ネルシーニョ氏の足跡を振り返る/六川亨の日本サッカーの歩み 第13節を終えた段階で2勝5分け6敗と低迷していた柏が、ネルシーニョ監督の退任と井原正巳ヘッドコーチの監督昇格を決定。初陣となった第14節の神戸戦では、積極的なプレスからOGを誘い、首位を相手に1-1のドローに持ち込んだ。 72歳のベテラン監督であるネルシーニョ氏が来日したのは1994年のこと。ヴェルディ川崎(現 2023.05.23 15:30 Tue
「J30ベストアウォーズ」が決定/六川亨の日本サッカーの歩み Jリーグは93年のヴェルディ川崎対横浜マリノス戦が行われた5月15日から30年目にあたる昨日、ファン投票を基にした「J30ベストアウォーズ」の各賞を発表した。MVPにはJ1通算歴代最多となる672試合出場の遠藤保仁(磐田)を選出。ベストイレブンにはGK川口能活、DF内田篤人、松田直樹、井原正巳、中澤佑二、田中マルクス闘 2023.05.17 11:00 Wed
スコルジャ監督のチーム作りと選手起用がアジア制覇につながる/六川亨の日本サッカーの歩み 変則日程ではあるが、2022年のAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝は浦和が1-1、1-0の1勝1分けで3度目の戴冠を果たした。敵地での第1戦を1-1で引分けた浦和は、ホームでの第2戦で勝つか0-0の引分けでも優勝というアドバンテージがあった。 とはいえ埼玉スタジアムでの第2戦の立ち上がりは、折からの強 2023.05.09 11:35 Tue
ACLの歴史からみるアル・ヒラルと浦和の因縁/六川亨の日本サッカーの歩み 4月29日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第1戦で、アル・ヒラル(サウジアラビア)と対戦した浦和はFW興梠慎三の同点ゴールで貴重な勝点1とアウェイゴールを手にした。1点のリードを許した浦和だったが、後半8分、MF大久保智明のスルーパスは相手DFに阻止されたものの、ボールはアル・ヒラルのゴールへと向かい、飛び出 2023.05.03 08:30 Wed
J30周年記念ベストイレブンを一足先に予想/六川亨の日本サッカーの歩み Jリーグは今年で30周年という節目の年を迎える。そこで、これまでの30年を回顧する「J30ベストアウォーズ」を開催することを発表。30年の歴史の中から「MVP」、「ベストイレブン」、「ベストマッチ」、「部門別ベストゴール」、「ベストシーン」などをファン・サポーターの投票をもとに決める。すでに投票は4月21日に締め切られ 2023.04.24 17:00 Mon
レフェリーブリーフィングから問題提起/六川亨の日本サッカーの歩み 先週末のJリーグは、鹿島がホームで神戸に1-5と大敗したり、豪雨の試合で山口が清水に0-6と惨敗したりするなどショッキングな結果が多かった。それでも最近は話題になった“誤審"はなかったようで、一安心した次第である。 そして今週は、ちょっと遅くなったが3月22日に開催された「レフェリーブリーフィング」の内容をお届け 2023.04.17 22:00 Mon
監督交代も山形の連敗は止まらず/六川亨の日本サッカーの歩み 先週のコラムでは、監督解任第1号となった清水を取り上げた。その甲斐あってか、昇格圏にいた東京Vに逆転で今シーズン初勝利を収めた。そして同じくピーター・クラモフスキー監督との契約を解除して、渡邊晋コーチが新監督に就任した山形は大宮と対戦したものの、1-2で敗れて開幕2連勝後は6連敗となった。 大宮は、アウェー4連敗 2023.04.10 22:00 Mon
監督解任第1号は清水のゼ・リカルド監督/六川亨の日本サッカーの歩み 今シーズンのJ1リーグは第6節を、J2リーグは第7節を終え、上位と下位のチームで明暗が分かれ始めて来た。J1リーグでは18位の柏と17位のFC横浜、16位のG大阪の3チームが未勝利で下位に沈んでいる。J2リーグでは22位の徳島と19位の清水が同じく未勝利で、21位の千葉や20位の栃木も1勝しか上げられずにもがいている。 2023.04.04 18:30 Tue
大幅に若返った日本代表。42年前にも大幅な若返りがあった/六川亨の日本サッカーの歩み 3月のキリンチャレンジカップ2023で招集された25名(前田大然は左ヒザの負傷で途中離脱)のうち、最年長はGKシュミット・ダニエルの31歳、最年少はバングーナガンデ佳史扶と半田陸の21歳で、ウルグアイ戦のスタメンの平均年齢は25.8歳、25名の平均年齢も24.6歳という若さだった。 カタールW杯のメンバーだった4 2023.03.28 17:00 Tue
スコルジャ監督の割り切りとWEリーグを取材しての比較/六川亨の日本サッカーの歩み 先週末の18日はJ1リーグの浦和対新潟戦を、19日はWEリーグの日テレ・ベレーザ対INAC神戸の試合を取材した。 新潟に先制点を許した浦和だったが、前半のうちに右SB酒井宏樹と左SB明本考浩の両サイドバックのゴールで逆転。特に明本のジャンピングシザースボレーは圧巻だった。そして興味深かったのは後半の浦和の戦い方だ 2023.03.22 12:50 Wed
序盤戦のJリーグ総括/六川亨の日本サッカーの歩み 今シーズンのJ1リーグは第4節を終えた段階で、無敗チームはたったの1チーム。それもJ2リーグから昇格してきた新潟だから驚きだ。 開幕前は昨シーズンの覇者・横浜FMの評価が高かった。FW仲川輝人とレオ・セアラ、DF岩田智輝、GK高丘陽平が抜けたとはいえ、各ポジションに実力者を揃え、穴はないかに見えた。しかし第4節で 2023.03.14 13:30 Tue
U-20W杯のエピソード/六川亨の日本サッカーの歩み 現在、ウズベキスタンで開催中のU-20アジアカップで、日本は第2戦のキルギスに3-0と快勝。2連勝でグループDの首位に立ち、決勝トーナメント進出をほぼ手中に収めた。日本は9日にサウジアラビアとの対戦を控えていて、引き分け以上で首位通過が決まる。11日から始まる決勝トーナメント初戦の準々決勝ではC組との対戦が決まっていて 2023.03.07 22:45 Tue
都心のサッカー専用スタジアムは風が強い?/六川亨の日本サッカーの歩み 先週末のJリーグの取材は、強風・寒風との戦いでもあった。 25日の土曜はNACK5スタジアム大宮でのJ2リーグ大宮対金沢戦を取材した。14時2分キックオフ時の気温は11.1度。しかし後半に入ると10度に下がり、試合終了間際には9.3度まで下がった。気温自体はそれほどでもないが、吹き付ける寒風のため体感温度はかなり 2023.02.27 21:30 Mon
開幕戦完敗で「どうする浦和」/六川亨の日本サッカーの歩み 浦和にとってFC東京は“お得意さん”のはずだった。直近の2シーズンは2勝2分けと負け知らず。過去の対戦成績でも22勝11分け9敗とホーム(13勝4分け4敗)はもちろんアウェイ(9勝7分け5敗)でも勝ち越してきた。 そんな浦和が開幕戦でFC東京に完敗したのだから“ただ事”ではない。 前半こそ前線からの献身的で 2023.02.21 14:00 Tue
ロシアがAFCへ? イスラエル転籍の歴史/六川亨の日本サッカーの歩み 去る2月1日、バーレーンのマナマで第33回AFC(アジアサッカー連盟)コングレス2023が開催され、JFA(日本サッカー協会)の田嶋幸三会長がアジア選出のFIFAカウンシル(理事会)メンバーに再選された。 任期は2027年までの4年間で、3選は元JFA会長の小倉純二氏の2選を抜いて最多。2016年にJFA会長に就 2023.02.13 23:00 Mon
