復活した川崎フロンターレ/六川亨の日本サッカーの歩み
2024.04.01 18:20 Mon
J1リーグは第5節を終了して、初昇格の町田が鳥栖を3-1で下して開幕からの不敗記録を過去最長タイの5試合に伸ばした。札幌、鳥栖に連勝しての首位固めだが、チーム状況からすれば当然の連勝と言えるだろう。過去には02年に仙台が5試合連続不敗の記録を作ったが、町田が不敗記録を更新できるのか。第6節、4月3日の相手は無敗で5位につける難敵・広島だけに、町田の真価が問われる一戦になりそうだ。さて第5節は等々力競技場での川崎F対FC東京戦を取材した。中断前の第4節でFC東京は福岡に3-1と快勝して今シーズン初勝利をあげた。FW荒木遼太郎を“0トップ"に起用する布陣が奏功し、トップ下のMF松木玖生とのコンビで攻撃陣をリード。長友佑都とバングーナガンデ佳史扶の両SBの攻撃参加から大量3点を奪った。
一方の川崎Fは、開幕戦こそ湘南に2-1と競り勝ったものの、その後は3連敗で15位に沈んでいた。DF陣に負傷者が続出したのと、残留か移籍かで悩んでいた右SB山根視来が年明けにロサンゼルス・ギャラクシーへ移籍したため補強が後手に回ったことも低迷の一因だった。
1月21日にファンウェルメスケルケン際を獲得できたのは好材料で、富士フィルム杯では決勝点をあげたものの、開幕戦で右SBに入ったのは本来左SBの佐々木旭で、第3節の京都戦からはMF橘田健人をコンバートしてのやりくりだった。チーム状況からすればFC東京が有利かと思われたが、川崎FもGKチョン・ソンリョンが3試合ぶりに復帰するなど好材料もあった。
そして鬼木達監督は懸案の右SBに、これまた左サイドが本職の瀬川祐輔を起用。橘田を本来の中盤の戻すと同時に、それまでの逆三角形から橘田と瀬古樹のダブルボランチに代え、脇坂泰斗をトップ下に置く三角形に変更した。
脇坂の先制点こそ、左SB三浦颯太のクロスをCB木本恭生がブロックしたものの、これが左ポストに当たってこぼれるという幸運も重なった。しかしその後の2点は左サイドから崩した川崎Fらしいゴール。GK波多野豪がFWエリソンを倒して一発レッドで数的優位な状況ではあったが、82分に同時交代で出場したMF山内日向汰(Jデビュー初ゴール)とFW山田新が1分後に結果を出すなど、鬼木采配が的中しての快勝だった。
敗れたFC東京は荒木の“0トップ"がジェジエウに完璧に封じ込まれたのは誤算だったかもしれない。荒木は4試合で4ゴールとチームのトップスコアラーだ。いずれのゴールも彼の得点嗅覚とセンスが結実した素晴らしいゴールである。しかしながら、チームとしての形があってのゴールではないところが判断の難しいところ。次の試合もゴールが期待できるかどうかは、その場になってみないとわからない。
これが例えば昨シーズンまで在籍したアダイウトンなら、ハーフラインを越えて彼の足元にパスを出せば、強引なドリブル突破からペナルティーエリアに侵入し、豪快なシュートを決めた。彼の個人技によるゴールとはいえ、いい形でパスを出せば一人で決定機を作れた。
しかし荒木には、どういう形でパスを出せばゴールの確率が高まるのか見えてこないのだ。このため、このまま“0トップ"を採用するのは、相手に研究されている以上、得策とは言えない。さらにディエゴ・オリヴェイラの衰えも気になるところ。それでも1トップとしてのファーストチョイスは彼しかいないのではないだろうか。浦和、鹿島と続く“国立シリーズ"は早くも正念場と言える。
一方の川崎Fは、開幕戦こそ湘南に2-1と競り勝ったものの、その後は3連敗で15位に沈んでいた。DF陣に負傷者が続出したのと、残留か移籍かで悩んでいた右SB山根視来が年明けにロサンゼルス・ギャラクシーへ移籍したため補強が後手に回ったことも低迷の一因だった。
そして鬼木達監督は懸案の右SBに、これまた左サイドが本職の瀬川祐輔を起用。橘田を本来の中盤の戻すと同時に、それまでの逆三角形から橘田と瀬古樹のダブルボランチに代え、脇坂泰斗をトップ下に置く三角形に変更した。
橘田を中盤に戻すことで川崎Fはミドルサードでの強度が増した。素早いトランジションでFC東京の松木玖生、高宇洋、小泉慶にプレッシャーをかけて中盤での自由を奪う。ジェジエウと高井幸大のCBコンビも荒木に仕事らしい仕事をさせず、ハーフライン付近からのシュート1本に押さえ込んだ。
