【セリエA第29節プレビュー】ラスト10試合、3位アタランタと首位インテルによるスクデットを懸けたシックスポインター
2025.03.14 18:00 Fri
前節はユベントスとアタランタによる上位対決が行われ、アタランタが4発完勝する結果となった。首位インテル、2位ナポリは揃って勝利し、1ポイント差に変動はなかった。残り10試合となって迎える第29節、3位アタランタ(勝ち点58)と首位インテル(勝ち点61)による上位決戦が行われる。
アタランタは前節ユベントス戦、敵地ながら4発粉砕の圧勝劇を演じた。週一ペースでじっくりと調整できる状況によりフィジカルコンディションが整い、持ち前のハイプレスが機能した。チーム状態が上向きの中、ガスペリーニ監督もスクデット獲得へ密かに自信を見せているが、今季スーペル・コッパ含め2敗を喫している3ポイント差のインテルに勝利することでその自信を確信に変えられるか。
一方、前節最下位のモンツァに2点をリードされる苦しい展開の中、逆転勝利として首位をキープしたインテル。火曜に行われたチャンピオンズリーグではフェイエノールト相手にFWラウタロ・マルティネスとMFバレッラを温存して勝ち切り、アタランタ戦に向けて疲労を最小限に留めている。S・インザーギ監督のうまいやり繰りが奏功する中、首位を堅守して束の間の休息となる代表ウィークに入れるか。
インテルを追う2位ナポリ(勝ち点60)は19位ヴェネツィア(勝ち点19)と対戦。ナポリは前節フィオレンティーナ戦をFWルカクとFWラスパドーリの2トップ揃い踏み弾で2-1の逃げ切り勝利。スコア以上の内容差で勝利し、6戦ぶりの白星とした中、ヴェネツィア戦を必勝として代表ウィーク明けのミラン戦に繋げたい。
5連勝で迎えたアタランタ戦を4失点惨敗に終わった4位ユベントス(勝ち点52)は8位フィオレンティーナ(勝ち点45)と対戦。ホームでの4失点大敗は約58年ぶりと屈辱を受けた中、CL出場権を争うフィオレンティーナ戦でバウンスバックとなるか。モッタ監督、パッラディーノ監督の両者にとって今後の進退を左右する一戦となりそうだ。
一方、エンポリを圧倒した末にウノゼロ勝利として5連勝とした7位ローマ(勝ち点46)は14位カリアリ(勝ち点26)と対戦。来季の欧州カップ戦出場が十分に見えてきたローマだが、ELではDFフンメルスの退場が響いてアスレティック・ビルバオの前に敗退に終わった。リーグ戦に集中することになった中、6連勝で代表ウィークに入れるか。
前節レッチェ戦を2点差をひっくり返して逆転勝利とし、連敗を3で止めた9位ミラン(勝ち点44)は13位コモ(勝ち点29)と対戦。まだまだ不安定な戦いが続くものの、後半の戦いぶりは鬼気迫るものを見せたミラン。途中出場から活躍したFWレオンやFWフェリックスらの更なる奮起に期待だ。
そしてトリノ戦では大きな見せ場がなく2-2で引き分けたGK鈴木彩艶の17位パルマ(勝ち点24)は最下位モンツァ(勝ち点14)と対戦する。最下位チームを下して降格圏から遠ざかり、代表に合流としたい。
◆セリエA第29節
▽3/14(金)
《28:45》
ジェノアvsレッチェ
▽3/15(土)
《23:00》
モンツァvsパルマ
ウディネーゼvsヴェローナ
《26:00》
ミランvsコモ
《28:45》
トリノvsエンポリ
▽3/16(日)
《20:30》
ヴェネツィアvsナポリ
《23:00》
ボローニャvsラツィオ
ローマvsカリアリ
《26:00》
フィオレンティーナvsユベントス
《28:45》
アタランタvsインテル
アタランタは前節ユベントス戦、敵地ながら4発粉砕の圧勝劇を演じた。週一ペースでじっくりと調整できる状況によりフィジカルコンディションが整い、持ち前のハイプレスが機能した。チーム状態が上向きの中、ガスペリーニ監督もスクデット獲得へ密かに自信を見せているが、今季スーペル・コッパ含め2敗を喫している3ポイント差のインテルに勝利することでその自信を確信に変えられるか。
一方、前節最下位のモンツァに2点をリードされる苦しい展開の中、逆転勝利として首位をキープしたインテル。火曜に行われたチャンピオンズリーグではフェイエノールト相手にFWラウタロ・マルティネスとMFバレッラを温存して勝ち切り、アタランタ戦に向けて疲労を最小限に留めている。S・インザーギ監督のうまいやり繰りが奏功する中、首位を堅守して束の間の休息となる代表ウィークに入れるか。
