「『急いで決断するな』と言い忘れた」 辞任サウスゲイトにヴェンゲル氏が後悔

2024.08.09 16:45 Fri
話し込むサウスゲイト氏とヴェンゲル氏
Getty Images
話し込むサウスゲイト氏とヴェンゲル氏
元アーセナル監督のアーセン・ヴェンゲル氏はイングランド代表指揮官のガレス・サウスゲイト氏が素晴らしい仕事をしたとの認識を持つようだ。イギリス『デイリー・メール』が報じた。

2016年9月の暫定的な就任から先のユーロ2024終了後に辞するまで約8年間にわたってイングランドを率いたサウスゲイト氏。通算102試合を戦ったなかで、4つのメジャー大会に挑戦したが、どれも惜しいところまで進みながら一歩及ばず(ロシアW杯:ベスト4、ユーロ2020:準優勝、カタールW杯:ベスト8、ユーロ2024:準優勝)、その後に辞任した。

2大会連続の準優勝に終わった今回のユーロではタレント揃いのチームと思えぬすっきりしない戦いぶりで批判されたりもしたが、 国際サッカー連盟(FIFA)の国際発展部門でトップを務めるヴェンゲル氏はサウスゲイト氏に対して、辞任を決める前にもっと時間をかけるよう諭すべきだったと悔いているようだ。
「私は決勝戦の直後にサウスゲイトに会ったが、『急いで決断するな』と言い忘れてしまった。あのような決勝で負けると、48時間以内に辞任をと考えてしまうものだからだ。だから、それが唯一の後悔だね。だが、こうなったからには彼がやった仕事を続けられる有能な人材と契約しないといけない」

ヴェンゲル氏はまた、注目の後任人事に「このチームは優勝まであと1ヤードに迫る100mのランナーみたいなもの。つまり、最後の1ヤードを目指してほしいということだ。おそらく経験があって、選手からの信頼も厚い人物が良いかもね」とし、サウスゲイト氏に賛辞を送りながら、今後のイングランドに期待した。
「イングランドは優勝に非常に近いところにいる。それだけの素質があるし、次のW杯へ応援していかないとね。全体的に見ても、サウスゲイトは素晴らしい仕事をしたと言わざるをえない。再び自信と質を備えたチームを作り上げたんだ」

アーセン・ヴェンゲルの関連記事

近年はどんな名将も10年と続かない政権ばかりだが、約16年間続いた長期政権が終焉を迎えることとなった。 メジャーリーグ・サッカー(MLS)のスポルティング・カンザスシティは3月31日、ピーター・ベルメシュ監督(58)の解任を発表した。 ベルメシュ監督は2006年11月にスポルティング・カンザスシティのテクニ 2025.04.01 23:50 Tue
マンチェスター・ユナイテッドのルベン・アモリム監督が、アーセナル戦を前にミケル・アルテタ監督について語った。 今シーズン途中にエリク・テン・ハグ監督の後任として指揮官に就任したが、チームは立て直せず。現在も14位に位置している。 9日にアーセナルとのプレミアリーグを控える中、アモリム監督はアルテタ監督につい 2025.03.07 23:50 Fri
マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が、チャンピオンズリーグ(CL)のプレーオフの組み合わせ結果について言及した。クラブ公式サイトが伝えた。 前人未到のプレミアリーグ5連覇を目指したシティ。しかし、今シーズンはいつになくつまづきが多く、現在は首位のリバプールと勝ち点差12の4位に位置している。 2025.01.31 22:52 Fri
エバートンのデイビッド・モイーズ監督が自身のキャリア節目を飾った。 エバートンの指揮に11年半ぶりに復帰し、19日のプレミアリーグ第22節でトッテナムを相手に3-2で再登板2試合目にして初白星のモイーズ監督。25日の第23節も難敵ブライトンとの一戦だったが、2戦連発中だった三笘薫らを封じ込み、1-0でしぶとく勝ち 2025.01.26 17:15 Sun
川崎フロンターレは20日、稲本潤一氏(45)、狩野健太氏(38)が育成部コーチ就任に就任したことを発表した。 1997年にガンバ大阪のユースからトップチームに昇格した稲本氏は、アーセン・ヴェンゲル氏が率いるアーセナルやフルアムやWBA、カーディフ・シティ、ガラタサライ、フランクフルト、スタッド・レンヌを渡り歩き、 2024.12.20 12:30 Fri