脇坂の先制点こそ、左SB三浦颯太のクロスをCB木本恭生がブロックしたものの、これが左ポストに当たってこぼれるという幸運も重なった。しかしその後の2点は左サイドから崩した川崎Fらしいゴール。GK波多野豪がFWエリソンを倒して一発レッドで数的優位な状況ではあったが、82分に同時交代で出場したMF山内日向汰(Jデビュー初ゴール)とFW山田新が1分後に結果を出すなど、鬼木采配が的中しての快勝だった。
敗れたFC東京は荒木の“0トップ"がジェジエウに完璧に封じ込まれたのは誤算だったかもしれない。荒木は4試合で4ゴールとチームのトップスコアラーだ。いずれのゴールも彼の得点嗅覚とセンスが結実した素晴らしいゴールである。しかしながら、チームとしての形があってのゴールではないところが判断の難しいところ。次の試合もゴールが期待できるかどうかは、その場になってみないとわからない。
これが例えば昨シーズンまで在籍したアダイウトンなら、ハーフラインを越えて彼の足元にパスを出せば、強引なドリブル突破からペナルティーエリアに侵入し、豪快なシュートを決めた。彼の個人技によるゴールとはいえ、いい形でパスを出せば一人で決定機を作れた。
しかし荒木には、どういう形でパスを出せばゴールの確率が高まるのか見えてこないのだ。このため、このまま“0トップ"を採用するのは、相手に研究されている以上、得策とは言えない。さらにディエゴ・オリヴェイラの衰えも気になるところ。それでも1トップとしてのファーストチョイスは彼しかいないのではないだろうか。浦和、鹿島と続く“国立シリーズ"は早くも正念場と言える。
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「勝っていい形で終えたい」東京Vの木村勇大が一足早く迎える今季最終戦へ意気込み「自分の成長した姿をファン・サポーターに見てもらえるように」
東京ヴェルディのFW木村勇大が、一足早く迎える今シーズン最終戦への意気込みを語った。 6位の東京Vは30日、味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第37節で13位の川崎フロンターレと対戦する。 この試合はチームにとってホーム最終戦となるが、MF山田楓喜とともに京都サンガF.C.から期限付き移籍で加入中の木村は、12月8日に行われる最終節の対戦相手が保有元の京都となるため、川崎F戦が今季の最終戦となる。 プロ1年目となった昨シーズンは京都、育成型期限付き移籍でプレーしたツエーゲン金沢で思うようなプレーができなかった木村だが、アカデミー時代を過ごした古巣でその才能を完全に開花。 城福浩監督、森下仁志コーチらの厳しくも熱心な指導を受け、開幕から前線の主軸を担うと、第2節の浦和レッズ戦でJ1初ゴール。以降もコンスタントにゴールを重ねると、前半戦だけで9ゴールを記録した。 その後、10試合ノーゴールにスタメン落ちも経験したが、第29節の柏レイソル戦で2桁ゴールを達成。現在は7試合ゴールなしの状況だが、強靭なフィジカルを活かしたボールキープに献身的な守備で好調のチームの前線において抜群の存在感を示している。 この最終戦を前に、木村は35試合10ゴールといずれもキャリアハイを記録した飛躍の1年を回想。 プレシーズンから奈良輪雄太コーチや能城裕哉コンディショニングコーチ、トレーナー陣のサポートもあって元来丈夫だった自慢のフィジカルに磨きをかけ、被ファウル数でリーグ上位、攻守にハイインテンシティを要求されるチームスタイルながら、契約上プレーできない京都戦を除くフル稼働には自身としても手応えを感じている。 「高校のときはケガが多かったですけど、それ以降は少ないタイプではありますけど、これだけ出ることはやっぱりなかったので、不安な部分もありました。うまく自分の体と相談しながらここまでやれていると思います」 「こうやって出続けるシーズンは初めてで、そのなかで連戦とか、いまのように間が空いたりとか、いろんな状況がありましたけど、そのなかでもしっかり試合に向けて心も体も持っていくというサイクルはある程度できてきたと思います。実際ここまでケガなくやれていますし、この次の試合に向けてもいい状態を保てています」 インターナショナルマッチウィークの中断に加え、先週末は天皇杯決勝の開催に伴いリーグ戦がなく、前節のヴィッセル神戸戦から約20日を経て臨む一戦に向けては「強度の高い練習をして、オフを挟んでというところをしっかり繰り返せているので、チームとしても個人としてもコンディションは悪くない」と、調整面では大きな問題はないと語る。 