モンツァ、故ベルルスコーニ会長の金言刻んだプレートを本拠地に設置 「信じる者は抗い、最後に勝つ」

2023.09.18 18:09 Mon
カルチョへの情熱は最後の最後まで衰えなかった
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カルチョへの情熱は最後の最後まで衰えなかった
モンツァが故シルヴィオ・ベルルスコーニ会長(享年86歳)の功績を称えるプレートを本拠地に設置した。

サッカーファン以外にも世界的にその名が通ったイタリア人実業家・ベルルスコーニ氏。若き日に建設業界で大成功を収めると、程なくしてイタリアのメディア業界においてもNo.1の大物に。これらを足がかりに政界へと進出し、3度(4期)にわたってイタリアの首相を務めた。

政治活動などと並行してミランのオーナー・会長も2012年まで務め、在任中はセリエA優勝7回、チャンピオンズリーグ(CL)優勝5回。ベルルスコーニ氏が束ねた20世紀後半のミランはカルチョの黄金期をけん引する存在であり、力強くも優雅にその名を全世界に轟かせた。21世紀に入ってからもカルロ・アンチェロッティ監督時代に大きな成功を収めている。
2018年に当時セリエCのモンツァを買収すると、クラブは昨季からセリエAに初昇格。80代後半を迎えてもカルチョへの情熱が衰えることはなかったが、今年6月12日、白血病のため86歳で逝去。亡くなる2カ月前にはモンツァが“敵地”サン・シーロでインテルを初めて撃破する快挙を入院中の病室から見届けた。

サッカー界でも政界でも過激な発言を繰り返し、その度に各方面から大きな批判を浴びてきたベルルスコーニ氏。それでも周囲からの人望は厚く、モンツァの選手たちがインテル撃破後、帰路につくチームバスの車中で入院中の同氏に捧ぐチャントを全員で歌ったことも話題となった。
モンツァは17日、そんなベルルスコーニ氏を称える形で本拠地U-POWERスタジアムの関係者席にプレートを設置。この座席はベルルスコーニ氏が生前座っていた“定位置”であり、「信じる者は闘う。信じる者は全ての困難を克服する。信じる者は抗い、最後に勝つ」という同氏の遺した金言が純金のプレートに刻まれている。

モンツァはこれからもベルルスコーニ氏とともに歩んでいく。

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「僕がここに…クレイジーだ」美男子コルパーニがSNSで知ったイタリア代表初選出の喜び語る「鳥肌が…」

モンツァのMFアンドレア・コルパーニがイタリア代表初選出を喜んだ。イタリア『カルチョメルカート』が伝えている。 カルチョファンの間で徐々に浸透する24歳、アンドレア・コルパーニ。身長186cmの攻撃的MFは、モンツァで主に2シャドーの一角を担い、今シーズンのセリエAで12試合6ゴール1アシスト…ファンタジーに富んだドリブラーはインテル移籍の噂が絶えない注目株となっている。 2000年代初頭のアズーリを思い出させる美男子ぶりも見ての通りだが、育成の名門アタランタで育まれた24歳は、今月の代表ウィークにて念願のイタリア代表初選出。その喜びを語っている。 「A代表は国のトッププレーヤーが集まる場所。そこに自分が呼ばれるなんて素晴らしすぎる…クレイジーだ。初選出を知ったのはトリノ戦(11日)の直前、練習終わりにSNSで情報が回ってきたんだ(笑)」 「メンバーリストに目を通していたら、その1人が自分であることを知った。これまでこの舞台(イタリア代表)を目指し、モンツァで常に全力を尽くしてきたはずなんだけど、実際にこのグループに入った感情を言い表すのは難しい」 2020-21シーズンから所属するモンツァで鍛錬を重ねてきたと語ったコルパーニ。一方で、前所属のアタランタへも感謝を語っている。 「8歳からアタランタにいた。今の僕があるのは、その多くがアタランタのおかげ。サッカーの基礎の基礎を叩き込んでくれたアタランタには生涯感謝し続けるだろう。でも、本当のサッカー人生は“我が家を去るとき”から始まると言ってもいい。とにかく、今は自分自身を誇りに感じるよ」 「目標? そうだな…まずはイタリアの美しいスタジアムで青いシャツを着てプレーすること…考えただけでも鳥肌が立っちゃうね(笑) アイドルは…オーストラリア代表戦でPKを沈めたフランチェスコ・トッティ(※1)だ。果てしない創造力、全方位の視野、彼には無限のクオリティがあった」 (※1)2006年のドイツ・ワールドカップ(W杯)。決勝トーナメント1回戦でイタリアはオーストラリアに1-0で勝利。90+5分のトッティのPK弾が決勝点となった。その後、イタリアは頂点まで駆け上がった 2023.11.16 17:20 Thu
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充実のスカッド誇るインテル、タレミ&ジエリンスキも確保して…次はどこを補強?

インテルの補強戦略をイタリア『カルチョメルカート』が考察する。 2020-21シーズン以来3季ぶりのスクデットに限りなく近づいたインテル。チャンピオンズリーグ(CL)はベスト16でショッキングな敗退を喫するも、シモーネ・インザーギ監督の評判が下がるものではない。強固なチームがそこにある。 気が早いかもしれないが、来季に向けてはポルトのイラン代表FWメフディ・タレミ(31)、ナポリのポーランド代表MFピオトル・ジエリンスキ(29)を実質確保済み。ジュゼッペ・マロッタCEOが“伝家の宝刀”フリー獲得で釣り上げたとされる。 現時点でかなりの充実度を誇るスカッドに対し、(おそらく)最前線と中盤を拡充。では、ここからさらに競争力と刺激を加えるべきポジションとは、どこになるだろうか。 『カルチョメルカート』は「グズムンドソン・スタイル」というワードを創造し、攻撃に彩りをもたらすクラックの獲得を提唱する。 由来はジェノアのアイスランド代表FWアルベルト・グズムンドソン(26)。彼はジェノアで主に2トップの一角を任され、シャドーストライカー気味に自由に動き回るドリブラー。今季はセリエA28試合で11得点3アシストを記録する。 また、下部組織で育てた若手タレントを登用するのも面白いと指摘。インテルからモンツァへ貸し出し中のアルゼンチン代表MFヴァレンティン・カルボーニ(19)は、185cmのスラリとした攻撃的MFで、友好関係にあるモンツァでは途中出場メインながらも定期的にプレーする。先月28日にA代表デビューも飾った新進気鋭の若手だ。 昨夏ボローニャへ完全移籍で売却したU-21イタリア代表MFジョバンニ・ファビアン(21)は、今季がキャリア初のセリエAながらも20試合出場で5得点2アシスト。チームが中盤戦からグングン順位を上げるとともに先発起用も増え、直近7試合で3得点2アシスト…いま最も評価を高める1人だ。 こちらは“2025年夏”に1200万ユーロ(約19億7000万円)の買い戻しオプションが発生する契約となっているが、今夏での復帰はあるだろうか。 このように、グズムンドソン、カルボーニ、ファビアンと並べた『カルチョメルカート』。しかし同時に、インテルはグズムンドソンに確かな関心を寄せつつも、カルボーニは来季も再レンタルさせる方針であると紹介している。 AZの日本代表DF菅原由勢(23)への継続的なリストアップも報じられるインテル。今夏はどう動くだろうか。 2024.04.06 19:10 Sat

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