イングランド代表の関連記事

新指揮官就任から連勝スタートを飾ったイングランド代表のトーマス・トゥヘル監督だが、チームにさらなる改善を求めた。 イングランドは24日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)欧州予選グループK第2節でラトビア代表と対戦し、3-0で快勝した。 2-0で勝利した初陣のアルバニア代表戦から先発4人を変更して臨んだ 2025.03.25 14:10 Tue
チェルシーのDFリース・ジェームズが、久々に招集されたイングランド代表での活躍を喜んだ。イングランドサッカー協会(FA)が伝えている。 ジェームズは24日に行われた2026年北中米ワールドカップ(W杯)欧州予選グループK第2節のラトビア戦で先発。チェルシーで度重なる負傷に苦しめられていた選手にとって、これが202 2025.03.25 12:20 Tue
2026年北中米ワールドカップ(W杯)欧州予選グループK第2節、イングランド代表vsラトビア代表が24日に行われ、ホームのイングランドが3-0で快勝した。 トーマス・トゥヘル新体制の初陣となったアルバニア代表戦を2-0の勝利で飾った新生イングランド。連勝を狙った今回の一戦ではアンドラ代表との初戦を1-0で制したラ 2025.03.25 06:40 Tue
イングランド代表のトーマス・トゥヘル監督が、ラトビア代表戦で外れる3名を決定した。 トーマス・トゥヘル監督が就任したイングランド代表。21日には初陣で2026年北中米W杯の欧州予選のアルバニア代表戦を行い勝利を収めていた。 トゥヘル監督にとっての初陣で白星となった中、第2戦のラトビア戦が開催。26名の選手を 2025.03.24 23:45 Mon
イングランドサッカー協会(FA)は23日、FWアンソニー・ゴードンがイングランド代表を離脱することを発表した。 2026年北中米ワールドカップ(W杯)欧州予選に臨むイングランド代表に招集されていたゴードン。FAによれば、ゴードンは21日に行われたアルバニア代表戦で負傷したとのことだ。 イギリス『BBC』によ 2025.03.23 22:25 Sun

ユーロの関連記事

欧州サッカー連盟(UEFA)は、プレミアリーグの元審判員であるデイビッド・クート氏への処分を発表した。イギリス『BBC』が伝えた。 クート氏は、当時リバプールを指揮していたユルゲン・クロップ氏に対する侮辱的発言により調査を受け、2024年12月にプロ審判協会(PGMOL)から解雇されていた。 さらに、時を同 2025.02.28 22:20 Fri
元イングランド代表監督のガレス・サウスゲイト氏(54)が2025年の大英帝国叙勲で最高位であるナイト(サー)の称号を授与することになった。イギリス『BBC』が報じている。 サウスゲイト氏は2016年にイングランド代表監督に就任。在任8年で102試合を指揮し、61勝24分け17敗の戦績を残した。ワールドカップでは2 2024.12.31 08:30 Tue
元ロシア代表DFのアレクセイ・ブガエフ氏(43)が29日、戦死した。ロシア『RIA』がブガエフ氏の父親による証言を元に報じた。 ブガエフ氏はロシア兵としてウクライナへの軍事侵攻に関わっていたところ亡くなったようだ。 ブガエフ氏はロシア代表として7試合の出場歴があり、ユーロ2004に出場。クラブレベルではトル 2024.12.30 13:00 Mon
バイエルンのドイツ代表MFアレクサンダル・パブロビッチが、紆余曲折あった2024年を振り返った。 ミュンヘン生まれで9歳の頃からバイエルンでプレーする20歳のゲームメーカー。2023年10月にファーストチームデビューを飾ると、そのままレギュラー格となり、2024年6月にはドイツ代表でもデビューした。 さらに 2024.12.25 23:38 Wed
クロアチアサッカー連盟(HNS)は28日、クロアチア代表のレジェンドでもありGKとして活躍したトンチ・ガブリッチ氏の急逝を発表した。63歳だった。 旧ユーゴスラビアの1つでもあるクロアチアは、1990年にクロアチア代表として活動をスタート。イタリア・ワールドカップ(W杯)直後に発足し、1990年10月17日にアメ 2024.10.30 10:55 Wed

