【2023-24ラ・リーガ前半戦総括】超WS選出の最優秀選手はベリンガム
2024.01.11 20:04 Thu
◆レアル・マドリーが伏兵ジローナと一騎打ち
開幕前には連覇を狙うバルセロナ、レアル・マドリーとアトレティコ・マドリーのマドリード2強による三つ巴の争いが予想されたなか、唯一安定したパフォーマンスを継続したレアル・マドリーが大躍進を遂げたジローナと同じ勝ち点45ながら得失点差と当該成績で上回って冬の王者に輝いた。
バルセロナ、アトレティコを抑えて2位に大躍進したのはミラクル・ジローナ。プリメーラ復帰を果たした昨季は10位と躍進を果たし、開幕時点では一桁順位でのフィニッシュは予想されたものの、ここまでの躍進を予想する者はいなかった。しかし、就任3年目のミチェル監督の戦術浸透に加え、『シティ・フットボール・グループ(CFG)』のスカウト網や独自のルートで補強したFWドヴビク、FWサヴィオ、DFブリントら新戦力補強が嵌り、首位チームと同じ成績に加えてリーグ最多46得点を挙げる文句なしの内容で2位に大躍進した。
その2チームに7ポイント差を付けられて3位のバルセロナ(勝ち点41)は、勝ち点差以上にパフォーマンスの差を見せつけられる厳しい序盤戦となった。MFブスケッツ、DFジョルディ・アルバら重鎮がクラブを離れたなか、DFカンセロ、DFイニゴ・マルティネス、MFギュンドアン、MFロメウ、FWフェリックスらを補強。開幕7勝3分けの10戦無敗と内容面は別として悪くない滑り出しを見せたが、ホーム開催のエル・クラシコでショックが残る逆転負けで今季初黒星を喫すると、以降は中盤を中心に負傷者が重なった結果、個人任せのチャビ監督の采配の限界を露呈。攻守両面でチグハグな戦いに終始し、後半戦に向けても不安を残す前半戦となった。
MF久保建英を擁するレアル・ソシエダ(勝ち点32)は、チャンピオンズリーグ(CL)との二足の草鞋を履いて臨んだ今季の前半戦を6位で終えた。インテルと同居したCLのグループステージを首位通過するなどその実力は本物だが、リーグ戦では8勝8分け3敗と勝ち切れない試合が目立った。リーグ3位の19失点と守備は安定している一方、久保ら一部選手への依存が顕著な攻撃は上位チームと比べて物足りない30得点と振るわず。また、昨季からの継続課題であるリード時のクローズの拙さを改善できず。それが引き分けの多さに繋がった印象だ。後半戦に向けては代表戦の影響で久保ら不在の後半序盤戦を何とか乗り切り、FWサディクやFWアンドレ・シウバらセンターフォワードの奮起が必要となる。
オトラ・リーガではアトレティコを抑えてトップ4圏内で前半戦を終えたアスレティック・ビルバオ(勝ち点38)の見事な戦いぶりに加え、リーグ2位の堅守を武器にトップハーフの10位でフィニッシュしたラス・パルマス(勝ち点25)、8位のヘタフェ(勝ち点26)らがポジティブな前半戦を過ごした。
一方、いずれも2度の指揮官更迭に踏み切った13位のビジャレアル(勝ち点19)、16位のセビージャ(勝ち点16)は負傷者の多さも相まって失望の前半戦に。
残留争いでは唯一未勝利で前半戦を終えた最下位のアルメリア(勝ち点5)、19位のグラナダ(勝ち点11)の2チームに加え、百戦錬磨の智将ラファエル・ベニテス新監督を招へいした17位のセルタ(勝ち点16)辺りが厳しい状況に陥っている。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆MFジュード・ベリンガム(レアル・マドリー)
新加入で首位チームを牽引。昨夏、メガクラブ同士による熾烈な争奪戦の末に1億300万ユーロ+アドオンのビッグディールでエル・ブランコに加入したイングランド代表MF。過去にジネディーヌ・ジダンが着用した背番号5を背負うことになった万能型MFは、ここまで17試合に出場し、リーグ得点ランキングトップの13ゴールに2アシストを記録。
シーズン序盤は[4-3-1-2]のトップ下で機動力のある2トップとの連携、ボックス内でのストライカー顔負けの動き出しを武器に開幕4試合連続ゴールを記録。さらに、クラシコデビューでの圧巻のドブレーテなど20歳とは思えない驚異的な勝負強さで数々の重要な得点を奪った。