一方で、「チャンスもピンチもあった試合」と振り返った前回対戦(0-0△)、直近では浦和との“45分試合”、ACLのブリーラム戦の連戦を1勝1分けで終えている川崎Fに対して「相手はすごく攻撃的なチームなので、どういう流れになるかわからないですけど、相手も連戦を戦っているという部分でコンディションもいいと思うので、最初の勢いとか入りの部分というところが、勝負を分けると思うので、いい入りができるようにしたい」と、立ち上がりの重要性を説いている。 また、有終の美を飾るべく狙う8試合ぶりのゴールに向けては「ゴール前の入りの部分」をポイントに挙げる。 「意外と最近の試合ではボールが持ててクロスを上げられてという展開があるなかで、なかなかそこに絡めないので、入るのもそうですけど自分の頭を越えた後の折り返しとか、ゴール前の混戦のところ。そこでいかにおいしいポイントに自分が入れるかというのが大事。そういうゴール前の入りとか、ゴールが決められる場所に自分が入れるように、そういうゴール前への入りをこだわりたいです」 「もちろん試合に出ている以上はずっと狙っていますし、そのなかでここ数試合は取れていないので、最後に決めて、個人としてもそれが一番いい形だと思うので、そういう感じで終われるようにゴールにこだわってやりたいです」 最後に、木村は「この1年ですごく成長させてもらいましたし、次の試合が今年緑のユニフォームを着て戦う最後の試合になるので、いい試合にしたいですし、自分の成長した姿をしっかりとファン・サポーターの皆さんに見てもらえるように。あとは勝ってなんぼだと思うので、勝っていい形で終えたいです」と、ホーム最終戦での勝利へ意気込んだ。 2024.11.29 20:42 Fri3
来季のJ1は2月14日開幕、J2&J3は15日! ルヴァンカップは浦和、神戸、川崎F、横浜FMがプライムラウンド、広島がプレーオフラウンドから出場
Jリーグは25日、2025シーズンの大会方式について発表した。 2025シーズンは大きな大会方式変更はないものの、YBCルヴァンカップに関しては、FIFAクラブワールドカップに出場する浦和レッズ、AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)に出場しているヴィッセル神戸、川崎フロンターレ、横浜F・マリノスに関してはプライムラウンドから出場。AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)に出場しているサンフレッチェ広島は、プレーオフラウンドから出場する。 また、明治安田J1リーグ、J2リーグ、J3リーグの開幕日も決定。J1は2月14日(金)に開幕。J2とJ3は2月15日(土)に開幕。ルヴァンカップは3月20日(木・祝)に1回戦が開催され、決勝は未定となっている。 シーズン開幕を告げるFUJIFILM SUPER CUP 2025は2月8日(土)に国立競技場で開催。2024シーズンの明治安田J1リーグ王者と天皇杯王者のヴィッセル神戸が対戦。神戸がJ1で優勝した場合は、J1で2位のクラブが出場する。 ◆2025シーズン大会日程 【明治安田J1リーグ】 開幕日:2月14日(金) 最終節:12月6日(土) 【明治安田J2リーグ】 開幕日:2月15日(土) 最終節:11月29日(土) 【明治安田J3リーグ】 開幕日:2月15日(土) 最終節:11月29日(土) 【FUJIFILM SUPER CUP 2025】 開催日:2月8日(土) 【YBCルヴァンカップ】 開幕日:3月20日(木・祝) 決勝:未定 【J1昇格プレーオフ】 準決勝:12月7日(日) 決勝:12月13日(土) 【J2昇格プレーオフ】 準決勝:12月7日(日) 決勝:12月14日(日) 【J3・JFL入れ替え戦】 第1戦:12月7日(日) 第2戦:12月14日(日) 2024.11.25 17:14 Mon4
「あの試合から出始めていろいろな成長ができた」東京Vの千田海人が川崎Fとの再戦に臨む