記事をさがす

アーセン・ヴェンゲルの人気記事ランキング

1

16年間の長期政権が終焉、MLSのスポルティング・カンザスシティが成績不振で監督解任…昨年9月から13戦勝利なし

近年はどんな名将も10年と続かない政権ばかりだが、約16年間続いた長期政権が終焉を迎えることとなった。 メジャーリーグ・サッカー(MLS)のスポルティング・カンザスシティは3月31日、ピーター・ベルメシュ監督(58)の解任を発表した。 ベルメシュ監督は2006年11月にスポルティング・カンザスシティのテクニカル・ディレクター(TD)に就任。暫定監督の期間を経て、2009年11月に正式に監督に就任した。 16年以上指揮を執ったベルメシュ監督は、MLS史上最長期間指揮を執った監督となり、2013年にMLSでクラブ史上2度目となる優勝を経験。また、USオープンカップでは、2012年、2014年、2017年と3度優勝を経験している。 2011年から2018年までは8年連続でプレーオフに進出し、レギュラーシーズンでは東地区で2度、西地区に移ってからも2度優勝を経験。現役時代もスポルティング・カンザスシティでプレーしており、選手と監督と両方でタイトルを獲得した唯一の人物だった。 レギュラーシーズン203勝を記録したベルメシュ監督はMLSの歴代3位の記録を保持。2013年にはアメリカサッカー殿堂入りも果たしていたクラブのレジェンド的存在だった。 しかし、2024年9月以降の13試合で12敗を喫しており、今シーズンは開幕から6試合未勝利(1分け5敗)という状況。CONCACAFチャンピオンズカップでもインテル・マイアミに連敗してお離、解任という結末に至った。 プロサッカー界では最も長く監督を務めた人物の1人であり、現在は2007年9月からハイデンハイムを指揮するフランク・シュミット監督、2011年12月からアトレティコ・マドリーを指揮するディエゴ・シメオネ監督などがいる。 過去には、マンチェスター・ユナイテッドと27年間指揮したサー・アレックス・ファーガソン氏やアーセナルを22年間指揮したアーセン・ヴェンゲル氏などがいたが、現在の名将たちは長くても1つのクラブで10年間は指揮を執っていない状況となっている。 2025.04.01 23:50 Tue
2

「ヴェンゲル何やっているんだ」 名将がクラブW杯抽選会でダンス…異様な光景にファンが困惑 「身震いした」

アーセナルのレジェンド監督であるアーセン・ヴェンゲル氏が思わぬ形で脚光を浴びている。 国際サッカー連盟(FIFA)は5日のアメリカにて、来夏に開催するクラブ・ワールドカップ(W杯)2025の組み合わせ抽選会を実施。元ブラジル代表FWのロナウド氏や元イタリア代表FWのアレッサンドロ・デル・ピエロ氏ら豪華メンバーが登場した。 かつて名古屋グランパスも率き、現在はFIFAの要職を務めるヴェンゲル氏はスタジオにゲスト出演。司会者のアナ・ユルカが出演者を紹介すると、スタジオを盛り上げようとダンスを試み、「約束したでしょ」とヴェンゲル氏も巻き込んだ。 御年75歳の名将からすれば無茶ぶりで、一度は逃げる素振りをしたものの、ユルカがカウントダウンのかけ声を始め、やらないわけにはいかない空気に。なんともぎこちないものだったが、見よう見真似で踊ってみせた。 SNS上ではこの光景にファンの戸惑いが感じられるものが多く、イギリス『デイリー・メール』によると、「ヴェンゲル、何やっているんだ…」「あのアーセン・ヴェンゲルが踊らされている。なんて恐ろしい出来事だ」「あのアーセン・ヴェンゲルをステージ上で踊らせているのを見て身震いした」などの声が上がったという。 <span class="paragraph-title">【動画】名将ヴェンゲルのぎこちないダンス</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">Arsene Wenger with the dance moves at the Club World Cup draw <a href="https://t.co/9mx6wEGMVC">pic.twitter.com/9mx6wEGMVC</a></p>&mdash; Sky Sports Football (@SkyFootball) <a href="https://twitter.com/SkyFootball/status/1864762499305771021?ref_src=twsrc%5Etfw">December 5, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.12.06 16:40 Fri
3

