王者カタールがパレスチナ撃破でベスト8進出! 今大会初失点もアフィフ1G1Aで逆転勝ち【アジアカップ2023】

2024.01.30 03:03 Tue
Getty Images
アジアカップ2023のラウンド16、カタール代表vsパレスチナ代表が29日に行われ、2-1で逆転勝利したカタールが準々決勝進出を決めた。

大会連覇を狙うホスト国のカタールはグループステージを3連勝で首位通過。ベスト8進出を狙う決勝トーナメント初戦ではグループCを3位通過したパレスチナと対戦した。

試合前のスタジアムの盛り上がりとは一転して、試合は静かな立ち上がりに。
ボールの主導権を握って後方から丁寧に組み立てるカタールはピッチの幅を使いつつ、要所で中央を使って攻め手を窺う。ただ、全体的に動きの量やパススピードが遅く、パレスチナの守備を揺さぶり切れない。

一方、自陣に相手を引き込んでのロングカウンターを軸に応戦するパレスチナ。19分にはマハイナの強烈なミドルシュートでゴールを脅かすと、26分にもボックス左に持ち込んだアブ・ワルダが左足アウトにかけた技ありのシュートで再び相手GKにファインセーブを強いる。
前半半ば以降は接触プレーと治療の影響でプレーが切れるシーンが目立つと、その流れでミスを犯したカタールの隙を突いたパレスチナが先制点を奪う。

37分、最後尾での繋ぎの局面で右サイドのDFアル・ラウィが不用意に内側へ下げたバックパスをダッバーグがまんまとインターセプト。DF2枚を相手にそのままドリブルで仕掛けると、DFとGKのタイミングを外す絶妙な左足シュートをゴール右隅へ流し込んだ。

痛恨のミスから今大会初失点を喫したカタールはすぐさま反撃を開始。ただ、ここまでの流れと同様に攻撃のテンポがなかなか上がらない。それでも、試合巧者のディフェンディングチャンピオンは前半ラストプレーで追いつく。

前半アディショナルタイム6分、カタールは右CKの場面でサインプレーを選択。ボックス中央に長身選手を配置してニアにじりじりと動かして相手守備を引っ張ると、左ポスト付近から外側を回る動きで空いたPKスポットに走り込んだアル・ハイドスがキッカーのアフィフのグラウンダーのマイナスパスを右足ダイレクトで合わす。これがゴール前の密集でDFにディフレクトしゴールネットに突き刺さった。

辛くもイーブンで試合を折り返したカタールはハーフタイムで2枚替えを敢行。より攻撃的な布陣で活性化を狙う。すると、その姿勢が開始早々の逆転ゴールに繋がった。

49分、アフィフのスルーパスに抜け出したアルモエズ・アリがDFサーレに倒されてPKを獲得。これをキッカーのアフィフが冷静に中央へ蹴り込んだ。

試合を引っくり返したカタールはここからゲームコントロール優勢の戦い方にシフト。前に出てきたパレスチナをいなしつつ、不用意なボールロストを避けて試合を落ち着かせる。

その後はゴール前よりも中盤でのバトルが目立つクローズな展開が続く。欲を言えば、カウンターでトドメの3点目がほしいカタールだったが、最後のところで粘るパレスチナを前に決定機まで持ち込めない。

それでも、このまま2-1でクローズしたカタールがパレスチナを退けて順当にベスト8進出を決めた。

カタール代表 2-1 パレスチナ代表
【カタール】
アル・ハイドス(前51)
アフィフ(後4[PK])
【パレスチナ】
ダッバーグ(前37)

