数的有利のヨルダンが後半ATに2ゴールで再逆転しベスト8進出! イラクは得点ランクトップのFWアイメンが逆転弾も退場が引き金に…【アジアカップ2023】

2024.01.29 22:35 Mon
決勝ゴールを決めたニザル・アル・ラシュダン
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決勝ゴールを決めたニザル・アル・ラシュダン
29日、アジアカップ2023 ラウンド16のイラク代表vsヨルダン代表がハリファ国際スタジアムで行われ、2-3でヨルダンが激闘を制し、ベスト8行きを決めた。グループDで日本代表にも勝利するなどして3連勝で首位通過を果たしたイラクと、グループEを3位で勝ち上がったヨルダン代表の一戦。イラクは2007年大会で唯一の優勝を経験。ヨルダンは2004年、2011年と2度記録している最高位のベスト8を超えたいところだ。

イラクは、日本戦で2ゴールを記録しここまで5ゴールを記録しているアイメン・フセインをトップに置いて戦うことに。ヨルダンはグループで3位を選択し、日本代表とサウジアラビア代表との対戦を回避。イラクとの対決でベスト8行きを目指す。
立ち上がりからペースを握ったのはイラク。アイメンを中心に攻め立て、ボールを握りながらチャンスを作っていく。

対するヨルダンは守備のブロックを作りながら、隙を狙ってカウンターを仕掛けることに。すると27分、アリ・オルワンが裏を経け安全に抜け出し、ボックス内でシュートもGKジャラル・ハッサン・ハチムがセーブを見せて得点を許さない。
対するイラクは37分にイブラヒム・バイェッシュ・アル=カバウイがボックス手前からミドルシュート。鋭いシュートが右隅を狙うが、GKが横っ飛びでセーブ。得点を許さない。するとヨルダンはここから反撃。ムサ・アル・ターマリがドリブルを仕掛け、巧みなステップで3人のマークを振り切りボックス内に侵入。GKと一対一になり倒れるが、これはPKは取られない。

イラクが徐々に押し込んでいく中、ヨルダンはミスを見逃さなかった。前半アディショナルタイム1分、ハーフウェイライン付近でヤザン・アル・ナイマトがイラクの最終ラインのパスをカット。そのままカウンターで抜け出すと、GKとの一対一でループシュートを沈め、ヨルダンが先制する。

ヨルダンリードで迎えた後半。イラクはギアを上げて攻めていくが、GKヤジード・アブラリアが躍動。鋭い反応での好セーブでリードを守っていく。

後半はイラクがボールを保持しながら押し込んでいき、ヨルダンは最終ラインを5枚にして守りを固めていく。セットプレーやロングボールでパワープレー気味に戦うイラクだが、ヨルダンも粘りを見せる。

しかし、68分にイラクこじ開ける。左CKからのクロスをスアド・ナティク・ナジがヘッド。これが抜けてネットを揺らし、イラクが同点に追いつく。

同点に追いついたイラクだったが、直後にアクシデント。守備対応した際にスアド・ナジが相手と接触しヒザを痛めて交代することになる。

それでも主導権を握り続けるイラクは、またしてもこの男が仕事をした。76分、左サイドからのマーチャス・ガジ・サリフのクロスがファーに流れると、アイメンがボックス内右でトラップから叩きつけるシュート。これがDFの股を抜いてゴール左隅に決まり逆転に成功した。

しかし、アイメンはゴールセレブレーションをで長時間を消費。これを見かねた主審はイエローカードを提示すると、これがこの試合2枚目となり退場となってしまう。

リードしたものの数的不利となったイラク。ヨルダンは押し込んでいき同点を目指す。84分にはイフサン・ハダードの浮き球のクロスをマフムード・アル・マルディがヘッドも枠を捉えられない。

攻め立てるヨルダンは90分に浮き球の落としをボックス内に入り込んだヤザン・アル・アラブがボレーもブロックされる。

アディショナルタイムも押し込むヨルダン。すると後半アディショナルタイム5分に見事に成就させる。ボックス付近で粘りを見せると、ニザル・アル・ラシュダンが倒される。しかし、諦めずに繋いでムサ・アル・ターマリがシュート。GKがセーブするも、最後はヤザン・アル・アラブが押し込んでヨルダンが同点に追いつく。

このまま延長戦かと思われたが、ヨルダンが押し込み続けるとアディショナルタイム7分にアル・ラシュダンがボックス手前からミドルシュート。ゴール右にシュートが決まり、ヨルダンが後半アディショナルタイムに逆転に成功する。

逆転を許してしまったイラクは猛攻を仕掛けると、アディショナルタイム11分にボックス内でレビン・カリーブ・スラカがフリーでシュートも大きく枠を外すことに。その後に試合は終了し、ヨルダンが劇的な逆転勝利を収め、ベスト8進出。準々決勝では初出場のタジキスタン代表と対戦する。

イラク代表 2-3 ヨルダン代表
【イラク】
スアド・ナティク・ナジ(68分)
アイメン・フセイン(78分)
【ヨルダン】
ヤザン・アル・ナイマト(45分+1)
ヤザン・アル・アラブ(90分+5)
ニザル・アル・ラシュダン(90分+7)


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