オフサイドのルールを大幅変更? ヴェンゲル氏が提案した「体の一部」から「全部」に変更をIFABが検討か…誤審被害も大幅に減少か

サッカー界に大きな革命が起こる可能性があるようだ。 サッカーのルールなどを制定する組織である国際サッカー評議会(IFAB)。これまでも様々なルールの変更や、その解釈の変更などを行ってきている。 VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)をはじめ、テクノロジーの導入も進んでいるサッカー界。ただ、あくまでも補助的な役割でもあり、権限は主審が握っている状況。一方で、明確な間違いには介入できるはずのVARが人的ミスを起こすことも世界中で頻繁に起きており、テクノロジーを導入したが故にミスが許されず、大きな批判の対象にもなっている。 多くの誤審が防がれる一方で、未だに問題が残っているのがオフサイド。VARが介入してもミスが続くなどしている。 そんな中、IFABがオフサイドの解釈を変更する可能性があるとスペイン『マルカ』が報道。かつてアーセナルを指揮し、現在は国際サッカー連盟(FIFA)の国際サッカー発展部門の責任者を務めているアーセン・ヴェンゲル氏の提案を支持する可能性があるという。 オフサイドのルールは明白。IFABの定義では「頭、体、足のいずれかの部分が、ボールと最後尾から2番目の相手選手の両方よりも相手ゴールラインに近い」場合は、オフサイドと判定されるという。 このルールは数十年変更されておらず、たまに生まれる勘違いがは、「手や腕」はオフサイドに関係ないものの、これをオフサイドと主張するもの。「脇よりも先」はプレーできる場所ではないため、オフサイドにはならない。 一方で、オフサイドになるのは「脇の下」が最後であり、このラインをVARではチェックすることが多くなる。 ただ、それを見極めることはなかなか難しいもの。そこでヴェンゲル氏が提案したのは、「選手の体全てが最後のDFを超えた場合」をオフサイドとするというものだ。 つまり、現行ルールの体の一部が「わずかにオフサイドラインを越える」という曖昧なものをやめ、「完全に越えたかどうか」がポイントになるとのこと。肉眼でも判別しやすいものであり、焦点となりそうなのは、踵が残るかどうかというところだろう。 オフサイドが試合結果に影響することは多く、特にタイトル争いや残留争いをするチームにとってはシビアな問題に。「あの勝ち点があれば」と、誤審の被害に遭ったチームの関係者はストレスを溜めることになるが、誤審も大幅に減ると期待されている。 報道によれば、2024-25シーズンにも導入する可能性があるとのこと。このルールに変更されれば、頭に思い浮かぶオフサイドの誤審はほとんどなくなるはずだ。 また、ディフェンスラインとの駆け引きが巧みな選手やスピードを武器とするストライカーはゴール量産が期待できる可能性も。ディフェンダーにとっては難しさが増しそうだが、選手や監督、審判、ファンなど多くの人にとってはプラスに働きそうだが、どうなるだろうか。 <span class="paragraph-title">【写真】変更される可能性のある新旧オフサイドルールの差</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr"> <a href="https://t.co/A7351jnMP7">pic.twitter.com/A7351jnMP7</a></p>&mdash; 433 (@433) <a href="https://twitter.com/433/status/1675597068839124994?ref_src=twsrc%5Etfw">July 2, 2023</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2023.11.19 22:11 Sun
4

トルコ移籍のエジルが記者会見!背番号「67」の意味とは?

アーセナルからフェネルバフチェに加入した元ドイツ代表MFメスト・エジル(32)が記者会見に臨んだ。イギリス『サン』が伝えている。 アーセン・ヴェンゲル監督時代から絶対的な司令塔として君臨していたエジルだが、近年はウナイ・エメリ前監督、ミケル・アルテタ監督の下で構想外となり、今シーズンはプレミアリーグ、ヨーロッパリーグの登録メンバーを外される冷遇を受けており、アーセナルとの契約を解除していた。 自身がルーツを持つトルコのフェネルバフチェに加入したエジルだが、この移籍で夢が叶ったと喜びを露わにしている。 「まず、皆さんにあいさつしたい。ワクワクしていて何と言ったらいいか分からない。僕もとても幸せだ。アリ・コチ会長が言ったように、これはフェネルバフチェにとっての夢であり、僕にとっても夢だった」 「これで、双方にとってこの素晴らしいつながりが生まれる。だから僕はとても幸せだよ。ピッチの上では喜んで僕のスキルでチームの役に立つさ。僕たちはチームとして成功したシーズンを過ごす。僕はフェネルバフチェを信じており、フェネルバフチェのサポーターとして常に信じてきた。 だからここに来られてとても嬉しい。みんなに感謝します」 なお、エジルは「67」番のユニフォームを手にしてこの会見に臨んでいた。珍しい番号となった理由について、イギリス『サン』は、「67は彼の家族がドイツに移住する前のトルコのゾングルダクの市外局番」だとしている。 不遇の1年半を過ごした稀代のチャンスメーカーは新天地で心機一転活躍することができるだろうか。 <div id="cws_ad">◆フェネルバフチェ仕様のエジル<blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">Mesut Ozil is officially unveiled at Fenerbahce<a href="https://t.co/NG5oGPYATG">pic.twitter.com/NG5oGPYATG</a></p>&mdash; International Champions Cup (@IntChampionsCup) <a href="https://twitter.com/IntChampionsCup/status/1354439560571322370?ref_src=twsrc%5Etfw">January 27, 2021</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></div> 2021.01.28 21:05 Thu
5