カタールの関連記事

パリ・オリンピックの出場権を逃したU-23カタール代表のイリディオ・ヴァレ監督が、U-23日本代表戦を振り返った。アジアサッカー連盟(AFC)が伝えた。 25日、AFC U23アジアカップ準々決勝でカタールは日本と対戦した。今大会の開催国であり、グループAを首位通過したカタール。A代表はアジアカップを連覇中であり 2024.04.26 12:52 Fri
U-23日本代表のMF藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)が、U-23カタール代表戦を振り返った。 25日、AFC U23アジアカップの準々決勝で日本はカタールと対戦した。 ここで負ければパリ・オリンピック行きの可能性がなくなる両国。開催国であるカタールとの一戦だったが、開始2分に山田楓喜のゴールで日本が幸先 2024.04.26 08:30 Fri
U-23日本代表のFW山田楓喜(東京ヴェルディ)が、U-23カタール代表戦を振り返った。 25日、AFC U23アジアカップの準々決勝で日本はカタールと対戦した。 ここで負ければパリ・オリンピック行きの可能性がなくなる両国。開催国であるカタールとの一戦だったが、開始2分に山田のゴールで日本が幸先良く先制する 2024.04.26 08:15 Fri
U-23日本代表のFW細谷真大(柏レイソル)が、U-23カタール代表戦を振り返った。 25日、AFC U23アジアカップの準々決勝で日本はカタールと対戦した。 ここで負ければパリ・オリンピック行きの可能性がなくなる両国。開催国であるカタールとの一戦だったが、開始2分に山田楓喜のゴールで日本が幸先良く先制する 2024.04.26 07:15 Fri
U-23日本代表の大岩剛監督が、U-23カタール代表戦を振り返った。 25日、AFC U23アジアカップの準々決勝で日本はカタールと対戦した。 ここで負ければパリ・オリンピック行きの可能性がなくなる両国。開催国であるカタールとの一戦だったが、開始2分に山田楓喜のゴールで日本が幸先良く先制する。 24分 2024.04.26 06:45 Fri

アジアカップの関連記事

シンガポール代表は21日、国際親善試合でネパール代表に0-1と敗戦した。 シンガポール代表は昨年2月より小倉勉監督が指揮。W杯アジア二次予選が進むなかでの新体制となったなか、同予選は結局敗退も、格上・中国代表と2-2で引き分けた試合が、華人社会のシンガポールとあって大きく称賛された。 そこからおよそ1年、強 2025.03.22 22:31 Sat
アジアカップ2031は中央アジアで開催か。 近年競争力が高まったアジアのサッカー。 中央アジアに目を向けると、ウズベキスタン代表、キルギス代表が2026年W杯最終予選に進出し、ウズベクは現在A組2位で本大会初出場へ視界良好。マンチェスター・シティへ移籍したDFアブドゥコディル・クサノフ(20)を筆頭に、若い 2025.02.26 15:32 Wed
AFC U20女子アジアカップのグループA最終節の2試合が各地で行われ、U-20オーストラリア女子代表と、U-20韓国女子代表がノックアウトステージ進出と、8月末からコロンビアで開催されるU-20女子ワールドカップ(W杯)の出場権を獲得した。 引き分け以上でグループステージ突破が決まる2連勝中のオーストラリアは、 2024.03.09 22:30 Sat
アジアサッカー連盟(AFC)は7日、5月に開催される『AFC U17女子アジアカップインドネシア2024』の組み合わせ抽選会を実施した。 2022年大会は新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行のために中止となり、AFC U-16女子選手権から名称変更後、今回が初開催となる。 2019年大会以来、 2024.03.07 20:15 Thu
韓国代表FWソン・フンミン(トッテナム)が内紛騒動に終止符を打った。 アジアカップ2023では、準決勝でヨルダン代表に敗れてベスト4に終わった韓国。大会後には、準決勝前日にチーム内で騒動が起こっていたことが報じられていた。 騒動はヨルダン戦前日の食事中に起きており、先に食事を終えたイ・ガンイン(パリ・サンジ 2024.02.21 12:05 Wed