また、チーム事情でシーズン途中からは[4-4-2]の左サイドを主戦場としているが、ここでも攻守両面で気の利いた仕事を見せている。得点感覚、チャンスメーク、球際の強さ、戦術眼と中盤に求められるすべての要素をコンプリートする怪物は文句なしの前半戦の主役だった。
★最優秀監督
◆ミチェル(ジローナ)
ミラクル・ジローナを2位躍進に導く。多くのアクシデントに見舞われながらレアル・マドリーを首位に導いたアンチェロッティ監督、アスレティックのバルベルデ監督の手腕も見事だったが、今季ヨーロッパリーグで最大のサプライズとなっているミラクル・ジローナを率いる48歳のスペイン人指揮官を最優秀監督に選出した。
現役時代にラージョ・バジェカーノで活躍し、その古巣で指導者キャリアをスタートしたミチェル監督はそのラージョ、ウエスカでセグンダ優勝に導く手腕を発揮。また、2021-22シーズンに就任したジローナでも就任1年目に昇格プレーオフを制してプリメーラ昇格に導いた。前述の2クラブではプリメーラの高い壁を実感したが、昨季は初めてフルシーズン指揮して10位での残留に導いた。
前述の有能なタレントを迎え入れた今季は可変式の[4-2-3-1]の攻撃的なポゼッションスタイルにさらに磨きをかけ、安定したビルドアップ、流動的なポジションチェンジでずれを作る崩し、多彩なフィニッシュワークでリーグ最多46得点を記録。失点数は上位陣で最多の24失点と改善の余地を残すが、それを補って余りある攻撃力と勝負強さで勝ち点を重ねる。また、バルセロナ、アトレティコとの上位対決で見せた試合中の修正力、的確な用兵とチームを勝たせる優れた采配も印象的だった。
【期待以上】
★チーム
◆アスレティック・ビルバオ
大躍進ジローナの陰でトップ4圏内維持。プリメーラ復帰でトップハーフに食い下がるラス・パルマスにジローナのインパクトは強烈だが、内容の伴った堅実な戦いぶりで4位フィニッシュとなったアスレティックも前半戦の主役を担ったチームのひとつだ。
昨季に古巣帰還となったバルベルデ監督の下、ヨーロッパコンペティションにわずかに届かない8位フィニッシュとなったバスクの名門。昨夏の移籍市場ではイニゴ・マルティネスがバルセロナへ旅立った一方、バスク純血主義を貫く影響で純粋な補強はマジョルカを退団したMFルイス・デ・ガラレタのみとなったが、レサマ育ちの若手の成長を軸に昨季以上の好チームに仕上げてきた。
ここ数年は守備の安定感が際立つ一方、得点力不足が課題となっていたが、今季の前半戦ではバルセロナと並ぶ4位タイの36ゴールを記録。凄み増すイニャキとニコのウィリアムズ兄弟に加え、昨季から辛抱強く起用してきたFWグルセタが8ゴールと覚醒の兆しを見せるほか、MFサンセトも効果的にゴールに絡む。さらに、昨季ブレイクのDFビビアンに加え、今季ブレイクのDFパレデスがコンビを組むセンターバック、守護神ウナイ・シモンの守備陣も安定感を誇る。アトレティコ、ソシエダが後半戦に巻き返してくることは間違いないが、前半戦のパフォーマンスを維持できれば悲願のトップ4フィニッシュも十分に可能なはずだ。
★選手
◆FWブライアン・サラゴサ(グラナダ)
大ブレイクでバイエルン行き勝ち取る。ジローナFWサヴィオやラス・パルマスMFキリアン・ロドリゲス、バレンシアのMFハビ・ゲラらの活躍も印象的だったが、プリメーラ初挑戦から瞬く間にラ・ロハデビュー、バイエルン移籍を成し遂げた22歳のシンデレラボーイを選出した。
生まれ故郷マラガの地元クラブでのプレーを経て2019年にグラナダのカンテラに加入した164cmのウイングは、エル・エヒド、グラナダのリザーブチームでのプレーを経て昨季からグラナダのファーストチームに定着。そして、プリメーラ昇格に貢献すると、今季はここまで18試合6ゴール2アシストを記録。