宮本恒靖氏がJFAナンバー3の専務理事に就任/六川亨の日本サッカーの歩み 2月1日付けでJFA(日本サッカー協会)の専務理事に就任した元日本代表の宮本恒靖氏が、2月6日に初めてメディアの取材に都内で応じた。 21年5月にG大阪の監督を退任後、「引退して経営サイドに行くと思って、経営学や法律は10年前に学んでいた。いつかどこかで」と思っていたところ、22年3月からJFAの理事として田嶋幸 2023.02.07 18:00 Tue
Jリーグの役割/六川亨の日本サッカーの歩み 残念なことだが、カタールW杯で2ゴールの堂安律も、ブライトンでチームをEL圏内に導きそうな三笘薫も、そしてCLの可能性が高い久保建英も、今冬の移籍はなくなった。 しかし、それはそれでいいことではないだろうか。まずは現在のチームでしっかりと結果を残すことを優先するべきだと思うからだ。三笘が次に行くだろうチームはアー 2023.02.01 21:30 Wed
「魚と組織は天日にさらすほど日持ちがよくなる」元チェアマン村井満氏がバドミントン協会に/六川亨の日本サッカーの歩み 「魚と組織は天日にさらすほど日持ちがよくなる」とは、前チェアマンの村井満氏の口癖である。このフレーズを1月22日に久しぶりに耳にした。 すでにネットや新聞紙上で報道されたように、日本バドミントン協会は1月22日、都内で臨時評議員会と理事会を開き、Jリーグ第5代チェアマンの村井氏を理事に選任すると同時に、全会一致で 2023.01.24 12:00 Tue
フットボールカンファレンスから思いついた提案/六川亨の日本サッカーの歩み JFA(日本サッカー協会)が主催する指導者向けの講習会、「第13回フットボールカンファレンス」が1月14、15日の両日、横浜市内の会場でヨーロッパやアジアからゲストを招いて開催された(アーセン・ベンゲル氏やユルゲン・クリンスマン氏もズームで参加)。 田嶋幸三JFA会長の挨拶に続いてJFAのTSG(テクニカルスタデ 2023.01.16 22:00 Mon
岡山学芸館の巧妙なゲーム運びに感動/六川亨の日本サッカーの歩み 1月9日の第101回全国高校サッカー選手権、岡山学芸館(岡山県)対東山(京都府)の決勝戦には5万868人の大観衆が観戦に訪れた。 すでに前売りの段階で完売していたと聞いていたので、決勝戦のカードに関係なく老若男女、高校サッカーファンがチケットを買い求めたのだろう。 平成25年度(決勝戦は2014年)、第92 2023.01.10 20:45 Tue
ペレさんの思い出/六川亨の日本サッカーの歩み 新年、明けましておめでとうございます。 といったところで恐縮だが、やはり昨年末の29日に死去した“キング"ペレに触れないわけにはいかないだろう。 選手としてただ一人3度のW杯に優勝し、当時の優勝トロフィーだったジュール・リメ杯を永久保持する原動力となったことや、初めて1000ゴールを達成するなど「記録にも記 2023.01.02 22:00 Mon
森保監督続投で歴代最長監督はというと…/六川亨の日本サッカーの歩み まだ正式決定ではないが、森保一監督の『2年間の』続投が決まったようだ。正式には来年のJFA(日本サッカー協会)理事会での承認待ちになる。その頃にはコーチ陣などのスタッフの詳細も決定しているだろう。 93年のJリーグ誕生以降、日本代表の監督は基本的にW杯の4年サイクルで交代してきた。例外は94年のアジア大会で韓国に 2022.12.26 22:00 Mon
アルゼンチンとW杯決勝は名勝負の系譜/六川亨の日本サッカーの歩み 日本時間24時キックオフのカタールW杯決勝、アルゼンチン対フランス戦を見終わった後は、深夜にもかかわらず「お腹がいっぱい」になったサッカーファンも多いのではないだろうか。 それほど見応えのある、W杯決勝の歴史に残る好勝負だった。 正直に言うと、試合前の予想では強力3トップを擁するフランスがボールを支配して攻 2022.12.19 22:30 Mon
カタールW杯ラウンド16PK戦での課題/六川亨の日本サッカーの歩み カタールW杯は大会17日目を終えてベスト8が出揃った。日本に敗れてグループステージで敗退したドイツに続き、ラウンド16では日本に続いてスペインもPK戦で3人連続して止められてモロッコに敗れた。 これでグループEを勝ち抜いた2チームはラウンド16で敗退。ベスト8に進めなかったのは唯一グループEの勝者だけで、さらにグ 2022.12.08 21:00 Thu
カタールW杯開幕で気になったカタール・サポ/六川亨の日本サッカーの歩み 「やはり」と言うべきなのだろうか。ある程度は予想されたことだった。 そう、昨日開幕したカタールW杯のオープニングゲーム、ホスト国カタールが南米4位のエクアドルに0-2で敗れた。 W杯の開催国が開幕戦(初戦)で敗れたのは過去21大会(日韓大会は2か国共催のため試合数は22)で初めてのことである。今大会に参加し 2022.11.21 22:45 Mon
阿部引退試合で俊輔の凄さを再認識/六川亨の日本サッカーの歩み 日本代表の海外組が各国リーグの終了と同時に続々とカタール入りし、話題はW杯へと切り替わっている。そんななか、先週末の12日は埼玉スタジアムでの「阿部勇樹 引退試合」を取材した。 対戦カードは浦和レッズOBで07年と17年のACL優勝メンバーを中心とした『URAWA ASIAN KINGS』と、阿部とはジェフ市原/ 2022.11.15 22:10 Tue
中山雄太の代わりに町野修斗?一足遅れてきた「サプライズ選出」/六川亨の日本サッカーの歩み さて中山雄太(ハダースフィールド)である。彼が11月2日のイングランド2部リーグ、対サンダーランド戦でアキレス腱を断裂。今シーズンの復帰は絶望的となり、彼に代わる選手を森保一監督は招集せざるを得なくなった。 負傷者は中山だけではない。「代えの効かない選手」の1人であるCB冨安健洋(アーセナル)も11月3日のEL、 2022.11.08 21:40 Tue
日本代表、W杯メンバー選出の難しさ…監督の方針に見る歴史/六川亨の日本サッカーの歩み 前回のコラムの続編をお届けしよう。 4年に一度、W杯最終メンバー発表時における「サプライズ選出」と「サプライズ選外」だが、日本が初出場した98年フランスW杯での"キング"カズこと三浦知良の「メンバー外」は衝撃的であり驚きでもあった。 25名の選手をキャンプに帯同して、最終的に22人にメンバーを絞る――それ自 2022.10.31 19:00 Mon
広島が狙い通りの空中戦で初のカップホルダーに/六川亨の日本サッカーの歩み 「ついに」と言うか、「やっと」と言うか、サンフレッチェ広島がカップ戦決勝9度目で念願のタイトルホルダーとなった。 先週の天皇杯決勝ではヴァンフォーレ甲府にPK戦で敗れたばかり。しかしルヴァンカップ決勝ではその反省をミヒャエル・スキッベ監督はしっかり生かしたようだ。 前半11分、セレッソ大阪が自陣からパスをつ 2022.10.24 13:30 Mon
天皇杯決勝は2度目のPK戦で決着/六川亨の日本サッカーの歩み 第102回を迎えた天皇杯はJ2の甲府がPK戦の末に広島を下して初優勝を果たした。 J2クラブが優勝したのは2011年のFC東京以来11年ぶり。しかし当時のFC東京はJ2に降格して1年でJ1復帰を決めており、天皇杯優勝はそれほど大きなサプライズではなかった。一方の甲府はJ2で7連敗を喫するなど、残留争いに巻き込まれ 2022.10.18 17:00 Tue