カタールの人気記事ランキング

1

ユナイテッド買収目指す富豪シェイク・ジャシム氏、ベールに包まれた素顔が少しずつ明らかに

マンチェスター・ユナイテッドの買収に動くカタール人富豪、シェイク・ジャシム・ビン・ハマド・アル・タニ氏(41)の人となりが見えてきた。 現オーナーのグレイザー・ファミリーが売却交渉を進めているユナイテッド。カタール元首相の息子であり、カタール・イスラム銀行の会長を務めるシェイク・ジャシム氏、イギリスの化学会社『INEOS』の創始者であるサー・ジム・ラドクリフ氏が買収に名乗りを上げている。 現段階ではユナイテッドがどちらの手に渡るか釈然としない状況だが、ベールに包まれたシェイク・ジャシム氏の素顔は筋金入りのユナイテッドファンだという。 イギリス『サン』は「シェイク・ジャシム氏がユナイテッドを買収した場合、ファンは不安に陥る必要はない」とし、同氏の目的がアジア系オーナーにありがちな「自らのエゴを高めるためだけの買収」ではないとしている。 どうやらユナイテッドの公式戦は昔から全てチェックしているようで、約10年間のグレイザー・ファミリー体制については「投資が不足している」と評価しているとのことだ。 また、イギリス『The Athletic』によると、シェイク・ジャシム氏はイギリスの王立陸軍士官学校を卒業しており、かつてはクレディ・スイスに勤務。自らを「JJ」と呼び、書類へのサインも「JJ」と記入するなど一風変わった面があるという。 そんなシェイク・ジャシム氏だが、現段階ではグレイザー・ファミリーに買収額として50億ポンド(約9170億円)を提示。交渉がまとまり次第、即座に経営権を引き継ぐべく、必要書類の準備を整えているとのことだ。 なお、筋金入りのユナイテッドファンゆえのアイデアなのか、レジェンドであり、元監督でもあるオーレ・グンナー・スールシャール氏(50)に何らかの役職でオファーを出すつもりであるとみられている。 2023.07.01 14:41 Sat
2

日本は1つ下がるもアジアトップ、カタールが21ランク浮上! 2024年最初のFIFAランキング発表

国際サッカー連盟(FIFA)は15日、最新のFIFAランキングを発表。2024年最初のランキング発表となる。 1月はアジアカップとアフリカ・ネーションズカップ(CAN)が開催。その中で、アジアカップを制したカタールが21ランクアップの37位に浮上。CANを優勝したコートジボワールは10ランクアップし、39位に浮上した。 また、アジアカップでベスト8で敗退となった日本代表は1ランク下げて18位となったが、アジアトップはキープしている。その他、CANの準優勝となったナイジェリアは14ランク上げて28位。アジアカップ準優勝のヨルダンは17ランク上げて70位となった。 なお、試合を行なっていないトップ10の国は入れ替えなし。上位では、モロッコが12位に浮上し、アメリカが代わりに13位に転落した。 ◆全体上位 ()内=前回順位 1.アルゼンチン(1) 2.フランス(2) 3.イングランド(3) 4.ベルギー(4) 5.ブラジル(5) 6.オランダ(6) 7.ポルトガル(7) 8.スペイン(8) 9.イタリア(9) 10.クロアチア(10) 11.ウルグアイ(11) 12.モロッコ(13)↑ 13.アメリカ(12)↓ 14.コロンビア(14) 15.メキシコ(15) 16.ドイツ(16) 17.セネガル(20)↑ 18.日本(17)↓ 19.スイス(18)↓ 20.イラン(21)↑ 21.デンマーク(19)↓ 22.韓国(23)↑ 23.オーストリア(24)↑ 24.ウクライナ(22)↓ 25.オーストラリア(24) 26.スウェーデン(26) 27.ハンガリー(27) 28.ナイジェリア(42)↑ 29.ウェールズ(29) 30.ポーランド(31)↑ ◆アジア上位10カ国 18.日本(17) 20.イラン(21) 22.韓国(23) 23.オーストラリア(25) 37.カタール(58) 53.サウジアラビア(56) 59.イラク(63) 66.ウズベキスタン(68) 69.UAE(64) 70.ヨルダン(87) 2024.02.15 21:40 Thu

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly