アメリカvsウェールズは今大会初のドロー決着! ウェア先制弾にベイルがPKで同点弾《カタールW杯》
2022.11.22 06:09 Tue
カタール・ワールドカップ(W杯)のグループB第1節、アメリカ代表vsウェールズ代表が21日に行われ、1-1のドローに終わった。
2大会ぶりの出場で、ホスト国となる次大会に繋がる結果を残したいアメリカ。今回の初戦ではレイナやアーロンソンがベンチスタートなったものの、GKターナーやデスト、アダムス、ムサ、マッケニー、プリシッチと欧州5大リーグで活躍する主力が揃ってスタメン起用となった。
一方、64年ぶりの本大会出場となるウェールズは、その前回大会のベスト8の再現を目指し、突破の直接のライバルとなる難敵との初戦に臨んだ。ロブ・ページ監督はコンディションが懸念されたエースのベイルをはじめ、ラムジーやベン・デイビス、ダニエル・ジェームズ、ロドン、ハリー・ウィルソンらをスタメンで起用。ムーアやブレナン・ジョンソンというセンターフォワードタイプをベンチに置き、ベイルを最前線に据えた[3-4-3]で臨んだ。
試合は後ろに重心を置くウェールズに対して、ボールを握って前に出るアメリカが押し込む入りとなった。立ち上がりは5バックの前でボールを動かすにとどまったバーホルターのチームだが、10分過ぎに続けて決定機。
まずは右サイドで背後のスペースに飛び出したウェアが速いタイミングでクロスを入れると、無理な態勢でクリアを試みたDFロドンのヘディングがゴールへ向かうが、これはGKヘネシーがはじき出す。さらに、直後にはボックス左でロビンソンが上げたクロスをニアのサージェントが頭で合わすが、今度は左ポストを叩いた。
以降はボールを握るアメリカが、自陣深くに[5-3-2]の守備ブロックを構えるウェールズを攻めあぐねる場面が目立ち、試合が完全に膠着。しかし、前線の個の力によって一瞬の隙を突く。
36分、相手ゴールキックからの流れで中盤でのルーズボールの競り合いを制したアメリカは、プリシッチが中央でドリブルを仕掛ける。そして、ラインを上げていた3バックの背後を狙うウェアへ完璧なスルーパスを通すと、“リベリアの怪人”を父に持つ22歳FWがDFとGKに寄せ切られる寸前で右足アウトを使った巧みなシュートを流し込んだ。
プリシッチとウェアのコンビプレーで先手を奪ったアメリカは、ここから前に出てきたウェールズの攻勢を危なげなく凌いで前半を終えた。
迎えた後半、ウェールズはダニエル・ジェームズを下げてターゲットマンタイプのムーアを最前線に投入。攻撃時も[3-5-2]の形に変更する。
この戦術変更と攻守両面でギアを上げたことにより、後半はウェールズが押し込む展開に。ムーアへのシンプルなロングボールやより高い位置を取るウイングバックからのクロスを軸にチャンスを窺う。
決定機まであと一歩という状況が続く中、60分過ぎに続けて決定機を創出。まずは64分、CKの二次攻撃から競り勝ったメファムのヘディングパスに反応したベン・デイビスがボックス中央で渾身のダイビングヘッド。だが、このシュートはGKターナーの好守に遭う。さらに、このプレーで得た右CKではハリー・ウィルソンの正確な左足のクロスをムーアがフリーでヘディングシュート。だが、今度は枠に飛ばせない。
後半半ばを迎えて再び試合が膠着し始める中、守勢が続くアメリカは74分に3枚替えを敢行。デストとムサ、サージェントを下げてイェデリン、アコスタ、ライトを同じポジションに入れた。
一方、ゴールまであと一押しがほしいウェールズはネコ・ウィリアムズを下げてブレナン・ジョンソンを投入。より攻撃的な[4-4-2]に並びを変えると、これが同点ゴールをもたらす。
80分、ブレナン・ジョンソンの入った右サイドを起点に攻撃を仕掛けてボックス右に侵入したラムジーがマイナスに折り返すと、これに反応したベイルがDFジマーマンに倒されてPKを獲得。ここでキッカーのベイルが強烈なシュートを右隅に突き刺し、82分のゴールとした。
1-1のイーブンに戻った試合はここからヒートアップ。勝ち点3へ再び攻める必要が出てきたアメリカは、フレッシュな途中出場の選手を起点に攻勢を強めていく。
9分が加えられたアディショナルタイムを含めた最終盤戦は両チームの選手が足を攣る消耗戦に。その中で追いついた勢いを生かすウェールズが、よりゴールへ迫ったものの、ブレナン・ジョンソンらの決定機は相手の好守に阻まれ、今大会4戦目にして初のドロー決着となった。
なお、追いつかれて勝ち点2を逃したアメリカは25日に初戦勝利のイングランド代表と、勝ち点1を拾ったウェールズはサウジアラビア代表と対戦する。
アメリカ代表 1-1 ウェールズ代表
【アメリカ】
ウェア(前36)
【ウェールズ】
ベイル(後37[PK])
2大会ぶりの出場で、ホスト国となる次大会に繋がる結果を残したいアメリカ。今回の初戦ではレイナやアーロンソンがベンチスタートなったものの、GKターナーやデスト、アダムス、ムサ、マッケニー、プリシッチと欧州5大リーグで活躍する主力が揃ってスタメン起用となった。
一方、64年ぶりの本大会出場となるウェールズは、その前回大会のベスト8の再現を目指し、突破の直接のライバルとなる難敵との初戦に臨んだ。ロブ・ページ監督はコンディションが懸念されたエースのベイルをはじめ、ラムジーやベン・デイビス、ダニエル・ジェームズ、ロドン、ハリー・ウィルソンらをスタメンで起用。ムーアやブレナン・ジョンソンというセンターフォワードタイプをベンチに置き、ベイルを最前線に据えた[3-4-3]で臨んだ。
まずは右サイドで背後のスペースに飛び出したウェアが速いタイミングでクロスを入れると、無理な態勢でクリアを試みたDFロドンのヘディングがゴールへ向かうが、これはGKヘネシーがはじき出す。さらに、直後にはボックス左でロビンソンが上げたクロスをニアのサージェントが頭で合わすが、今度は左ポストを叩いた。
辛くも早い時間帯の失点を免れたウェールズは、徐々に守備面でアジャスト。だが、ボールを奪っても相手に切り替えの速さで上回られてなかなか前進できない。
以降はボールを握るアメリカが、自陣深くに[5-3-2]の守備ブロックを構えるウェールズを攻めあぐねる場面が目立ち、試合が完全に膠着。しかし、前線の個の力によって一瞬の隙を突く。
36分、相手ゴールキックからの流れで中盤でのルーズボールの競り合いを制したアメリカは、プリシッチが中央でドリブルを仕掛ける。そして、ラインを上げていた3バックの背後を狙うウェアへ完璧なスルーパスを通すと、“リベリアの怪人”を父に持つ22歳FWがDFとGKに寄せ切られる寸前で右足アウトを使った巧みなシュートを流し込んだ。
プリシッチとウェアのコンビプレーで先手を奪ったアメリカは、ここから前に出てきたウェールズの攻勢を危なげなく凌いで前半を終えた。
迎えた後半、ウェールズはダニエル・ジェームズを下げてターゲットマンタイプのムーアを最前線に投入。攻撃時も[3-5-2]の形に変更する。
この戦術変更と攻守両面でギアを上げたことにより、後半はウェールズが押し込む展開に。ムーアへのシンプルなロングボールやより高い位置を取るウイングバックからのクロスを軸にチャンスを窺う。
決定機まであと一歩という状況が続く中、60分過ぎに続けて決定機を創出。まずは64分、CKの二次攻撃から競り勝ったメファムのヘディングパスに反応したベン・デイビスがボックス中央で渾身のダイビングヘッド。だが、このシュートはGKターナーの好守に遭う。さらに、このプレーで得た右CKではハリー・ウィルソンの正確な左足のクロスをムーアがフリーでヘディングシュート。だが、今度は枠に飛ばせない。
後半半ばを迎えて再び試合が膠着し始める中、守勢が続くアメリカは74分に3枚替えを敢行。デストとムサ、サージェントを下げてイェデリン、アコスタ、ライトを同じポジションに入れた。
一方、ゴールまであと一押しがほしいウェールズはネコ・ウィリアムズを下げてブレナン・ジョンソンを投入。より攻撃的な[4-4-2]に並びを変えると、これが同点ゴールをもたらす。
80分、ブレナン・ジョンソンの入った右サイドを起点に攻撃を仕掛けてボックス右に侵入したラムジーがマイナスに折り返すと、これに反応したベイルがDFジマーマンに倒されてPKを獲得。ここでキッカーのベイルが強烈なシュートを右隅に突き刺し、82分のゴールとした。
1-1のイーブンに戻った試合はここからヒートアップ。勝ち点3へ再び攻める必要が出てきたアメリカは、フレッシュな途中出場の選手を起点に攻勢を強めていく。
9分が加えられたアディショナルタイムを含めた最終盤戦は両チームの選手が足を攣る消耗戦に。その中で追いついた勢いを生かすウェールズが、よりゴールへ迫ったものの、ブレナン・ジョンソンらの決定機は相手の好守に阻まれ、今大会4戦目にして初のドロー決着となった。
なお、追いつかれて勝ち点2を逃したアメリカは25日に初戦勝利のイングランド代表と、勝ち点1を拾ったウェールズはサウジアラビア代表と対戦する。
