)選手がボールを受けて、そこに浦和の選手は2人追い越していっている。我々はそこに引っ張られて彼にカットインされて一振りを許している。なぜあそこにボランチがいけなかったのか、なぜあそこで対応している綱島(悠斗)が寄せ切れなかったのかといえば、2人に走られているというのが大きく影響していました」 「我々もベースとしたいところ、相手に見せつけたいところを逆に(浦和に)やられたということですし、(1失点目で)そこにマークがついていけなかったのは、福田湧矢ですけども、ここがベースだという積み重ねというのは強く意識しました。試合の入りを頑張るとか、我々のサッカーを頑張るというのが何かというと、そういうベースのところをまず頑張らない限り、あの舞台で我々が勝てるはずがないと」 「それは日程の問題ではないということも共有しましたし、(浦和戦の)後半の展開を見れば、選手は日程の問題じゃないんだなと思ったと思う。そういう積み重ねの延長線上に、横浜FCの試合がありました」 一方、メンタル面においてはチームの苦境でチャンスを与えられた選手たちの気概がチーム全体に伝播した結果だと見解を示した。 「もちろん、続けて出ている選手に疲れがないはずはないですけれども、人間の体というのは心が動かすので、そこの心持ちをみんなが変えた、変えられたというのは、僕の言葉なんかよりも新しくあるいは久しぶりにピッチに立った選手たち」 「その彼らがどれだけ歯を食いしばって、通常練習の後のエクストラをやっているかというのはみんな知っている。それでもまだ(メンバーに)入らないかと、まだ試合に出られないかというふうに感じていた選手たちもいると思います。ここ1週間、2週間頑張っているからということではない状況というのは、みんなわかった状況なので、この前のメンバーのその日のだけの意気込みではなくて、そこに歩むプロセスも含めてそれが力になったのかなというふうに思います」 また、同試合では前述の深澤、稲見や開幕節以来のスタメン起用となったMF松橋優安らの奮闘に加え、第4節のガンバ大阪戦以来の出場となった大卒ルーキーのFW熊取谷一星が久々の出場でプロ初ゴールとなる値千金の追加点を奪取。 ここまでの出場2試合では守備面が明確な課題となり、以降ベンチ外が続いていた期間は自身の課題に真摯に取り組むあまり、攻撃面の持ち味を出し切れない悪循環に陥っていることも、指揮官は語っていた。 そんななか、横浜FC戦では1点リードで守勢の後半半ば過ぎという痺れる状況で投入。ベンチにはFW山見大登というより経験のある選手も残していただけに、大胆な一手と言っても過言はなかった。 あのタイミングでの投入については「直感」と勝負師らしい答えが返ってきたが、その背景には日々コーチングスタッフとともに選手たちの変化を見逃さず、適切なタイミングでチャンスを与えるという指揮官が重要視するチームマネジメントが垣間見えた。 「まず相手のことも頭には入れますが、それと同等なのか、ひょっとしたらそれ以上に重視しているのは、我々のチームがどんな推移でポジション争いをしているか、今現在出ている選手のパフォーマンスがどうなのかということと、準備をしようとしている、次の自分の来るべきタイミングに備えて、準備をし続けている選手のメンタリティを含めたパフォーマンス」 「それがどれくらい続いているか、もちろんそれは表情だけではわからないですけど、迷いがあるのか吹っ切れているのか、それが持続できているのか。そういうところを僕の目だけじゃなくてコーチ陣と話をしながらずっと共有していました」 そのなかで熊取谷は「ここ何週間かでかなり吹っ切れた感じでやれていた。ここ何日かが調子がいいというわけじゃなかったです。吹っ切れてきたというのはミスがなくなったということじゃない。自分の特徴を忘れないなかで課題に向き合う。ここに対して本当に自分に矢印を向けて、でも悔しい思い、時々悔しい表情もありながら、そのボールにそのトレーニングにエネルギーをぶつけていくということをやり続けているという1人であるという認識はありました」と、再びチャンスを与えるのに適切なタイミングだったと感じていたようだ。 その熊取谷らの活躍を含めチームの底上げも図られ、「誰を起用するかの悩みはすごく多くなっているわけじゃないですけど、その傾向にあるのだとすれば、それは喜ばしい」と手応えも得たなかで臨むホーム連戦では湘南を相手に今季2度目の連勝を目指す。 開幕3連勝スタートも、第6節のヴィッセル神戸戦で今季初黒星を喫した後は3連敗含む3度の連敗に加え、直近6試合はわずかに1得点で15位に沈む湘南。 しかし、昨シーズンの公式戦1勝2敗と負け越し、その3試合の内容面で力の差を見せつけられたこともあり、城福監督は「心して臨まないといけない」と強い警戒を示している。 「湘南さんの貫いているスタイルというか、志向するサッカーというのは、本当にここ何年かずっと変わってない。そのスタイルのひとつのなかに、ハードワークというのも特筆されるべきものがあります。特に前線のハードワークとポジションにかかわらず、前に向かう。それが守備であれ、攻撃であれ前に向かうハードワークというのは強烈なものがあります。前へのダイナミズムというか、それに加えてよりビルドアップを勇気を持ってやるというところが、今の湘南の幹のスタイルだと思っています」 「そこは頭に入れながらどういう場面が多くなるのか、どういう場面を多くしてはいけないのかというのは、もちろんミニマムに選手に刷り込まないといけないですけれども、そこに捉われるのではなくて、我々が一番大事なのは、去年の味スタでどれだけコテンパンにやられたかということ。それを思い出さなきゃいけないと思います。腰が引けたサッカーをやれば湘南のやりたいようにやられて、内容も結果も見るも無残なものになります。ひょっとしたら去年の味スタでやった試合のなかで、ワーストの試合だったと思います。そこはみんなで心して臨まないといけないかなと思います」 さらに、大枠では3バックベースで志向するスタイルが近いチーム同士の対戦となるなか、指揮官は「リスクを背負った上で、そのリスクはなにゆえかということをみんなが共有して、それを上回るメリットを出すという強い気持ちというのが必要になる。自分たちが大事にしているベースというものの、ぶつけ合いになるのかなと思います」と、互いのストロングを出し合うせめぎ合いのなかで、いかに優位に進められるかがカギになると勝負の肝について語っている。 2025.05.10 15:05 Sat5