5連勝で迎えたアタランタ戦を4失点惨敗に終わった4位ユベントス(勝ち点52)は8位フィオレンティーナ(勝ち点45)と対戦。ホームでの4失点大敗は約58年ぶりと屈辱を受けた中、CL出場権を争うフィオレンティーナ戦でバウンスバックとなるか。モッタ監督、パッラディーノ監督の両者にとって今後の進退を左右する一戦となりそうだ。
ウディネーゼに引き分け4位奪還のチャンスを逸した5位ラツィオ(勝ち点51)は6位ボローニャ(勝ち点50)との上位対決。ヨーロッパリーグではベスト8に進出したが、過密日程の弊害を乗り切れるか。
一方、エンポリを圧倒した末にウノゼロ勝利として5連勝とした7位ローマ(勝ち点46)は14位カリアリ(勝ち点26)と対戦。来季の欧州カップ戦出場が十分に見えてきたローマだが、ELではDFフンメルスの退場が響いてアスレティック・ビルバオの前に敗退に終わった。リーグ戦に集中することになった中、6連勝で代表ウィークに入れるか。
前節レッチェ戦を2点差をひっくり返して逆転勝利とし、連敗を3で止めた9位ミラン(勝ち点44)は13位コモ(勝ち点29)と対戦。まだまだ不安定な戦いが続くものの、後半の戦いぶりは鬼気迫るものを見せたミラン。途中出場から活躍したFWレオンやFWフェリックスらの更なる奮起に期待だ。
そしてトリノ戦では大きな見せ場がなく2-2で引き分けたGK鈴木彩艶の17位パルマ(勝ち点24)は最下位モンツァ(勝ち点14)と対戦する。最下位チームを下して降格圏から遠ざかり、代表に合流としたい。
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《23:00》
ボローニャvsラツィオ
ローマvsカリアリ
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フィオレンティーナvsユベントス
《28:45》
アタランタvsインテル
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アタランタは1日、モンツァからイタリア代表FWダニエル・マルディーニ(23)の完全移籍加入を発表した。 『フットボール・イタリア』によると、契約期間は2029年6月までで、移籍金は1000万ユーロ(約16億1000万円)+ボーナス300万ユーロ(約4億8000万円)となった。 ダニエル・マルディーニは元イタリア代表DFチェーザレ・マルディーニ氏の孫で、元イタリア代表DFパオロ・マルディーニ氏の息子。両者が活躍したミランの下部組織で育ち、2020年2月にファーストチームデビューを飾った。 2021-22シーズンはセリエAで待望の初ゴールを奪うも、なかなか出番を得られず2022年7月にスペツィアへレンタル移籍。2023-24シーズンは前半をエンポリ、後半をモンツァで過ごした。 2024年7月にミランからモンツァへ完全移籍。今シーズンはレギュラーとしてプレーし、セリエAで20試合3ゴール1アシストを記録。レンタル期間も含めた在籍1年間で、通算32試合7ゴール2アシストの成績を残した。 2024年10月にはイタリア代表に初招集され、イスラエル代表戦でデビュー。マルディーニ家はイタリア代表史上初の親子3世代でプレーしたファミリーとなり、ダニエル・マルディーニはここまで2試合キャップを記録している。 2025.02.01 23:40 Sat3
リバプールやブライトン、2部リーグで躍動する19歳アレックス・スコットに関心か