アメリカ代表 1-1 ウェールズ代表
【アメリカ】
ウェア(前36)
【ウェールズ】
ベイル(後37[PK])
ウェールズの関連記事
ワールドカップの関連記事
|
ウェールズの人気記事ランキング
1
ユーロ2024予選POに臨むウェールズ代表に朗報、主将ラムジーがメンバー入り
ウェールズサッカー協会は13日、ユーロ2024予選プレーオフに臨む代表メンバーを発表し、カーディフ・シティのMFアーロン・ラムジーを選出した。 9月にヒザを負傷して長期離脱していたラムジーはその後もコンディションが整わず、2月14日のウェスト・ブロムウィッチ戦に出場して以降、ベンチ外が続いていた。 ふくらはぎの張りによりメンバー外となることが予想されていたが、ロブ・ペイジ監督は主将を大一番のメンバーに選出した。 ペイジ監督はラムジーの選出について「数分でもプレーできるならベンチに入れたい」と語り、精神的支柱としても期待していることを窺わせた。 プレーオフに回ったウェールズは21日にフィンランド代表との準決勝を、勝ち上がった際には決勝でポーランド代表と対戦する。 2024.03.13 22:40 Wed2
【ユーロ2020/グループA総括】イタリアがホームの利を生かして首位通過
ユーロ2020のグループステージが6月23日に終了した。イタリアが本命とは見られていたグループAだが、戦前の予想を上回る好内容での3連勝で見事な首位通過を決めた。そして2位にはウェールズが滑り込み、3位スイスは成績上位4チームに入って16強入り。トルコは3連敗と力を出しきれなかった。 ■順位表■ 1.イタリア(勝ち点9) 2.ウェールズ(勝ち点4)※得失点1 3.スイス(勝ち点4)※得失点-1 4.トルコ(勝ち点0) ■試合結果■ ▽第1節 トルコ 0-3 イタリア ウェールズ 1-1 スイス ▽第2節 トルコ 0-2 ウェールズ イタリア 3-0 スイス ▽第3節 スイス 3-1 トルコ イタリア 1-0 ウェールズ ◆ホームの地の利を生かす~イタリア~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210621_11_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 地元ローマで3試合を戦えたことが、イタリアにとっては思いのほか大きなアドバンテージになった。国家斉唱時から観衆と一体感を生み出したアッズーリはその勢いを試合に持ち込み、好パフォーマンスを発揮。3年前のワールドカップ出場を逃した鬱憤を晴らし、FWインモービレやFWインシーニェら中堅、MFロカテッリやMFバレッラら若手選手たちが躍動した。マンチーニ監督の下、しっかりとまとまったイタリアが3連勝で盤石の首位通過を決めている。 ◆ベイルのリーダーシップ~ウェールズ~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210621_11_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 前回大会ベスト4のウェールズが2大会連続ベスト16進出を決めた。とりわけ目立ったのはFWベイルのリーダーシップだ。クラブチームではどこか上の空といった感じのベイルだが、ことウェールズ代表での試合となると別人になるようだ。今大会ではチームメートを鼓舞する姿が頻繁に見られ、プレー面でもチャンスメークからフィニッシュワークまで幅広くこなし、正にチームを牽引する働きを見せた。MFラムジー、MFジョー・アレンら同世代の選手たちとの最後のビッグトーナメントになる可能性がある中、ノックアウトラウンドでも母国のために全身全霊をかけて戦う。 ◆頼みはやっぱりシャキリ~スイス~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210621_11_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ペトコビッチ体制で熟成しきっているスイス。今大会は良い意味でも悪い意味でも驚きがなかった。近い将来のエース候補筆頭であるFWエンボロの活躍は嬉しいところだったが、主力が固定化された中、チームに勢いをもたらす若手の台頭が欲しかった。そんな中でもやはり、国際大会で別人となるMFシャキリが今大会も活躍。