左右のウイングを主戦場に爆発的なスピードとテクニックを活かした勝負度胸に優れるドリブル突破に加え、シュート感覚やボックス内での冷静さを併せ持つ得点力に優れるアタッカーはバルセロナ戦は圧巻のドブレーテを達成。バイエルン移籍決定後はチームの不振と共にややパフォーマンスが落ちてきているが、後半戦で再び状態を上げて残留を置き土産にミュンヘンへ旅立ちたい。
【期待外れ】
★チーム
◆セビージャ
混迷抜け出せず。昨シーズンはロペテギ、サンパオリと2人の指揮官を解任し、シーズン終盤に就任したメンディリバル監督の下で12位での残留に加え、ヨーロッパリーグ(EL)制覇という望外の結果を手にしたセビージャ。捲土重来を期して臨んだ今季は敏腕スポーツディレクターのモンチ氏がアストン・ビラに旅立ったなか、ビクトル・オルタ新SDの下でMFソウ、MFスマレ、FWルケバキオ、DFペドロサらを補強。さらに、守備の改善を図るため、ウルトラスの反発を押し切ってDFセルヒオ・ラモスを呼び戻す荒療治も敢行した。
しかし、今季も開幕から低調なスタートを切ると、序盤にメンディリバル監督を解任。その後任に前ウルグアイ代表指揮官のディエゴ・アロンソを後任に指名したが、ヨーロッパでの実績皆無の新指揮官招へいが完全に裏目に。コパ・デル・レイを除きラ・リーガ、CLで未勝利に終わった結果、12月に今季2度目の解任を決断した。
そして、3人目の指揮官としてキケ・フローレス新監督を招へいしたが、多くのケガ人の影響もあって即時の改善には至らず。ここまで3勝7分け9敗の16位で前半戦を終えた。今冬の移籍市場では手薄な前線、中盤を中心に若手逸材の補強に動いているが、後半戦で本来の実力を取り戻せるか。
★選手
◆MFオリオル・ロメウ(バルセロナ)
ほろ苦い古巣帰還に。セビージャやビジャレアルの一部主力やアトレティコDFソユンジュ、ラ・レアルのセンターフォワード陣も振るわないパフォーマンスだったが、前半戦で苦戦した昨季王者の新加入選手を選出した。
昨夏、ブスケッツらが退団した中盤の穴埋めとしてジローナから帰還を果たした32歳は、中盤に負傷者が目立ったなか、ここまでリーグ戦14試合(先発9)に出場。ブスケッツと同じ役割をこなせないことは百も承知での獲得だったが、ビルドアップ、崩しの局面で明確な戦術を落とし込めない指揮官の手腕の問題もありアンカーのポジションで効果的なプレーはできず。また、守備の局面でも期待されたボール奪取、フィルター役をこなすことができず。ここ最近では自信喪失からイージーミスが目立ち、半年も経たずに実質構想外の状況に。今冬に放出の可能性も取り沙汰されるが、財政難のクラブが中盤に新戦力を迎え入れることができなければ、今季終了までベンチを温めることになりそうだ。
開幕前には連覇を狙うバルセロナ、レアル・マドリーとアトレティコ・マドリーのマドリード2強による三つ巴の争いが予想されたなか、唯一安定したパフォーマンスを継続したレアル・マドリーが大躍進を遂げたジローナと同じ勝ち点45ながら得失点差と当該成績で上回って冬の王者に輝いた。
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今夏の移籍市場ではメガクラブ間の争奪戦を制したMFベリンガムを補強したものの、絶対的エースFWベンゼマの明確な後釜を獲得することなく継続路線で臨んだレアル・マドリー。近年の代名詞だった[4-3-3]から[4-3-1-2]、[4-4-2]に布陣を変更した上、開幕直前から開幕後の数試合で守護神クルトワ、DFミリトンがヒザ前十字じん帯断裂の重傷で守備の要を失うアクシデントに見舞われて厳しい序盤戦が想定されたが、ベリンガムの圧巻の勝負強さとアンチェロッティ監督の傑出した調整力によって開幕5連勝を達成。その後、第6節のマドリード・ダービーで初黒星を喫したものの、これで崩れることなく劇的な勝利を飾ったエル・クラシコ、ジローナ相手の3-0の快勝など安定した戦いぶりを見せた。この間に度重なる負傷者に悩まされたが、代役を担うMFブラヒム・ディアスやDFルーカス・バスケスらの活躍もあって15勝3分け1敗に40得点11失点という見事な戦績で前半戦を首位でフィニッシュした。