ブリストル・シティのU-20イングランド代表MFアレックス・スコット(19)が各方面から注目を集めているようだ。イギリス『90min』が伝えている。 スコットはチャンピオンシップ(イングランド2部)で躍動する若きセントラルハーフ。下部組織時代から過ごすブリストルで昨シーズンからファーストチーム昇格を果たすと、1年目からリーグ戦で39試合、2年目の今シーズンもここまで40試合に出場している。まさにチームの要だ。 ブリストルとの契約を2025年6月まで残すなか、スコットはシーズン終了後のステップアップを熱望。プレミアリーグからはリバプールやブライトン&ホーヴ・アルビオン、ニューカッスル、ブレントフォード、リーズ・ユナイテッドなどが関心を寄せているという。 また、イングランド以外からも注目が集まっているようで、RBライプツィヒ、モナコ、アタランタ、ボローニャもスコットを注視。この4クラブはスコットが先月末にU-20イングランド代表として出場した試合にスカウトを派遣していたとのことだ。 ブリストルが要求すると考えられているのは3000万ポンド(約51億4000万円)。チームを率いるナイジェル・ピアソン監督はつい先日、スコットについて「まだ19歳なのに、ここ2年の一貫したパフォーマンスは素晴らしい。長期契約を結ぶべきだ」と残留を望むコメントを残している。 『90min』いわく、スコットは中盤のポジションならどこでも対応可能で、左右のウィンガーとしてもプレーできるとのことだ。 2023.04.29 14:11 Sat4
アタランタの“自信”…オールコート・マンツーマンにも余裕な33歳デ・ローン「これでこそ僕たちよ(笑)」
アタランタの強みとも言える“自信”を、オランダ代表MFマルテン・デ・ローンが語った。オランダ『Voetbal International』が伝える。 アタランタは9日、ヨーロッパリーグ(EL)準決勝2ndレグでマルセイユに3-0と勝利。2戦合計4-1とし、決勝戦進出を決めた。 加入7年目の33歳デ・ローンはこの日も元気にボランチでフル出場。衰え知らずの現役オランダ代表であり、ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督のサッカーを100%理解するチームの心臓、またゲーム主将だ。 明るくも独特なキャラクターで知られるデ・ローン。この日は『ESPN』で試合を振り返り、「僕個人はまず守備からゲームに入った。役割は前方への良いパスでコントロールすること、そして味方のカバーだ」と語る。 ガスペリーニ・アタランタは「オールコート・マンツーマン」と表現されるように、最終ラインであろうと、まず恐れを知らないプレッシャーで相手選手へぶち当たり、剥がされれば味方がカバー…を繰り返していく。 したがって、ボランチの存在が超重要なのは明白。そこを担うのがデ・ローンなわけだが、このサッカーを7年間続ける男は余裕すら感じさせる。 「まあ、ずっとこのサッカーだし、そうじゃなきゃアタランタじゃないしね(笑) 相手のアタッカーが全力でハイプレスをかけてくることもあるだろ? それなら、こっちは最終ラインで1対1の相手をしてやればいい。全く問題ないさ」 クラブ史上初の欧州タイトルを懸けた決勝戦は、レバークーゼンとの激突に。 「レバークーゼン? 素晴らしいチームだね。今日はローマに負けそうになったが、最後は負けなかったと聞いているよ。彼らに最初の敗戦を与えるのが、アタランタのミッションだ」 「ファンは決勝進出を祝ってくれているらしいよ。この辺りの通りを歩けば、どこへ行ってもパーティをやっているみたいだ。そうだ、ぼくもこのあと行ってみよう。何か美味しいものが飲みたい」 明るくも独特なキャラクター、アタランタをピッチ内外で支えるデ・ローンだ。 <span class="paragraph-title">【写真】どういうセンス...誰が作った...(笑) SNS投稿が愉快なベテラン、それがデ・ローン</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="in" dir="ltr">Europapa League. <a href="https://t.co/YFfPC4S1iU">pic.twitter.com/YFfPC4S1iU</a></p>— Marten de Roon (@Dirono) <a href="https://twitter.com/Dirono/status/1788689333639098457?ref_src=twsrc%5Etfw">May 9, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.05.10 13:35 Fri5