最終節トルコ戦で2ゴールを挙げる活躍を見せ、スイスをベスト16に導いている。 ◆期待外れの3連敗~トルコ~ <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/get20210621_11_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 四つ巴になる可能性も十分と予想していたグループだっただけにトルコの3連敗は意外だった。守備陣にビッグクラブ所属のタレントがいることから大崩れすることはないと思っていたが、経験不足からか、力を発揮しきれなかった。予選10試合で3失点の堅守は吹き飛び、計8失点。名将ギュネシュ監督の下で挑んだトルコだったが、2大会連続でのグループステージ敗退となってしまった。 2021.06.24 19:00 Thu3
「正直に言うなれば、彼には無理」ウェールズ代表に強行招集のジョー・アレン、初戦欠場を指揮官が明かす
ウェールズ代表のMFジョー・アレンが、カタール・ワールドカップ(W杯)の初戦を欠如することとなった。 20日に開幕するW杯。ウェールズは16大会ぶり2度目の出場。実に64年ぶりのW杯の舞台に立つこととなる。 グループBに入り、初戦は21日のアメリカ代表戦となるなか、ロブ・ページ監督は、アレンの欠場を明言した。 「我々は最初から彼にあらゆるチャンスを与えるつもりだと言っていたが、完全に正直に言うなれば、彼には無理だろう」 「もし彼が負傷した場合は、間違いなく大会に出場できなくなる。彼に無理をさせるつもりはない」 スウォンジー・シティに所属するアレンは、ハムストリングを痛めており、9月17日に行われたチャンピオンシップ(イングランド2部)のハル・シティ戦を最後にプレーしていない。 それでもページ監督は久々の大舞台に向けて招集。スウォンジーのラッセル・マーティン監督は「十分ではない」とケガの回復がまだだとして、W杯メンバーの招集に怒りを示すほどだった。 当初はグループステージの開幕に間に合わせるつもりだったが、それは無理だと判明。ただ、メンバーから外すこともしなかった。 ウェールズは21日にアメリカ代表と対戦し、25日にイラン代表と、29日にイングランド代表と対戦する。 2022.11.20 23:53 Sun4
ベイルは現役復帰せず、ハリウッドスターからの加入も断り…今は家族とゴルフ「サッカーから離れた時間を楽しんでいる」
元ウェールズ代表FWガレス・ベイルだが、現役生活に戻ることはないようだ。 これまで、サウサンプトン、トッテナム、レアル・マドリーでプレーし、多くの名声を得てきたベイル。メジャーリーグ・サッカー(MLS)のロサンゼルスFCに所属していた中、自身初のワールドカップを終えた後、2023年1月に電撃的に引退を発表。趣味であったゴルフに勤しみ、プロアマトーナメントにも出場していた。 そのベイルには、地元ウェールズのレクサムからオファーが届いていた。 レクサムは、ナショナルリーグ(イングランド5部)に所属するクラブで、ハリウッドスターのライアン・レイノルズ氏とロブ・マケルへニー氏が共同で保有しており、先日見事にリーグ優勝を達成。15年ぶりにEFLリーグ2(イングランド4部)に昇格していた。 優勝と昇格を祝ったベイルに対し、オーナーの2人は冗談混じりで現役復帰を勧誘していた。 引退から数カ月のベイルの復帰が期待された中、イギリス『talkSPORT』がベイルのコメントを紹介。レクサムで復帰するのか?という問いに答え、現在は引退後の生活を楽しんでいるとした。 「いや…そうは思わない。むしろ、ロブからゴルフの無料招待券をもらったような気がするよ」 「チャットやジョークを交えることはあると思うけど、僕は今の状況にとても満足している」 「子供たちや妻と過ごす時間は、フットボールに打ち込んでいる間に失ってしまった時間だ。家族との生活を楽しみながら、ゴルフもやっている」 「僕はサッカーから離れた時間を楽しんでいる。僕は若い頃から始めていたし、止めるのはちょうど良い時期だと思っていた」 「僕たちはウェールズのサッカーを素晴らしいポジションに戻した。彼らはこれからも努力を続け、良いことをしてくれると確信している」 どうやらもうサッカーをする気はない様子。家族とゴルフに時間を割くというのは、ベイルが本当に望んでいたことだったのだろう。 2023.04.29 21:40 Sat5