その2チームに7ポイント差を付けられて3位のバルセロナ(勝ち点41)は、勝ち点差以上にパフォーマンスの差を見せつけられる厳しい序盤戦となった。MFブスケッツ、DFジョルディ・アルバら重鎮がクラブを離れたなか、DFカンセロ、DFイニゴ・マルティネス、MFギュンドアン、MFロメウ、FWフェリックスらを補強。開幕7勝3分けの10戦無敗と内容面は別として悪くない滑り出しを見せたが、ホーム開催のエル・クラシコでショックが残る逆転負けで今季初黒星を喫すると、以降は中盤を中心に負傷者が重なった結果、個人任せのチャビ監督の采配の限界を露呈。攻守両面でチグハグな戦いに終始し、後半戦に向けても不安を残す前半戦となった。
昨シーズンの後半戦を考えると、優勝も十分に可能と思われたアトレティコ(勝ち点38)は5位で前半戦を終えた。手薄なバックラインを中心にテコ入れを図ったなか、これまでの堅守を維持しつつFWグリーズマンとFWモラタが牽引する攻撃も機能。今季初のマドリード・ダービーに完勝するなどホームでは圧倒的な戦績を残した。しかし、バルセロナ、ジローナのライバル相手の敗戦に加え、バレンシア、ラス・パルマスといった格下相手に敗戦を喫するなどアウェイでの低調な戦績が上位陣との勝ち点差に繋がった。後半戦の巻き返しに向けてはこの部分の改善が必須だ。
MF久保建英を擁するレアル・ソシエダ(勝ち点32)は、チャンピオンズリーグ(CL)との二足の草鞋を履いて臨んだ今季の前半戦を6位で終えた。インテルと同居したCLのグループステージを首位通過するなどその実力は本物だが、リーグ戦では8勝8分け3敗と勝ち切れない試合が目立った。リーグ3位の19失点と守備は安定している一方、久保ら一部選手への依存が顕著な攻撃は上位チームと比べて物足りない30得点と振るわず。また、昨季からの継続課題であるリード時のクローズの拙さを改善できず。それが引き分けの多さに繋がった印象だ。後半戦に向けては代表戦の影響で久保ら不在の後半序盤戦を何とか乗り切り、FWサディクやFWアンドレ・シウバらセンターフォワードの奮起が必要となる。
オトラ・リーガではアトレティコを抑えてトップ4圏内で前半戦を終えたアスレティック・ビルバオ(勝ち点38)の見事な戦いぶりに加え、リーグ2位の堅守を武器にトップハーフの10位でフィニッシュしたラス・パルマス(勝ち点25)、8位のヘタフェ(勝ち点26)らがポジティブな前半戦を過ごした。
一方、いずれも2度の指揮官更迭に踏み切った13位のビジャレアル(勝ち点19)、16位のセビージャ(勝ち点16)は負傷者の多さも相まって失望の前半戦に。
残留争いでは唯一未勝利で前半戦を終えた最下位のアルメリア(勝ち点5)、19位のグラナダ(勝ち点11)の2チームに加え、百戦錬磨の智将ラファエル・ベニテス新監督を招へいした17位のセルタ(勝ち点16)辺りが厳しい状況に陥っている。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆MFジュード・ベリンガム(レアル・マドリー)
Getty Images
新加入で首位チームを牽引。昨夏、メガクラブ同士による熾烈な争奪戦の末に1億300万ユーロ+アドオンのビッグディールでエル・ブランコに加入したイングランド代表MF。過去にジネディーヌ・ジダンが着用した背番号5を背負うことになった万能型MFは、ここまで17試合に出場し、リーグ得点ランキングトップの13ゴールに2アシストを記録。
シーズン序盤は[4-3-1-2]のトップ下で機動力のある2トップとの連携、ボックス内でのストライカー顔負けの動き出しを武器に開幕4試合連続ゴールを記録。さらに、クラシコデビューでの圧巻のドブレーテなど20歳とは思えない驚異的な勝負強さで数々の重要な得点を奪った。
また、チーム事情でシーズン途中からは[4-4-2]の左サイドを主戦場としているが、ここでも攻守両面で気の利いた仕事を見せている。得点感覚、チャンスメーク、球際の強さ、戦術眼と中盤に求められるすべての要素をコンプリートする怪物は文句なしの前半戦の主役だった。