「ファンに何か特別なものを」アーセナルを改革し“無敗優勝”も達成したヴェンゲル氏、プレミア殿堂入りに感無量「サー・アレックスと共有できることは大きな名誉」

プレミアリーグの『Hall of Fame(殿堂入り)』に選ばれたアーセン・ヴェンゲル氏が、喜びを語った。 29日、2023年の『Hall of Fame』が発表。長らくアーセナルを率いていたヴェンゲル氏と、マンチェスター・ユナイテッドで同じく長期政権を築いたサー・アレックス・ファーガソン氏が選ばれた。 現在は国際サッカー連盟(FIFA)の委員を務めるヴェンゲル氏。かつては名古屋グランパスでも監督を務め、天皇杯のタイトルを獲得。1996年10月にアーセナルの監督に就任した。 世界的には名の知れていない状態だったヴェンゲル氏だが、アーセナルを強豪へと成長させる手腕を発揮。特に、若い選手を見出す能力に長け、当時のプレミアリーグでは珍しいスペクタクルなパスサッカー、攻撃サッカーを展開。ユナイテッドと共に、プレミアリーグを牽引した。 22年間にわたって指揮を執り、プレミアリーグで3回、FAカップで7回、EFLカップで7回の優勝を経験。2003-04シーズンは無敗優勝を成し遂げ、“インビンシブルズ(無敵の者達)”と称されていた。 殿堂入りを果たしたヴェンゲル氏はプレミアリーグのインタビューに応じ、喜びを語った。 「プレミアリーグの殿堂入りに選ばれてとても感謝している。我々は常にファンに何か特別なものを提供したいと思っていた。素晴らしいことをできる選手がいるとき、私にとって最も重要なことは完璧さの義務だ」 「私はアーセナルを愛し、クラブの価値を尊重し、アーセナルが成長し、さらに大きくなることができる立場に置いた人物として知られたい」 「これをサー・アレックスと共有できることは、私にとって大きな名誉だ。それは、2人のボクサーが狂ったように戦い、一緒に遠くまで行くようなものです。結局のところ、敬意があり、彼と顔を合わせる絶好の機会になるだろう。おいしいワインと昔の戦いの思い出を分かち合いたい」 共に一時代を築いたファーガソン氏と共に殿堂入りしたことを喜んだヴェンゲル氏。2003-04シーズンの無敗優勝を改めて振り返った。 「勝つだけでは十分ではない。完璧を求めていくという義務が、私にとって最も重要なことだ」 「(私は選手に言った)『今、不滅になりたいのか?なりたくないのか?』」 「今、シーズン全体がどのように進んでいたのかを振り返ると、本当にクレイジーだったと感じる。あの狂気は殺すかもしれないし、驚くべきことを成し遂げさせるかもしれない」 偉業を成し遂げただけでなく、アーセナルというチームを変化させたヴェンゲル氏。就任当初は外国人監督ということもあり、実績も大きなものを残していなかったことから、懐疑的な目を向けられていたとも語った。 「私が到着した時、多くの熱を上げたとは言えない。『アーセンって誰?』知らない、フランス人。成功した歴史もないね」 「人生で欲しいものはチャンスだ。そしてそのチャンスを私は得た」 チームの改革に乗りでたヴェンゲル氏。まずはチームのトレーニングの方法と、選手の栄養面に着手したという。 「選手たちはバスの中で『マーズバー(チョコレートバー)が欲しい』と唱っていた。私はそれを全て禁止した」 食事やアルコールなども当時は現代のように注意されていなかった中、しっかりと管理することを始めたヴェンゲル氏。その成果もあり、フェイマスフォーと呼ばれる強固なバックラインの守備を生かした退屈なサッカーをするチームから、見るものを魅了する攻撃的なアタッキングサッカーに変貌を遂げさせ、多くのファンと共にタイトルを手にしていった。 「全てを捧げた。ファンは私がクラブに忠実であり、全てを捧げたことを認めてくれている」 「クラブは良いポジションに居る。銀行には資金があり、素晴らしいスタジアム、素晴らしいトレーニングセンター、そして多くのトロフィーを獲得してきた」 かつての教え子で、無敗優勝時にはキャプテンを務めていたパトリック・ヴィエラ氏は「無敗でシーズンを終えることができると思っていたのは彼だけだった」と当時を回想。「アーセンがアーセナルで成し遂げたこと。そして彼が長い政権を築いたことは、2度と起こらないだろう」と偉業を成し遂げたヴェンゲル氏を称えた。 また、同様にキャプテンを務め、現在のアーセナルを率いるミケル・アルテタ監督は「彼はクラブを変えた。これほど影響力のある監督は他にいないだろう。彼は世界のフットボールに脅威的な影響を与えてきた」と称賛の言葉を送った。 アルテタ監督は、ヴェンゲル氏が成し遂げた無敗優勝以来のプレミアリーグ制覇を目指して戦っている最中。果たして、久々のプレミアリーグのタイトルを獲得できるのか注目だ。 <span class="paragraph-title">【動画】プレミアリーグの殿堂入りを果たしたヴェンゲル氏、懐かしい映像も</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="xtM3k5NWUwQ";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2023.03.29 21:25 Wed

