「冗談だろ…」異例の再試合に岡山の助っ人もびっくり「もう1回試合しなくちゃならない」

2022.04.06 12:09 Wed
©︎J.LEAGUE
ファジアーノ岡山のオーストラリア人MFステファン・ムークがJリーグの決定に反応した。ムークも出場した3日の明治安田生命J2リーグ第8節、モンテディオ山形vsファジアーノ岡山の一戦は、10分に山形のGK後藤雅明が一発退場。山形は多くの時間を10人で戦うと、後半アディショナルタイムに岡山がゴールを奪い、1-0で勝利していた。

退場の場面、後藤は味方のバックパスがオウンゴールになるのを防ごうと手で搔き出したことで、清水修平主審からレッドカードを提示されたが、競技規則では「ゴールキーパーが自分のペナルティーエリア内で、認められていないにもかかわらず手や腕でボールを扱った場合、間接フリーキックが与えられるが、懲戒の罰則は与えられない」とされているため、適用ミスが指摘されていた。Jリーグは4日に競技規則の適用ミスを発表し、5日に臨時実行委員会および臨時理事会で協議した結果、再試合になることを決定していた。
この知らせを受け、ムークが自身のインスタグラムのストーリーを更新。今回の決定に驚きを示している。

「冗談だろ…僕たちはもう1回試合しなくちゃならない」
90分を戦って勝利をもぎ取っていただけに、岡山にとっては再試合は辛い結果に。ムークも爆笑の絵文字を添えて投稿。異例とも言える決定に思わず驚きを見せている。


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