★最優秀監督
◆ミチェル(ジローナ)
Getty Images
ミラクル・ジローナを2位躍進に導く。多くのアクシデントに見舞われながらレアル・マドリーを首位に導いたアンチェロッティ監督、アスレティックのバルベルデ監督の手腕も見事だったが、今季ヨーロッパリーグで最大のサプライズとなっているミラクル・ジローナを率いる48歳のスペイン人指揮官を最優秀監督に選出した。
現役時代にラージョ・バジェカーノで活躍し、その古巣で指導者キャリアをスタートしたミチェル監督はそのラージョ、ウエスカでセグンダ優勝に導く手腕を発揮。また、2021-22シーズンに就任したジローナでも就任1年目に昇格プレーオフを制してプリメーラ昇格に導いた。前述の2クラブではプリメーラの高い壁を実感したが、昨季は初めてフルシーズン指揮して10位での残留に導いた。
前述の有能なタレントを迎え入れた今季は可変式の[4-2-3-1]の攻撃的なポゼッションスタイルにさらに磨きをかけ、安定したビルドアップ、流動的なポジションチェンジでずれを作る崩し、多彩なフィニッシュワークでリーグ最多46得点を記録。失点数は上位陣で最多の24失点と改善の余地を残すが、それを補って余りある攻撃力と勝負強さで勝ち点を重ねる。また、バルセロナ、アトレティコとの上位対決で見せた試合中の修正力、的確な用兵とチームを勝たせる優れた采配も印象的だった。
【期待以上】
★チーム
◆アスレティック・ビルバオ
Getty Images
大躍進ジローナの陰でトップ4圏内維持。プリメーラ復帰でトップハーフに食い下がるラス・パルマスにジローナのインパクトは強烈だが、内容の伴った堅実な戦いぶりで4位フィニッシュとなったアスレティックも前半戦の主役を担ったチームのひとつだ。
昨季に古巣帰還となったバルベルデ監督の下、ヨーロッパコンペティションにわずかに届かない8位フィニッシュとなったバスクの名門。昨夏の移籍市場ではイニゴ・マルティネスがバルセロナへ旅立った一方、バスク純血主義を貫く影響で純粋な補強はマジョルカを退団したMFルイス・デ・ガラレタのみとなったが、レサマ育ちの若手の成長を軸に昨季以上の好チームに仕上げてきた。
ここ数年は守備の安定感が際立つ一方、得点力不足が課題となっていたが、今季の前半戦ではバルセロナと並ぶ4位タイの36ゴールを記録。凄み増すイニャキとニコのウィリアムズ兄弟に加え、昨季から辛抱強く起用してきたFWグルセタが8ゴールと覚醒の兆しを見せるほか、MFサンセトも効果的にゴールに絡む。さらに、昨季ブレイクのDFビビアンに加え、今季ブレイクのDFパレデスがコンビを組むセンターバック、守護神ウナイ・シモンの守備陣も安定感を誇る。アトレティコ、ソシエダが後半戦に巻き返してくることは間違いないが、前半戦のパフォーマンスを維持できれば悲願のトップ4フィニッシュも十分に可能なはずだ。
★選手
◆FWブライアン・サラゴサ(グラナダ)
Getty Images
大ブレイクでバイエルン行き勝ち取る。ジローナFWサヴィオやラス・パルマスMFキリアン・ロドリゲス、バレンシアのMFハビ・ゲラらの活躍も印象的だったが、プリメーラ初挑戦から瞬く間にラ・ロハデビュー、バイエルン移籍を成し遂げた22歳のシンデレラボーイを選出した。
生まれ故郷マラガの地元クラブでのプレーを経て2019年にグラナダのカンテラに加入した164cmのウイングは、エル・エヒド、グラナダのリザーブチームでのプレーを経て昨季からグラナダのファーストチームに定着。そして、プリメーラ昇格に貢献すると、今季はここまで18試合6ゴール2アシストを記録。
左右のウイングを主戦場に爆発的なスピードとテクニックを活かした勝負度胸に優れるドリブル突破に加え、シュート感覚やボックス内での冷静さを併せ持つ得点力に優れるアタッカーはバルセロナ戦は圧巻のドブレーテを達成。バイエルン移籍決定後はチームの不振と共にややパフォーマンスが落ちてきているが、後半戦で再び状態を上げて残留を置き土産にミュンヘンへ旅立ちたい。
【期待外れ】
★チーム
◆セビージャ
Getty Images