イングランド代表の人気記事ランキング

1

イングランド代表のユニフォームが変? ファンが気づいた異変はベテランキットマンのまさかのミス…「間違ってしまった」

ヨーロッパでもついに始まった2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選。そんな中、イングランド代表のユニフォームが話題となっている。 トーマス・トゥヘル監督が新たに就任したイングランド。予選では、ホームにアルバニア代表を迎え、2-0で勝利を収めた。 トゥヘル監督にとっての初陣であり、W杯予選の初戦でしっかりと勝利したイングランド。そんな中、ユニフォームの変化が話題を呼んでいた。 イングランドのキットを使用しているイングランド。ユーロ2024から継続して使われているユニフォームは、前面の中央に選手の背番号が示されていた。 しかし、アルバニア戦では、右胸のナイキのロゴの下に背番号がついており、この変化にファンが注目。何かを示しているのではないかと憶測が広がった。 SNS上でも話題となったこの事象だが、イングランド代表のベテランキットマンである、パット・フロスト氏が理由を説明。ただのミスだと認めた。 あるファンがX(旧ツイッター)上でフロスト氏に問いかけると、返信で「1枚目のユニフォームのプリントをした時に間違った位置にしてしまった。だから、全部同じ場所で印刷する必要があった」とコメント。「月曜日にいつもの場所に戻した。気づいてくれてありがとう」と、ラトビア代表戦では元の位置に戻るとした。 なんとも激レアなユニフォームとなった今回の一件。フロスト氏は、2003年からイングランドサッカー協会(FA)で働いており、男子、女子のユースチームからスタートし、現在はA代表のキットマンにまで昇進。ベテランでも凡ミスを起こしてしまうことはあるようだ。 <span class="paragraph-title">【写真】イングランド代表のユニフォームが間違いに…キットマンが釈明</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">Printed the 1st shirt and put them in wrong place so then had to do them in all in same place,back to the usual spot on Monday…..but well done for noticing</p>&mdash; Pat Frost (@KitmanPat) <a href="https://twitter.com/KitmanPat/status/1903376177122701315?ref_src=twsrc%5Etfw">March 22, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.03.23 15:05 Sun
2

イングランド代表、ラトビア戦で外れる2名が決定…トゥヘル監督「最も才能のある26人の選手ではなく、適切なチームを見つけること」

イングランド代表のトーマス・トゥヘル監督が、ラトビア代表戦で外れる3名を決定した。 トーマス・トゥヘル監督が就任したイングランド代表。21日には初陣で2026年北中米W杯の欧州予選のアルバニア代表戦を行い勝利を収めていた。 トゥヘル監督にとっての初陣で白星となった中、第2戦のラトビア戦が開催。26名の選手を招集していた中で、ベンチ入り23名を再び選ぶこととなった。 アルバニア戦では、GKアーロン・ラムズデール(サウサンプトン)、MFモーガン・ギブス=ホワイト(ノッティンガム・フォレスト)、DFジャレル・クアンサー(リバプール)が外れていた中、アルバニア戦で負傷したFWアンソニー・ゴードン(ニューカッスル・ユナイテッド)が離脱していた。 残り2名で外れるのは、ニューカッスルのDFヴァレンティノ・リヴラメントと、ラムズデールの2名。リヴラメントはアルバニア戦でベンチ入りも出番はなく、今回の活動では出番なしで終了することとなった。なお、アルバニア戦で外れていたギブス=ホワイト、クアンサーはベンチ入りすることとなる。 トゥヘル監督はこの決定について「最高のチームを見つけるために、プロセスを正しく実行する必要がある」とコメント。「もしそれが、非常に優秀で才能のある選手をチームから外すことを意味するのであれば、これは起こり得ることだ。今後16カ月で重要なのは、最も才能のある26人の選手ではなく、適切なチームを見つけることだ」と語った。 また「チームを正しい方向に導く必要がある。チームスピリットを正しく保つ必要がある。予選を戦うことと、トーナメントでプレーすることは別問題だからだ」とし、しっかりと予選を勝ち抜くことがまずは大事だとした。 2025.03.24 23:45 Mon
3

新生イングランドが連勝スタート! R・ジェームズの初ゴールとなる芸術FK弾にケインが2戦連発【2026年W杯欧州予選】

2026年北中米ワールドカップ(W杯)欧州予選グループK第2節、イングランド代表vsラトビア代表が24日に行われ、ホームのイングランドが3-0で快勝した。 トーマス・トゥヘル新体制の初陣となったアルバニア代表戦を2-0の勝利で飾った新生イングランド。連勝を狙った今回の一戦ではアンドラ代表との初戦を1-0で制したラトビアをホームで迎え撃った。 前節からは先発4人を変更。ウォーカー、バーン、カーティス・ジョーンズ、フォーデンに代えてリース・ジェームズ、グエイ、ボーウェン、ロジャーズを起用した。 [5-4-1]の後ろ重心で臨んだラトビアに対して、立ち上がりから攻勢を仕掛けたイングランド。相手を完全に押し込んだものの、アタッキングサードでは外回りの攻撃を強いられてなかなか崩し切れない。逆に、GKピックフォードと味方DFの連係ミスからあわやという場面も作られる。 決定機まであと一歩という場面が目立つなか、22分にはビッグチャンス。右CKの二次攻撃からベリンガムのシュートのこぼれ球に反応したコンサがゴール前で左足シュートを枠に飛ばすが、ここは相手GKの圧巻のセーブに阻まれた。続く24分にはジェームズの浮き球右クロスをゴール前のケインが頭で合わすが今度は枠の上に外れた。 前半半ばを過ぎて左サイドのラッシュフォードの単騎突破に加え、中央のベリンガムやロジャーズのコンビネーションと攻め手を増やしてゴールの匂いをさせ始めたホームチームは“飛び道具”で先制に成功する。 38分、ボックス手前右の好位置で得たFKの場面でキッカーのジェームズが枠の外側から巻く見事な右足のシュートをゴール右上隅に突き刺し、直近のアルバニア戦で2年ぶりの代表復帰を果たしたなか、復帰2戦目で嬉しいスリーライオンズでの初ゴールを挙げた。 先制後は畳みかける攻めでシュートを浴びせ続けたイングランドだったが、前半だけでシュート17本の猛攻も追加点を奪うまでには至らなかった。 後半も大きく戦い方を変えないアウェイチームに対して引き続き主導権を握ったイングランド。ただ、押し込みながらも崩し切れない状況は変わらず。61分にはボーウェンを下げてエゼを、67分にはカードトラブルのリスクがあったベリンガムを下げてフォーデンを投入した。 すると、一連の交代直後の68分には右サイドでタメを作ったロジャーズがポケットに侵入したライスを使って完璧なグラウンダーの折り返しが供給されると、ファーにフリーで顔を出したケインが左足で難なく合わせて新体制2試合連続ゴールとした。 この2点目でラトビアが前に出始めると、イングランドはカウンターからトドメの3点目を奪取。76分、フォーデンのスルーパスで左サイドのスペースに抜け出したエゼがボックス左に持ち込んで細かいステップワークでDF2枚を翻弄。最後はカットインの形で放った右足シュートが相手DFにディフレクトして大きくコースが変わると、これがGKの反応の逆を突く形でゴールネットを揺らした。 ジェームズに続くエゼの代表初ゴールで勝負を決めると、トゥヘル監督は直後に3枚替えを敢行。ルイス=スケリー、ライス、ラッシュフォードに代えてウォーカー、ヘンダーソン、ジョーンズを一気にピッチへ送り込んだ。 その後、果敢にゴールを狙うロジャーズを中心に4点目にも迫ったスリーライオンズだったが、3-0のままゲームをクローズ。攻撃面では引き続き課題は残しながらも2戦連続クリーンシートでの連勝スタートとなった。 また、同日行われたアルバニア代表vsアンドラ代表は、レイ・マナイの2ゴールの活躍などによってホームのアルバニアが3-0の勝利。2戦目で初勝利を挙げている。 イングランド代表 3-0 ラトビア代表 【イングランド】 リース・ジェームズ(前38) ハリー・ケイン(後23) エベレチ・エゼ(後31) 2025.03.25 06:40 Tue
4