東京ヴェルディのDF千田海人が、J1デビューを果たした川崎フロンターレとの再戦に臨む。 2023年にブラウブリッツ秋田から東京Vに加入した千田は、加入1年目となった昨シーズンにセンターバックのバックアッパーとして16年ぶりのJ1昇格に貢献。 加入2年目となった今シーズンは明治安田J1リーグ第2節の浦和レッズ戦でベンチ入りを果たして以降はベンチ外が続いていたが、4月20日にアウェイで行われた第9節の川崎F戦(0-0△)で、29歳でのJ1デビューを果たした。 その一戦ではJ1屈指のクオリティを誇る攻撃陣を相手に出色のパフォーマンスを披露し、デビュー戦での勝利はならずも今季リーグ戦で初のクリーンシートをもたらした。 この活躍をきっかけにレギュラーを掴むと、夏場に一時ポジションを失ったものの、ここまでリーグ戦25試合に出場。[3-4-2-1]のディフェンスラインの中央で、DF谷口栄斗とともに守備の統率者として安定したパフォーマンスを見せている。 そして、30日に味の素スタジアムで行われる第37節ではキャリアのターニングポイントとなった相手との再戦に臨む。 強靭なフィジカルを生かした地対空の対人戦を最大の特長としながらも、ディフェンスリーダーらしい冷静さを併せ持ち、一喜一憂しない落ち着いた性格の186cmのDFは、J1デビューから7カ月を経ての再戦に向けて「目の前の一試合として戦います」と、あくまで普段通りの意識で臨む構えだ。 とはいえ、3バック変更後初めて対戦し、今季のチームのターニングポイントになったヴィッセル神戸との対戦を引き合いに出しつつ、「個人の話をするのであれば、あの試合から出始めて僕自身も今年の試合のなかでいろいろな成長ができた部分もある」、「個人的な部分も含め結果に結び付けられれば、チームも良くなっていくと思いますし、そこの部分をしっかりとピッチで見せられれば」と、あくまで主語は“チーム”であるものの、川崎Fを相手に個人としても成長を実感できるような試合を見せたいと語った。 その前回対戦からは東京Vが布陣を変更した一方、対戦相手もメンバーの入れ替えに加え、プレースタイルの部分でマイナーチェンジが図られている。 その対戦相手の印象について千田は「低いところでも繋ぐ感じを見せながら、意外とシンプルに前線を使ってくるところは使ってくる」と若干の変化を感じながらも、「フロンターレの良さというところをずっと選手が意識しながらやっているイメージ。ボランチも自由に動いていますし、サイドにもいい選手がいる。そこで自分たちも苦しめられると思うので、しっかり分析しながら相手の良さを消したい。あとはずっと相手のペースにさせず、自分たちがボールを握れる時間帯をたくさん作れればと思います」と、根本的な部分では大きな変化はないとみている。 前回対戦で見応え十分のマッチアップを見せたFWエリソン、後半戦に入って完全にゴールスコアラーとして覚醒し、得点ランキング4位の16ゴールを挙げるFW山田新ら多士済々の相手攻撃陣に対しては「キープ力があり、周りとの関係性もいい。2人とも個人でシュートまで持っていける選手」とその能力の高さを改めて警戒。その上で「しっかりと後ろでコミュニケーションを取りながら対応したい」としている。 一方、攻撃面ではシステム上のミスマッチでの優位性の作り方、攻撃的なサイドバックの背後、切り替えの攻防といった部分がキーになるとみている。 「あまり長いボールを蹴ってこないので、そこのところでの切り替えを高い意識でやらせるのと、しっかりリスクマネジメントをしながら、そこを前の選手にやってもらうというところにこだわっていきたいと思います。あとはサイドバックの裏のスペースをどう使っていくか」 また、直近のホームゲーム3試合では前半の比較的早い時間帯の失点が続いており、チームとしては大きな改善点だ。 その点について千田も「一番大事な時間帯で失点してしまうと、やっぱり試合は難しく進んでしまう。前回も相手のストロングのところでやられているので、ちゃんと全員が危機感を持って対応していくというところを、より一層引き締める必要があります」と、毎試合のことながら入りの改善を訴えた。 最後に、千田はホーム最終戦に向けて「J1に上がって初めての年でどういうふうに終わっていくかということはヴェルディの来年にも繋がると思いますし、そういう部分でこの2試合は大事。サポーターの方にとっては今年の締めくくりだと思いますし、やっぱりいい形で『今年ヴェルディを応援してきてよかったな』、『見ていておもしろいな』とか、何か感じてもらえるような試合やプレーを見せられたらいいなと思うので、最後は勝って終わりたいです」と、ファン・サポーターに勝利を誓った。 2024.11.29 20:00 Fri5