混迷抜け出せず。昨シーズンはロペテギ、サンパオリと2人の指揮官を解任し、シーズン終盤に就任したメンディリバル監督の下で12位での残留に加え、ヨーロッパリーグ(EL)制覇という望外の結果を手にしたセビージャ。捲土重来を期して臨んだ今季は敏腕スポーツディレクターのモンチ氏がアストン・ビラに旅立ったなか、ビクトル・オルタ新SDの下でMFソウ、MFスマレ、FWルケバキオ、DFペドロサらを補強。さらに、守備の改善を図るため、ウルトラスの反発を押し切ってDFセルヒオ・ラモスを呼び戻す荒療治も敢行した。
しかし、今季も開幕から低調なスタートを切ると、序盤にメンディリバル監督を解任。その後任に前ウルグアイ代表指揮官のディエゴ・アロンソを後任に指名したが、ヨーロッパでの実績皆無の新指揮官招へいが完全に裏目に。コパ・デル・レイを除きラ・リーガ、CLで未勝利に終わった結果、12月に今季2度目の解任を決断した。
そして、3人目の指揮官としてキケ・フローレス新監督を招へいしたが、多くのケガ人の影響もあって即時の改善には至らず。ここまで3勝7分け9敗の16位で前半戦を終えた。今冬の移籍市場では手薄な前線、中盤を中心に若手逸材の補強に動いているが、後半戦で本来の実力を取り戻せるか。
★選手
◆MFオリオル・ロメウ(バルセロナ)
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ほろ苦い古巣帰還に。セビージャやビジャレアルの一部主力やアトレティコDFソユンジュ、ラ・レアルのセンターフォワード陣も振るわないパフォーマンスだったが、前半戦で苦戦した昨季王者の新加入選手を選出した。
昨夏、ブスケッツらが退団した中盤の穴埋めとしてジローナから帰還を果たした32歳は、中盤に負傷者が目立ったなか、ここまでリーグ戦14試合(先発9)に出場。ブスケッツと同じ役割をこなせないことは百も承知での獲得だったが、ビルドアップ、崩しの局面で明確な戦術を落とし込めない指揮官の手腕の問題もありアンカーのポジションで効果的なプレーはできず。また、守備の局面でも期待されたボール奪取、フィルター役をこなすことができず。ここ最近では自信喪失からイージーミスが目立ち、半年も経たずに実質構想外の状況に。今冬に放出の可能性も取り沙汰されるが、財政難のクラブが中盤に新戦力を迎え入れることができなければ、今季終了までベンチを温めることになりそうだ。
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株式会社コナミデジタルエンタテインメントは21日、FWルイス・スアレスが『eFootball™』のアンバサダーに就任すること発表した。 ウルグアイ代表のエースとしても活躍したスアレス。今回新たにアンバサダーに就任したことで、すでにアンバサダーであったリオネル・メッシ、ネイマールと、かつてバルセロナで“MSNトリオ”として躍動した3人が揃うこととなった。 また、今年はFCバルセロナが125周年を迎えることに。今回、『eFootball™』内で再開した“MSNトリオ”への特別インタビューが行われた。 “MSNトリオ”は、2014-15シーズンにスアレスがバルセロナに加入したことで結成。2017年夏にネイマールが移籍するまで、3シーズンの間、最強トリオが結成された。 アルゼンチン、ブラジル、そしてウルグアイと南米の強豪3カ国のエースというライバル関係でもある中で、当時トリオが揃った際の心境についてメッシは「実際のところ、すごく気楽な関係だったよ」とコメント。「元々僕たちは仲が良かったから、ピッチの中でもスムーズだった。本当に楽しかったよ」と、息の合うトリオだったと振り返った。 また、「全て自然で、強制されたものなんかじゃない」と語るメッシ。「僕たちは最初から通じ合っていて、同じことを望んでいたから、楽しい時を過ごせたんだ。ネイと僕たちは少し歳が離れているけど、気が合った。僕たち3人はいつも一緒に楽しんでいたし、それが自然だったんだ」と、無理することなくトリオとしてピッチ内外で関係を構築していったという。 ピッチ外でも仲の良い3人はオフではゲームも楽しんだとのこと。「当時は試合がたくさんあったから、ウイニングイレブンも一緒にプレーしていたよ。だけど、アウェイの試合では終わったらすぐに移動だったから、なかなか集まって遊ぶ時間は取れなかったんだ」とメッシは回想した。 バルセロナを栄光へと導き、数多くのゴールを記録してきた“MSNトリオ”は、結成1年目の2014-15シーズンには122ゴール(メッシ: 58ゴール、スアレス: 25ゴール、ネイマール: 39ゴール)を記録。これは3トップの史上最多記録となっている。 そしてこの3人の関係性を最も示している1つのシーンが話題に。2015年1月11日のラ・リーガ第18節のアトレティコ・マドリー戦で3-1と勝利を収めたなか、メッシのゴールが決まった際に3人が肩を組んで喜びを表現。この写真が世界中で大きな話題を呼んだ。 このシーンについてメッシは「もちろん、3人でセレブレーションしたあの試合は覚えているよ」とコメント。「チームとしても勝利が必要な重要な試合で、最後にゴールを決めることができた。でも、一番の思い出はあのゴールを3人で祝ったことだね」と、記憶に残っているとのこと。ネイマールも「あの試合は忘れられないものだよ」と語り、「3人がそれぞれゴールを決められたし、チーム全体の雰囲気もとても良かったんだ。全てが上手くハマって、素晴らしかった。僕たちにとって一生の思い出に残る試合だね」と、思い出深い試合だったと回想した。 世界中で話題を呼んだセレブレーションの写真についても「とても良い思い出の写真だよ。歴史的な写真とも言えるね」とメッシは振り返り、スアレスも「本当に美しい写真だよね。みんなが知らないことだけど、本当に自然に生まれた瞬間なんだ。3人が通じ合ったセレブレーションなんだよ」と、特に打ち合わせがあったわけではないとコメント。ネイマールも「あのセレブレーションは印象的だよね。実は僕も、あの写真を家に飾っているんだ」と、思い出のシーンとして家に飾っていると明かした。 メッシは「3人が揃ってゴールを祝おうとしたら、自然にあのセレブレーションになったんだ」と自然な流れだったと明かし、「3人の素晴らしい友情と、僕たちがどれだけ分かり合ってサッカーを楽しんでいたか、あの写真が物語っていると思う」と、関係性を示したシーンだとコメント。スアレスは「あのセレブレーションは友人やチームメイトに向けたものだよ。バルセロナに力を尽くしていたみんなで祝いたかったんだ」と語れば、ネイマールも「事前の打ち合わせなんて無くて、自然と3人で抱き合ったんだ」と偶然のものだとし、「3人で抱き合って祝っただけだよ。それがここまで有名なワンシーンになるなんて夢にも思わなかった。あのセレブレーションが『eFootball™』で再現されるなんて凄いね!あの感動の瞬間をいつでも見られるのは感慨深いよ」と、今回『eFootball™』内でも再現されることを喜んでいた。 <span class="paragraph-title">【動画】伝説の“MSNトリオ”、名シーンが『eFootball™』で再現!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="XZdJVL3E-MM";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.11.21 17:15 Thu2
現時点で2024年最強のゴールハンターは? 1位はクラブ&代表戦で54得点、2位タイには中国代表FWがランクイン
クラブと代表チームを合わせ、2024年に最も多くのゴールを決めている選手とは。 2024年のサッカーシーンも佳境。 インターナショナルマッチウィークは現在進行中の今回が年内ラストであり、日本のように年を跨がないリーグスケジュールを採用する国は、これから順次オフへと突入する。 では、現時点で今年最もネットを揺らしているゴールハンターとは。 1位はスポルティングCPのスウェーデン代表FWヴィクトル・ギョケレシュで「54得点」。 ビッグクラブ移籍が取り沙汰されるストライカーで、2024年中の23-24シーズンに「25得点」、24-25シーズンここまで「23得点」、代表戦で「6得点」を叩き出している。 2位には「42得点」で3選手。 バイエルンのイングランド代表FWハリー・ケイン、マンチェスター・シティのノルウェー代表FWアーリング・ハーランド、そして上海海港の中国代表FWウー・レイがランクインした。 中国代表キャプテンについては、2024シーズンの海港で公式戦「38得点」。うち中国スーパーリーグは34得点で自身2度目となる得点王に。32歳にしてキャリアハイの数字である。 ただし、ご存知の方も多い通り、33歳の誕生日に迎えるはずだったW杯アジア最終予選・日本代表戦(19日)は、おそらくケガで欠場だ。 ◆トップ6 ▽1位「54得点」 ヴィクトル・ギョケレシュ(26) スポルティング/スウェーデン代表 ▽2位「42得点」 ハリー・ケイン(31) バイエルン/イングランド代表 ▽2位「42得点」 アーリング・ハーランド(24) マンチェスター・C/ノルウェー代表 ▽2位「42得点」 ウー・レイ(32) 上海海港/中国代表 ▽5位「39得点」 マルティン・カウテルッシオ(37) スポルティング・クリスタル(ペルー1部)/代表歴なし ▽6位「38得点」 ロベルト・レヴァンドフスキ(36) バルセロナ/ポーランド代表 <span class="paragraph-title">【動画】イングランド2部時代のギョケレシュ弾</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr">Throwing it back to Viktor Gyökeres' first and last goal in the <a href="https://twitter.com/hashtag/EmiratesFACup?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#EmiratesFACup</a>! <a href="https://t.co/dPQjhhsSuk">pic.twitter.com/dPQjhhsSuk</a></p>— Emirates FA Cup (@EmiratesFACup) <a href="https://twitter.com/EmiratesFACup/status/1857361986603876757?ref_src=twsrc%5Etfw">November 15, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.11.17 22:10 Sun3
バルサ、カンプ・ノウへの帰還は延期…来年2月までは戻らず
バルセロナは20日、改修工事を行っているSpotifyカンプ・ノウの使用に関して延期することを発表した。 本拠地であるSpotifyカンプ・ノウは、老朽化に伴う全面改修工事中。日本からは日建設計が参画しており、2024-25シーズン中の完了が見込まれていた。 12月が来年1月にはカンプ・ノウの再使用が実現するとされていた中、バルセロナは延期を発表。今回の決定は、チャンピオンズリーグ(CL)のリーグフェーズでの使用スタジアム変更を禁止する欧州サッカー連盟(UEFA)の規定と、2つの大きなスタジアムを同時に稼働させるだけの物流状の困難と追加費用の問題があったとした。 バルセロナは、エスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニスを使用しているが、ラ・リーガの第21節のバレンシア戦(1月26日)、第22節のアラベス戦(2月2日)は引き続きエスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニスを使用することが決定。また、1月29日に行われるCL第8節のアタランタ戦も同スタジアムで行われる。 2024.11.20 23:00 Wed4