「まだ改善の余地がある」連勝スタートも気を引き締めるトゥヘル監督…「少し幸運だった」ベリンガム交代理由も説明

新指揮官就任から連勝スタートを飾ったイングランド代表のトーマス・トゥヘル監督だが、チームにさらなる改善を求めた。 イングランドは24日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)欧州予選グループK第2節でラトビア代表と対戦し、3-0で快勝した。 2-0で勝利した初陣のアルバニア代表戦から先発4人を変更して臨んだホームゲーム。前半は後ろ重心のアウェイチームの堅守を前に攻めあぐねたが、前半38分にDFリース・ジェームズが代表初ゴールとなる見事な直接FKを決めて先制に成功。 1点リードで折り返した後半も守備的な戦い方を継続した相手に苦戦も、68分にFWハリー・ケインの2試合連続ゴール。76分には途中出場のMFエベレチ・エゼに代表初ゴールが生まれ、終わってみれば3-0の勝利となった。 同試合後、ドイツ人指揮官は「簡単な試合ではなかった」とピンチこそなかったものの、攻撃面で手を焼いた一戦を振り返った。イギリス『スカイ・スポーツ』が伝えている。 「まだ改善の余地がある」 「しかし、クリーンシートでの2連勝。相手に大きなチャンスを作らせなかったという部分では、多くのポジティブな点がある。チャンスをモノにするにはフリーキックが必要だった。姿勢、エネルギー、意欲に満足している。それがあれば必ずや勝利できる」 また、先制点をチームにもたらしたチェルシー時代の教え子については「彼のキックとクオリティが素晴らしいことはわかっていた」とその活躍に目を細めた。 「彼は自分のパフォーマンスに誇りと喜びと満足を感じる権利がある。彼は素晴らしい状態だ。招集したとき、彼がそれほど多くの試合に出場していないことはわかっていたが、それはケガのせいではないこともわかっていた。彼ら(チェルシー)は彼を大事にし、管理していた。彼はシャープで体調も良く、クオリティに関して疑いの余地はない」 さらに、フル出場で2点目の起点となるなど攻撃の起点として機能したFWモーガン・ロジャーズについては「全体的に彼に満足している」とそのパフォーマンスを評価。 トップ下とサイドと2つのポジションでの起用となったなか、「我々が優勢な試合では、サイドでプレーする方が彼には向いていると思う。彼をサイドに配置すると、より自由を感じ、ダイナミックな動きを身につけることができる。ハーフスペースよりも少しだけスペースがあった。選手のことや試合のことを学ぶことができるので興味深いし、それは良いことだ」と、今後に向けて自身にとっても選手にとっても良いトライになったと感じている。 一方で、後半半ばにベンチへ下げたMFジュード・ベリンガムに関しては「我々は少し幸運だった」と、2枚目の警告で退場の可能性も十二分にあり得た状況のなかでリスク回避のために交代させたことを認めている。 「ジュード・ベリンガムの状況では、何が起きてもおかしくなく、突然イエローカードやレッドカードが出る可能性がある」 「そうなるとすべてがひっくり返る可能性があり、ベンチから交代を決めた。ただ、最初のイエローカードはちょっと厳しかったと思う」 「一方で、2枚目(後半序盤のアフターチャージ)はイエローカードになる可能性があった。彼にとって厳しかったが、すぐに交代させた」 「私の見立てでは、少し疲労もあったと思う。だが、(退場の)リスクを冒したくなかったから彼を交代させた」 2025.03.25 14:10 Tue
5

「プレーできて嬉しい」鮮やかFK弾のR・ジェームズ、代表でのプレーに喜び「この2年半はフラストレーションだったけど…」

チェルシーのDFリース・ジェームズが、久々に招集されたイングランド代表での活躍を喜んだ。イングランドサッカー協会(FA)が伝えている。 ジェームズは24日に行われた2026年北中米ワールドカップ(W杯)欧州予選グループK第2節のラトビア戦で先発。チェルシーで度重なる負傷に苦しめられていた選手にとって、これが2023年以来となる代表戦スタメンだった。 久々の舞台で、ジェームズは38分にFKを直接叩き込み先制点を記録する活躍を披露。トーマス・トゥヘル監督が新たに率いるチームはその後も相手を圧倒し、3-0の完勝を収めている。 試合後、ジェームズは久々の代表でのプレーに喜びを露わにしつつ、チェルシーでも仕事を共にしたトゥヘル監督と共に目標を成し遂げたいと意気込んだ。 「(最後に代表でプレーしてから)長い時間が経ったよ。この2年半はフラストレーションが溜まっていたから、再び代表に招集されて、プレーできて嬉しかった」 「(得点シーンは)壁を見て、曲げて決められると感じたんだ。そしてありがたいことに、ゴールネットにボールを入れることができた。入った時は驚いたよ。GKに止められるかもしれないとは思ったけど、リプレイを見るとそれは難しかったようだ」 「監督の考えは明確で、彼が来た瞬間から目標は設定されていた。僕たちには1つの目標があり、それはこの代表ウィークから始まったんだ。それをワールドカップまでに構築し続けなければならない」 2025.03.25 12:20 Tue

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly